魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~   作:strike

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更新だいぶ遅くなりました(汗)
最近筆が進まず思い悩むことが多くなってしまい…。

まぁ、それはそれとして頑張って書いて行こうと思っていますので
感想や意見等がございましたら是非お願いします。

それでは第21話スタートです。


第21話 小さな手

あの事件から数日が経ち、レリックは無事に本局へ移送され厳重に保管。

女の子は事件の2日後に目を覚まし名前は『ヴィヴィオ』というらしい。そのヴィヴィオはギンガの想像通り人造魔導師素体として作られた存在であることが判明し、それを聞いたなのはは保護責任者として本当の親が見つかるまでの間、機動6課で面倒を見ることを決めた。そして…

 

「…どうしてこうなった?」

「うわぁぁぁぁん!!…ママァ~。パパァ~。」

 

翔馬は自分の状況を理解するまでに時間が…というより翔馬自身が状況を理解することを拒んでいた。

時はほんの少しだけ遡り、部隊長オフィスにて。

 

「そんな訳で、私とフェイトちゃん、なのはちゃんで聖王教会に行って騎士カリム、それとフェイトちゃんのお兄ちゃんでクロノ君の2人と話をしてくるんやけど…その間、6課のメンツがちょっと足りなくて。」

「翔馬には悪いんだけど、待機していて貰ってもいいかな?」

 

はやてとフェイトは聖王教会まで出向く予定があるらしく、翔馬を呼んでその説明をしていた。

翔馬はこの後に起きる事件など知る由もなかったため躊躇いなく頷いた。

 

「ああ、問題ない。ただ、この機動6課が作られた本当の意味ってのは帰って来た後でしっかり聞かせてもらうからな?」

「もちろんや。翔馬君にも知っていて貰いたいことやしな。…それで、なのはちゃんは?」

 

はやては翔馬に対し、当たり前だと頷き返した後でここにいないなのはを気にし始める。すると、フェイトが思い出したのかのように空中にコンソールを出して少し弄ると大音量の子供の泣き声が響き渡り、思わず3人は体を竦ませた。

 

「…。確か、ヴィヴィオを説得しようとしていたと思う。」

「それでこれか…。」

「ちょっと助っ人に行こか。」

 

3人はそろって苦笑いを浮かべるとその場から立ち上がりなのはの元へと向かう。そして、エレベーターから降りるとモニター越しに聞こえていた泣き声がリアルに聞こえ、それと同時になのはが翔馬達に振り向いた。

 

「あ、3人とも。…ちょっと助けてぇ。」

 

普段のなのはからは考えられない様な戸惑う姿に思わず翔馬は苦笑を浮かべる。

 

「あのエース・オブ・エースにも敵わないものってあるんだな。」

「意地悪言ってないで助けてよ…。」

 

本気で困り果てているなのはを見かねたフェイトは、いち早く動きヴィヴィオの前にしゃがみ込んでこれまた、普段のフェイトからは考えられない様な話術でヴィヴィオを大人しくさせるとなのはから引き離すことに成功した。その場にいたフォワード陣は全員が感心したような声を上げ、翔馬も違和感なくその一員となっていた。そして、翔馬を除く3人は無事に聖王教会へ向かったのだが、そこに取り残されたフォワード陣と翔馬は難題にぶち当たることになる。

 

「え~と、ヴィヴィオ?お姉ちゃん達と遊ぼうか。…何がしたいかな?」

 

静まり返った雰囲気となりヴィヴィオがまた目を潤ませたので慌てたスバルは空元気の様にヴィヴィオに話しかける。しかし、返って来た返事はどうしようもないものだった。

 

「ママと…パパ…。3人でお散歩。」

「あ~。…え~と。」

『このバカ!!…変なこと思い出させてどうすんのよ!』

『えぇ~。今のは不可抗力だって!』

 

戸惑うスバルにティアナがすかさず突っ込みを入れティアナはどうするべきか頭を働かせる。そんな時、エリオとキャロがヴィヴィオの前に立って、話しかけ始めた。

 

「ヴィヴィオちゃん。私はキャロっていうんだ。よろしくね。」

「僕はエリオ。ヴィヴィオ…ちゃんは、お絵かきしたことある?」

「?…ううん。」

 

