魔法少女リリカルなのはStrikers~風のエースストライカー~   作:strike

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なんか、グダグダになってきたような…。
相変わらずの温かい目で見守っててください。

…それでは第7話スタートです。


第7話 ファーストアラート

初日からハードな訓練が終了したスバル達は、思い足を引き摺りながら寮までの道を歩く。そしてやっとの思いで寮に到着すると、丸まった4人の背中に声を掛ける人物がいた。

 

「お疲れ。…4人とも今帰りか?」

「あ!…藤田一等空尉」

 

訓練服で木刀を持った翔馬が歩いて近寄るとそれを見たスバルが声を上げる。それと同時に4人は無理矢理背筋を伸ばそうとするが、翔馬はそれを手の平を向けて制する。

 

「いいよ、楽にしてて。ずいぶんお疲れみたいだしな。…それと朝は言い忘れたが、俺の事は翔馬でいいぞ。あんまり、堅っ苦しいのは苦手なんだ。」

 

そう言うと、4人は姿勢を崩してエリオが恐る恐る声を出す。

 

「わかりました。…それでは、翔馬さん…で、いいですか?」

「ああ、構わないよ。エリオ。」

 

エリオは翔馬からの返事をもらえると笑顔を見せる。そして、翔馬は全員の顔を見渡すと苦笑いを浮かべた。

 

「初日から訓練の厳しさに4人がめげていたらどうしようかと思ったが、その顔を見るとそんな心配は要らなかったみたいだな。…それじゃ、あんまり休みの時間を削るのも良くないから…4人ともちゃんと休めよ?」

「「「「はい。お先に失礼します。」」」」

 

翔馬の言葉に全員が頷くと翔馬は笑みを浮かべて4人を見送る。そして、スバル達は翔馬の見えない場所まで歩いて行くとドッと疲れが出たのか、肩を落とす。

 

「それじゃ、今日は大人しく休みましょ…。…流石にこれじゃ明日持たないわ。」

「確かにそうですね…。早く休んで明日に備えましょう。」

 

全員の姿を見かねたティアナがそう言うと、キャロが賛成し今日はそのまま各自の部屋へと戻るのであった。そして、ロビーに残った翔馬はスバル達が部屋へ戻ったことを確認してから部屋へ歩き出そうとすると、入り口の自動ドアが開いた。

 

「あ、お疲れ様。翔馬君。」

「お疲れ様。翔馬。…今戻り?」

 

そこには、隊舎から戻ったばかりのなのはフェイトがいた。

 

「2人こそ、お疲れ。今丁度、訓練を終えて帰って来たとこだ。…2人とも初日はどうだった?」

 

翔馬の言葉に2人は笑みをを浮かべる。

 

「うん。こっちは皆、元気でいい感じ。」

「こっちも滞りなく会議が進んだよ。…反応としてはまずまずってとこかな?」

「そうか、なら今のところは順調ってことだな。」

 

翔馬は安心したように2人を見ると、なのはとフェイトはクスッと笑う。その2人の様子に翔馬が首を傾げると

 

「…だって、まだ初日だよ。」

「ここで躓いてたら、先に進めないよ。」

「…それもそうだな。まだ、始まったばかりだもんな。」

 

翔馬は苦笑いを浮かべて頭を掻く。それを見て2人がもう一度笑うと、フェイトは少し真面目な顔でスバル達の部屋の方向に顔を向けた

 

「真っ直ぐ、立派に育つといいね。」

 

と、少しだけ笑みを浮かべてなのはを見る。それに対してなのはは柔らかい笑みを浮かべるが、その瞳にはとても真っ直ぐな想いが込められていた。

 

「育てるよ。…あの子たちがちゃんと自分の道を戦っていけるように。」

 

そう言ったなのはのアンバランスな表情を見て翔馬は笑みを浮かべると一言だけ発した。

 

「そうだな。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

そして、スバル達の最初の訓練から2週間が経ち、ようやくこの機動6課に隊員達が慣れ始めた頃。場所は例の如く、訓練場。そこでは、早朝訓練最後の訓練が丁度終わったところだった。なのはは満足げな表情でバリアジャケットを解除し、制服姿になるとスバル達に近づく。

 

「さて、皆もチーム戦に大分慣れて来たね。」

「「「「ありがとうございます!!」」」」

 

なのはが笑顔でスバル達を見てそう言うと、スバル達は引き締めた表情で答える。すると、なのははティアナを見てニッコリと笑う。

 

「ティアナの指揮も筋が通って来たよ。指揮官訓練、受けてみる?」

「い、いや、あの。戦闘訓練だけで一杯一杯です。」

 

とティアナが苦笑いで返し5人で話をしているとフリードが何かを感じ取ったのか声を上げた。それに気付いたエリオが鼻を利かすと

 

「あれ?…なんか焦げ臭くないですか?」

 

