魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~ 作:strike
すみません。そして、さらにすみません。
前回暫く戦闘無いですと言ったばかりなのに、早速シーンを書いてしまいました。
色々とメチャクチャですがよろしくお願いします。
第24話スタートです。
翔馬は気分を落ち着かせて風呂から上がり服を着るとタオルを使って片手で髪を拭きながら脱衣所から出る。
そして、あらかた拭き終わりバスタオルを首にかけて部屋に戻ろうとして顔を上げると、そこには随分前に上がったはずのなのはが立っていた。
「…どうしたんだ。こんなとこで待ち人か?」
「あはは。まぁね…。」
翔馬は嫌味のようになのはに声を掛けるとその横をすり抜けてそのまま部屋へと向かおうと歩き出す。するとなのはは苦笑いの顔を俯かせて翔馬の斜め後ろを付いていった。2人は黙ったまましばらく歩いていたが沈黙に耐えられなかったのかなのはが翔馬に声を掛ける。
「翔馬君…。その、怒ってるよね?」
「…何度も言ってるだろ。なのはが悪い訳じゃない。…俺のミスにお前の天然が運悪く重なっただけだ。」
「そう…だね……って、なんか酷いこと言ってない!?」
なのはは神妙な表情で一度頷くが翔馬の言葉の意味を理解した途端に顔を上げて抗議する。しかし、翔馬はそれをひらりと躱すと呆れ顔でなのはを見つめ、なのはは思わず動きを止めて翔馬を見つめ返す。
「な、なに?」
「普通あの状況で、男の俺に風呂一緒に入ろうなんて誘うか?」
「うっ…。」
翔馬の言葉になのはは思わずうめき声を漏らして先程の事を思い出したのか顔を赤くした。
「だって、ヴィヴィオの体冷めきっちゃってたし、ヴィヴィオも言う事聞かないから…。」
「まぁ、俺も咄嗟の事で頭が回ってなかったからな…。でもさすがにあれは…。」
「思い出さなくていいから!!」
なのはは翔馬が何かを思い出そうとしているのを見て慌てて声を出す。すると翔馬は冗談だと笑って見せてからなのはの頭をポンッと叩いた。
「お前はそうしてしてた方がマシだ。…考えるのは俺だけでいい。どうせなのはも同じこと考えてたんだろ?」
「…やっぱりわかっちゃう?」
「そりゃな。」
翔馬は背を向けてそう言うとまた歩き始めた。
「取り敢えずお前は考えるな。なのはにはなのはのやるべきことがあるだろ?」
「…でも、それは翔馬君も同じでしょ?…私達で考えなきゃいけない事だよ。」
なのはは翔馬の隣に並んで顔を覗き込むと翔馬は溜息をつく。
「はぁ…。取り敢えずって言ったろ?…今はあいつの事よりも優先するべきことがある。」
「…そうだよね。」
2人は今までの事件を思い出しながらその背後にいるのであろう人物の事を考えて歩いていると、いつの間にかロビーに着いており、そこにはフェイト、はやて、ユーノの3人がソファーに腰掛けて待っていた。
そして、翔馬達がロビーに入ると足音を聞いたフェイト達がこちらに振り向き近づいてくる。
「何や?2人で気難しい顔して。翔馬君、なんか真剣に考えなきゃいけない事でもできたんか?」
はやては開口一番そんなことを言うとニヤニヤしながら翔馬達2人を見比べるように見つめる。それに対してなのはは苦笑いで口を開こうとするが、その前に翔馬が少し後悔した様な浮かべて口を開いた。
「…やっぱ、男女2人きりで風呂なんて入るんじゃなかった。お互いにいい歳してるのにほぼ裸になって向き合うなんて。…なのはにどう責任を取ればいいか…。」
