Hunter×tale   作:カルカルパッチョ

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「」は普通にその場の会話、『』は機械を通した声
“”はてきとうにつけてます。


7話

─二次試験後半─

 

お題は《スシ》。ヒントとして魚以外が揃っていて、極東の島国の料理であること。さらに握り寿司しか認められない

 

受験者の大半がスシを知らず、試行錯誤したものを試験官(メンチさんと言うらしい)に運んでいく。

 

そんな中、私はというとグレイトスタンプの五匹目を受験者の邪魔にならないところで焼いていた。

 

 

       どうしてこうなった?

 

 

最初、お題が発表されたとき調理場に向かうと魚だけが無いのがわかった。

 

“絶”をしながら前半で見つけた川でグロテスクな見た目の魚を何匹か生け捕りして戻る。

 

漁をしている人なら全員知っているが、見た目が凄いヤツほど身が美味しいのが普通だ。色が鮮やかなのは毒を持っていることが多いが。

 

形や味などは知っていたため、あとはメンチさんの口に合うように...せめて人に出せるように工夫し、自分を犠牲にしながらも出来た物をメンチさんに持っていった

 

結果は散々な評価をもらったが『及第点』とめでたく合格者第一号となった。

            

ここまでは良かったのだ。()()()()

 

問題はその後でブハラさんの発言である。なんとあの人は一般人より明らかに大きいグレイトスタンプを70頭も食べたにも関わらず「小腹が空いてきた」と言ったのだ

 

そのすぐに減る腹はきっと四次元ポケットかまたはブラックホールになっているのだろう。

 

ブハラさんの発言に私が料理を作るハメになり、それくらいならと思って引き受けたら明らかに小腹の量じゃなかった。

 

「あれ、リアラじゃん。何してんの?」

 

「合格したからこき使われてるの。」

 

「何だよ。合格してんだったら『スシ』が何か教えろよ」

 

ハッハッハ、それは出来ない相談だ。何せ口止めされてるからね!

 

そう思いつつ口の前でバツを作ると渋々と言った感じで引き下がった。やけに素直だなぁと考えていると炭の臭いと共に背後に熱を感じる。不思議に思っているとキルアが「つーかさ」と口を開いた。

 

「─それいいの?凄いことになってるけど」

 

キルアが指を指した方向に目を向けると、そこには火に包まれた豚の丸焼きが──

 

「ウワアァァァァ!?」

 

咄嗟に火消し用にバケツで川から汲んだ水をかける。すぐに火は鎮火されたが、黒焦げの明らかに食べ物とは思えない物体が残った。

 

あぁグレイトスタンプ...クソォ!一体だれがこんなむごいことを!キルア?キルアだな!

 

しかし「あーあ、知ーらね」っと一足先に自分の調理に戻ったキルアに邪魔をする間もなく会場に響いたメンチさんの怒号によって私の怒りも鎮火された。

 

メンチさんは怒涛の勢いで私と同じくスシを知っていただろう忍を攻め立てていた。その後、メンチさんがキレる前に忍者が大声でスシが何かをバラしたため味で審査するしかなくなったらしい。

 

いや無理じゃん。美食ハンターが味で審査し始めたら一流の料理人でも難しいと思う。先にクリアしておいて正解だね。

 

黒焦げとなったグレイトスタンプを解体し、地面に埋めたりして生態系の糧になってもらった。

 

そんなことをしている内に試験の終了が告げられ私以外の受験者が絶句していた。予想通りあのあと一人も合格出来なかったようだ。

 

ほどなくしてメンチさんが携帯を取り出しどこかへ電話し始めた。耳を澄ませばハンター協会であることがわかる。

 

『────────』

 

「報告してた審査規定と違うって!?なんでよ?最初からあたしが“おいしい”って言ったら合格にするって話だったでしょ!」

 

「いやそれは建前で審査はあくまでヒントを見逃さない注意力と「あんたは黙ってなーーー!!」...」

 

Oh...ブハラさんを一喝しただけで黙らせた...力関係はメンチさんのが上なんだね。

 

「と・に・か・く!あたしの結論は変わらないわ!二次試験後半の料理審査、合格者は1名よ!!」

 

『───「ピッ」...』

 

あぁ、ハンター協会の人がなんか言ってるっぽかったけど問答無用に切っちゃったよ。電話の相手ストレスすごそう。

 

ドゴォォォォン!

 

電話相手の胃を心配していると突如、轟音が鳴り響いた。どうやら255番の人が調理台を素手で破壊した音らしい。

 

へ~念無しであそこまで破壊出来るのは素直に凄いと思う。単に調理台が脆かっただけかも知れないけどね。

 

「納得いかねェな。俺が目指してんのはコックでもグルメでもねぇ!賞金首(ブラックリスト)ハンター志望だ!美食ハンターごときに合否を決められたくねぇな」

 

ハハッ自分と相手の実力差すら測れてないヤツが何か言ってるわ。少なくとも貴方はその()()()にも勝てない気がするけどね。

 

「しかも一人の合格者はアイツだろ!」

 

おいコラ指さすな。まあ確かにこの試験での合格者は私ですけど。どうだ凄いでしょ「何でこんなチンチクリンのガキが合格して俺が不合格なんだ!?」...ア゙ァ゙?

