せいくりっどがーる!!!〜戦場に駆り出された聖女は回復よりも光魔法でがんばります〜 作:囚人番号虚数番
「それじゃここに勇者『5人』が揃ったことだしこの場で自己紹介でもしようよ」
ここに勇者が5人そろっているの!?てことはこの案内人さんも……
「うん、そうさ。ここには国に選ば「国に選ばれた武力のある色物共がこの場に5人揃ってしまったんです。あと一人は聖女だから4+1が正しいです」
ルナシーさんが案内人さんの言葉を遮ってそう説明した。
「……あー、色物かどうかはこれからその目で確かめて見てくれるかい?」
「勇者が……ここに。はあ、そうですか。そうですか……」
「じゃあお前らがこれから戦場を共に歩む勇者仲間ってことか。よろしくな」
「じゃあ自己紹介とかしなきゃね。誰が一番にやる?」
各自反応は人それぞれだ。私もこれから生死を共にする仲になる者たちの事は早く知っておきたい(なお既に一人から殺されかけた事は一旦放置する)。
「じゃあ、私から始めませんか?」
「それじゃあよろしくね。僕は……最後で。僕は自分の番が来るまで案内人らしく補足に徹するから」
ーーー
それから簡単に私の名前と修道院にいた事、それとあんまり戦いは好きじゃない事を紹介した。
「……という事なのでよろしくお願いします」
「修道院はたまにタダ飯食いに行ってましたね」
「シスターさんなんだー!!それで回復魔法が使えるんだね!!」
「俺は前にも聞いたな、よろしくな」
「僕から説明しておくと彼女はこの戦争の現状一番の主力になる予定だから、期待しておいてね」
「という事なので詳しい事は改めてえ"っ!?」
たった今聞き捨てならない事を案内人さんが話した気がする。他の人に同情を求めようと周りを見ると
「そうですか」
「まあ、そうなるよね」
「な、納得してるー!!」
「君が寝ているスキに二人が魔導書を読んだみたいでね。あれだけの魔法を平気な顔して使えて弱いわけないでしょ。属性相性的にも相当強い魔法まで理論上は使用可能そうだから主砲として頑張ってもらうよ」
やっぱりというか、私が回復役という希望が絶たれた気がする、いやした。
「それじゃあ次は俺で。ミツキ ミナモだ。宜しくな」
そういえばミツキさんの経歴はまだ聞いたことがない。村で冒険者の代わりをしてた事は教えてもらっているけどそれ以上は今日話してくれるのかな。
「俺はただの村の冒険者だ。たまに行くギルドじゃ英雄とか勇者とか言われてる」
「うわっ……私でも分かるくらい情報源がまるで酷いですね」
「あっギルドかー……それは……うん」
あれ?反応が悪い。私を助けた時あれだけの身体能力を発揮していたからしっかり強い筈なのに。疑問に思っていると小さな声でリューナさんが教えてくれた。
「(混乱してるセレネちゃんにお姉さんがアドバイスだよ)」
「(アドバイスって、何故貴方方はギルドと聞いて反応が微妙なんですか?それとお姉さんって!?)」
「(いいじゃんいいじゃーん!!実際セレネちゃんより年上だからお姉さんでしょ!!強いは人はギルドなんか行かずに辺鄙な所とか檻の中とか人基本的に目につかない所にいるの。だから基本他が強すぎるのもあるけれどギルドには私達より弱い人しかいないんだよ!)」
「(檻ってまさか犯罪者さんですか!?)」
「おいおい、なんでお前らそんな憐れむような目で俺を見るんだ?」
一番この状況を想定していなかったのは彼ミツキ本人だった。
「魔法は体系化こそしてないけど全属性を最上級まで使えるし剣術体力もギルド最高峰とかなんだけどなにか問題でも?まさか俺が弱すぎるのか?」
「うん。確かに君は田舎の辺境にいるギルド最強の冒険者で村人な君は有名人だよ。だけど知名度だけが取り柄の君を戦争に採用する価値はない、弱いから。ギルドの宣伝と物資提供の為の人柱として頑張ってね」
「あ、そうゆう事でしたか。道理でこんな3秒で殺せるような風の前の塵がここにいる訳ですね」
「言い方ァ!!どうしてこんなボロクソなんだ!!??」
「(因みにルナシーさんはああ言ってますがリューナさんは?ミツキさんがああなら私の本格的に出る幕がある気がしないです)」
「(ミツキちゃんはパワー、スピード共に不十分だね。知識も微妙だし。セレネちゃんは職業柄回復ができるしそもそもの運用法が違うと思うから心配しないで。それにセレネちゃんには魔法の知識があるでしょ。自身持って!!)」
逆に他の三人はどれだけ強いのか気になる。それと結局情報量は増えないままだった。
「3番目は私!!リューナ クロートザック、王立大学に通う一般魔女っ子だよ」
リューナさん曰く、普段は国一番の研究室で最先端の魔法の研究をしているらしく、その噂を聞きつけた軍から収集がかかったらしい。
戦力としての特徴は全属性の魔法の取得、かつその膨大な魔力の量だ。大学での研究成果である最先端魔法から使用者一桁のマイナーな魔法まで余すことなく使用可能というらしい。その道では国最強を聞かれれば彼女の名前がまず挙がるほど。後で個人的に新しい回復魔法を教えていただきたい。
