魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~   作:strike

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前回は様々な意見を頂き助かりました。
本当にありがとうございます。
これからの展開で恋愛要素がどう絡んでくるか注目して頂けると嬉しいです。
と言っても、そのお話はもう少し先になりそうですが…。

相変わらず感想や意見をお待ちしておりますのでご気軽にお願いします。

それでは第18話スタートです。





第18話 束の間の休息(後編)

時刻は夕方。スターズ隊の2人とライトニング隊の2人は丁度

街から帰って来たのか寮の玄関で合流する。

 

「あ、スバルさん。先程はありがとうございました。」

「ティアナさんも。ありがとうございました。」

 

エリオとキャロは2人を見つけるなり小走りで近づいて来るとペコリととお辞儀をした。

するとスバルとティアナは顔を見合わせて苦笑いすると2人に向かって手を振る。

 

「いやいや。私達は何もしてないよ?」

「そうそう。結局は2人がしたいことしたってだけなんだし。…お礼を言われることなんてしてないわよ。」

 

それでもと、2人は身を乗り出すと真剣な表情でスバル達を見つめる。

 

「いえ!スバルさん達のアドバイスが無ければ僕達、ちゃんとこのコースを回れなかったかもしれません。」

「そうです!折角シャーリーさんが作ってくれたプランなのに、…回れませんでしたなんて言いたくないですし。」

 

勢いは良くても最後には尻込みしてしまう2人を見てスバル達は微笑んで見つめる。

 

「まぁ、シャーリーさんが期待していたことは起きなかったみたいだけど…。喜んでくれるよきっと。」

「ええ。シャーリーさんがなんて言うかはわからないけど、きっと褒めてくれるわよ。」

「「?」」

 

スバルとティアナの言葉にエリオとキャロは首を傾げるが、スバル達は気にしないでと言うと2人の背中を押して寮の中へと入っていく。

その頃、翔馬達も打ち合わせと教導が無事に終わり隊舎の前に戻ってきていた。

 

「2人ともお疲れ。それじゃ、また明日な。」

「ああ、何もなければの話だがな。」

「ま、この様子ならなんもないだろ。んじゃ、またな。」

 

翔馬の言葉にシグナムとヴィータは笑みを浮かべて返事を返すと背を向けてそれぞれの職場に向かって歩いて行く。

 

「さて、俺も今日の打ち合わせの内容と教導の実施報告書でもまとめとくかな。」

 

翔馬はその背中を見送ると1人呟いて隊舎の中へと入っていく。すると、給水室でお茶を汲んでいたフェイトを見つけて思わず声を掛ける。

 

「フェイト、お疲れ。今日は休めたか?」

「きゃっ!?…って翔馬?驚かさないでよ!!」

 

翔馬が後ろから声を掛けるとフェイトは軽く飛び上がって驚いた表情で振り向くが、翔馬だと分かると肩を脱力させて翔馬を睨み付けた。すると翔馬は慌てた様子で弁解を始める。

 

「わ、悪い。脅かせるつもりはなかったんだけどな?訓練の時の緊張感がまだ残ってたみたいで…。」

「それにしたって気配消して後ろに立つの止めてもらえるかな?…バルディッシュ持ってたら斬り掛かってたよ?」

「ホントに悪かった…。」

 

翔馬はフェイトの殺気の籠ったその一言で本気であることを理解し弁解を諦め即座に謝るのだった。そして翔馬は今頃になってフェイトがここで給仕をしている姿が珍しいことに気付く。

 

「ん?そう言えば何でフェイトがここでお茶汲んだりしてんだ?こんな時間に来客か?」

「うん正解。今はアコース査察官とユーノ司書長が来てるんだよ。はやてとなのはも今はお話し中だから。」

「そういう事か。…それにしても珍しいな。こんな時間になんの用だ?」

 

翔馬は滅多に来ない来客の上に、その人達の名前を聞いてさらに疑問を感じる。

 