翔馬のあまりに深刻そうなな表情と発言に事情を知らない3人はポカンとした表情を浮かべ、思考が停止しているようだった。そして、最後になのはが翔馬の言葉の意味を理解して顔を瞬間沸騰させると慌てて翔馬の顔を見つめる。そこには表情を少しだけ曇らせて3人を見つめる翔馬の顔があり、なのはは翔馬が何か企んでいることがわかった。しかし、なのははそれに嫌な予感を感じ誤解を解くために赤い顔のまま翔馬の腕を引っ張ろうと腕を伸ばした瞬間。パンッと乾いた音がロビーに響き渡った。その音を聞いてその場に居た全員が正気に戻るとその音を放った人物を見つめる。
「…フェイト……ちゃん?」
なのはは翔馬を掴もうとしていた手を彷徨わせ、結局胸元で拳を握りしめる様な仕草をすると豪快に平手を振り抜いたフェイトと、衝撃で顔を横に向けた翔馬が目に映る。そして、フェイトは自分の良くわからない衝動と行動に戸惑いながらも今は大事な親友を傷つけた男を目に涙を浮かべながら睨み付けていた。…その涙の意味も知らずに。
「最低…!貴方はそんなことをする人じゃないと思っていたのに。」
「フェイトちゃん。落ち着き、なんか事情があるのかもしれへんし…。」
「事情って何!?…なのはを傷つける理由って!!」
「フェイト…。」
はやてはこんなことになるとは思っていなかったこと、そして初めて見るフェイトの憤る姿に戸惑った様子を浮かべていたが、自分がしっかりしなくてはと真剣な表情を作るとフェイトを宥めようとして声を掛けるが効果は無く、ユーノも発端が自分であるだけに後悔したような表情でただフェイト達の姿を見守ることしかできなかった。その中で、唯一真実を知っているなのはは思わぬ展開に頭が回らずただ2人の姿を見つめるしかできなかった。
「何とか言ったらどう?」
「……。」
「くっ!!…言い訳の1つもできないの!?」
翔馬はそのまま顔を俯かせて黙り込み、それを見たフェイトはさらに怒りに顔を染めると拳を握りしめて翔馬に背を向けて隊舎から出て行こうとする。その時、やっと声が出るようになったなのははフェイトの背中に今度こそ誤解を解くために声を掛ける。
「フェイトちゃん!!…さっきのは…」
「なのは!!」
「っ…!!」
しかし、それは思わぬところから遮られなのはは思わず体を竦ませフェイトの誤解を解くことは叶わなかった。
「翔馬…君?…このままじゃ!!」
「これでいいんだ。」
翔馬は1人納得したように苦笑いを浮かべるとフェイトから貰った平手の跡が付いた頬を撫でる。すると、隊舎の外に出たフェイトは自動ドアが閉まる直前で背を向けたまま呟いた。
「隊舎から西南に3kmの海上。」
フェイトが去った後そこには重い沈黙が訪れ、誰も言葉を発せられなかった。暫くの間そうしていたが、翔馬は全員を一瞥すると足を踏み出す。
「どこへ行くつもりや?」
「…少し散歩だ。今夜は海の風が気持ちよさそうだからな。」
はやては翔馬がどこかに行こうとするのを先回りして正面に立つと真剣な表情で睨み付ける。しかし、翔馬は外の様子を見てそう言うとそのままはやての横をすり抜けようとする。しかしそこにも翔馬の行く手を邪魔をする人物がいた。
「翔馬。…本当に、なのはの事を?」
「…だったらどうする?」
ユーノは目を伏せて聞きたくない言葉を待ち構えているかのように体を震わせていた。それに対し、翔馬は軽く笑って見せると、ロビーにいたユーノを除く3人は何かが切れる音を聞いた。
「翔馬ぁぁぁぁ!!!」
「なっ!?」
いきなりユーノが動いたかと思った瞬間、翔馬は宙を舞っていた。そして地面を転がると頭が揺らされたため起き上がるのも億劫だったが無理矢理に体を起こし殴られた個所に触れると口の中を切ったのかその手には赤い血が付いていた。
「…やってく……。」
「…君を信用した僕が間違いだったんだ。あの時君なら何とかしてくれるだろうと、君ならなのはとあの子の事を笑顔にできると思って……。」