ヴィヴィオは初めて聞く言葉に首を傾げてから横に振りエリオ達を見つめる。それを見たエリオとキャロは早速準備を始めてヴィヴィオと共にお絵かきを始めた。泣きそうになりながらもヴィヴィオはクレヨンを持つと紙に大きな絵を描き、暫くすると涙もすっかり止まり夢中になって絵を描いていた。

翔馬達はそれを見てエリオとキャロにこの場を任せることにするとその場を離れてオフィスに戻るのだが、数十分後キャロが慌ててオフィスに駆け込んで来た為、翔馬達はほんの束の間の仕事を切り上げて再度ヴィヴィオの居るロビーへと向かったのだが…。

回想から戻り、現在。

 

「はぁ…。これだからガキの相手は苦手なんだ…。」

 

翔馬は面倒臭そうな表情を浮かべて現状を受け入れることを決める。そして、一言呟くと躊躇いがちにヴィヴィオに近づいてフェイトの様に目線を合わせてから声を掛ける。

 

「…ヴィヴィオ。もう泣くな。さっきまでエリオ達とお絵描きしてたんじゃないのか?」

「ママとパパがいい~~~!!!」

「…。」

 

しかし、そんな簡単にうまく行くはずもなく回答になっていないヴィヴィオの返事に翔馬は頭を抱えた。

 

「翔馬さん。このままって言うわけにも行かないですし…」

「どうしましょう。…ヴィヴィオちゃん泣き止んで。」

 

ティアナは泣き止まないヴィヴィオを見て翔馬に助けを求めキャロは、戸惑いながらもヴィヴィオの頭を撫でているが一向に泣き止む気配は無かった。

 

「…そうだ!!外に出てお母さん達を探させてあげればいいんじゃないですか?…町を皆で歩いて。」

 

スバルは名案とばかりに声を上げるが、ティアナに頭をはたかれる。

 

「あんた馬鹿でしょ!?…ただでさえこの子の事情が特殊で、敵にだって狙われてるのに警備手薄で外なんか歩かせられるわけが無いじゃない。それに、仮に出たとしてもその間にアラートが鳴ったらどうする気?」

「え~と…。ゴメン。」

 

ティアナの正確な突っ込みにスバルはシュンとして謝る。しかし、その話を聞いていた翔馬は何か閃いたのかスバルに声をかける。

 

「それはいい案かもしれないな…。スバル。訓練場の使用許可を取ってきてくれ。名目はいつも通りお前達の訓練ということで。」

「え?…了解しました。」

 

スバルは却下されると思っていた案が通ったこと、それに、話の内容に全く関係ない訓練場の使用許可を取ってくるように言われ驚きで訳も分から無いまま司令部に向かった。

 

「翔馬さん。今の案を承認されるんですか?…僕も少し厳しいのではないかと思うのですが。」

 

エリオは翔馬に申し出るが、翔馬はその場の全員を見渡してから笑みを浮かべる。

 

「少し考えがある。…お前達にも手伝ってもらうぞ。」

「「「?…はい。」」」

 

その場にいたスバルを除く3人は首を傾げながらも頷き翔馬の言う準備を始めた。一方翔馬は、再度ヴィヴィオの前にか屈んで目を見つめるとその頭をゆっくりと撫でて話しかける。

 

「ヴィヴィオ。…ママとパパそんなに会いたいか?」

「うぇ。…うん。…ひっく。」

「そうか。それじゃ、これから俺と一緒に探しにいこう。」

「…ほんと?」

「ああ。今から行くぞ。」

 

翔馬は立ち上がるとヴィヴィオを抱きかかえて訓練場へと向かう。すると丁度準備が整ったようで訓練場ではバリアジャケットを身に纏ったスバル達が待っていた。

 

「悪いな付きあわせて。」

「いえこれも訓練のうちと思えば全然。」

「そうです。むしろ、翔馬さんは待機のはずなのにここまでしてもらって有難いくらいです。」

「そういってもらえると助かるよ。」

 

翔馬がスバルたちに話しかけるとやる気を見せ、にっこりと笑うそれに対して抱きかかえていたヴィヴィオは姿の違うスバル達を見て怯えるように翔馬の胸元を握り締めて顔を埋める。

 

「大丈夫だ。この4人はヴィヴィオのママとパパを探すお手伝いをしてくれるんだ。それに、そんな風にしてたら探してる人を見つけられないぞ?」

「…うん。」

 

