魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~   作:strike

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今回で戦闘訓練終わります。
次回からは、まったりとした時間が流れる予定です。

文章力については…聞き飽きましたね。
意見や感想はいつでもお待ちしていますので気軽に書いて頂けると…。

それでは第4話始まります。



第4話 模擬戦闘(後編)

模擬戦闘訓練が始まってから数十分が経ち戦況は五分五分の状況だった。

 

「はぁぁぁ!!」

「…ふん!」

 

模擬戦闘区域の一角ではヴィータのグラーフアイゼンとシグナムのレヴァンティンが火花を散らしており、お互いに引けを取らず接戦が続く。そのためか、2人は徐々に息が上がり始めていた。

 

「はぁ…はぁ。…腕を上げたなヴィータ。」

「はぁ、はぁ…っ。うるせぇんだよ。いつまでも昔のあたしじゃねぇ!」

「…そうだな。すまない、悪い意味で言った訳ではないのだが…。」

 

シグナムの上から目線にヴィータが反発するとシグナムは素直に謝る。するとヴィータは勢いを無くし、言葉に詰まるがすぐシグナムの行動に引っ掛かりを覚えた。

 

「っ。…シグナムが戦闘中に会話なんて珍しいこともあるんだな。疲れでも溜まって休憩中か?」

「そう言えばそうだな。…久々のヴィータとの戦闘に浮かれていたようだ、気を引き締めなければいけないな。戦闘に言葉などいらない。ただ目の前の敵を切り伏せるのみだ!」

 

ヴィータに普段通りでないことを指摘されると、シグナムは一度だけ顔に笑みを浮かべて表情を切り替えると再度ヴィータに向かって剣を振り下ろす。ヴィータは後方に飛んで回避すると同時に鉄球を複数個出現させる。

 

「これでも喰らってろ!…シュワルベフリーゲン!!」

 

ヴィータは空中で鉄球をばら撒くとシグナムに向かってアイゼンで打ち出す。その瞬間、シグナムはレヴァンティンをシュランゲフォルムに形状を変化させ剣を振るう

 

「はぁぁぁ。…シュランゲバイセン!」

 

連結刃となったレヴァンティンはシグナムを囲う様な軌道を描きヴィータの攻撃をすべて撃ち落した。それを見たヴィータは舌打ちをしてアイゼンに指示を飛ばす

 

「…ちっ。アイゼン!…カートリッジロード!!」

 

すると、アイゼンから機械的な声が聞こえたと同時に薬莢が2つ吐き出されラケーテンフォルムへと形状が変わった。そして、ヴィータが雄叫びを上げる。

 

「うおぉぉぉぉ!!…ラケーテンハンマー!!!!」

 

ヴィータの声と同時にアイゼンのブースターに火が点火され急加速を始める。シグナムは落ち着いた様子でヴィータを確認すると同じくカートリッジロードを行い薬莢を2つ吐き出した。

 

「レヴァンティン!…行くぞ。飛龍……一閃!!!!」

 

次の瞬間、2つの魔力が衝突して激しい爆風が巻き起こる。そして、2人は爆風の中から弾き飛ばされる様に吹き飛んだ。

 

「うわぁぁぁ。」

「…ぐぅっ。」

 

宙から落ちそうになりながらもお互いに何とか体勢を立し相手を睨み付けた。…所は変わり模擬戦闘区域のもう一角。

 

「はぁぁ!!」

「…っく。」

 

翔馬は右手に持ったゼフィロスをフェイトに振り下ろしフェイトはそれをバルディッシュで受け止める。

 

「ターン!!」

 

その瞬間、フェイトの遠隔操作により先程放ったプラズマランサーが方向を変えて翔馬に襲い掛かる。すると翔馬はすぐにフェイトから離れ、体勢を整えようとするが、視線を戻すと目の前にはフェイトがバルディッシュを振り下そうとしているのが見えた。体勢が不安定な状況ではそれを躱すことができずゼフィロスをバルディッシュの軌道上に合わせ直撃を避ける。が、勢いを殺すことはできず翔馬は海の方向へと叩きつけられた。

 

「くっそ!!」

 

翔馬は悪態をつくと魔力を全開にしてブレーキを掛け、殺せなかった勢いは横に移動する力に変換して海面ギリギリを滑走する。すると、

 