「王立大学の学生さんですか。お勉強好きなんですね。何年生ですか?」
「いや?僕の手元のデータによると彼女は違うよ」
「そうですよセレネさん。勉強なんて馬鹿がやること誰が好きになるんですか」
「そーだよ!!リューナちゃんは大学生じゃなくて教授、つまり大大大天才なのだー!!」
「へー教授さんで……え!?」
そして、案内人さんからの追加説明が入る。彼女は19歳なのに既に教授という恐ろしい立場に就いているという。現在の高度な魔法に使用されている魔法の式は大抵彼女の研究成果で発見されたらしい。古めの魔導書しか持っていなかった為私は知らなかったが最新の魔導書には何処にでも名前が載るという程の有名人でもあり自称天才もあながち間違えではない。
「国家主導の教育機関のトップがこんなんで平気なのか?」
「平気な訳無いでしょうこんなの。それと貴方のいたギルドも似たようなもんです」
「魔法の事なら安心して、分からないことがあったら手取り足取り教えてあげるからお姉さんにいつでも聞いてね!」
「その体、女教師、手取り足取り……ふふふっ」
案内人さんは今間違いなく不純でいやらしい妄想をしている。下品な笑みが気持ち悪い。
「それとどうしてそんなやべえ服装なんだ?」
ミツキさんありがとうございます。それは私も気になる所だ。
「動きやすいから!」
「(えええええええええ!?そんな理由で!?)」
「ルナシー ローケプヘン。魔法は使えませんが接近戦が得意です。よろしくお願いします」
彼女は最低限の情報のみを話して話を終わらせた。
「それだけですか」
「ええ。私にはそれしかないので」
「それじゃあ僕から補足。彼女は黒き森出身の人間であり人型の化け物さ。時にミツキ君、森の大神の名前は知ってるかい?彼女はその化け物の孫だよ」
森の大神?聞いたことがない。しかし、ミツキさんはその名前に心当たりがあるのか名前が出た途端顔が真っ青になった。
「森の大神ってギルドだと一類禁忌指定神話生物のクエストに入ってたような」
「禁忌指定は母で大神は祖母です。あと周辺地域侵入が二類だと思います」
「お母さんも強いんだ!!いいなー身近に強い人がいて」
彼らはその言葉の意味を知っているらしいのだが無知な私はその言葉を聞いても特に意味が分からない。どうゆうことが説明してほしい。
「簡潔に言いますと彼女がその気になれば戦争が終わります」
「ん?それなら私達いらなくないですか?」
「制御不能で暴走、敵見方第三者見境なしに喧嘩をふっかけて世界から生物が死滅します。本当にこんな人の様な何かに挑もうとする馬鹿を抑制してくれるのだけがギルドの唯一の取り柄です」
私より人間兵器じゃん!そもそもその人本当に人間なのか?
「だから代わりに話の通じる彼女に参戦してもらったのさ。ま、彼女も相当なバトルジャンキーで血の気の多い方だけどね」
話が通じるとは何かの冗談なのだろうか?私、殺されかけましたけど。
「強い奴と殺し合うつもりでいたのに貴方みたいな腰抜けと当たったら誰だって普通はキレます」ナタシャ-キン
「ルナちゃん病院に武器持ち込みは危ないよ。お姉さんが没収だー!!」
あ、多分これルナシーさんとは分かり合えないな。心のなかでそっと呟く。
「それじゃあ最後は僕かな?」
最後は案内人の方だ。先程までの名前を考えてみるとあと出てきていない勇者は黒姫 Black Queenさんだけだ。
「他の人は名前出ちゃったし僕は簡単でいいよね」
「僕はクロヒメ ナツメ。二つ名はBlack Queen」
案内人の名前はナツメさんだった。彼女は一体何ができるのだろう。
「さあ、なら当ててみてくれるかい」
「当ててって、お前ら分かるか?セレネと俺戦い方見てないし」
「……格闘家ですか?」
ルナシーさんが答えた。
「えー!!ルナちゃん分かるの?私全く分かんなかったんだけど」
「……さっきからルナちゃん呼びしてますが止めて頂けませんか」
「ほう?理由は?」
「そうだ、俺も理由が聴きたい。正直こんなヒョロそうな奴が拳握ってる姿想像できないな」
「歩き方、それと姿勢。何処かで矯正しました?」
歩き方……彼女らしい視点だ。接近戦で修羅場をくぐり抜けてきた彼女なら体の動かし方の癖から何かを読み取ったのかもしれない。その真意は治療特化の私にはさっぱりだけど。
「動きの節々が時々不自然です。私もそうですが接近戦ばっかりしていると戦いの癖が日常出でてきてしまうんですナツメさんの場合時々動作が荒々しくなります。主に足、歩き方が若干がに股気味になってますね。姿勢の方は……」
「残念、不正解。確かに少しばかり戦いの心得はあるけど私はただの司令塔だから表には出てこないよ。だけど別の方がバレちゃったか、さすが接近戦特化」
話している途中でナツメさんが答えを言ってしまった。だけど別の方とは……?