翔馬は顔面に拳を叩き込まれたにもかかわらず笑みを張り付けて顔を上げるがユーノの姿を見た瞬間に翔馬の表情は氷のように固まり、翔馬は言葉を発することもできなかった。顔を上げた先そこにいたのはただ一人の男だった。今まで人を殴ったことのないその拳は殴った衝撃で震え赤くなっており、眼鏡の奥では何かが光っているのが見える。
「もう、君には任せないよ。僕がやって見せる。あの子の父親として。そして、なのはを守る存在として!!」
「ユーノ…君。」
ユーノの言葉になのはの口から思わず声が漏れる。しかし、なのはは収拾のつかない事態に戸惑い翔馬とユーノを心配げに見つめ、頭を働かせていた。この状態で自分がそんなことは無かったと叫べば誤解を解くこともできるだろう。しかし、それをしようとしたとき翔馬は真剣な表情で止めた。その意味を理解するまでには至らなかったが、必要なことなのだろうと思う。しかし、誤解を解かないとこんなことが何度も起きてしまう。でも…と、いくら考えても考えはループするばかりで結論にたどり着かない。このままユーノと共に居るべきかそれとも…そんな事を考えているうちにこの騒ぎが終わる。
「そうか。それならあいつらのことはお前に任せるとしようか。悪いが俺はもう行くぞ…。待ってる奴がいるしな。」
「ああ。勝手にすればいいよ。」
翔馬はしっかり立ち上がるとダメージを感じさせない様な足取りで隊舎を出て行った。
なのはは翔馬が居なくなったところで後を追おうとしたが、視界に映るユーノの方が気になってしまいドアの方を一度見てからユーノに近づいて声を掛けることにする。
「ユーノ君。大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。…それよりも、ゴメンなのは!!」
ユーノは思いっきり頭を下げてなのはに謝った。なのはは突然のことに驚きながらも顔を上げてとお願いしているとユーノも落ち着いてきたのか頭を上げて照れ臭そうにしていた。
「なのは。こんなことになってしまったのは僕の所為なんだ…。」
「でも、それは私やヴィヴィオのことを思っての事だったんでしょ?…大丈夫。ユーノ君の気持ち嬉しかったよ。」
なのははユーノの言葉に笑顔を向けて答えるが、ユーノはそれだけでは納得ができないらしくなのはから申し訳なさそうに目を逸らした。
「なのは…。でも、それだけじゃなくて…。」
「…あ、え~と。あれは、私の所為でもあるから…その、翔馬君だけが悪いって訳じゃ…」
「なのはは優しいんだね。」
「そ、そういう訳でも…。」
なのははユーノに風呂での件を持ち出され慌てて翔馬を弁護しようとするが、ユーノに優しい瞳で見つめられるだけでなのはは困ってしまう。そんな時に今まで黙っていたはやてが口を挟む。
「…コホン!ええ雰囲気の所ゴメンな。…なのはちゃんに一つ質問なんやけど、ホントに“あの”翔馬君がなのはちゃんの事襲ったんか?」
「それは…。」
はやての質問にどう答えていいのかがわからず、思わず黙り込んでしまい、それを見たユーノは悪いと思いながらもはやてに声を掛ける。
「はやて。…翔馬があの時言ったんだ。きっとホントの事なんだよ。なのはもそのことなんて思い出したくないだろうし。今はそっとしておいた方が良いんじゃないかな?」
「ん…。まぁ…、それもそうやな。なのはちゃんは少し休んだ方がええかも。…ただ。」
はやてはあえて言葉を切ってなのはの肩に手を置きいつもとは違う、指揮官の表情でなのはを見つめると先の言葉を告げる。
「ただ、次に私が聞いたとき、嘘付きは禁止や。もしそんなことしたらこの機動6課…いや、この管理局にまで影響が出てまう。それだけはしっかり覚えといてな。」
「はい。…わかってます。八神部隊長殿。」
なのはは少し疲れたのか元気のない笑みではやてに返事を返すと後ろ髪を引かれる思いでユーノと共にその場から去ることにする。
(翔馬君…。無茶はしないよね?)
