魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~ 作:strike
まったりのつもりが…。いや、まったりです。
意見と感想お待ちしてます。
それでは、第5話スタート。
ここは訓練場の待機場所。…そこには先ほど激戦を繰り広げた魔導師達がいた。
「全く何を考えてるんですか!…危険行為は禁止ですって最初に言ったじゃないですか。」
最後に撃沈した5人はリィンフォースⅡのお説教を聞いていた。あの後、5人は空中で体勢を立て直そうとしたが爆風の影響が大きかったのかうまく魔法をコントロールできずにそのまま海に落ちてしまった。幸い怪我はなかったが、待機していたメンバーに酷く心配を掛けてしまったため、小さな魔導師から小言を延々と聞かされているのだ。その様子を傍から見ていた2人は苦笑いを浮かべると
「…良くタイミング合わせられたな。」
「あれは、不運だったとしか言いようがない。」
「そうだな。普通じゃあんなことにはならねぇよ。」
説教を受けている5人を気の毒そうに見つめるのであった。そして、小一時間が経った頃
「わかりましたか。これからはぜっっっったいにあんなことにならないよう細心の注意を払って行動して下さいね。」
「「「「「…わかりました。」」」」」
やっと話が終わったのか5人はグッタリとしながらベンチへ腰を下ろす。
「まさか、あんなことになるなんて思っても見なかったよ。」
「そうやな。…シャマルが動かないと思ってたらそんなことしてたんか。」
なのはとはやてはお互いに嫌な偶然が起きたことを苦笑いで話していた。一方、フェイトと翔馬、シャマルは先程のお互いの戦術について話し始める。
「戦術としては一発逆転を狙った最後の手段ってところだったのかな?あんまり、お勧めできない戦術だったけど…」
「まぁな。本来なら模擬戦でやるような戦術じゃないとは思ったんだが、実際俺達が戦わないといけないのはガジェットドローンっていう、無人兵器。それに加えてAMFを持った相手だからな。各個撃破じゃとても追いつかない…。」
「だったら、なるべくまとめて撃破できる環境を作ってあげればそれだけで手間がかからないし被害範囲も抑えることができる。っていうことで今回は試験的にやってみようという作戦だったんだけど…実際には空間認知に時間が掛かるし、その上で相手の座標も正確に追わなきゃいけない。時間の関係がうまく調整できなくて。…まぁ、相手が違うっていう事もあるんでしょうけどね。」
シャマルは苦笑いをして現場では使えないかも。と付け加える。そして、しばらく休憩するとまた全員が集まり、
「それじゃ、第2回戦と行こうか。」
はやてが仕切り再度訓練を行うことを全員に伝える。
「今度はリィンも参戦するですよ。」
「またチーム戦か?」
リィンフォースⅡの参戦を聞いた翔馬は疑問を持ちはやてに聞いてみる。
「今度は2対2や。今日はいろんなパターンで模擬戦闘をして、それぞれの癖や対応を全員分しっかりと覚えてもらうよ。」
「「「「「「了解。」」」」」」
はやてが笑みを浮かべて言い放つと全員が頷き、再度戦闘準備を始めるのであった。
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その日の夜…。翔馬は部屋のベッドに倒れこんでいた
「はぁぁぁ…。流石に1日通して模擬戦はキツかったな。」
あの後、結局模擬戦は全てで20戦目まで行われ全員最後には疲れた表情で隊舎へと戻って行った。翔馬は寝返りをうつと
「そう言えば、夕飯食べてなかったな…。コンビニでも行ってくるか。」
そう言って制服を気怠げに着直すと外へ出ようとする。そして、食堂の前を通ると何やら話し声が聞こえ少し覗いてみると
「今日は楽しかったね。久々のメンバーで模擬戦が出来て。」
「そうだね。こんなに戦ったのいつ以来かな?」
「う~ん。…入隊した時以来ちゃうかな。あの時はみんな必死になってたからな…夜遅くまで訓練してたっけ。」
「そんなこともあったね。」
なのは、フェイト、はやての3人が料理をしながら楽しそうに話をしていた。翔馬は彼女達の様子を見てホントに仲が良いんだなと、笑みを浮かべるとその場を後にしようとした。しかし、
「…あれ?誰かいるの?」
なのはがふと入り口を見ると丁度誰かが出て行こうとしているのが見えたので思わず声を掛けると、翔馬が物陰から出てきた。
「悪い。邪魔するつもりはなかったんだけどな。」
「ううん。邪魔だなんてそんな。」
苦笑いを浮かべる翔馬に対し、フェイトが笑顔で首を横に振る。すると隣のはやてが翔馬の格好を見て声を掛ける。
「翔馬君はご飯食べたん?」
「え?いや、まだだけど…?」
「私達も今、丁度ご飯にするところなんよ。良ければ一緒にどうや?」
はやては料理を作りながら翔馬に問いかけると、翔馬は少し驚いた様子で
「…俺もいいのか?」
「翔馬君。何で驚いてるの?」
3人に尋ねると、なのはは笑いながら翔馬を見る。
「いや、久々の3人での食事だろうし。…俺が入ってくのも…な。…それに、飯の量も足りなくなるだろ?」
翔馬は気遣いのつもりなのかその場を後にしようとするが、なのはは厨房から出て来て翔馬の腕を引っ張ると厨房の近くの席に翔馬を座らせる。