翔馬はヴィヴィオに話しかけると躊躇いがちにスバル達を見つめた。

 

「それじゃ、ヴィヴィオ。しっかり掴まってろよ?…ゼフィロス。セット・アップ。」

 

そして翔馬もバリアジャケットを身に纏うと、その場から飛び立つ。

 

「きゃっ!」

 

ヴィヴィオは自分の体に掛かる不思議な感覚に小さな悲鳴を上げてまた翔馬の胸元に縋り付く。翔馬は一旦ヴィヴィオをそのままにして、ティアナとキャロに声をかけることにした。

 

「ティアナはここにいない複数の人達のシルエット作り出して訓練場を一杯にするか俺の視界に映る道にシルエットを作り出すかして魔力制御の訓練を行う。キャロはフリードに乗って俺を追従しながらティアナに魔力ブーストを掛けてやってくれ。移動しながら魔力運用の訓練。」

「「はい!!」」

「スバルとエリオは護衛任務を想定して、街にランダムにで出てくるガジェットを撃墜すること。ただし、俺を見失わないように100Mの距離は必ずキープすること。」

「「はい!!」」

 

全員が頷いたことを確認して翔馬は最後にヴィヴィオへ声をかける。

 

「ヴィヴィオ。ママとパパを探すんだろ?…ちゃんと見てご覧。」

「う…。でも…。」

「大丈夫。俺がしっかり支えてやるから落ちたりしない。…まず遠くを見るんだ。」

 

空を飛んでいることに怯え、上目づかいで翔馬を見つめるヴィヴィオに翔馬は軽くヴィヴィオの頭を撫でて遠くを指さしてみせた。

 

「……わ、すごぉい…。」

 

小さなヴィヴィオから見た街はとても大きく見えていたのだろう。それが空から見下ろすことで小さなおもちゃのように見え、ヴィヴィオは歓喜の声を上げる。

 

「風も気持ちいいだろ?」

「うん。」

 

翔馬は短いやりとりの後、街に見立てた訓練場へと向かい中に入ると、スバル達に合図を出す。

 

「ミッションスタート。」

「「「「はい!!」」」」

 

最初はヴィヴィオを慣らせるためにゆっくりと飛びながらティアナの幻影をヴィヴィオに見せていく。そしてその後をスバルとエリオが続き、その後方をフリードで飛ぶキャロが付いてくる。そして、しばらく飛んでから翔馬がヴィヴィオに声をかける。

 

「どうだ?見つかったか?」

「ううん。…あっち!」

「了解。少し早く飛んでみるか?」

「うん!」

 

ヴィヴィオは飛ぶことに慣れてきたのか今では身を乗り出して自分の親を探しており、さっきから翔馬に指示を出しながら町を歩くシルエットを見つめていた。それを見て、翔馬は速度を上げる。

 

「ここからが本番…。フリードしっかりね。」

「エリオ。敵と翔馬さんを見逃さないように付いてくよ。」

「はい!」

 

3人は翔馬の速度が上がったのに合わせて自分達も速度を上げた。

 

「今度はあっち!!」

「よし。それじゃ、またスピード上げるぞ。」

「うん。」

 

ヴィヴィオの了解が得られたところで、翔馬は急に進路を変更し速度を上げるとビルの隙間へと入り込んだ。

 

「あ!…スバルさん先に行ってください。…っ!!」

「分かった!!」

 

エリオは翔馬の曲がった角に翔馬達を狙っているガジェットを見つけると、スバルのウィングロードから飛び降りてガジェットへと斬りかかる。スバルは翔馬の周囲を見渡しながら正確に付いて行き、キャロはティアナを支援しながらフリードで後を追う。

 

「フリード!!」

 

キャロは翔馬の速度が速くなるに合わせてフリードの速度を上げていたため、いつの間にかスバルを追い越して翔馬のすぐ後を追いかけていた。入った通路は狭い場所であったため急な減速もできず、スバルの邪魔にならないように翔馬の左斜め下を並走するようにフリードに指示を飛ばすと、少し疲れた表情を浮かべながらもヴィヴィオに大きく手を振る。

 

「…ヴィヴィオちゃ~ん!!」

「っ!?……あ、おねぇちゃん。」

 