「プラズマランサー!!」

 

上空からフェイトの魔法が翔馬を狙う。翔馬は慌てて回避行動を取り上空に体を向けると

 

「エアリアルサイス!」

 

フェイトに向かって特大のエアリアルサイスを飛ばし、その後を追うように翔馬自身も急上昇する。フェイトはそれを回避すると翔馬に向かってバルディッシュを打ち込む。が、翔馬はそれをゼフィロスでいなして回避すると懐に潜り込み魔力で強化した肘打ちをお見舞いする。

 

「…かはっ。」

 

フェイトはその場から吹き飛ばされ、一瞬息がつまり慌てて呼吸を整える。そして、俯いてしまった顔を上げるとそこに翔馬の姿は見当たらなかった。

 

「…はぁ。…はぁ。っ!?…翔馬はどこ?」

 

フェイトはハッとして周囲を瞬時に索敵する。そして、索敵の結果から頭上を見上げると翔馬がこちらに向かってゼフィロスを振り抜こうとしているのを確認した。しかし、

 

「これで沈め!!…ゲイル・スティング!」

「ソニック…」

 

フェイトの声が翔馬の砲撃魔法にかき消された。翔馬は自分の砲撃を放った方向を見て呟く。

 

「これで、1人。…って訳にはいかないよな。」

「もちろんだよ。これくらいで落ちてたらお話にならないでしょ?」

「そりゃそうだよな。」

 

翔馬は後ろを振り向いて苦笑いを浮かべると、そこには笑顔のフェイトが立っていた。あの砲撃に飲み込まれる一瞬でフェイトはソニックムーブを発動し高速移動で砲撃を回避したのであった。

 

「まだまだこれから…でしょ?」

「…そうだな。まだこっから…」

 

と2人が話していると、リィンフォースⅡの声が突如響いた。

 

「ヴィータちゃん。撃沈。待機場所まで戻って来て下さい。」

 

と、リィンフォースⅡの声が全体に響き渡る。その声に納得がいかなかったのかヴィータが反論する。

 

「何であたしが撃沈なんだよ。あたしはまだ行けるぞ!?」

 

そう。ヴィータは先程の力比べで負けてしまったのである。そのためリィンフォースⅡは説得のため話を続ける。

 

「いえ、ヴィータちゃんはシグナムの攻撃をまともに受けてしまいました。その状態で訓練を続行するのは認められません。」

 

どんな反論も受け付けないと言わんばかりにリィンフォースⅡが退場を命じるため、ヴィータは渋々待機場所へと移動する。その際に、

 

『ヴィータちゃんありがとう。シグナムさんを足止めしてくれてたおかげでずいぶん楽な動きができたよ。ヴィータちゃんの頑張り無駄にしないように必ず勝つから。』

『はい。だからヴィータちゃんはゆっくり休んでいて。』

『後は、俺達に任せろ。』

 

とメンバーの3人から念話が聞こえ。ヴィータは笑顔で返事を返した。

 

『負けたらお前たち全員、アイゼンでぶっ飛ばすからな?』

 

と、言った瞬間、なのはたちは苦笑いを浮かべて

 

『任せて(おけ)』

 

そう答えた。翔馬は真正面のフェイトを見ながら今の状況を整理を始めた。ヴィータがいなくなった今、その穴を埋めるのは翔馬しかいないからだ。

 

(ヴィータがやられたってことは、今シグナムはフリー。ザフィーラはなのはの砲撃の防御に回っている。フェイトは目の前で…そう言えばはやては!?)

 

翔馬は急遽なのはと連絡を取る。が、フェイトはその隙を見て一気に距離を詰める。それに対応しながら翔馬はなのはとの念話を始めた。

 

『なのは。今そっちの状況は?』

『翔馬君?…今はヴィータちゃんがいなくなったからシャマル先生を守りながらザフィーラ、はやてちゃんと交戦中。…何かあった?』

『目視できる範囲にはやてがいるんだな?』

『ちゃんと追ってるよ。何とか抑えてるけど…シグナムさんまで来たら抑えきれないかも。』

 

それを聞いて翔馬は少し考え、ある提案をする。

 

