遊☆戯☆王ARC-V 異世界を引き寄せる少年   作:ボルメテウスさん

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エン・ムーン・フュージョンの弱点

赤馬とのデュエルを行った翌日、俺達はすぐにシンクロ次元へと向かった。

 

今回の大会で参加していた遊矢や権現坂を初めとした顔なじみなメンバーに加えて、エクシーズ次元の協力者であるユートと黒咲、それにセレナを加えたメンバーで向かった。

 

シンクロ次元、シティの上層トップスと、下層コモンズを隔てる。

 

そんな格差が広がっている場所だと、事前にユーゴから聞いていた事もあって、俺達は転移してからそれ程、問題視していなかった。

 

だが、それよりも大きな問題になっているのは、俺達の今の状況だ。

 

「これは、やばいな」

 

「あぁ、まさか他の奴らとさっそく別れるとは」

 

周りを見渡しても、いるのは俺とセレナの二人だけだった。

 

「これは赤馬の考えか?」

 

「分からない。

とにかく、動かないと」

 

そう俺が言おうとした時だった。

 

あまり離れていない場所から聞こえてきたサイレン。

 

それはまるで俺達を囲むように、その姿を現した。

 

「こいつらは」

 

「そこの貴様、昨夜から指名手配している奴だな。

そっちの男は知らんが、ここで逮捕させてもらうぞ」

 

「いきなり何を言っているんだ」

 

そうセレナが言う中で疑問に思うように首を傾げる。

 

「あぁ、これは厄介な事になったな」

 

その言動から本気でセレナを狙っている事から考えると、誘拐目的で行っているのか。

 

それとも、ユーゴと一緒に行動した柚子と勘違いしたのか。

 

どちらにしても、ここはやるしかないようだ。

 

それと共に、俺はデュエルディスクを構える。

 

「抵抗するか。

ならば覚悟するが良い」

 

「「デュエル」」

 

「俺のターン。

俺のターン、俺は魔法カード、ザイアサウザンドライバーを発動する。

その効果で「K・HERO」と名の付く融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する

俺はデッキからK・HEROバルカンとK・HEROバルキリーを素材に融合召喚。

現れろ、K・HEROサウザー」

 

【パーフェクトライズ!When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.

"Presented by ZAIA."】

 

その言葉と共に俺の前に現れたのは5本角が特徴的な黄金の戦士が現れる。

 

「あれ、いつものとは違う?」

 

「なんだか、相性によって、違うからな」

 

その言葉と共に俺はそのまま手札にあるエイ・ムーン・フュージョンを手に取る。

 

「やはり、無理だな。

俺はカードを2枚、伏せて、ターンエンド」

 

「私のターン。

私はジュッテ・ナイトを召喚する。

さらに自分フィールドに戦士族モンスターが存在する場合に発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

現れろ、キリビ・レディ!

そして、レベル1のキリビ・レディレベル2チューナーのジュッテ・ナイトでチューニング!

お上の力を思い知れ!シンクロ召喚!現れろ!レベル3、ゴヨウ・ディフェンダー!」

 

その言葉と共に現れたのは白化粧に赤い模様、歌舞伎を思わせる顔をしたモンスターだった。

 

「ゴヨウ・ディフェンダーの効果。

1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦士族・地属性のSモンスターのみの場合に発動できる。

エクストラデッキから「ゴヨウ・ディフェンダー」1体を特殊召喚する。

さらに特殊召喚したゴヨウ・ディフェンダーの効果でさらにもう一体ゴヨウ・ディフェンダーを特殊召喚!!」

 

その言葉と共に奴の場には、3体のモンスターが現れる。

 

「私はさらに魔法カード、シンクロ・キャンセルを発動し、最初に召喚したゴヨウ・ディフェンダーをエクストラデッキに戻し、キリビ・レディとジュッテ・ナイトを特殊召喚。

そして場にいる2体のレベル3ゴヨウ・ディフェンダーに、レベル2チューナーのジュッテ・ナイトでチューニング!

お上の威光の前にひれ伏すがいい!シンクロ召喚!レベル8!ゴヨウ・キング!」

 

その言葉と共に現れたのは、先程までのゴヨウ・ディフェンダーとは違い、豪華な衣装を身に纏ったモンスターがその姿を現す。

 

「ゴヨウ・キング」

 

「バトルだ。

ゴヨウ・キングでK・HEROサウザーに攻撃!

この時、のカードが相手モンスターに攻撃する攻撃宣言時に発動する。

このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで、自分フィールドの戦士族・地属性のSモンスターの数だけ400アップする。

場にはゴヨウ・キングとゴヨウ・ディフェンダーの2体!

よって、攻撃力は800アップし、攻撃力は3600!!」

 

「罠カード、ハーフ・アンブレイク!

フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる」LP4000→3700

 

その言葉と共にサウザーの身体には泡が包み込み、ゴヨウ・キングからの攻撃を守る。

 

「ちっ、そのまま攻撃してれば、貴様自身のモンスターで倒されたのにな」

 

「へぇ、それはつまり、ゴヨウ・キングにはコントロール奪取能力を持っている訳か」

 

「そうだ、私はカードを1枚伏せて、これでターンエンド」

 

「良い事を聞いた。

俺のターン、まずは魔法カード、アドバンスドローを発動。

自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースして発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする」

 

「自ら攻撃力3000のモンスターを捨てただとっ」

 

「まだ終わっていないぞ。

このカードは自分の墓地に「K・HERO サウザー」が存在する場合にのみ手札から特殊召喚する事ができる。

現れろ、K・HERO サウザー(ゲーム病)!」

 

その言葉と共に現れたのは先程までのサウザーとは違い、全身が黒く染められたサウザーだった。

 

「なっ何をしたいんだ、貴様は。

わざわざ攻撃力3000のモンスターを捨てて、攻撃力1000のモンスターを出して」

 

「これを使う為だよ。

俺は手札からエン・ムーン・フュージョンを発動する。

自分の場に融合モンスターが存在しない場合、エクストラデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体をこのカードと同名カードとして扱う。

俺はカオス・ソルジャーを選択し、場にいるK・HEROサウザー(ゲーム病)とカオス・ソルジャーで融合!

融合召喚!レベル10!混沌より出で来たれ金色の戦士!交差英雄 ゴールデン・カオス・ソルジャー!!」

 

【パーフェクトライズ!

When light and darkness meet and two warriors meet, an unparalleled warrior, the Golden Chaos Soldier, is born!

Presented by ZAIA.】

 

その音声と共に現れたのはこれまでのサウザーの上に強固な鎧を身に纏った印象が強く、その背中にはマントが印象的な姿へと変わった。

 

『これにより、勝利は1000パーセント確実になった』

 

「まさかっこの為に。

だがっ、例え攻撃力4500だとしても、罠カード、ダメージ・ダイエット!

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になるっ、これで」

 

「この程度でまだ終わっていないぞ。

ゴールデン・カオス・ソルジャーの効果。

フィールド上に存在するモンスターをその効果を無効にして破壊する

このモンスターの攻撃力・守備力はこの効果で破壊したモンスターの攻撃力・守備力分アップし同じ効果を得る。

俺は場にいるゴヨウ・キングを選択する」

 

『ジャックライズ』

 

その音声と共にゴールデン・カオス・ソルジャーの手に持つ剣から音声が響かせると、同時にその後ろにはゴヨウ・キングの幻影が現れる。

 

「まずは守備表示のゴヨウ・ディフェンダーに攻撃」

 

「守備表示のモンスターにっ」

 

それと共にゴールデン・カオス・ソルジャーはその手に持った剣を振り上げ、ゴヨウ・ディフェンダーを真っ二つに切り裂く。

 

「この時、ゴールデン・カオス・ソルジャーが吸収したゴヨウ・キングの効果でゴヨウ・ディフェンダーを攻撃表示で特殊召喚。

さらに罠カード、破壊神の系譜。

相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを破壊したターン、自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8のモンスター1体を選択して発動する。

このターン、選択したモンスターは一度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる」

 

「なっ」

 

それと共にゴールデン・カオス・ソルジャーはそのままゴヨウ・キングに向けて、再び攻撃を仕掛けた。

 

「ぐっ」LP4000→1750

 

攻撃を仕掛けた事によって、ゴヨウ・キングはそのまま俺の場に現れ、そのまま構える。

 

「ゴヨウ・キングとゴヨウ・ディフェンダーで直接攻撃!!」

 

「ダメージ・ダイエットで半減してもっ、これではっがあぁ!!」LP1750→1250→0

 

怒濤の攻撃によって、奴のライフは瞬く間に0へと変わった。

 

「ぐっ、貴様」

 

「さて、どういう状況か分からないけど、とりあえず、逃げるぞ、セレナ!!」

 

「ちっ、仕方ないっ」

 

その言葉と共に場に残っていたゴールデン・カオス・ソルジャーがそのまま俺達を連れて、そのまま走り去った。

 

1分程度だったが、それでも奴らの包囲網から逃げるには十分だった。

 

「先程のは一体」

 

「エン・ムーン・フュージョンのデメリットだよ。

結構広い範囲で融合はできるけど、場に融合モンスターがいるとかなり狭い範囲しかできない。

融合モンスターが素材の場合は難しいからな」

 

エン・ムーン・フュージョンを通して、ブラック・マジシャンからの協力は得られるが、彼ら自身をカードとして呼び出す事ができない。

 

それはどうも、俺達の元の世界だけではなく、このシンクロ次元でも同じようだ。

 

だからこそ、このカードを使用する際には、俺の元にあるデッキしか使えないので、使用条件はかなり考えないといけない。

 

「とにかく、遊矢達と合流して、ユーゴ達も見つけないと」

 

「おい、あんた、さっき、ユーゴって言ったか」

 

「えっ、あぁ」

 

後ろから声をかけられ、振り返る。

 

「お前、まさかリンなのかっ!

どういう事なんだ」

 

「まさか、ユーゴの知り合いか?」

 

「分からない、とにかく、話を聞いた方が良いかもしれない」

 


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