「本職は軍事系のお仕事。だけど今は勇者5人の特殊部隊の司令役。つまり私は戦わないで君たちに王様から下された軍の面倒事を聞き流して君達に投げる役割だよ」
「つまり軍人って事か。本職の階級は?」
「騎士団長」
………
………………?
「「「「騎士団長(かよ!!)(ですか!?)(ですか)(って何だっけ?)」」」」
満場一致、思わず叫んでしまった。だって騎士団長ってそう簡単になれる役職じゃないでしょ?それが女性で、しかもこんな普通の人みたいな雰囲気だから驚かない訳がない。
「女で騎士団長……今まで内心馬鹿にしてたけど、もしかしてこいつ相当有能か?」
「いやぁ有能だなんてそんな。僕も嬉しい限りだよ」
「え、つまりどうゆう事なの?ルナちゃん教えて?」
「簡潔に言いますと偉い人です。あともしかしたらコイツがこの中で一番の色物なのかもしれません」
「ところで、別の方とは一体?さっきのルナシーさんの説明の何が問題なのですか?」
「え?ああ、それは……ミツキ君、ちょっとこっちへ」
「お、おい。今度は何だ」
彼女は彼の手を引き病室の外へ出ていく。
ガラガラガラ………
彼女は彼と何をしているんだ?
ナンデオレダケヨビダシタンタ?ホカニテキニンガイルンジャ……
キミダケダヨ。ソレニ、コジンテキニオレイガシカタカッタノモアルカラ、ネ。
アア、ナラシカタナイナ。ソレデ……
………
………………
ギャァァァァァァァ‼!
チョットコエオオキイヨ。モットシズカニ。
ガラガラガラ………
扉の先から叫び声が聞こえてきて、それから彼らは部屋へと戻ってきた。ナツメさんは今までに無いくらいの楽しそうな笑顔で、対してミツキさんの方は何故か放心して虚空を見つめている。
「……」
「ふふふっ」
「さっきミツキさんのすごい叫び声が聞こえてきましたが一体?」
「ついてた」
「?付いてたとは何がどこに?」
「…………………男だ。こいつ……男だった。20cmだった」
「ふふふっ。僕を女性として見てくれた彼にお礼をしたかったからちょっと見せてきた」
………え?
「嗚呼、なるほど。ようやく合点がいきました」
「つまり男の子?こんなに可愛いのに!?」
「男の子だなんて、僕はもう20歳超えの立派な成人さ……ってセレネ君?」
「………ちです」
「セレネ君?」
「ははは破廉恥ですよ!!ななんで男の方なのにじょじょ女性の格好なんて……しかもミツキさんに一体何を見せたんですか?」
私は病み上がりの体でベッドに立ち上がりナツメさんを叱る。しかし私自身ルナシーさんと別ベクトルでここまで倫理観に欠けた行為は慣れておらず、恥ずかしさの余り頭の中は沸騰し顔を真っ赤にして噛み噛みな口で怒る。
「見せたって、ナニを見せたと思う?正解はナニ……」
「そうゆう事じゃなくて!!何故そうも道徳を態々侵しに行くような真似をするのですか!!?」
「えー、面白いじゃん。あ、そうだ。興味があるならセレネ君も見ておく?」
「見る訳ないじゃないですか!!」
「私は見てみたいよ?」←好奇心
「少し興味があります」←潰したい
「………ああ、汚された……婿に行けねえや……」←放心
「ああもう!!取り敢えずみんな床に座りなさーい!!」
この後、部屋の隅でリューナさんとルナシーさんががすすり泣くミツキさんを慰めて、その横で私がナツメさんを滅茶苦茶叱った。
12話でやっと5000字越えるとか前作並行執筆途中とはいえどうなのかと……とりまここから先は本調子に戻ります。おそらく字数が3〜5000前後になるかと(おまけ除く)。
作品の続きが気になる方はぜひ評価と感想よろしくお願いします。
仲間に頭やばいやつしかいない。自分で考えたキャラだけどストーリーどうするゾ……
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セレネ
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リューナ
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ルナシー
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狼さん
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ミツキ
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ナツメ