Hunter×tale   作:カルカルパッチョ

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5話

 

ヌメーレ湿原を進むこと数分、辺りを濃霧が包み込む。手を伸ばせば指先が少し霞むくらい濃い霧で後ろを振り返れば数メートル先にいる人の影も見えない。...唯一感じるのはヒソカの殺気が気持ち悪いほど私に向けられてることか。

 

「ゴン、リアラもっと前に行こう」

 

「大賛成。早くヒソカから離れたい。あいつのオーラ気持ち悪いんだもん」

 

「オーラって?」

 

バッと慌てて口を塞ぐ。やっちゃった...非念能力者に“念”の存在を匂わせる発言はアウトなのだ。特にキルアはゾルディック家で大事に育てられているようなので勝手に教えると最悪消されるのでは...?

 

「...リアラ?」

 

目が泳ぎ、冷や汗が滝のように流れる。どうしよう...まだ死にたくないよ...流石にマハさん、ゼノさん、シルバさんに同時に目をつけられたら余裕で三回は死ねるね。取りあえず何か言い訳をしないと...

 

「あ、え、そうそう、そいつが放つ雰囲気的なもののことだよ。キルアも感じてるでしょ?」

 

「ん?ああそうだな」

 

実際はキルアが感じているのとは全然違うものだろうが同じという事にしておこう。幸いそれで納得したようなのでこれ以上の追求はあるまい...良くやった私!

 

「うわあぁぁ!!!」

 

どうしてか走ってきた後方ではなく右側から悲鳴が聞こえてくる。霧に惑わされて方向を見失ったか?

 

悲鳴が聞こえてきたと同時にヒソカのオーラが遠ざかっていくのを感じた。やる気満々の快楽殺人モードなのだろう

 

「レオリオたち、巻き込まれなければ良いいん「いって───!!」...けどなぁ」

 

レオリオの声がここまで聞こえてきた。あの~フラグ回収が早すぎませんかねぇ?まだ言いきって無かったんですけど。これ私がフラグ立てたせいで死なせちゃったら罪悪感すごいんですけどー!

 

ゴンが走り出す。試験まで一緒に行った仲だ。これくらいのタダ働きはしようかな

 

「キルアー先に行ってて」

 

「は?オイ───」

 

キルアの肩を叩いて私も走り出す。キルアの呼び止める声も初めだけですぐに聞こえなくなった。途中でゴンを抜かしたし先に辿り着けそうだ。

 

ようやく見えてきたのは数十人という受験者がヒソカを囲んでいる状況だった。

 

「君たちまとめてこの一枚で十分かな♣️」

 

「ほざけェェ!!」

 

全員が一斉に飛びかかる。ヒソカはハートの4を構え一番近い受験者にトランプを振るいその首を切る─ことはなかった。

 

リアラが“絶”状態で人の間を縫うようにしてヒソカの標的の人に突進、ついでに右足で蹴りを入れたのだ。

 

急に現れたリアラに全員の動きが止まる。その間に体制を立て直し、ヒソカに相対した。

 

正面から向き合うとリアラは蹴りが効いてなかった事に内心舌打ちをし、あからさまに嫌な顔をした。理由はヒソカの興奮したような表情と下腹部にある。

 

「くっくっ君なら確実に楽しめそうだ♥️」

 

「うへぇ本っ当に気持ち悪い。戦いたくないんだけど...見逃してくれたりはしない?」

 

「しないね♠️」

 

「デスヨネー...」

 

確認をしつつリアラの頭の中に浮かんでいる案を高速でシミュレーションしていくがどれをやっても周りが邪魔すぎる。数秒、いやそれにも満たない間の静寂の中でそれまで固まっていた受験者たちが武器を握り直した

 

「うおぉぉぉ!」

 

「えっ...ちょっ」

 

棍棒を持った一人がヒソカに向かって飛び出し、それを皮切りにほぼ全員が攻撃を開始する。

 

リアラにとってこれは最悪だった。ヒソカは殺すことを厭わないが、リアラは敵対しない人は出来るだけ死なせない主義なので数人ならまだしも数十というと守り切れないのである。

 

リアラは気絶しない程度に手加減して蹴ることでヒソカから遠ざける。...がそれでもヒソカに向かっていくので助かる人の方が少ないのは必然的だった

 

流石に向かっていった人の多くが瞬殺され冷静になったようでもう飛び出そうとする奴はいなかった

 

リアラが身を低くしつつ距離を詰める。足に“流”でオーラを集めて小柄な体格からは想像も出来ないスピードで懐に潜り込み、跳び蹴りを顔面に放つ

 

しかしヒソカはこれを余裕をもって右腕で防御、続いてトランプを横に振るうがリアラは体を捻り回避すると同時に腹へ反対の足で蹴りを入れた。

 