「今日は私となのは、はやてが隊舎待機だってことをアコース査察官がご存じだったみたいで…2時間前からお話してるんだよ。」

「そんなに要件あるのか?って聞きたいけど、まぁ、十中八九暇つぶしだな。大事な話はとっくに終わってるんじゃないか?」

「まぁね。でも、久々のゆっくりした時間だし、いい事なんじゃないかな?…こうして周りとの友好を結んでおくこともね。」

 

フェイトは優しげな笑みを浮かべるとお盆を持って会議室へと足を向ける。それを見て翔馬はフェイトの後を付いて行くことに決め、後を追う。

 

「お待たせしました。」

「失礼します。…お久しぶりです。アコース査察官、ユーノ司書長。」

「お?翔馬君、ご苦労様。今まで打ち合わせだったんだろ?…カリムから無茶は言われなかったかい?」

「そんなことありませんよ、むしろ有難い提案を頂きました。ありがとうございます。」

 

フェイトがお茶を配っている間に翔馬はヴェロッサと挨拶を交わし、空いている席に腰を下ろした。するとユーノが翔馬の方に近寄って話しかける。

 

「お疲れ様、翔馬。今日は大変だったんじゃない?」

「ユーノもお疲れ。…まぁ、今日は色々あったからな。それでも事件が起こるよりは何倍もマシだって。」

 

翔馬はユーノの言葉に対して苦笑いを浮かべる。すると、ユーノの後ろからなのはが顔を出して2人を伺うように見比べる。

 

「ユーノ君と翔馬君って仲いいんだ?」

「翔馬とは前のホテルアグスタの件でね。」

「まぁ、今でも何度か連絡のやり取りをするぐらいにはな。」

 

なのはは組み合わせに違和感があるのか未だに2人を見比べ、翔馬達は居心地が悪いようで話を変えることにした。

 

「なのはとユーノは何を話してたんだ?」

「まぁ、レリックの使い道とか、今後起こる可能性のある出来事についてとか…仕事に関する話かな?」

「うん、そうだね。ユーノ君って物知りだから参考になるし、私の知らない事とかも色々と教えてくれて…。」

 

ユーノとなのははお互いに見つめ合って微笑むとその様子を見た翔馬はため息をついて、1人呟く。

 

「雰囲気は甘ったるい位なのに何でこう色気の無い話ばっかできるんだ?…ってか、お互いに鈍感もいいところだな。」

「「え?」」

 

翔馬の呟きが少し耳に入ったのか2人は翔馬に聞き返すが、翔馬は何でも無いと首を振って先程の会話を続けることに決めた。

 

「それはそうと、なのは。ユーノから教わるのはいい事かもしれないけど、あんまりたくさんの情報を鵜呑みにするなよ?」

「え?…どういう事?」

 

なのはは全く理解できないと言った表情で、翔馬を見つめる。

 

「ユーノの事を疑うわけじゃないが、その教わった事ってのがホントの事なのかはわからないだろ?」

「一応、曖昧なことは参考程度にって伝えているけど。まぁ、翔馬のいう事も…」

「ユーノ君が折角、私達のために調べてくれたのにその言い方はどうかと思うな。憶測でも私達には情報が足りないんだし、ましてやユーノ君は無限書庫の司書長。過去の文献とかも拾ってくれるからレリックの使用事例とかも上がってくる。そんな貴重な情報を疑って信じないなんておかしいよ。何より、私達のことを思って助けてくれてるユーノ君に失礼だと思う。」

 

なのはは翔馬の言葉が癪に障ったのかユーノの言葉を遮って激しく反論する。翔馬はなのはがここまで感情的になるとは考えておらず一瞬驚いてしまうが、翔馬もそれなりの考えを持ってなのはに忠告したつもりだったため落ち着いてなのはを説得しようとする。

 

「俺は、ユーノを信頼してない訳じゃないしむしろそう言う情報は有難いと俺も思う。だけど、お前たちの話していた内容は未来の事だろう?多少の参考にはなっても、それをそのまま受け取るわけにはいかない。今現在起きている事象、スカリエッティの思惑とレリックの関連性。それは、現場で動いている俺たち以上には知りえない情報だ。それに相手はジェイル・スカリエッティ…どんなことをしでかすか予想もつかない。それに対して憶測で動くのははっきり言って愚策だ。可能性を多岐に渡って考える必要性はあってもそれを頭に入れてしまえば、見えているモノすら見えなくなる可能性がある。そういう事も考えてユーノの事を信用しきるんじゃなくて、ユーノの意見は事件とは関係なしに頭の片隅にでも置いておいて、自分の目で確かめたことを真実と考えた方が良いとそう伝えたかったんだけどな。」

