【安価】なんとかして卑劣様とラブラブになる   作:律可

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夜明け前がいちばん暗いなら

775:OVRをやっていくスレ主

気づいたら部屋でひとりで倒れてたみたいで

目が覚めたらキズナくんの側近たちがキズナくんを取り囲んでてさ

言うのよ

「マダラ様率いる抗戦派の一派が、停戦協定を破って千手に攻め込んでいる」

「私たちはどうすべきでしょうか」

「キズナ様」

「キズナ様」

って

 

なんて言えばいいんやろうね

キズナくんは

 

776:名無しの忍さん

絶句したわ

 

777:名無しの忍さん

えげつな

 

778:名無しの忍さん

マダラおにいちゃん何しとんの…?

 

779:名無しの忍さん

気付いたら倒れてたってどういうことや

敵にでも襲われたんか

 

780:OVRをやっていくスレ主

≫779

倒れる前の最後の記憶が

マダラおにいちゃんがキズナくんの前に立って写輪眼発動させてるところなのよ

どうやら写輪眼食らわせられて昏倒させられたっぽい おにいちゃんに

 

781:名無しの忍さん

おにいちゃんに昏倒させられた上に大人たちに取り囲まれて

「これからどうする?」って詰められてるのかキズナくんは

 

782:名無しの忍さん

泣いていい

 

783:OVRをやっていくスレ主

扉間くんがさ

「全部ムリになったら逃げてきていいよ」てことを言ってくれたやん

割とそれを心の支えにしてたんやけど

今なんだよなそれ

 

784:名無しの忍さん

今じゃなきゃいつなんだくらいのストレスフル状況やしな

 

785:名無しの忍さん

実際どうする?

扉間くんのとこ行く?

 

786:OVRをやっていくスレ主

≫785

行かない

扉間くん今忙しいやろうし

キズナくんを見つめてくるこの二十四の瞳から逃げるわけにもいかんし

 

787:名無しの忍さん

忙しいのは確かやろうな扉間

主にマダラおにいちゃんのせいで

 

788:名無しの忍さん

いい大人たちが14歳の男の娘に判断仰いでるのおかしかないか

 

789:OVRをやっていくスレ主

≫787

おかしくはないのよ

この状況だとキズナ様に判断を仰ぐのは正しい

 

790:名無しの忍さん

現当主の唯一の弟やもんな

命令系統はひとつやないと混乱するし

 

791:OVRをやっていくスレ主

あとねえ

キズナくんのカリスマ値がやたら高いのも影響してる

このカリスマ性のせいで「とりあえずキズナ様についてこ」て周囲に思わせてしまってる感ある

 

792:名無しの忍さん

そういやカリスマの値を上げてってるて言ってたもんな

実際のとこどんな感じになるのカリスマだと

 

793:OVRをやっていくスレ主

≫792

うちは宗家モード時のキズナくん、

新興宗教の教祖的な雰囲気醸し出してるで

意味深な微笑み浮かべてる感じ

 

794:名無しの忍さん

美少女が意味深な微笑み浮かべてたらついてってしまうかもな

 

795:名無しの忍さん

扉間くんの前にいるときとはキャラ違うんやね

 

796:名無しの忍さん

好きな人の前と身内の前ではそりゃキャラ変わるやろ

 

797:OVRをやっていくスレ主

さて現実逃避もこれくらいにして

現状に対応していこうか

 

798:名無しの忍さん

どうする気なん

 

799:OVRをやっていくスレ主

端的に言うと「残っているうちはは全員ここで待機」命令を出した

マダラおにいちゃんたち追いかけるなよって

 

800:名無しの忍さん

ええんかそれで

マダラおにいちゃん一派と完全に袂を分かつことになるんやないの

 

801:OVRをやっていくスレ主

≫800

おんなじことをキズナくん一派代表みたいになってるマツバさんに言われたわ

けどな、ここでマダラおにいちゃんを追って隊に加わったりしたら

千手との融和路線が完全に取れなくなる

 

802:名無しの忍さん

停戦協定ブッチして喧嘩売りに行ってるんやもんな

 

803:名無しの忍さん

てかマダラ何しに行ったん

停戦しておきながらさ

キズナくん昏倒させてまで

 

804:OVRをやっていくスレ主

わかんない(半ギレ)

けど多分、今日で終わらせる気なんやと思う この膠着状態を

キズナくんを置いてったのはキズナくんを巻き込むことを気にせず暴れるためとちゃうかな

 