するとヴィヴィオは少し驚きながらもキャロに向かって笑顔で手を振り返し、ほんのわずかな時間しか飛んでいないが最初の目的を忘れたかのように飛ぶことに夢中になっていた。

一方スバル達は、ガジェット達の容赦ない攻撃を捌きながら撃墜していき、暫く進んでいるとやっと大きな道へと出て上った息を整えるために一息ついた。そして、ずっと魔力を使っていたティアナとキャロにも疲れが出始め、思わず顔をゆがめる。

 

「そろそろこっちヤバいかも…。」

「私も、少し…。」

 

そんな弱音を吐きながらもティアナ達は健闘し数十分の時間を耐え、それだけの時間が過ぎるとヴィヴィオは初めての飛行だったため疲れが出たのか、いつの間にか翔馬の腕の中で安らかな寝息を立てていた。それを見た翔馬は一瞬だけ微笑むとスバル達に顔を向けて終わりを告げる。

 

「今日はここまでだな。」

「「「「…お、終わった。」」」」

 

スバル達はヴィヴィオのお世話という事で簡単な訓練だろうと思っていたが、予想以上に翔馬の要求は酷く、ガジェットの撃墜に慣れたスバル達でも疲労を隠せない様子で翔馬の言葉を聞くとその場にへたり込む。それを見た翔馬は苦笑いを浮かべながら礼を伝える。

 

「お疲れさま。手伝いありがとな。」

「いえ。こちらこそホントは私達がやらなきゃいけない事ですから…。」

「それに私達の事も見て下さいましたし。」

 

翔馬は遅れて地面に降り立ちバリアジャケットを解除するとスバル達もお礼を言って立ち上がり隊舎に向かって翔馬と共に歩き出した。

 

「それにしても、ぐっすり寝ちゃってますね。」

「うん。すごく可愛い。」

「ホントだね~。」

 

スバル達は翔馬に抱きかかえられているヴィヴィオの寝顔を覗き込むとかわいらしい寝顔に思わず微笑んだ。

 

「そうね。凄く癒されるわ。誰かさんと違って。」

「ティア酷い!?」

「あら?…スバルの事なんて言ってないけど?」

「うぅ~。…ティアが意地悪だ。」

 

ティアナはヴィヴィオとスバルを見比べて一言言うと、フォワード陣は笑ってふざけ合いを始める。

だんだんと騒がしくなってきたスバル達に翔馬は振り向くと溜息をついて釘を刺す。

 

「お前達、少し静かにしてろよ?…せっかく寝たのに起こしたらまた面倒だろうが。」

「「「「…すみません。」」」」

 

翔馬は全員が頷いたのを確認するとヴィヴィオを抱き直して隊舎へと入って行った。

そしていつもとは違う翔馬の後ろ姿を見送ったスバル達は声を揃えて一言。

 

「「「「…なんかパパっぽい。」」」」

 

そんなスバル達の声は翔馬に届かず、翔馬は隊舎の中に入ってヴィヴィオを部屋まで連れて行き寝かしつけると椅子に腰かけて直ぐに起きないか様子を見守る。

そしてヴィヴィオのことを見ながら考えるのはやはりジェイル・スカリエティの事だった。

 

「こんな小さな子を利用するなんて…あいつらは何を考えてるんだ。何のためにこんなことを…。」

「…ままぁ…ぱぱぁ。」

「…っ!?」

 

いきなり聞こえたヴィヴィオの声に翔馬は起こしてしまったのかと顔をヴィヴィオに向けるが、寝言だったらしくスヤスヤとまた寝息を立て始め、翔馬は安堵の表情を浮かべる。

 

「寝言か…。脅かせるなよ。」

 

そう言って翔馬は部屋を出ようと立ち上がるがヴィヴィオが先程から僅かにだが手を動かしていることに気付く。

それはまるで何かを求めるかのようだった。

 

「…はぁ。まだやらなきゃならない仕事があるんだが…。」

 

翔馬はその意味に気付くと溜息をつきながらもまた椅子へと座り直しヴィヴィオの小さな手を握ってやる。

するとその手は翔馬の手をもう離さないと言わんばかりに強く握りしめ、ベッドの上で眠るその表情は先程よりも安らかなものになった。

 

「お前にはちゃんとなのはが付いている。…今日だけあいつの代わりになってやるから。ゆっくりお休み。」

 

翔馬は空いている手でヴィヴィオの頬を撫でると優しく微笑んだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