と一言。すると、ティアナがスバルの足元を見て慌てて声を出す。

 

「あ、スバル。あんたのローラー!」

「え?あ、うわ。やば~。」

 

ティアナの指摘にスバルは自分の足元を見ると、慌てた様子でローラーを外し抱きかかえる。するとそれを見たなのはは少し悩み顔をした。

 

「オーバーヒートかな。後でメンテスタッフに見てもらおうか。」

「はい…。」

「ティアナのアンカーガンも厳しい?」

「そうですね…。騙し騙しです…。」

 

2人は困った表情でなのはの言葉に頷く。するとなのははスバル達を見渡して

 

「皆戦闘訓練にも慣れて来たし、そろそろ実践用の新デバイスに切り替えかな…?」

 

そう独り言を呟くと、全員ポカンとした表情を浮かべてなのはを見つめる。

 

「取り敢えず一旦寮でシャワー使って、着替えたらロビーに集まろうか。」

「「「「はい。」」」」

 

なのはは、スバル達にそう言って寮に向かって歩き始める。すると寮の玄関前で、翔馬が黒塗りのスポーツカーに乗っているフェイトとはやてに話しかけていた。それを見たティアナは思わず声を漏らす。

 

「あれって…。翔馬隊長とフェイト隊長…それに八神部隊長?」

「ん?お、…なのは達は訓練終わりか?」

「うん。そうだよ。」

 

こちらに気付いた翔馬はなのは達一行に声を掛け、それに対してなのはが答える。すると、5人は車に近寄りスバルが驚きの声を上げる。

 

「うわ~凄い。これ、フェイト隊長の車だったんですか!?」

「そうだよ。地上での移動手段なんだ。」

 

スバル達は物珍しげにフェイトの車を眺める。はやては、車から少し体を乗り出して皆の様子を見る。

 

「皆訓練の方はどないや?」

 

はやてに尋ねられるとスバル達は姿勢を伸ばし、スバルは苦笑いを浮かべて、代わりにティアナが答える。

 

「あ~。ははは。」

「頑張っています。」

「…みたいだな。」

 

翔馬は全員の訓練で汚れた姿を見て、満足げに頷く。すると、フェイトが申し訳なさそうな表情でエリオとキャロを見つめた。

 

「エリオ、キャロ。ごめんね。私2人の隊長なのに訓練見てあげられなくて。」

 

すると、2人は笑顔を見せフェイトに返事を返す。

 

「いえ。そんな。」

「大丈夫です。」

 

それを見てなのはが全員を見渡し、フェイトとはやてに向き直る。

 

「4人ともいい感じに慣れて来たよ。いつ出動があっても大丈夫。」

「そうか。それは頼もしいな」

 

なのはの言葉を聞いて嬉しそうな声を上げるはやて。それを聞いた翔馬はスバル達を見ながら笑みを浮かべた。

 

「それなら、そろそろ俺も訓練に参加し始めてもいい頃だな。…今日の昼からの訓練にでも顔出そうか。」

「「「「え!?」」」」

 

そう言うと、スバル達は来てほしいけど、来てほしくないと言った複雑な表情を浮かべる。それを聞いてなのはは笑顔を浮かべる。

 

「それは丁度いいかも。…これから4人のデバイスを新デバイスに切り替えるところだったんだ。翔馬が来てくれるなら訓練も幅が広がるかも。」

「へぇ。もうその段階まで来たか。実践も大丈夫って言うだけはあるな。」

 

感心したように翔馬が言うと、フェイトとはやてがこちらに声を掛ける。

 

「私達は6番ポートまで行ってくるから。」

「私は教会本部でカリムと会談や。夕方には戻るよ。」

「私は、お昼前には戻るから…お昼はみんなで一緒に食べようか。」

「「「「はい。」」」」

 

スバル達は元気よくフェイトとはやてに答えると、それを見てからフェイトが車を発進させる。

 

「ほんならな~。」

 

はやては手を振って全員に声を掛けるとスバル達は敬礼して2人を見送る。そして車が見えなくなるとなのはが声を掛け、スバル達は寮に戻っていく。なのははその場に残ると翔馬に話しかける。

 

「翔馬君はこれからどうするの?」

「俺は、一回隊舎に戻ってレリックの目撃証言をまとめておく。昼過ぎになったらそっちへ顔を出すよ。…ヴィータも居れば良かったんだけどな。」

「そうだね。今日は人手が多い方が良かったかも。でも、翔馬君がいてくれるだけで頼もしいよ。」

「…良く言うよ。なのは1人でも十分だろうが。……それじゃ、先に行くぞ。」

「そんなことないよ。…うん。それじゃ。」

 

会話を終えて翔馬がなのはに背を向けて歩き出すが背中に視線を感じて再度振り向く。

 

「……どうかしたか?」

「え!?…ううん。何でもないよ。…それじゃね。」

 