805:名無しの忍さん

勝つ気なんか柱間に

 

806:名無しの忍さん

勝てるんかな…

てか勝ったら勝ったで困ったことになるんとちゃうか

 

807:名無しの忍さん

どっちに転んでもキズナくんは困るんやろうなって

 

808:名無しの忍さん

既に困ってるしな

 

809:OVRをやっていくスレ主

不安そうな一族をひたすら宥めて「うちはなら落ち着いて構えていなさい」つって

各々の家にいったん帰した

いざとなったら僕がなんとかしますって言ったわ

 

さて

出発しましょうか

 

810:名無しの忍さん

どこへ?

 

811:OVRをやっていくスレ主

そりゃマダラおにいちゃんのところへよ

戦場になってる場所の大体の位置はさっき聞いたから

ひとりで行ってくる

 

812:名無しの忍さん

ひとりで行ってくんの!?

 

813:名無しの忍さん

危ないやろ

 

814:名無しの忍さん

何しに行くのよひとりで

 

815:OVRをやっていくスレ主

≫814

同族殺し

 

816:名無しの忍さん

とんでもないこと言ったな

 

817:OVRをやっていくスレ主

じゃあ行ってくるで~

 

818:名無しの忍さん

ワイらに説明してから行ってくれ

 

819:名無しの忍さん

説明されても悲しい気持ちになることはわかる

 

820:OVRをやっていくスレ主

戦装束に着替えてこっそり出てこうとしたんだけども

マツバさんに捕捉されて裏口で立ち塞がられたわ

 

821:名無しの忍さん

≫820

マツバさんかっけえ

 

822:OVRをやっていくスレ主

マツバさん「どこへ行かれるのですか」

キズナくん「……ごめん、見逃して」

 

823:名無しの忍さん

マツバさん「どこへ行こうというのかね」

 

824:名無しの忍さん

キズナくん、対マツバさんやとそんな感じなんや

 

825:OVRをやっていくスレ主

なんか意味深なこと言われたけど見逃してくれたわ

 

826:名無しの忍さん

≫825

いや見逃すなや

実質宗家唯一の子やぞ

 

827:名無しの忍さん

マツバさんなんて?

 

828:OVRをやっていくスレ主

≫827

「マダラ様はキズナ様のことを愛していらっしゃいます」

だそうです

知っとるわ

 

829:名無しの忍さん

マツバさんの何か知ってる感

 

830:名無しの忍さん

ほんとに一人で行くの……?

 

831:OVRをやっていくスレ主

一人で行くよ

キズナ様を支持してくれてる人に同族を手にかけさせたくない

 

832:名無しの忍さん

キズナくんさ

千手と戦ってる抗戦派うちはを殺しに行く気なの

 

833:名無しの忍さん

やめなよ……

 

834:OVRをやっていくスレ主

マダラおにいちゃんは柱間さんには勝てないと思う

今回は柱間さんも本気で対応するだろうし

戦場で会ったこと何度もあるからわかるんやけども

柱間さんはほんとにおかしい 強さが

しかも扉間くんも出てくるとなると無理ゲーよ

 

835:名無しの忍さん

だからって身内殺しをする意図はなんやの

 

836:OVRをやっていくスレ主

今回の戦いが終わったら、きっと千手はうちはの生き残りを許さない

裏切って奇襲してきたんやもん

今日でうちはの戦力もだいぶ削がれるやろうし、

となるとうちはは厭戦派含め殲滅される

降伏してもその後の処遇は甘くはないやろうね

 

837:名無しの忍さん

柱間とか扉間がなんとかしてくれんかな

 

838:名無しの忍さん

≫837

流石に厳しいやろ

 

839:名無しの忍さん

だからって千手と戦ってる身内を殺して千手の被害を抑えることで

和解の道を残そうとしてる?