「いいから座って座って。」
「…お、おい。なのは!?」
「もう少しで出来上がるからちょっと待っててな。」
「3人の自信作だからね。」
そう言って3人は笑い合うと、料理を進めて行く。そして、数分後。
「出来上がりや。…料理運んでもらえる?」
「ああ、それくらいは俺がやるよ。」
はやてが出来上がったことを伝えると、翔馬は立ち上がり大皿に乗せられた料理を運んでいく。全ての料理が並ぶと4人は席に付き
「それじゃあ、いただきます。」
「「「いただきます。」」」
4人が声をそろえると、各自料理に箸を伸ばす。そして翔馬が料理を一口食べると驚いたように声が漏れる。
「へぇ…うまいな。これ全部3人の手作りなのか?」
「うん。3人で分担して作ったんだよ。ここにあるのがはやてちゃん」
「これはなのは。そして、私はこれ。」
そう言って、なのはとフェイトが誰がどの料理を作ったのか説明していく。
「3人とも料理うまいんだな。…飯がいくらでも進むよ。」
その言葉を聞いて3人は笑みを零し食事を再開する。そして暫く4人が会話を楽みながら食事しているとなのはが思い出したように翔馬に尋ねる。
「そう言えば、翔馬君。」
「…ん?なんだ?」
食事している手を止めてなのはの方を向く。
「今日の模擬戦の事なんだけど…。翔馬君って確か二刀流だったよね。今日はずっと剣、1本で戦ってたけど…何か理由があるの?」
その一言で先程まで華やいでいた場が静まりかえり、フェイトとはやてはバツの悪そうな表情で翔馬の顔を見つめる。すると、翔馬はその雰囲気を壊すような軽い口調で話しはじめた。
「…実は俺、実践になると何故か二刀流を使いこなせなくなるんだよ。それに魔力が安定しなくてな。小さい頃はそれでもどうにかやってたんだが、この年になって無茶な戦い方はできないからな。今はゼフィロスにリミッター掛けて右腰の剣は抜けないようにしてあるんだよ。」
笑いながら少し恥ずかしそうに頭を掻きはやてとフェイトの2人は無理矢理笑みを浮かべる。なのはは、少し考える素振りをすると
「…そうだったんだ。…でも、なんか今日の翔馬君の戦い方、別人みたいだったから。前はフェイトちゃんよりもシグナムさんみたいに剣一筋!って感じで遠・中距離魔法も殆ど使ってなかったよね。」
昔を懐かしそうに思い出しながら当時の翔馬の事を語る。それを聞いた2人複雑な表情を隠しながらなのはを見ると
「翔馬君は、空戦魔導師として働いてるけど実際は陸・空の両方での戦闘を任されとるし」
「…それに加えて隊長クラスになれば戦闘スタイルが変わるのも仕方のないことじゃないかな?」
はやてとフェイトがフォローに入ったことになのはは驚き2人を見て
「え?…うん。まぁ、そう言われればそうかもしれないけど…。」
翔馬はまだ納得がいかないような表情をするなのはに対して顔に浮かんでいた笑みを消すと、少し遠い目をした。
「まぁ、これでも101部隊の副隊長だからな。前みたいな特攻隊長じゃ味方が見えない…少しは味方を気に出来るくらいには引く事も大切だと、そう思っただけだよ。」
そう言って、懐かしげに微笑んでなのはの顔を見つめる。そして、なのはも翔馬を見つめるが、その表情に浮かんでいたのは一瞬で変わった翔馬の雰囲気に対する戸惑いだった。それを見ていたはやてとフェイトは顔を少しだけ俯かせ、なのはは、何かを言いかけるが、
「…ごちそうさま。3人ともおいしかったよ…ありがとな。もしまた作るときは呼んでくれ。…それじゃ、お休み。」
翔馬はなのはが戸惑っている間に食事を済ませると立ち上がり、食器を下げて最後に一言声を掛けてからその場を後にする。食堂に残った3人は少し重い雰囲気の中で食事を済ませ、フェイトとはやてはなのはの様子を気にしながら、なのはは翔馬の言葉と表情の意味を考えながら部屋へと戻るのであった。その頃、翔馬は部屋に戻りシャワーを浴び直そうとシャワールームに入って、シャワーを頭から被っていた。そして、左手を壁について頭を垂れると前髪が翔馬の目を隠す。
「やっちまった…。絶対3人とも気にしてるよな。…何で普通に受け流さなかったんだか。」
翔馬は後悔した顔をしながら、左腕を横目で見る。するとそこには肩から肘の手前までに掛けて大きな傷跡が残っていた。
「はぁぁ。……悪いことしたな。」
翔馬は大きなため息を吐くと、蛇口を捻りシャワーを止めタオルで体を拭いて着替えると部屋へと戻るのであった。なのはは部屋に戻るとベランダに出て夜空を見上げていた。
「…どうしたんだろう。翔馬君。…あんな表情、初めて見たかも。」
部屋に戻っても頭から離れないあの言葉、あの表情。…なんてことはない言葉だった。普段ならその言葉をそのまま受け取り理解することもできただろう。しかし、なのははあの表情を見た瞬間、何か違う気がした。戦闘区域が多岐に渡るから戦闘スタイルが変わった?隊長としての責任があるから戦闘スタイルが変わった?そのどちらもがなのはを納得させる理由にはならなかった。でも、嘘を言っていないこともなのはにはわかった。だからこそわからない。この胸のつっかえがなんなのか。何か大切なことが抜け落ちているかのようなもどかしさ。そんな複雑な心境でなのはは思った。
ーーーもっと、あの人の事を知りたいと。