時刻は夜の7時。

 

「「「ただいま。」」」

 

声を揃えて女性3人の声が隊舎に響き、ロビーに待機していたフォワード陣はその声を聞いて直ぐに駆け寄る。

 

「お疲れ様です。八神部隊長。」

「なのはさんもお疲れ様でした。」

「お帰りなさい。フェイトさん。」

「お疲れ様でした。」

 

スバル達の労いの言葉を聞いたなのは達は微笑んでスバル達を見つめる。

 

「うん。ありがと。待機中に何か問題とかは無かった?」

「はい!あ、え~と。特に…何も。」

「うん?なんか歯切れわるないか?」

「そんなことは無いですよ?ただ…。」

「ただ、なに?」

 

言いよどむティアナに違和感を感じたはやてはティアナに詰め寄って聞き出そうとした。すると、傍で見ていたスバルたちは慌てた様子でティアナを庇う。

 

「八神隊長!ホントに問題はありませんでした。ただヴィヴィオが…。」

「え?ヴィヴィオに何かあったの!?」

「いえ、そうではなくてですね…。何かあったのはヴィヴィオというより…」

「あはは…。」

「えっと。ちゃんと説明してくれないとわから無いよ?」

「実は…。」

 

スバル達の煮え切らない言い回しになのはたちは疑問を浮かべるばかりだったが、ティアナの説明を聞いてなのはたちは全員で翔馬の部屋へと向かい、その扉を開けた。

 

「翔馬君、大丈夫?」

「ん?…なのは?って、みんな揃ってどうした?」

 

一番に乗り込んだなのはは静かに翔馬へ声を掛けると翔馬はベッドの横で座りながらなのは達を見て少し驚いた表情を浮かべる。すると、フェイトは未だにヴィヴィオの手を握っている翔馬を見て苦笑いを浮かべる。

 

「さっきスバル達から今日はずっとヴィヴィオの面倒を見ていて今も傍から離れられない状態だって聞いたから。」

「そういう事か。でも、別にそれならなのはだけ来てくれれば問題無かったんじゃないのか?」

「まぁ、それもそうやな。私達は様子を見に来ただけやから。後の事はなのはちゃんに任せて私達は…。」

 

翔馬の言葉にはやては頷くとなのはにバトンを渡して去ろうとするが、その瞬間に翔馬の横でヴィヴィオが目をこすりながら起き上がる。

 

「…う~ん。」

「やっと起きたか。タイミングが良かったな、なのは。後は任せたぞ。」

 

翔馬は起き上がったヴィヴィオを見た後になのはへ向き直るとヴィヴィオと繋いでいた手を差し出した。

 

「うん。今日一日ありがとね。翔馬君。…それじゃ、ヴィヴィオは私と一緒に行こうか。まだご飯食べてないんだよね?」

「…うん。」

「皆もありがとね。私はヴィヴィオと食事してくるから、ゆっくりしてて。」

 

なのはは翔馬からヴィヴィオを預かるとそのまま部屋を出て食堂へと向かった。

翔馬はなのはとヴィヴィオを見送ると溜息をついて椅子から立ち上がる。

 

「やっとガキのお守りも終わりか。はぁ…。まだ仕事が終わってないし。何より疲れた。やっぱ、ガキは苦手だ…。」

「…ふふっ。そう言いながら、今ここに居る誰よりもヴィヴィオのこと見ててくれたんでしょ?」

 

フェイトは怠そうに一伸びする翔馬に向かって笑いかけると、翔馬は肩を竦めて苦笑いを浮かべる。

 

「仕方ないだろ?…隊舎内で泣き喚かれたら他の隊員に迷惑掛かるしな…。」

「それに私達じゃ見向きもしてくれませんでしたからね。」

 

翔馬の言葉を捕捉するようにスバルが言うと、他の3人も首を縦に振り申し訳なさそうにする。

 

「スバル達も面倒見ててくれたんやろ?」

「ああ、俺一人じゃあいつの面倒なんて見切れなかったよ。これでもお前達には感謝してるんだ。あんま気にすんなよ?」

「「「「あ、ありがとうございます。」」」」」

 

翔馬の素直な感謝にスバル達は戸惑いながらも受け取ると隊長達3人は顔を見合わせて笑って、フォワード陣を連れて食事に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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