 

840:名無しの忍さん

ええんかそれで

 

841:OVRをやっていくスレ主

良いか悪いかは正直よくわからんよワイにも

それにな いま千手にいるのは千手の人だけやないの

千手に亡命したり投降したうちはの人たちも暮らしてるはずやの

 

842:OVRをやっていくスレ主

その人たちがどんな扱いになってるのか詳しくは聞けてない

けどかなり肩身が狭い立場なんは間違いなくて、

今回の件で肩身が狭いどころじゃないことになると思われるんよね

 

843:OVRをやっていくスレ主

だから まあ

そんな感じなんよ

 

844:名無しの忍さん

こう言ってはなんやけども

亡命した人はうちはを切った人なわけやから

その人たちの行く末にそんな心を砕く必要はないんちゃうかなって

 

845:OVRをやっていくスレ主

≫844

マダラおにいちゃんとワイキズナくんの対応によっては

その人たちもまだうちはとして暮らせていたはずやしなって思ってしまうとな

 

846:名無しの忍さん

このスレが始まって間もないころに「あんまりこの世界に没頭すると危ないで」みたいなこと注意してたスレ住民いたけど

その人が危惧してたのはこういう状況なんかな

 

847:名無しの忍さん

俯瞰した立場で物言えなくなってるもんなキズナくん

冷酷でも最適解を取るサイコ幼女だったのに

 

848:名無しの忍さん

今も最適解を取りに行っていると言えなくはないが

スタンスが違う

 

849:OVRをやっていくスレ主

そうこうしてるうちに戦場についたんやけども

キズナくん、同胞殺ししなくてすむかもしれん

 

850:名無しの忍さん

≫849

マジ!? よかったやん

 

851:名無しの忍さん

よかった…

これ以上曇るキズナくんはいなかったんですね

 

852:OVRをやっていくスレ主

キズナくんが手を出すまでもなく、もうみんな死んでる ほとんど

 

853:名無しの忍さん

世紀末かよ

 

854:名無しの忍さん

何もいいことなかった

 

855:OVRをやっていくスレ主

でもまだ戦ってるうちはもいるので行ってきますね

 

856:名無しの忍さん

こんなに送り出したくないのも珍しいな

 

857:OVRをやっていくスレ主

そんで今、急にわかったというか腑に落ちたことがあるんやけど

キズナくんは 今日とは違う明日 とか 可能性とか未来とか

そんなのが欲しくて色々頑張っとったけど

いま千手と戦ってるうちはが欲しかったのはそんなんじゃなかったんやな

彼らが欲しかったのは「今日」なんよ

誇り高いうちは一族として死ねる今日

そりゃキズナくんの言葉が届かんわ

求めてるものが根底から違うんやもん

 

858:名無しの忍さん

なんも言えんわ

 

859:名無しの忍さん

それも一つの選択やしね…

 

860:OVRをやっていくスレ主

多分マダラおにいちゃんはそこんとこわかってたんやろうなあ

嫡男やもんなあ

ところで暗い話していい?

 

861:名無しの忍さん

≫860

もうしてるんだよな

 

862:名無しの忍さん

どうぞ

 

863:OVRをやっていくスレ主

キズナくんが視界に入ったうちはっ子、驚いた顔をしたあとに

「助かった、キズナ様が来てくださった」って顔をするんよ

敵対してても、やっぱりキズナくんは同じうちはの、宗家のキズナ様やったんやな

 

864:OVRをやっていくスレ主

それでな 彼らがキズナくんに斬られた時のその顔が

イズナおにいちゃんの最期の顔と同じ

 

865:名無しの忍さん

なあ明るい話せえへん?

 

866:名無しの忍さん

この状況でできる明るい話などない

 

867:名無しの忍さん

卑劣様とラブラブになるハートフルコメディやなかったの!!?

 

868:名無しの忍さん

≫867

まだこれからやから

この後ラブラブするからもうちょい待っとき

 

869:OVRをやっていくスレ主

キズナくんが身内斬ってるのを目撃した千手っ子が「!?」てなってる

あんま意味ないかもと思いつつ「これはうちはの総意やないよ」とその子らに伝えつつ

うちはの生き残りを探しに行ってくるわ

今ここにいるうちは、説得とかできる人やないしな

 

870:名無しの忍さん

扉間いま何してるんや…

お前の嫁が毎秒SANチェック状態やぞ早く来て止めてくれ

 

871:OVRをやっていくスレ主

扉間くんがどこにいるかはわからんのやけど

マダラおにいちゃんと柱間さんがどこにいるかはわかる

明らかにあのへんで戦ってるんやろなーってのが遠目でもわかるんよ

地形変わってるもん

 

872:名無しの忍さん

相変わらず忍んでないな

 

873:OVRをやっていくスレ主

おにいちゃんたちの戦いが終わるまで隠れつつ待機になるな

下手に戦場のど真ん中にいると千手にキズナくんが狩られかねない

 

874:名無しの忍さん

うちはの同胞はもうええの…?

