せいくりっどがーる!!!〜戦場に駆り出された聖女は回復よりも光魔法でがんばります〜   作:囚人番号虚数番

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あっそうだ、街へ行こう(唐突)

「今日町に行きましょう」

 

 

 

 

 

現在位置 リビング

 

現在時刻 前話より数日後 朝食前

 

リューナさんと何故か料理に興味を持ったクーの作った朝食を机に配膳しながらこんな事を私は言い出す。当然ここにいる全員が驚いて私を見る。特にミツキさんが。

 

「何故そんな急に?普段の買い物ならナツメとその部下が行ってるじゃないか」

 

「それは僕の仕事があったからだよ」

 

椅子に足を組んで座る彼女が話を代わる。

 

「もう少し付け加えるなら僕のしてた下準備が少し手間取ってたんだ」

 

「下準備なんて今度は何しでかすつもりなんだ……」

 

 

 

「あ、あの、今日はお出かけするんだよね?」

 

アネッサが申し訳無さそうに話に入り込む。持っていた目玉焼きをテーブルに置いた。

 

「ああ、セレネが急に言い出したのをお前も聞いてただろ」

 

「うん。しっかり聞いてた。何するの?」

 

「お買い物のついでに皆で遊びにです」

 

「あそこならここ来る時に寄っただろ」

 

ミツキさんが指摘する。ここへ移住したときに近くの町には訪れていた。しかしそれ以降はこの家の事をしていたからナツメさんを除いた私達はどこにも出かけていない。

 

「もしかして私とクーがまだ『敵』だから、ですか?」

 

「中々勘がいいじゃないか。まさにそれが問題だっだ。だから僕たちは出なかったんじゃなくて出られなかったんだ」

 

ナツメさんが続けた。

 

「まー形上は捕虜として扱わないと駄目だし普通に過ごすとなるとちょっとね……」

 

「ごめんね……私のせいで……」

 

自分のせいだと思い込んだアネッサは目に見えて落ち込んでいる。私は彼女に大丈夫だよ、と落ち込まないようにと慰めた。

 

「だから上と掛け合ったんだよ。僕も皆でのお出かけなのに留守番なんて無粋な事をかわいい子にさせるのは酷だと思って頑張ってたんだ。そうでしょ?セレネ君」

 

「ええ。その為に彼は頑張ってくれてました。だから自分のせいだなんて自分を責めないでください」

 

「うう、ありがとうナツメ兄、セレネ姉」

 

 

 

「もしかして私の服が増えてるのはそのせいですか?」「それは彼女らの服だと数日前にナツメさんから直々にお嬢に通達が来たはず……」「あんな普段から意味不明なやつの会話内容なんざ忘れて当然です。あと仮置かつ同室だとしても私と同じ所に置くなっていう話です、あいつら用の服の所に入れればいいのに」

 

 

 

 

「ふーい、リューナちゃんのお料理全部できたよー!皆早くしないと冷めちゃうよー!!」「おーたべろたべろ。アネッサ、たのしいときはたのしくしたほうがしあわせでしょ。あかるくゆるくしよーよ」

 

朝食制作組もこっちに来た。さて、楽しい朝食をしながら今日の行き先を皆で考えよう。

 

ーーー

 

現在時刻 午前10:00

 

現在位置 地方の町

 

 

 

という訳でやってきた地方の町。

 

王都の騒がしさからは少し落ち着いた町。それでもここら一帯の中心地であり人通りはそれなりに多い。雰囲気は嫌いでらないし過ごしやすい町そうだな、根拠はないけどそう思った。

 

町に入り中心から少し離れた所で馬車を降りる。今回は王都と違い私達を目的とする人だかりはできていない。ナツメさんが言うには情報規制で私達が町に遊びに来たことは知られていないとの事。

 

「さて、着きましたね」

 

「あの……本当にいいの?」「いくぞー」

 

立場のこともありアネッサは馬車から出るのを躊躇して出ようとしない、だからクーが彼女の手を引き転び落ちそうになりながら彼女は下車する。

 

「うわっ!クー、危ないでしょ!」

 

「ごめんねー」

 

降りたあともキョロキョロと人の目を気にして不安そうにしている。

 

「ね、ねぇセレネ姉。私変な風に見られてないよね?」

 

「羽根の事ですか?珍しい種族だからもしかしたら不思議に思われるかも……」

 

「そうじゃなくて!この服の話だよ……家では可愛いと思ったけど人前だと恥ずかしいくて……」

 