『それなら俺がそっちに行く。フェイトもおまけで付いて来るだろうが…』

『…それしかないかな。各個撃破ができなくなった今、連携して相手を抑えたほうが確実…か。』

『どちらにしても、なのはが1人で大勢を相手にする状況は避けたいしな。今の2対1で一杯一杯だろ?』

『…あはは。…後ろにシャマル先生がいるからね。どうあってもここは通せないし。』

 

2人はこれからの動きの方向性を決めると各自動き出す。

 

『それじゃ今からそっちに向かう。落ちるなよ?』

『そっちこそ。フェイトちゃんに背中見せたら撃ち落とされるよ?』

『…何とかする。』

『了解。…それじゃ、待ってるね。』

『おう。』

 

念話を終えると、目の前のフェイトと打合いながらどう躱すか考える。しかし、閃光の異名を持つ彼女を振り切るのはよっぽどのことが無い限り不可能だろう。

 

「厄介だな…。」

「…どうかしたの?」

 

どうしようもない状態に翔馬は苦笑いを浮かべると、フェイトは不思議に思ったのか思わず問いかけてしまった。

 

「いや、この状況を引っ繰り返すのは厄介だと思ってな!」

 

翔馬は力尽くでフェイトを弾くと空いている左手でエアリアルシューターを無造作に乱射する。その瞬間、翔馬は足元に魔法陣を展開させ飛び立つ。

 

「奥の手だが…エアリアルブリッツ!」

 

翔馬は身体能力を格段に底上げさせる魔法を使用し体を緑色で包むと高速移動でなのはの元へと向かう。が、翔馬の思惑に気付いたフェイトはソニックムーブで翔馬を追い、プラズマランサーで進路を妨害する。翔馬は何とかそれを躱すが目の前にフェイトが回り込む。

 

「速すぎだろ…。まぁ、風より雷の方が速いのは道理だけど。…良く体が持つな。」

「鍛えてますから…でも、もしかしてとは思ってたけど、翔馬も魔力変換を持ってるんだね。」

「一応、風のエースストライカーですから!!」

 

フェイトのあまりの速さに感心の声を漏らすとフェイトは翔馬に返事を返し、少しだけ納得したかのように翔馬を見る。その翔馬は、速度を緩めることをせず、ゼフィロスを構えてフェイトと激しくぶつかり合う。そしてここに僅かばかりの高速戦闘が始まった。翔馬とフェイトはゼフィロスとバルディッシュを打ち付けては離れ、また打ち付けと目にも止まらない速さで戦闘を続ける。そして何度目の打ち合いだったのだろうか。翔馬とフェイトが打ち合う寸前に翔馬の体からエアリアルブリッツの効力が消えた。翔馬は急ブレーキがかかったように速度を落としフェイトに無防備な姿を見せてしまう。

 

「なっ!?」

「…貰った。はぁぁぁ。」

 

フェイトは勢いを殺さずにそのままバルディッシュを振り下ろし翔馬は慌ててプロテクションで防御をした。その瞬間、フェイトは驚いた表情になる。なぜなら…翔馬の顔には笑みが浮かんでいたからだ。

 

「っ!?…まさか!?」

 

フェイトが翔馬の本当の思惑に気付いた時にはもう遅かった。翔馬はフェイトの攻撃によって吹き飛ばされる。…なのはの戦闘空域に向かって。そう。翔馬の策略はフェイトから逃げ切ることではなかった。フェイトから逃げられないのであればフェイトの攻撃をわざと受けることでなのはの元へ向かう手伝いをしてもらえばいいと、何ともむちゃくちゃな策略だった。その結果、翔馬はなのはの元に無事(?)辿り着き体勢を立て直すとなのはの前に立つ。

 

「…はぁ、はぁ。悪い。待たせたな…。」

「ずいぶんお疲れだね。…大丈夫?」

「何とかな。…むしろこれだけでフェイトから逃げ切ったんだからマシな方だろ。」

 

なのはと翔馬が話していると後ろから声が聞こえた。

 

「翔馬君。ほんの少しだけど受け取って。風よ。癒しの恵みを運んで。」

 

シャマルが後ろで新たに魔方陣を展開すると、翔馬を緑色の魔力が包み込む。

 