 

875:OVRをやっていくスレ主

≫874

もうみんな死んでる

 

876:名無しの忍さん

はい

 

877:名無しの忍さん

うん……

 

878:OVRをやっていくスレ主

キズナくんの瞳、万華鏡写輪眼がくるくる回ってて綺麗よ

 

879:名無しの忍さん

不定の狂気入ってるんだよな

 

880:名無しの忍さん

キズナくんが妙に冷静なのが嫌

 

881:OVRをやっていくスレ主

たぶんマダラおにいちゃんと柱間さんの戦い終わった

静かになったから

様子見に行ってくるわ

 

882:名無しの忍さん

これ以上状況悪化しないでくれ

 

883:OVRをやっていくスレ主

マダラおにいちゃん、仰向けで地面に寝転がってる

その前に柱間さんと 少し離れて扉間くんが立ってる

千手の人たちが更に離れて様子をうかがってる

それをキズナくんがこっそり見てる

 

884:名無しの忍さん

待ってこれってさ

原作の和解シーンやないの

 

885:名無しの忍さん

柱間とマダラが腸見せ合った感動のシーンと同じ構図

 

886:OVRをやっていくスレ主

じゃあ出ていかずに様子見守ってたらいいってこと?

 

887:名無しの忍さん

≫886

どうかな~

イレギュラーが多すぎてなんも言えん

 

888:名無しの忍さん

勝手に和解してくれる可能性にかけてしばらく様子見に徹したらどうかね

 

889:名無しの忍さん

ここで和解してくれたらええね

抗戦派はほぼ一掃されたわけやし

マダラはどの面下げてってなってまうけど……

 

890:OVRをやっていくスレ主

見守ってるけど会話内容がよく聞こえん

マダラおにいちゃんと柱間さんが冷静に話し合ってるみたい

おにいちゃんは相変わらず倒れたまんまやけども

 

891:OVRをやっていくスレ主

でもなんか……雰囲気から察するにあんまり殺伐とはしてない?

千手兄弟、マダラおにいちゃんのこと殺そうとはしてないように見える

殺すつもりならとっくにそうしてるやろうし

 

892:名無しの忍さん

おっこれは……

 

893:名無しの忍さん

いけるか?

 

894:名無しの忍さん

そろそろマダラが「お前が自害するか弟を殺すか選べ」って

トンチキ二択を柱間に提案すると思われる

 

895:名無しの忍さん

そんで柱間が自害しようとする→マダラが柱間の本気を感じ取ってそれを止めてハッピーエンド

 

896:OVRをやっていくスレ主

ギリギリまでおにいちゃんたちに近づくわ

感知タイプの扉間くんも今ならおにいちゃんに集中してるから気づかないやろうし

 

897:OVRをやっていくスレ主

柱間さんがマダラおにいちゃんに考え直してくれないか的なことを言ってて

おにいちゃんがそれは無理みたいなこと言ってる

 

898:名無しの忍さん

これマジで和解ルートあるか?

 

899:OVRをやっていくスレ主

は? 待ってや

 

900:OVRをやっていくスレ主

マダラおにいちゃんが要求するのって

柱間さんかもしくは扉間くんの命なんやないの

扉間くんの命一択になってるんやけど

 

901:名無しの忍さん

おや!?

 

902:名無しの忍さん

扉間くんご指名やで

 

903:OVRをやっていくスレ主

いや え 断るよね?

柱間さんも扉間くんも断るよね?

でも断った場合はマダラおにいちゃんどうなんの

えっ 扉間くんはなんで怒らないの

 

904:OVRをやっていくスレ主

だめ

待って扉間くんだけは

 

905:名無しの忍さん

怖い怖い怖い

 

906:名無しの忍さん

ホラゲか?

 

907:OVRをやっていくスレ主

扉間くんの前に飛び出ちゃったワイキズナくんを許してくれ

 

908:名無しの忍さん

≫907

それで正解やと思うよ

 

909:OVRをやっていくスレ主

物陰から猛然と飛び出したのに

キズナくん以外あんまり驚いてないのなんなん?

いたのバレてたかこれ

マダラおにいちゃんその微笑なに?