なのはは窓の奥に輝く月を見上げていつもは綺麗だと感じるそれがとてつもなく不安を掻き立てた。
その頃フェイトも海上にて同じく月を見つめていた。
「どうして…翔馬。」
フェイトは時間を空けたおかげかいくらか冷静に出来事を整理することができていた。しかし、未だに自分の中のもやもやが拭いきれず、何故自分があれほどまでに憤るのか。…いや、なのはが傷付けられただから憤るのは当然のこと。しかし、それとは別に黒い感情があるような気がしてならない。…似たような経験はある。昔、なのはと他の女の子が楽しそうに話しているのを見るとなぜかそれが気に入らないなんて時、大抵こんな気持ちになる。でも、似た様な感情というだけで全く同じでは無かった。そう、今まで感じていたものよりも遥かに黒いとてつも無く嫌な感情だ。それが何なのか今のフェイトには分からなかった。分かりたくも無かった。そんなことを考えていると結構時間が経っていることに気付き、そして周囲の変化にもやっと気付いた。
「…いるなら声を掛ければいいのに。」
「フェイトはいつも俺の用事が終わるまでは声を掛けないでいてくれただろ?…それに、大事なことだと思ったからな。」
「…っ!」
いつものフェイトならここで顔を少しだけ赤らめて笑ってくれただろう。しかし、今のフェイトには翔馬のほんの些細な気遣いも鬱陶しく感じられた。ほんとに嫌な子になったものだと心の中で思いながら表面の顔は翔馬をきつく睨み付けていた。
「話は要らない。…剣を抜いて。」
「は?…何言ってんだフェイト?」
「剣を抜いて!!」
フェイトの言葉を聞いて呆気に取られている翔馬に向かってフェイトは容赦なくバルディッシュを振り抜いた。
「っ!?」
「はぁぁぁ!!」
翔馬は咄嗟にその場から退くと、フェイトに声を掛けようと顔を上げるがそのときには既に2撃目を打ち込む体制に入っており翔馬は声を掛けることを諦めその場で回避を続ける。
「どうしたの?…剣を抜いてって言ったはずだよね?」
「どうしてこんな戦いをする必要がある?…お互いに無駄しかないだろ。それにあの事件以来あいつらも動きが無い。今はこんなことをしてるより…。って!!」
翔馬がフェイトを説得しようと試みるが話の途中で切り捨てられてしまう。そして、フェイトは顔を俯かせてバルディッシュをなぞる。
「そんなこと、今はどうでもいいよ。翔馬が剣を抜かないなら…。」
「なっ!?……エアリアルスフィア!!」
フェイトがそう呟いた瞬間、翔馬はフェイトのやろうとしていることに気付き慌ててオリジナルの結界を周囲に張り巡らせる。
「リミッター解除って。本部に知られたら…。」
「…。」
翔馬の結界は周囲を風で包んでいるため魔力を細かく拡散させ周囲のレーダーや魔力探知に引っ掛からないという性質を持つのだが、何せ翔馬は前線で戦うことで生きてきた男である。一応習得はしたものの、滅多に使わない魔法で、しかも翔馬の苦手分野でもある。この魔法を維持させるには戦闘を行わずにある程度の集中力を保っていなければ不可能だった。そのため、更にフェイトへ説得を試みるのだが既にフェイトの目は据わっており説得も意味の無い様に思えると翔馬は仕方無しにこの結界内でフェイトと恐怖の鬼ごっこを決行することに決める。
「関係ない。今はこれを解決する方が…」
「…これ?」
フェイトの言葉の意味が理解できずそれに気をとられてしまったため翔馬は既に放たれた攻撃に気付くのが一瞬遅れてしまった。
「ターン。」
「何っ!?」
