Hunter×tale   作:カルカルパッチョ

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7話 ※

「それならばリアラ様、お一つご提案がございます。」

 

すぐ近くのスラム街で肩慣らしをしようと準備しているところで執事長のゴトーから待ったがかかった。

 

「我々執事と戦って頂くというのはいかがでしょうか。」

 

キャラは不機嫌な感じを隠さずに表にだした。よく苦虫を噛み潰したかのようなと例えられる顔だと思う。

 

「いや、別に良いんだけどさ...ボク無駄なことに時間使うの嫌いなんだよね」

 

あ、今ピキって音した気がする。

 

「ご心配なさらずとも。そこら辺のチンピラに負けるほどではございません。」

 

「あ、そう?じゃお言葉に甘えて」

 

「もちろんでございます。では...」

 

二回、乾いた音を手で鳴らすとすぐにガチャと扉を開く音とともに女の執事さんが現れた。

 

「失礼いたします。リアラ様、こちらへ」

 

「ん?こっちってたしか物置部屋につながる扉じゃなかったっけ?」

 

「えぇ、そうです。しかし──」

 

コンコンコンと三回のノックに扉から若干のオーラが吹き出す。とっさに身構えるも扉からゆらゆらと出るだけで何も起こらない。

 

顔をしかめていると女執事さんが扉を開く。そこに広がっていたのは『鍛錬』の文字が書かれた木板と空間が広がっていた。

 

「こうすることでたどり着くことができます。」

 

おそらく念能力の補助が目的のオーラで書かれる『神字』と念能力の複合なのだろう。実際、扉と壁との接合部のオーラは心なしか量がおおかったし。

 

にしても物置部屋に仕掛けってなんかしらないけどよく見るよね。本当になんでか知らないけど。

 

ナイフを具現化し、手の上でくるくる回す。何度か回したあと手に持ち、そして上に弾き落ちてきた柄の部分を正確につかんだ。

 

「それじゃあ始めよっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんつー動きしやがる...!)

 

鋭い眼光でコインを弾いて攻撃しつつも動きを観察する。目線の先には盾役強化系の執事をスピードで翻弄しながらも読めない動きでこちらの攻撃を回避、さらにはナイフを投げて牽制と防御を同時にこなす小柄な少女がうつっていた。

 

元のねらいはキルアの護衛にふさわしい実力を持っているかを試すためにしたことだが、これではどちらが試されてるのか分かったものではない。

 

足にオーラを集中させた素早い動きには強化系以外の足では追い付けず、足止めさせている執事と同等、もしくはそれ以上のスピードが出ている。

 

ならばと足にオーラを集中させると薄くなったところに投げナイフと“凝”の蹴り。

 

前衛のマンダラとカミラ、中衛にマトン、さらに後ろからゴトーとニシオ。

 

この5人の立回りで抑えられてはいるがほぼ全ての攻撃を回避しているところを見るに、数段上手と考えても問題ないだろう。

 

(見えてるオーラ量と比べて強化倍率が低い?──少なくとも強化系ではない。ナイフは具現化?──いや、投げナイフを俺のコインと同じように持っている可能性。転がっていたナイフが消えてる──消してるか回収してるか分からねぇように立ち回りやがる...)

 

コインを弾きながら冷静に思考をめぐらす。いつか主の壁となった時に備えて。幸い、強化系または放出系、変化系でないことはほぼ確定している。

 

そこで状況が動く。いままで回避と迎撃にてっしていたキャラがナイフをパーカーの中へとしまったのだ。

 

代わりに手に持たれたのはリボルバー式のピストル。右手にあるそれに注意を向けた瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その弾は周囲のコインを打ち落とす。それを機会に弾切れと判断したマトンという若い執事が距離をつめようとした瞬間、投げられたナイフで足を止められ、できた隙にアゴに蹴りが決まる。

 

「まずは一人」

 

その一連の流れを見ていたゴトーはマトンに不甲斐なさを感じ、舌打ちしてから思考に浸る。

 

「バカが...念能力が不明なのに下手に距離をつめるんじゃねぇよ」

(──具現化した弾じゃない。弾を入れる時間はない...となると放出?いやポケットに隠したナイフの質量がないところを見ると具現化のはず...自分の系統と別の能力をつくると威力もメモリも問題が出てくるから可能性は少ねぇ...厄介だな。)

 

1人ダウンしているなか先程より余裕をもって攻撃を避けている。

 

やられたマトンは格上との実戦経験こそないものの、実力は確かで『放出系オーラで切り傷をつける』という触媒を用いる操作系であった。

 

中途半端に力があった分、長時間の戦闘をあまりしたことがなかったのだろう。避け続ける相手にシビレを切らし近づいた瞬間にこれだ。

 

実はすごくいい仕事はしていたのだ。攻撃することでタイミングをずらしたり、視界の端にチラチラとうつることで集中をとかせたり。まぁ、だからこそ先にやられたのだが。

 

マトンが落ちたことで念弾が消えることから弱めていたマンダラの『炎をだす能力』の勢いが増す。それにあわせてカミラの『相対する性別で変わる強化』の倍率も強化させる。

 

臨機応変に執事たちが隙を埋める中、それを嘲笑うかのようにキャラが情報を増やす。

 

青黄黄青黄青、わずかな隙の瞬間に上に弾きだされた二色の弾丸を寸分の狂いなくピストルに吸い込ませていく。

 

「しっかり避けなよ?」

 

仮面の奥で口角があがったのを幻視する。直後、二発カミラに向かって撃たれる。一発目は避け、二発目は拳で弾く。

 

そう、正直ピストルなどの銃というものは念能力者にはほとんど意味がない。見てからでも回避できるし、弾くこともできる。強化系にいたっては“纏”の状態でも銃弾を弾くことができる。なんなら銃弾より速くはしれる。

 

それこそ当たった瞬間に何かが起きる能力でなければ致命傷から程遠い。

 

だがそれでも意識を一瞬だけでもそらすことが目的なら、攻撃の隙間を埋めるための行動であるなら、射程という問題を軽減させるための物であるなら、むしろ最適といえるだろう。

 

銃弾を弾いた腕のすぐ真下、そこに写りこむ緑色のパーカーと赤いナイフ。

 

何が、と思う時間もなく顔にむけてナイフを突きつけられる。咄嗟に顔に“流”でオーラを集中して──失敗を悟った。

 

なぜならナイフを持った右手ではなく、握りこんだ左手のほうがオーラの量が多かったからだ。

 

キャラのその左こぶしを腹に向かってふるわれる、前に突如その場から飛び退く。

 

──避けた場所には一本のオーラの矢が刺さっていた

 




すまねぇ...戦闘シーン書いてたら長くなったから四苦八苦してたらいつの間にか2ヶ月経っていた...

結局三話くらいに分かれることになったぜ。初のガチ戦闘シーンだから長いと思っても許しておくれ...
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