 

910:名無しの忍さん

あーこれ……

 

911:OVRをやっていくスレ主

キズナくん「おにいちゃん……?」

マダラおにいちゃん「キズナ。お前を支持してるうちのやつらはどうしてる」

キズナくん「え──置いてきたけど」

 

912:名無しの忍さん

確かにそうやけども

≫置いてきた

 

913:OVRをやっていくスレ主

ちょっと状況わからんから台詞のみ書くわ

 

マダラおにいちゃん「オレが連れてきた連中は?」

キズナくん「……もう、みんな……僕が……」

マダラおにいちゃん「そうか。ならいい」

キズナ「え……」

マダラおにいちゃん「キズナ。お前は昔からオレとは何もかも違ったな。考え方も、見ているものも、見たいものも。だが──お前ほどかわいいやつもいなかった」

キズナくん「おにいちゃん?」

マダラおにいちゃん「お前と、ただ兄弟として過ごしたこの1年あまり──楽しかったよ。お前は本当に真っすぐで、天然で、マイペースで、賢くて、真面目で……人に愛される。お前なら新しいうちはを率いていける」

 

914:OVRをやっていくスレ主

待って何言ってんのおにいちゃん

 

915:名無しの忍さん

やっぱそうやったんやなって

 

916:名無しの忍さん

キズナくん気づいてなかったんやな

 

917:名無しの忍さん

渦中にいると気付けないもんやと思う

 

918:OVRをやっていくスレ主

ついてけてないのキズナくんだけなんか

柱間さんも扉間くんもなんも言わんし

 

キズナくん「マダラおにいちゃん、何を言ってるの」

マダラおにいちゃん「オレは『うちは』と共にいく。お前はお前の理想を叶えろ」

キズナくん「だから──何を」

 

919:名無しの忍さん

マダラおにいちゃん……

 

920:名無しの忍さん

キズナくん、悪いこと言わんからそろそろ覚悟決めた方がいい

 

921:OVRをやっていくスレ主

マダラおにいちゃん「千手扉間」

扉間くん「なんだ」

マダラおにいちゃん「キズナを頼む」

扉間くん「ああ。わかっている」

 

922:OVRをやっていくスレ主

は?

 

923:OVRをやっていくスレ主

何?

 

924:名無しの忍さん

卑劣様にも話通し済みかあ

 

925:名無しの忍さん

柱間はなにしとんの

 

926:OVRをやっていくスレ主

柱間さん? て柱間さんを振り返ったけど

沈痛な顔してキズナくんとマダラおにいちゃんを真っすぐ見つめてる

なんか覚悟決めた顔でもある

なに? なんの覚悟?

 

927:名無しの忍さん

もう気づいてるやろキズナくんも

 

928:OVRをやっていくスレ主

嫌やよ

嫌だ

 

929:OVRをやっていくスレ主

マダラおにいちゃんに「すまない。だが最期はお前の手で、お前の顔を見ながら逝かせてくれ」て言われた

宗家としての責任でもあるって

オレを乗り越えろって

 

930:OVRをやっていくスレ主

扉間くんに刀握らされたんやけど

イズナおにいちゃんを斬った刀

 

931:OVRをやっていくスレ主

扉間くんにちっちゃい声で「この刀なら、斬る場所を過たなければ苦しみはない」って言われた

 

932:OVRをやっていくスレ主

そういうことなんやね

 

933:OVRをやっていくスレ主

しがらみを全部背負って逝こうとしてるんやね

 

934:OVRをやっていくスレ主

どうして? って聞いたら

お前のおにいちゃんだから、って言われた

兄を殺させることになってすまない、とも

今更

 

935:OVRをやっていくスレ主

うん

そうやね

それが最適解やね

 

936:名無しの忍さん

キズナくん……

 

937:名無しの忍さん

しがらみの清算にしてもキツすぎる

ほんとにキズナくん自身で手をくださなあかんのか

 

938:名無しの忍さん

≫937

ケジメやろ

次代の当主が自分の手でやることに意味がある

 

939:OVRをやっていくスレ主

そうやね これはキズナくんがやらんと

決めたわ

 

940:名無しの忍さん

覚悟決まったか……

 

941:OVRをやっていくスレ主

一緒に死のう、マダラおにいちゃん

 

942:名無しの忍さん

あ?

 

943:名無しの忍さん

ちょっと待て

 

944:名無しの忍さん

なんで心中

キズナくんが生き残らなかったら意味ないやろ

 

945:OVRをやっていくスレ主

いっそ宗家がいなくなった方が安定するようちはは

もう残ってるのは厭戦派だけやし

優秀な人材もまだいる

キズナくんがいなくなってもまとめられる人はいる

 

946:名無しの忍さん

≫945

いないと思うんだよな~!