 

少し長く語りすぎたなと翔馬は頭を掻いてなのはの様子を伺う。すると、なのはは少し俯いていた顔を上げて翔馬を真っ直ぐに見つめる。

 

「それでもおかしいよ…。仲間が必死になって探して見つけてくれた情報をなんの役にも立てずにほんの頭の片隅に置いておくなんて。…もっと翔馬君は人を信じた方が良いんじゃないかな。確かに翔馬君の言う事も分かるけど、ユーノ君は仕事の合間を縫って色々と調べてくれてたんだよ?…未来の可能性を考えて先に対策を取っておけば対策の無い時よりも被害が小さいのは明らかだし、そのための情報収集じゃない。翔馬君みたいに自分が確かめなきゃ信じられないなんて言ってたら集まる情報も集まらないよ。」

 

その言葉を聞いた翔馬は真剣な表情に切り替わり、再度反論を始めた。その結果2人はお互いに譲らず口論を続け、その声がどんどん大きくなってエスカレートしていく。

 

「だから、なんでわかってくれないの!?…そんなんじゃ、仲間を疑いながら行動してるように聞こえるよ。仲間っていうのはそんなのじゃないでしょ!?」

「仲間かどうかってのは今、関係ないだろ?そうじゃなくて、自分が事件解決のカギを目の前にして見逃すようなことが無いように情報を選定するだけの余裕を持つためには、そう言う考え方も必要だって言ってるんだよ!」

 

流石に声が大きくなると他の場所で話していたはやてとフェイト、ヴェロッサの視線も2人に集まり、ユーノはヒートアップする2人を何とか宥めようとしていたがユーノの声は2人に全く届かずただ、その様子を眺めている事しかできなかった。そんなユーノの様子を見かねてはやてとヴェロッサが助け舟を出そうと2人に近づく。

 

「ちょ、ちょっとストップ!!なのはちゃん?…翔馬君?ここは穏便に…。」

「そうだよ。…2人ともそんな怖い顔して、綺麗な顔とカッコイイ顔が台無しだよ?」

「「少し黙って(ろ)!!」」

 

はやてとヴェロッサが一度落ち着くように話しかけようとするが何故かこの時だけ息の合うなのはと翔馬に一蹴される。それを見たフェイトは少しため息をつくと、その手に小さな魔法陣を展開させて2人をバインドで拘束する。

 

「「フェイト(ちゃん)!?」」

「2人ともお客さんが来てるのに、そんなことしてたら迷惑でしょ?」

 

いきなり体を拘束されて驚く2人を嗜めるように注意すると、フェイトはバインドを解いて2人に苦笑いする。

 

「2人の言い分も正しいと思うけど、翔馬はもう少し肩の力抜いてもいいと思うな。何でもかんでも疑ってたんじゃ疲れちゃうよ?…それとなのはも少し翔馬の話を聞いてあげないと。翔馬の言ってることも間違ってない事だよ?」

「……悪い。」

「……ゴメンナサイ。」

 

フェイトに怒られた2人は少し頭が冷えたのか全員に謝る。そして問題が解決した事を見てはやては1つ溜息をついた。

 

「はぁ、最後にこんなアクシデントがあるとは…。部隊長もたいへんやな。」

「…はやては何もしてなかったと思うんだけど気のせいかな?」

 

と、ユーノが苦笑いではやてに突っ込みを入れると皆が笑い出し、先程の空気はどこかに消し飛んでいた。そして、時刻は18時を回った頃。いい時間となったのでヴェロッサとユーノが帰り支度を始めていた時だった。…いきなり隊舎中にアラームが鳴り響く。

 