 

誇らしげに胸を張っていると聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。ガキ?ガキと言ったかあの野郎は?

 

あーあ、嫌いも嫌い大嫌いだああいうヤツ。人を見た目で判断するなって教わらなかったのか?

 

頭は怒りで染まっているのにどこか他人事のように感じていた私はすぐに怒りを抑える事が出来た。

 

その後、メンチさんの「運が悪かったわね。また来年来れば~?」と挑発的な発言に男は激昂し、殴りかかった。

 

自分の感情すら抑えられないヤツなんてたかが知れている。それを証明するかのようにブハラさんの“絶”の張り手一発でのびていた。

 

「賞金首ハンター?笑わせるわ!美食ハンターごときの一撃でのされちゃってさ。武芸なんてハンターやってれば嫌でも身に付くもの。私が知りたいのは未知のものに挑戦する気概なのよ!」

 

『それにしても合格者一人はちとキビしすぎやせんか』

 

男が吹っ飛ばされたのをみてスッキリした私は会場に響いた音の方に意識を向けた。

 

ドォォォン!!

 

上から落ちてきたお爺さんは平然とした表情で歩いて来た。

 

...あの距離から落ちたらいかに念能力者と言えどもダメージは追う。それでも何事もなかったように歩いているのでおそらく強化系だろう。

 

お爺さんの名はアイザック・ネテロ。人類最強の念能力者と呼ばれた人物だ。現在は協会の会長をしている。

 

メンチさんと話し合った結果、ネテロ会長が提案したのは“メンチさん実演の再試験”だった。

 

それならばと目が覚めた男とメンチさんも納得し、改めて発表されたお題は─

 

「そうですね、それじゃあ“ゆで卵”で。会長、私たちをあの山まで連れていってくれませんか?」

 

「なるほど。もちろん良いとも」

 

指を指した方向には高い山があり、そこまで行くために困惑の表情を浮かべながらも全員飛行船に乗り込んだ。

 

 

 

─移動中...─

 

 

はい、着きました。果たしてここに何があるんだろうね。まあ十中八九たまごなんだろうけど、もしかして...

 

「「「「えー!?」」」」

 

急に周りがざわめき、崖の下を見ていたので私も覗いてみるとそこには自由落下するメンチさんが見えた。

 

そこでネテロ会長が説明を始める。

 

「マフタツ山に生息するクモワシの卵を取りに行ったのじゃよ。クモワシは丈夫な糸で卵を吊るし、陸の獣から守る。その糸につかまり一つ卵をとって上ってくるのが試験じゃ」

 

「これでゆで卵を作るのよ」

 

いつの間にか戻ってきたメンチさんが補足する。さっきの255番の男は萎縮してしまったようだ。ザマァ

 

「あーよかった。」

 

「こーゆーの待ってたんだよね」

 

「走るのやら民族料理やらよっぽど早くて分かりやすいぜ」

 

キルア、ゴン、レオリオの順に話し、迷いもなくクラピカを含めた4人が崖に飛び込んでいく。それに他の受験者も続いて飛び込む。

 

その間私は行きたい気持ちでウズウズしながらも合格したのに行くのは迷惑になると思い、気持ちを押し止めていた。

 

それに気づいたメンチさんが口を開く。

 

「別に行きたいなら行っても構わないわよ」

 

「良いんですか!?」

 

「まあその分リスクが増えるだけだけど」

 

「リスク上等!ハンターは多少のリスクは飲み込んでやりたいことをやるものだと聞いたので!それじゃ」

 

言いたいことは言えたのですぐさま飛び込む。何て言ったってあのクモワシの卵だ。普通だったらハンター(ライセンス)がないと近づけすらしない代物である。それを取って良いと言うのだから行かない手はない。

 

掴んだ勢いで糸が切れる、何て事はないと思うが念のため身を翻しながらゆっくりと下っていく。空中での戦闘が強いられたことがあったため対応出来るようにしたのがここで役立つとは...

 

卵を取った後は簡単、崖を登るだけ。戻ってくるとゆで卵の準備をしていた。本当なら持ち帰りたいところだが、ハンター試験で割れる危険性があるので大人しくゆで卵にした。

 

完成したゆで卵は濃厚で市販のものとは文字通り格が違った。皆、思い思いに感想を口にし、あの男にも「完敗だ」と言うレベルである。

 

その時のメンチさんは満足そうな笑顔を浮かべていた。

 

「もういないわね。じゃあ合格者の46人は飛行船に乗って」

 

結局、24人が落ちて次の会場へと向かう飛行船に乗り込む。

 

出来るだけ早く寝たかった私も足早に飛行船へと乗り込んだ

 




毎週日曜投稿(予定)

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