 

947:名無しの忍さん

無理やろ

キズナ様キズナ様言われてたの忘れたんか

 

948:OVRをやっていくスレ主

いなくなったらいなくなったで何とでもなるよ

キズナくんの遺志も継いでくれる

 

949:名無しの忍さん

いや 根拠がさ

 

950:名無しの忍さん

いったん落ち着こう

キズナくんが死ぬメリットはない

 

951:名無しの忍さん

デメリットの方が明らか大きいやろ

道理が通らんぞ

 

952:OVRをやっていくスレ主

道理とか理屈じゃないよ正直

マダラおにいちゃんを一人でいかせたくない

あの世でイズナおにいちゃんたちは待っててくれるかもしれないけど

そこまでの道は一人で行かせることになるんでしょ

 

953:名無しの忍さん

いや……それはおまえ……

 

954:名無しの忍さん

アカンなこれ

「キズナくんが死ねばええんちゃう?」て言ってた時と同じ話の通じなさ

 

955:名無しの忍さん

キズナくんこうなることほんまに予想できてなかったんか

 

956:名無しの忍さん

≫955

考えないようにしてたんちゃうかな

 

957:名無しの忍さん

一緒に死のうってどうするつもりなんや

同時に死ぬのは無理では?

 

958:OVRをやっていくスレ主

責任取ってマダラおにいちゃんはこの手で殺す

それで同じ刀でキズナくんも自害するよ

自分なりのけじめとして

 

959:名無しの忍さん

なんで全員不幸になるルートへ行こうとするかな

 

960:名無しの忍さん

これだから一度でも正気失ったうちははさあ

 

961:OVRをやっていくスレ主

一緒に逝く覚悟決めて笑ったら、

何か感じるものがあったのかマダラおにいちゃんが動揺した

「キズナ……?」やって

「一人ではいかせないから。すぐに僕もいくからね」て言ったら目を剝いてて

その顔が妙に幼くって、子どもの頃思い出して嬉しくなっちゃった

 

962:名無しの忍さん

誰か止めろ

 

963:名無しの忍さん

心中エンド予想ニキおめでとう

 

964:OVRをやっていくスレ主

イズナおにいちゃんは刀の名手やったけど

キズナくんだって刀の扱いはうまい方なんよ

最初からそのつもりならちゃんと苦しめずに一撃で仕留められる

 

965:OVRをやっていくスレ主

スレ住民もごめんな

キズナくんはここで死ぬけど 一緒に遊んでくれて楽しかったで

 

966:名無しの忍さん

とんだBADエンドだよ

 

967:名無しの忍さん

2週目はありますか……?

 

968:名無しの忍さん

最後にこれだけ約束してくれキズナくん

そろそろこのスレも終わるけど、

 

969:名無しの忍さん

もしマダラおにいちゃんと一緒に生き残って

ふたりで幸せになれそうなら次スレ立ててくれ

待ってるから

 

970:OVRをやっていくスレ主

≫969

わかった 約束する

じゃあねみんな

ありがとう

 

*************************

 

 

「強くなっておにいちゃんたちのことを守りたい」。

 生き急ぐように無茶な修行を繰り返す幼い弟が初めて示した強い意志に、オレを含めた兄弟全員が瞼を熱くした。

 家族を思う末子の気持ちが嬉しかったのもある。だがそれ以上に、2歳という幼さでその決意を抱かせてしまったことが悲しかった。この賢しい子はもうわかっている──この世が優しいだけでないことに気づいている。

 思えば「弟を守るために世界を変えたい」と自覚したのはこの時だったかもしれない。

 それを為せないまま、弟たちはひとりまたひとりと死んでいき、同じ夢を見た男は宿敵で、その男を倒すことは敵わず──少しずつ末の弟のことがわからなくなっていった。

 もともと変わった弟ではあった。脱走癖があり何度言っても一人で家を出ることをやめず、しかし修行は誰より真面目にするから注意もしづらかった。勢いだけで生きているのかと思うほど考えなしに感じることもあれば思慮深い目で遠くを見ている時もあり、家族にすら内面を掴ませなかった。