「一級警戒態勢!?…皆こんな時間だけど、頼むで。…アコース査察官とユーノ司書長。最後の最後でバタバタしてゴメンな?」

「いいよ気にしなくても。むしろホントなら手伝ってあげたいんだけど…。」

「僕達じゃ戦力にならないからね。僕たちはこれでお暇するよ。…なのは、翔馬。気を付けてね。」

 

隊舎中のアラート音にはやてがいち早く反応し、その場にいる全員に指示を出した後、ヴェロッサとユーノに謝罪をしたが2人は何も気にした様子がなく、全員に一言掛けてその場を後にした。そして、簡易的に2人を全員で見送ると直ぐに司令室へと駆けこむ。

 

「状況は!?」

「八神部隊長!今、アラートの原因を探っています。…おそらく、レリックが見つかったのかと。」

「取り敢えずヴァイス君に連絡取って直ぐにヘリを出せる準備して。フォワード4人はヘリポートにて待機。隊長達も全員すぐ出られるようにして置いて!!状況がわかり次第出撃するよ。」

「「「「了解!!」」」」

 

翔馬達ははやてに返事をすると屋上に向かい、途中でシグナム、ヴィータと合流してヘリへと急ぐ。一度寮に戻っていたスバル達はアラートを聞いて直ぐに着替えると隊舎のヘリポートに向かった。そして、状況が見えたとの報告があり、全員でヘリに乗り込むとその中で現状とミッション内容が伝えられる。

 

「皆、急な収集でゴメンな。今日一日はゆっくりしてもらいたかったんやけど…。」

「問題ありません。しっかりと休むことができましたから。これからは仕事の時間です。」

「そうです。今日は楽しかったですから。」

「「はい。お休みは十分頂きました。」」

 

ティアナとスバル、エリオとキャロはそれぞれはやてに笑顔で返事を返すとはやては頷いて、話を続ける。

 

「現在、レリック2機の反応を確認。地下通路を通って移動中。辺りにガジェット反応はないみたいやね。」

「レリックが移動中!?」

「誰だかわからないけど、レリックを運んでいる最中ってことだよね…。」

「封印処理もせずに運び出すなんて…何が目的だろう。」

 

隊長達3人はそれぞれ考えを巡らすが、結局現場を見てみないとわからないという結論に3人は同時にたどり着いた。そして、全員にミッション内容が告げられる。

 

「今回は、レリック2機の回収及び封印処理。そして、レリックを持ち出した人間の身柄を拘束すること。」

「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」

 

隊長達5人とスバル達4人ははやての指令に対して返事をするとそれぞれ出撃の準備をしてその時を待つ。そして、目標地点の上空に辿り着くとヴァイスは近くのヘリポートに全員を降ろして待機する。

 

「それじゃ、作戦の確認をするよ。スバル達4人はシグナム副隊長、ヴィータ副隊長と一緒に地下へ潜ってレリックの探索。私達は…」

 

なのはが全員と作戦の内容を話し始めると急にシャーリーから連絡が入る。

 

「お話し中すみません!!ガジェット反応を感知しました。海に50…60機、地下に20機です!!」

「多いね…。」

「だけど作戦プランに変更はなしで行こう。…予定通りさっき言った6人は地下でレリックの回収。私達3人は海へ出てガジェットを破壊するよ。」

「スバル達は競争相手が出来たが焦らずに…でも、確実に目標を捉えるんだぞ。」

「「「「はい!!」」」」

 

翔馬の言葉にスバル達は頷くと地下に向かって走り出す。

 

「お前達も気を付けろよ?」

「こちらの事は私達でどうにかする。…気を回す必要はない。」

「うん。ありがと。ヴィータちゃん。」

「みんなの事、よろしくお願いします。シグナム。」

 

ヴィータとシグナムはなのは達に声を掛けると頷いたのを確認してからスバル達の後を追いかける。

 

「さて、俺達も行くか。」

「「うん。」」

 

翔馬がゼフィロスを取り出すと、それに合わせてなのはとフェイトもそれぞれ、レイジングハートとバルディッシュを取り出した。

 

「「「セット・アップ!!」」」

 

翔馬達は3色の光に包まれるとその場から戦場に向かって飛び立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

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