なのはは慌てた様子で寮の中に入っていくと、翔馬は不思議そうにしながら隊舎へ向かう。なのはは寮のロビーに入ると一息つく…。

 

「はあぁぁ。ダメだな私。あの日からなんか翔馬君を目で追っちゃうんだよね…。……っ!?」

 

今の口にした言葉になのはが自分で驚くと、他の誰かに聞かれてないか目で辺りを見回す。そして、誰もいないことに安堵して苦笑いを浮かべた。

 

「今のって他の人が聞いたら誤解されるよね…。気を付けないと…。でも、一体何なんだろ。…これ。」

 

なのはは約一か月前からふと思い出したときに翔馬の事を目で追う様になっていた。胸に突っかかる思いが何なのかを確かめるために。しかし、タイミングが悪いのか確かめる暇はなのはに存在しなかった。戦技教官であるなのは、新人4人のメニューを組み立てる傍ら、レリックの捜査状況の整理と言った事務的な仕事を任されることが多かった。それに対し翔馬は力仕事。現場に出てガジェットドローンの破壊や捜査。時には隊舎にいることもあるが、基本的には隊舎の設備を動かすための手伝いだった。そんな訳で、なのはがあの日以来翔馬とまともに会話をしたのは部隊長挨拶の時になるのであった。

 

「……確かめようがないと言えばないんだけど。…どうにかならないかな?」

 

そんなことを1人考えていると、4人がシャワーを浴び終え戻ってくる。

 

「「「「お待たせしました。」」」」

「…うん。それじゃ行こうか。」

 

なのははスバル達を見て気持ちを切り替えると隊舎に向かって歩き始めた。そして、5人が隊舎に到着し、向かった先はデバイスの開発や修理・整備を行うデバイス専門のラボだった。するとなのはは、スバル達が中に入るのを確認して

 

「…ごめんね、みんな。後ですぐに来るから先にシャーリーとリィンからデバイスの説明受けててね。」

 

それだけ言うとなのはは一旦その場から離れて別の場所へと向かう。スバル達は首を傾げるがシャーリーから4人の新デバイスが見せられると目を奪われ、自分たちのデバイスに夢中になる。

 

「うわ……これが。」

「あたしたちの新デバイス…ですか?」

「そうで~す。設計主任はあたし。協力はなのはさんフェイトさんレイジングハートさんそしてリィン曹長。」

 

スバルはネックレス型のデバイス、ティアナはカード型のデバイスを見ると驚きの声が漏れ、それにシャーリーが勢いよく頷く。それに対し、エリオとキャロは外見が変わらない腕時計とブレスレットの新デバイスに首を傾げる。

 

「ストラーダとケリュケイオンは変化なしかな?」

「うん。そうなのかな?」

 

と2人が話をしているとリィンがエリオの頭に乗っかり否定をする。

 

「違いますよ。同じなのは外見だけです~。」

 

そう言うと、リィンとシャーリーはそれぞれのデバイスについて説明を始める。そして最後にリィンが4つのデバイスを周囲に呼び集めると4人を見つめて

 

 

「この子達はまだ生まれたばかりですが、色んな人の願いや思いが込められてて、いっっっぱい時間かけてやっと完成したです。ただの武器や道具だとは思わないで、大切に……だけど、性能の限界まで思いっ切り全開で使ってあげて欲し いです!」

「この子たちもね、きっとそれを望んでいるから。」

 

そう言って、リィンとシャーリーの説明が終わると新デバイスをスバル達に渡す。その瞬間、ラボの入り口が開く。

 

「ゴメン、ゴメン。遅くなっちゃったかな。」

「なのはさ~ん。」

「いえ。ナイスタイミングですよ。丁度基本的な説明を終えた所ですから。」

 

中に入ってきたのは、なのはだった。すると、リィンはなのはの近くに寄り添いシャーリーは笑顔で迎えた。

 

「そっか。…新デバイスはすぐに使える状態なんだよね?」

「はい!!」

 

なのはの問いに対してリィンが元気よく答える。それを確認したシャーリーが説明を続けようとしていたところで、隊舎中にアラートが鳴り響いた。

 

「一級警戒態勢か…。」

 

翔馬はオフィスでアラートを聞くと急いで司令部に向かう。そして、全員が配置に着くとはやてから連絡が入り状況を理解すると、はやてはそれぞれの役割を確認し始める。

 

「グリフィス君は私に代わって隊舎での指揮。翔馬君はその補佐をお願いしてええか?」

「「了解!!」」

「うん。リィンは現場管制。なのはちゃん、フェイトちゃんは現場指揮。」

「「うん!!」」

 

全員が頷きそれを確認したはやては一呼吸おいてから出動を命じた。

 

「ほんなら…。機動6課フォワード部隊……出動!!」

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

こうして、機動6課の初出動が始まった。

 

 

 

 

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