遊☆戯☆王ARC-V 異世界を引き寄せる少年 作:ボルメテウスさん
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幼い頃、俺には人には見えない何かが見えた。
それは今思い返せば、精霊だったかもしれないが、その正体を知らない俺からしたら恐怖の対象でしかなかった。
学校から遠く、バスで通っていた俺の周りにはデュエルモンスターズをやっている大人がいなかった事もあり、精霊と触れ合う機会が少なかった。
だからこそ、学校で流行っているデュエルモンスターズから出てくる精霊は俺にとっては恐怖の対象であり、自然と学校には行きたくなくなった。
そんな俺もある日、ついに我慢ができなくなり、登校中で知らない所で降りた。
学校で怖いのに会いたくない。
そんな思いで学校をサボった。
普段から誰もいない田舎という事もあり、周りには人の影はなく、空が広がっていた。
「なんで、お化けはいるんだろ」
俺はそう言いながら、学校にしかいない精霊について考えていた。
そんな俺の考えを知ったのか分からないが、目の前に一つの影が通りすぎた。
「えっ?」
何が通りすぎたのか、お化けなのか俺は怖がり周りを見渡す。
「どうした、坊主?
そんな所にいて?」
聞こえてきたのは男の人の声だった。
俺よりも年上で高校生ぐらいだろう男の人でここら辺てでは見かけない人だ。
「さっき、変な影が見えて、そのお化けだとっ」
そう言い始めて、俺は自然と身体震え始める。
逃げる為にここに来たのに追ってきた。
それに俺は震えが止まらなかった。
「坊主、それはもしかしたら、お化けじゃないかもしれないぞ」
「えっ?」
そんな疑問に答えるようにあの人は懐から取り出したのは2枚のカードだった。
疑問に思いながら、恐る恐る、カードを見る。
2枚共、似た容姿をしており、一枚は全身を白い毛に覆われており、まるで天使を思わせるモンスター。
もう一枚には様々な模様が刻まれているモンスターだった。
疑問に思いながら、ゆっくりと2枚のカードを見つめると
「クリクリ!」
「えっえっ!?」
カードから勢い良く飛び出してきたのはカードに描かれている黒いモンスターに驚きを隠せず、尻餅をつく。
「くりー!!」
俺は何が起きているのか、分からず困っているともう一枚のカードから出てきた白いモンスターが、怒った様子でもう一枚のモンスターに体当たりした。
「びっくりしたか?
こいつはクリボーンとアンクリボーなんだ」
それと共に青年の後ろで飛んでいるのはクリボーンとアンクリボーと同じクリボーだった。
「お化けなの?」
「お化けとは少し違うかな。
この世界にはあんまり知られていないがカードにはデュエルモンスターズの精霊がいるんだ」
「デュエルモンスターズの精霊」
その言葉に疑問に思っていると、クリボーンが俺の手を引っ張っていた。
何なのか疑問に思っていると、手はそのまま何も描かれていないカードだが、光に包まれ、現れたのは、まるで見たことのないカードだった。
「えっ、これは!?」
「やっぱり、君にはこことは違う世界に繋がる力を持っているようだ」
「違う世界」
「あぁ、無数にあるパラレルワールド。
そこに住む人々やモンスターと心を通わせた時、きっと君に力を貸してくれるはずさ」
「精霊、そもそも俺、デュエルなんかした事ない」
これまでお化けの事が怖くて、それに興味すらなかった。
そんな俺を見たあの人は
「よしっ、だったらこれから始めようぜ!」
「えっ?」
疑問に思っている間にもすぐにカードを取り出し、見せてくる。
「デュエルはな自分も相手も、そして周りを巻き込んでワクワクにしてくれる凄い事なんだ!」
「ワクワク?」
その言葉の意味は分からなかった。
けど、俺を写している目はどこか楽しそうで、そこに何があるのか、惹かれ始めていた。
「俺でもできるかな?」
「勿論だ」
その一言と共に俺はあの人からデュエルの事を教えて貰った。
それまでの俺にとっては恐怖の対象だった精霊達の本当の姿、誰かと一緒に遊ぶ楽しさ。
そんな俺の人生を一変させるには十分過ぎるぐらいのデュエルが俺に教えてくれた。
「デュエルって、こんなに面白いんだ!」
そう俺が目を輝かせながら、あの人に言う。
「そうか、だったら、その二枚はお前にやるよ」
「えっ?」
それと共に渡されたのは最初に見せて貰ったクリボーンとアンクリボーの2枚だった。
「良いんですか?」
「あぁ、坊主がデュエルモンスターズの事を好きになってくれたお礼だ。
それに、そいつらもお前と一緒にいたそうだしな」