「人はどうして生きるんだと思う?」

 柱間に敗れた俺に唐突に言った弟はいたく真剣な顔で「人は生きたいように生きるために生きている」と続けた。今の忍世界には先がない──これまでの犠牲に報いるためにすべきことは報復ではなく、争いを収めることだと。

 それは一つの正論ではあった。正論ではあったが、正論でしかなかった。先を見すぎていて今を見ていない。人の心を見ていない。積み上げられた死体としがらみはあまりに多く、昨日まで殺し合っていた敵と手を取り合うことなどそう簡単にできるはずもない。異常なのは弟の方ではあったが、しかしそれを本人は自覚していないようだった。

 休戦提案を受け入れられなかった弟は諦めなかった。厭戦に傾く一族を緩やかに煽り続け、もうひとりの兄にたしなめられても意志を翻さなかった。兄たちの同意を得られずともたったひとりで──

 ──本当にたったひとりで?

 まさか、という思いが生まれ始めたのはこの頃。

 そして父が死んだ。

 抗戦を望む者と休戦を望む者の対立は日毎に強まっていった。

 イズナが殺された。

 イズナを手にかけた千手を、あまりに柔らかな呼称で呼んだ弟は兄の死に打ちのめされて──仇である男を責める言葉を、一言たりとも吐かなかった。

 抱いた疑義を確信したのはこの時だった。

 オレは選ばなくてはならなかった。

 弟の行為を裏切りとして処断するか、その背を押すか。

 答え自体はすぐに出た。争いを収めたいと思っていたのも、敵を殲滅したいと思ったのも、そもそもは全て弟たちを守るためだったのだから。

 弟が未来を望むのであれば、不要な過去と今はオレが引き受けよう。

 もはや抑えきれなくなっていた内部分裂を加速させるために千手からの休戦状を偽造し、一考もせずにそれを燃やす様を一族に見せた。

 その後弟を自分に縛り付け片時も離さなかったのは、他者との接触を断ち最後までオレの真意を気づかせないためではあったが──それ以上に、誰より可愛い弟とただ共にいたかった。いつまでも高い声におにいちゃんと呼ばれる時だけ安らぎを感じた。

 ほぼ監禁状態にあった弟が外部の何者かと連絡を取ろうとしていることには気づいていた。

 気づいてはいたが──あえて外に出し後をつけた弟が千手扉間に怒鳴られ、撫でられ、膝に乗せられていたのを見た時は奴への殺意を抑えるのに必死だった。弟の索敵を躱すために連れてきていた共犯のマツバ──感知能力を超える潜伏スキルを持つ者の存在を想定していない弟はやはりまだ甘い──に諫められなければその場で飛び出していたかもしれない。

 千手扉間に懐く弟は幸せそうだった。あんなに安らいだ顔をしているのを見るのは久しぶりで、自分がその役目を担えなかったことを悲しく思う。

 ただ弟を利用しているだけなのであればこの場で殺してやろうかとも思ったが、全てを手放して逃げてきてもいいのだと言ったその言葉に嘘は感じられなかった。それを聞いた弟はまた涙を流して、そういえばオレの前で泣いたことはなかったと思い出す。

 去る弟の背をずっと見つめていた千手扉間の前に、マツバを伴って姿を現す。

 瞬時に戦闘態勢に入った相手に、オレは全てのしがらみを、恨みを、怒りを抑え込んだ。

 最後のオレの弟。

 お前が求めるものがこの男と共にあるというなら。

 

 

 うちはが最後の華を散らした戦場で、地に背をつけて見上げた空は清々しく青かった。

 千手扉間が決定的に害されそうになった途端に飛び出してきた弟に苦笑する。いつの間にそこまで心を開いたのか、問い詰めたい気持ちはあったがそれも押し込める。

 お前は賢いから、オレの狙いが何かすぐ気付くだろう。

 可哀そうなほど青ざめたお前を慰められないのは悔しい。残酷なことをしていることもわかっている。

 だがオレはどうやら不器用で、これ以外にどうしたらいいのかわからない。

 

 キズナ。

 オレはお前のおにいちゃんだから。

 お前が理想とする未来に近づけるのであれば、その未来にオレはいなくてもいい。

 

 なのに何故おまえはそんな風に笑っているんだろう。

 オレに向けたその刀は、きっとオレを斬ったあと持ち主を貫く。

 伸ばした手はひどく重く、弟には届かない。

 赤い涙を流しながら笑うキズナが刃を振り下ろすのを、オレはただ見ていた。

 

 

 

 

 

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