蹴った反動を利用して距離を取る。“凝”で大きなダメージは入っていないが衝撃は伝わっているはずだ。

 

(体術と素のパワーはあっちが上、スピードは勝ってるけどそのうちスピード頼みの私の方が先にスタミナ切れになるのは明白。ここで鎖鎌は出したくない。本当、面倒だ)

 

「んーそっちのターンは終わりかな♣️じゃあこっちから行くよ♦️」

 

リアラは思考を開始するがヒソカが待ってくれるはずもなく、余裕の表れかゆっくりと近づいてくる。

 

「へっ、やっぱダメだな。女に任せて自分だけ逃げるってのはよォ!」

 

「レオリオ!?」

 

どこからか取ってきた木の棒を片手にレオリオがヒソカに向かっていく。そのまま大きく振りかぶって攻撃、が最低限の動きで回避して後ろに回り込んだ。

 

ドカッ!

 

赤い玉と針が付いた物がヒソカの顔を打った。その玉には細長い糸が繋がっていて飛んできた方向を見るとゴンが持った釣竿だった

 

私は驚いたのはヒソカに攻撃を当てたことでも釣竿とは想像がつかないような音をしていたことでもない。ゴンの存在に気づかなかったことだ。

 

もしかしたら息を潜めていたのではなく今来たばかりなのかもしれない。それでも、目の前の敵であるヒソカに注意を向けていようとも、生半可な“絶”状態だとしても見破れる自信があった

 

    .... .

そう、生半可な“絶”なら

 

 

ゴンの“絶”は少なくとも数年、あるいは10年ほどの時間をかけなければ到達できないほど完璧だった。しかし、この状況でも“纏”をしておらず念能力者ではないのは目に見えて分かることだ。

 

「やるねボウヤ♣️釣り竿?ちょっと見せてよ♠️」

 

私を横目に見ながらヒソカはゴンに近づいて行く。レオリオが二度目の戦いをヒソカに挑んだが顔面を殴られ宙を舞う。同時にゴンが飛び出し攻撃を繰り出すがこれも回避される。

 

その間の私は静観を決め込んでた。理由はヒソカにゴンとレオリオを殺す気がないからである。もちろんすぐに止められるような距離に居はするが。

 

殺す気が無いのなら止める必要はない。触らぬ神に祟りなしってね

 

「んん~──うん!君も合格♠️良いハンターに成りなよ♦️」

 

合格?ヒソカってもしかして裏の試験官だったのか。そんなわけあるかァ!こいつが試験官だったら1割も生き残んねぇよ!

 

心の中で愚痴を叫んでいると電話の着信音が響きわたる。ヒソカのポケットから鳴っているようだ。

 

『ヒソカ、そろそろ戻ってきなよ。もうすぐ二次試験会場につくみたいだ』

 

「OKすぐ行く 」

 

ピッっと電話を切る音と共に「またね♣️」と手を振って帰っていく。二度と来んなピエロ!と親指を下に向けて心の中で呟いた。

 

霧に紛れて姿が見えなくなるとへたりとゴンの力が抜け膝をついた。極度の緊張からか顔には脂汗が流れ、腰が抜けているようにみえる。

 

そんなゴンを見てため息をこぼす。電話の話が本当なら急いだ方が良いのだからここでゆっくりはしていられない。...そういえばゴンって鼻が凄く良いんだよね

 

「ねぇゴン、ヒソカが向かった場所って鼻で分かったりしない?」

 

「...あ、えーっとさすがに他の魔獣のにおいに紛れられてるから難しいかな。レオリオみたいに香水をつけてるなら別だけど」

 

ふーんなるほどね。ヒソカは追えないけどレオリオなら追えるのね。

 

...良いこと思い付いた。私は早く着きたいから先に行く、けどだからと言ってゴンたちを見捨てる訳ではないようなこと

 

ここの魔獣に殺されるくらいだったらその程度だったってだけさ。わざわざ試験会場まで護衛していくのは面倒だしタダ働きにも程がある。

 

気絶しているレオリオを肩に担ぎ上げ、歩き出す。

 

「先に行ってるよー。レオリオのにおいなら辿れるんでしょ」

 

私はそういってヒソカと同じ方向に向かって歩きから早歩きに変える。とは言ってもおおよそ常人には出せない速度に達てしているのだが。

 

後ろから私を呼ぶ声が聞こえる。多分、私が本当に道が分かるのかを聞かれてるんだけど残り時間が少ないかもしれない中で質問に答える気はない。

 

これからまたあの変態がいるところに行くと思うと憂鬱な気分になる。

 

「はぁ...」

 




戦闘描写ってムズくね?

1~4話の試験会場までの道のりは書き直すべきか?

  • 書き直すべき!
  • そのままでもいいんじゃね?
  • どっちでも良いから更新しろやァ!
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