そうだろうか?彼女の今着ているのは黒と赤のシンプルな長袖のワンピース。日焼けを防ぐのに各部位の露出が低くなるようにしてある。普段比較的落ち着いている彼女には大人らしくてよく似合う。

 

個人的には派手なルナシーとは色々と対となるデザインだと思った……それより何故ルナシーはあんな派手めの服を普段から選んでいるんだ?彼女はもっとこう、合理性のためなら裸でも構わないを地で行きそうなのに。

 

それと、彼女らは一般人への表向きの立場は「ナツメさんの娘(!?)」となっている。何故それを指示したんだ……?曰く「いつか二児の親になりたかったんだ」だそう。

 

「もちろんお洒落でよく似合ってます」

 

「クーは?かっこいい?かっこいいよね」

 

一方クーは髪色と同様全身ほぼ白で統一されたいつもの長袖を上手く着こなしている。素のセンスの良さなら子供組3人の中でトップだろう。でも服の下には右腕の「ねこ」の彫りががっつりあるから当然の選択ともいえる……かもしれない。かっこいいかと問われたが私はとても綺麗でまとまっていると返答した。

 

「うおーありがとー」

 

他の皆さんも馬車から降りたみたいだ。私だけ彼女らの監視の為に隔離されていたから別の馬車だった。なお狼さんは家で待機してもらった。流石に町中に狼を入れるわけにはいかない。

 

「リューナちゃんとーちゃーく!おっセレネちゃん、ひっさしぶりー!!」

 

「わ、ちょっ!リューナさん!」

 

彼女は馬車を降り私を見つけるやいなや助走をつけて飛びついてそのまま抱きついてきた。

 

「おいおい久し振りって離れてから数十分だぞ?」

 

ミツキさんからも呆れたような言葉が出る。どうにか彼女を振り払って拘束から逃れた。

 

「何してんだあいつら。狼さん、行きま……」

 

シーン

 

「………チッ」スタスタ

 

 

 

さて、今日の目的はというと私達は身も蓋もない言い方をすれば散策といったところだ。特に深い理由も無く許可が出たからみんなで来たといった感じだ。

 

この街は王都程ではないがいろいろな施設がある。各種ギルト、教会、いろんなお店、楽しむには十分だ。

 

ルナシーはいつの間にかここからいなくなって何処かに行ってしまった。狼さんが言うには重武器の補填らしい。彼もまたそれを伝えた後彼女を追いかけていった。

 

リューナさんは休暇中の暇つぶし用に新しい魔導書や魔道具を買うそう。

 

「セレネちゃんも着いてくるよね?」

 

「いえ、今回はお断りします」

 

「えっ!?」

 

勿論私もリューナさんに同行して魔導書を選びたい。しかし今はアネッサとクーの面倒も見なくてはいけないから断らざるを得ないのだ。

 

恐らく私達が本気で魔導書なんて選び始めたら一日あってもまだ選別を止める。でも彼女らにそれまで待ってもらう訳にもいかない。そういう事情もあり彼女とは行けない。

 

「そういうことか。なら俺も同行する」

 

「ミツキさん?いいんですか?」

 

「一人で二人の子供の相手は苦労しそうだしな。いざってと時は俺がどうにかする……あと」

 

「?」

 

「正直セレネとリューナばっか世話するからコイツらとはまだあんまり話してんだよな」←小声

 

「あっ……それはごめんなさい」

 

「あとどうせお前も行く所は決めてないんだろ?どうせなら俺についてくるか?つっても武器屋のしか俺も思いつかないから適当に気になった所を見て回ろう」

 

私は彼女たちが安全でいられるならそれで良いし了承する。そして彼女らの答えは……

 

「いいよ」「ぶきやぼうぐはそうびしないといみがないぞ」

 

……多分、いいという事なのだろう。

 

目的地は決まった。武器屋の場所はナツメさんから聞いたので場所は彼が知っている。だから彼に案内をしてもらう。

 

 

「それじゃあ僕は皆が楽しんでる間男の子とお茶でも……」

 

「ナツメさん?あなたはするべきことがありますよね」

 

「……はい、積み官能小説(エロ本)の処分ですねワカリマシタホントウニモウシワケゴザイマセン」

 

ナツメさんには自身の本の処分を命令しておいた。私達はそれらの書籍が山積みされた彼専用の馬車を後にしてミツキさんと散策を始めた。

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  • セレネ
  • リューナ
  • ルナシー
  • 狼さん
  • ミツキ
  • ナツメ
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