やべーよ目標にしてた時間オーバーしちまったぜ。
今回の話は・・・続くかもしれねぇな・・・。
いや確証はないんだけども。
実はこの後も頭では漫画的イメージがあるんだけども文章にしづらいからここまでで投稿することにしちゃったので・・・なんかすまん。
というわけで、今回もゆっくりみていってね!
それは不意に冷や水を掛けられたかのような気分だった。
だって言ったじゃないか、
私とお前は似ているって。
お前は私と一緒にいてくれるんじゃなかったのか、
嘘だった、のか・・・?
あの言葉は。
裏切りだ、
お前は私に嘘をついていたんだ、
いつものんびりした人当たりのいい笑みを顔に張り付けて、
思わせぶりな態度で私の事を惑わせて、
そうやって浮かれる私を見て、
心の中で嗤ってたんだろ。
私の気持ちなんて考えないで、
気付いてないふりでごまかして、
そうか、私と同じにすればいいんだ。
そうすればあいつと私は・・・
今日、計画を実行する。
今日は妹紅さんから夕飯に誘われて彼女の家までやってきた。
彼女からのお誘いというだけでも非常に珍しい、その上さらに夕飯は彼女の手作りだというのだから、明日は槍でも降るのかもしれない。
とはいえ、
そんな稀有な体験をするのだから、私の心は少し、いやかなり浮ついていると言ってもいい。
今回私がここまでご機嫌な理由の大部分を占めるのは二人だけで会う約束をしたからだろう。
普段彼女と会う時は決まって人里の慧音先生や、永遠亭の八意先生を介してのものがほとんどというか恐らくすべてそうだったと思う。
正直言って、彼女と会う頻度は他の人達と比べると、あまり多いとは言えず、
彼女が私に対してどんな感情を持っているのかも不明だった。
しかし、今回彼女の方から誘ってきてくれたということは、それだけ彼女と仲良くなれたのだろうと、少しは肯定的に捉えてもよいはずだ。
などと、くだらないことを考えているうちに、彼女の家に辿り着いてしまった。
彼女を呼ぼうと戸を叩こうとうとした手が止まる。
会って何を話せばいいだろうか、彼女が好きなものは何だっただろうか、
よくよく考えれば二人だけで話すことなんて、全くと言っていいほど無かったのだから、
ここに来る道中考えておくべきことは山ほどあっただろうに。
ここに来るまでそんなことにも気付かなかった自分にいささか嫌気がさす。
だからといっていつまでも家の前で立ち往生しているわけにもいかない。
私は一呼吸置いて戸を叩いた。
戸を開けて出てきた彼女は、料理をするからか、髪を後ろでひとまとめにして結んでいた。
それ以外に変わった様子はなく、普段と同じような調子で接してくれたので、私も変に気をまわす必要が無くなったことに安堵した。
「いらっしゃい、今日は悪いねわざわざ来てもらって」
「いえ、私も楽しみにしていましたから」
「・・・そっか、まぁ上がりなよ」
私の言葉を聞いた彼女の纏う雰囲気が一瞬変わったような気がした。
暗く深い海の底からこちらを覗いているような、そんな底冷えするような感覚に囚われ、
私は身体が縮こまったように動かなくなる。
「どうかしたか?」
金縛りにあったかのように動けなくなった私を救ったのは、
その原因を作ったかもしれない彼女だった。
彼女から掛けられた言葉に、先ほどまでの淀んだ雰囲気はかけらもなかった。
私の気のせい、だった・・・?
「あ、いえ何でも」
「ふふ、緊張してるんじゃないか?二人で飲むのなんて初めてだからな」
「そう、かもしれませんね・・・」
少し笑ってそう言った妹紅さんはやっぱり普段通りで、先ほどの感覚は私の勘違いだったのだろうと思いなおし、家の奥へと歩いていく妹紅さんの後を追った。
意外と言っては本人に失礼かもしれないけど、妹紅さんの作ったご飯は美味しかった。
人里で食べる物や永遠亭で食べる物とはまた違った独創性はあれど、
彼女がこれまでしてきたサバイバル生活のような経験から生まれたであろう知恵を絞った料理が出てきたときは目を丸くしてしまった。
そんな夕食に舌鼓を打った後は、晩酌の時間。
私が持ってきたお酒と、彼女の家に置いてあるお酒を持ち寄って、
縁側に二人腰かけゆるりと楽しむ。
どれだけの時間が経っただろうか。
思っていたより会話が弾んでしまったからだろうか、普段これほどまでに酔いが回るまで飲むことはないのだけれど。彼女が勧めてきたお酒が美味しかったからか、彼女自身が飲ませ上手だったからか、すっかり酔いが回ってしまい頭がふわふわしてきたかもしれない。
身体を倦怠感が襲ってきて、瞼が自分の意志とは裏腹に重く垂れ下がってくる。
「や・・・・った・」
私の意識が落ちる前、彼女が何か呟いていた
「やっとねむったか」
妹紅は隣で自分に肩を預けて眠る彼女を見て、呟いた。
彼女を家に招いた時、
一瞬彼女の言葉に燻ぶらせていた感情が燃え上がりそうになったことは、反省している。
彼女の言葉に悪気はないんだ、私が少し過剰に反応してしまっているだけで、頭ではそうわかっていても、心の部分がそれを理解することを否定する。
でもまぁ、あそこまで露骨に表に出してはだめだったと思う。
ああ見えてこいつはそう言った空気の変化に敏感に反応する。
あんな詰まらない事で今回の計画がおじゃんになってしまったらと思うと、背中に冷たいものが流れる。が、結果的にはここまでやってきたのだから問題は無かったと言っていいだろう。
ここまでくれば8割は終わったようなものだ、後は少し彼女が私を受け入れてくれればいい。
元からあまり酒を飲まない質の彼女をこうして眠らせられたのは、偏に彼女に持って行った最初の一杯に以前妹紅が使用していたよく効く眠り薬を盛った結果だ。
それでも、約一刻半もの時間、酒を飲み続けたのだから、やはり深月は普通ではなく、
自分たちと同じ領域に到達していることは間違いない。
妹紅は眠った深月を用意していた布団に寝かせ、彼女が起きるより前に、
準備をしなくてはならない。
何度練習してきたと言っても、本番はたったの一回しかない。自然と手が震える。
落ち着かないと・・・。
今の彼女でなければ意味がないのだ。
私を知っている、
私と何度となく話をした彼女でなければ。
チャンスは一度、失敗は許されない。
妹紅は成功した後の事を夢想し、不安を和らげる。
「ずっと、ずっと一緒だからな・・・みづき」
そう言って深月を眺める妹紅の表情は、月明りの差さない闇へと消えていった。