翔馬はフェイトから既に放たれていたプラズマランサーを間一髪で避けるがフェイトの声と同時に黄色い閃光が目の前で進路を変更し自分に向かってくる。
「くっ…。エアリアルブリッツ!!」
翔馬は超高速でプラズマランサーを回避するが、回避先には既にフェイトがバルディッシュを振り上げて待ち構えており、翔馬は舌打ちをしながら体を捻って躱すとフェイトはさらに追い打ちを掛けフェイトが一振りするたびに翔馬はその攻撃を躱すが一撃に込められた雷撃によって翔馬の体は時間が経つと共に傷をつけていく。そんな一方的な攻撃が幾度となく続き、翔馬の体は限界に近い状態まで追い詰められ、額には汗が滲み苦しげな表情を浮かべていた。その時、初めてフェイトが翔馬から距離を取り、その様子を見て翔馬は思わずフェイトの真意を探るように肩で息をしながらも警戒を強める。
「どうしてゼフィロスを抜かないの?…そうすれば今よりずっと楽に私の攻撃を捌けるはず。…どうして?罪滅ぼしでもしてるつもり?」
フェイトは翔馬を睨むようにしていたがその瞳の奥では戸惑いが浮かんでいた。これだけ容赦なくバルディッシュを振り続けていても翔馬は一切ゼフィロスに触れようとはせず、あくまでフェイトの攻撃を直撃だけしないように必要最低限の回避行動を続けていた。翔馬はフェイトにそう思われても仕方ないかと思いながらも、息を無理矢理整えてフェイトに目を向けると苦笑いを浮かべた。
「どうしてって言われてもな。さっき言っただろ?俺達が争うほど無駄なことはないって。…まぁ、でも、強いて言うなら訓練中ならまだしも……こんな戦いの中で俺はもう二度と仲間に剣を向けるなんてことはしたくない。…それだけだ。」
「…っ!?」
翔馬の短い一言だったがその言葉で納得したフェイトは思わず息を飲み、同時に冷水を頭から被ったかのような感覚と共に頭の中かが冴えわたり、激しい後悔の念に支配される。自分の剣を相手に向けることがどんなに悲しい事なのか痛いほど理解している翔馬が仲間から剣を向けられればそれに対して何も思わないはずもないだろう。そして、事の発端でさえも自分の勘違いなのだろうとわかる。“あの”翔馬が自分の欲望に身を任せて大切な人を傷つける筈がない。そんなことをすれば翔馬は今までの自分自身を否定することになるし、なにより、翔馬自身がそんなことを許すはずもないのだから。今まで翔馬に関わってきた自分にならわかる。翔馬がどんな思いでこれまで剣を抜いてきたのか。そして、どんな思いでこれから剣を抜いていくのか。
…そして、そんな翔馬に対して抱いた気持ちを理解したフェイトは思わず自傷的な笑みを浮かべる。
「…そういう事だったんだね。…私ってホント、バカみたい。」
「フェイ…ト?…お前…。」
翔馬はフェイトの呟き声よりもフェイトの頬を伝う一筋の涙に驚き何事かと思わず近づこうとするがフェイトの声によって、それは叶わなかった。
「ゴメンね。翔馬。…こんなことに付き合わせちゃって。」
「俺の事はどうでもいい。それより…大丈夫なのか?」
翔馬はフェイトに手で制されその場で立ち尽くすしかなかったがフェイトから発せられた言葉に対して首を振った。それを見たフェイトはやっぱり翔馬だな。なんて考えながら涙を拭うと翔馬に笑みを向けた。
「うん。もう大丈夫だから…。…帰ろっか。」
「…ああ。」
翔馬はフェイトに深く聞くことはせずにフェイトが背を向けるとその背を追うように翔馬も帰り支度を始めるが、その視界の隅に何かが光った気がしてその方向を見つめる。
「翔馬?…どうかした?」
「いや、なんとなく…いやな予感が、」
翔馬が呟くと同時にレッドアラートが鳴り響いた。