「…傷が癒えていく…ありがとなシャマル。」

「これくらいしかできないので…。後少しだけお願いします。」

「任せろ。なのは援護頼むぞ。」

「了解!」

 

そして、翔馬は再度戦闘に入る。目の前にはヴィータとの戦闘で傷ついたシグナム。先程の翔馬との戦闘で消耗したフェイト。なのはの砲撃によって徐々にダメージを蓄えたザフィーラ。そして後方にははやてが見える。まず、翔馬が捉えたのはシグナム。剣を振り抜き鍔迫り合いになる。が、後ろからフェイトが翔馬を狙う。

 

「翔馬君。回避!!…ディバイン…バスター!!」

「…っと。」

 

翔馬はフェイトからの攻撃を受ける直前にシグナムを受け流し後ろに回り込むとシグナムを踏み台にして上空へと逃げる。その瞬間、なのはの砲撃が今いた場所を薙ぎ払う。フェイトは自分の攻撃が外れたことを確認する前に回避。シグナムも翔馬に踏み台にされるが、直ぐに体勢を立て直して回避を行った。しかし、シグナムは回避が遅れたのか砲撃に巻き込まれ吹き飛ばされてしまう。その瞬間、再度リィンフォースⅡの声が響く。

 

「シグナム撃沈。待機場所まで戻ってくださ~い。」

「しまった。…わが主、後を頼みます。」

「お疲れさん。…ゆっくり休んどき。後は私達でやる。」

 

はやてが微笑んでシグナムを見送る。そして、戦闘は再開し翔馬は次に上空からザフィーラを狙う。ザフィーラはそれに気づきプロテクションを張るが…。

 

「いい加減、俺もやられっぱなしって訳にはいかないんだよ!…はぁぁぁ!!」

「…っく。攻撃が重い!?」

「切り裂け!ゼフィロス!!」

 

翔馬の攻撃の重さにザフィーラが驚くと、翔馬が叫び、ゼフィロスから薬莢が吐き出される。

 

「…エアリアル…スマッシャー!!!!」

「ぐあぁぁ。」

 

ザフィーラを包み込むほどの魔力に成す総べなく、ザフィーラは海へと落下を始めるが途中で体勢を立て直す。その瞬間

 

「続いて、ザフィーラも撃沈。帰って来て下さいね」

「…承知した。」

 

リィンフォースⅡから指示が出たため、ザフィーラも退場する。

 

「これで2対3だな。」

「まさか立て続けにやられるなんて…。」

「こっちが有利。このまま押し切ろう。」

 

翔馬がゼフィロスを肩に担ぎ、笑みを浮かべるとフェイトは真剣な顔持ちで翔馬たちを見据える。対してなのは今の状況を好機とみてレイジングハートを構える。すると、

 

「フェイトちゃん、遅くなってゴメン。準備完了や。」

「なのはちゃん、翔馬君。準備完了よ。」

 

はやてと、シャマルの2人の声が重なる。それを聞いた翔馬は声を上げ

 

「良し。シャマル、なのは。頼むぞ。」

「「了解。」」

 

と返事が返ってくるとフェイトに向かって魔法弾を打ち出そうとするがフェイトが見当たらなかった。辺りを警戒しながら見渡しているとはやてのとシャマル、なのはの声が同時に響き渡る。

 

「これで終わりや!!…来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ……フレースヴェルグ!!!!」

「強制転移!!座標、エクセリオンバスター砲撃射線上!!」

「エクセリオン……」

 

と、状況が変わり翔馬は慌てて声を上げる。

 

「は!?…ちょっと待て!!これはヤバ……」

「バスターーー!!!!」

 

翔馬の声が届く前に悲劇は起こった…。はやてからフレースヴェルグが放たれたと同時にシャマルの強制転移が始まり、はやてとフェイトをなのはの砲撃射線上へと強制的に転移させた。そこへ、なのはがエクセリオンバスターを放つと…フレースヴェルグとの衝突が起こり…

 

「「「「あれ!?」」」」

「終わったな。」

 

状況を飲み込めていなかった4人は驚きで顔が固まり、翔馬は諦めた様子でその時を待った。そして…。

 

ーーードォォォォォォン。

 

と地響きのような腹の底に響く巨大な音と共に魔導師5人は海へと落ちていくのであった。

 

 

 

 

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