遊☆戯☆王ARC-V 異世界を引き寄せる少年 作:ボルメテウスさん
「どうやら、辿り着いたか」
会場に辿り着くと共に迎えたのは既に準備ができたのか、待ち構えているジャックだった。
ここでのデュエルを待ち望んでいた俺は、未だに迷いがある心と共にジャックと向き合う。
「その調子でこの俺に勝てると思っているか」
「わからねぇ。
けど、あんたと戦えば、少しでも自分の事が分かる気がした」
「ならば、確かめてみると良い」
その言葉と共に、俺はゆっくりとD・ホイールを走らせながら、セレナを降ろす。
「勝遊、油断するな」
「あぁ、勿論だ」
相手はこのシンクロ次元最強のデュエリスト
一切の油断なんて、できない。
だが、自然と先程までのデュエルの痛みは消え、残っているのはこれから行うデュエルへの高揚感だった。
未だにアカデミアの侵略は迫っているが、それでもこのデュエルに何か意味がある。
俺はそれを信じて、デュエル場に向かう。
「準備は良いようだな」
「あぁ、いつでも!」
その言葉を皮切りに、アクセルを踏む。
同時にスタートを切り、D・ホイールが走り出す。
それと同時に目の前に広がるのは真っ白なフィールド。
そして、正面にはジャックの姿があった。
まるでその姿は王者の風格そのもの。
俺はそんなジャックの姿を目に焼き付けつつ、スピードを上げる。
そのままコーナーへと差し掛かる中、ジャックもまた加速し、並走し始める。
ジャックもまた、全力で来るつもりだ。
ならば、こちらも全力で行くしかない!
コーナーを抜けた瞬間、互いに距離を詰める。
そして、再び直線に入った時、俺は一気に仕掛けに出る。
第一コースを制して、先攻を取る為にアクセルを強く踏み込む。
だが、それは読まれていたようで、ジャックも同じように強く踏み込んでくる。
その結果、両者の距離は徐々に縮まっていく。
そして、先にゴールしたのはジャックだった。
当然といえば、当然の結果。
ジャックは俺よりも強いのだから。
「だからこそ、燃えてきたぜ!」
負けても悔いはない。
ただ、今の自分がどこまで通用するのか、それが知りたかったのだ。
だからこそ、次は負けないという思いを込めて、俺は次のデュエルに備える。
そう思った時、ふと視界の端にセレナの姿が入る。
彼女はどこか心配そうな表情を浮かべていたが、俺はそれに気付かなかったフリをする。
今は目の前の事に集中しなければ。
そんな思いを抱きつつ、俺は再びデュエル場を走っていると、ジャックからこちらに向ける。
「貴様は何の為に戦う?」
突然の質問に一瞬戸惑うものの、すぐに答えを出す。
「俺はデュエルを楽しむ為にやっている。
けど、それはアカデミアの戦いの中では難しい。
そんな迷いが未だにある」
そう答えると同時にジャックが再び口を開く。
「ならば、貴様に教えてやる。
ライディング・デュエルとは、互いの魂をぶつけ合う戦いである事を!!」
「魂……だと!?」
「そうだ!! お前にも覚えがあるはずだ。
ジャックとデュエルをした、あの時のデュエルを!」
『ジャック……』
「俺達デュエリストはただ勝利を求めるのではなく、己自身の誇りの為、信念を貫く為、時には命すら懸けて勝負に挑む。
故にこそ、ライディング・デュエルでは互いが持つ全てを出し切る。
それこそが、本当の意味でのライディング・デュエルなのだ」
ジャックの言葉を聞き終えると同時、彼の言葉の意味を理解する。
そして同時に理解する。
何故、ジャックがあれほどまでに強かったのか。
それは自分の信じる道を貫き通したからだ。
たとえ、周りから何を言われようとも、自分なりの道を走り続けた結果だ。
ならば……
「今度は俺が走る番って訳か……」
そう呟くと共に、俺は改めて決意を固める。
「行くぞ、ジャック!」
「来いっ!」
「「デュエル!!」」
「俺のターン。
俺はレッド・リゾネーターを召喚。
さらに自分が「リゾネーター」モンスターの召喚に成功した時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードの攻撃力は半分になる。
現れろ、レッド・ウルフ!」
そしてチューナーモンスターであるレッド・リゾネーターが場に姿を現すと、それに呼応するようにして炎の中から巨大な狼が現れる。
その瞬間、辺りの温度が一気に上昇する。
「来るかっ!」
「俺はレベル6のレッド・ウルフにレベル2チューナーのレッド・リゾネーターをチューニング!
王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい!シンクロ召喚!荒ぶる魂、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!」
すると先ほどまでそこにいたはずの狼の姿は消え失せ、代わりに全身に赤い模様を浮かべた悪魔のような姿をした竜が現れた。
それはまるで怒り狂うように大きく翼を広げると、口から火を噴く。
その熱気はこちらまで伝わる。
「これを果たして越えられるか。
俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド」
「俺のターン!
まずは俺はK・HERO 龍騎を召喚する!」
その言葉と共に彼の手には黒いデッキケースが現れ、その腰には銀色のバックルが現れる、
「変身!!」
そう言って彼はカードを引くと、そのままそれを勢いよく挿入する。
それと同時にカードが挿入されたことで体に幾つもの幻影が重なり、その姿は仮面ライダー龍騎へと変わる。。
その姿はまさしくヒーローというべき姿であり、彼は仮面の下で笑みを浮かべながら
「俺はさらにアドベント
魔法カード!アドベント!!
自分フィールド上に「K・HERO」モンスターが表側表示で存在する場合に手札を1枚墓地に送って発動する事ができる
自分の手札・デッキから「K・HERO契約モンスター」モンスターを1体特殊召喚することができる。
手札を一枚捨て、K・HERO契約モンスター ドラグレッダーをデッキから特殊召喚する!」
【ADVENT】
その言葉と共に空から一匹の龍が降りてくる。
その体は赤く燃え上がり、口元からは煙のようなものが出ている。
だがそれはまだ完全に実体化しておらず、半透明の状態でその場に留まっている。
そしてその視線は目の前に現れた少年に向けられていた。
するとその体が徐々に実体化し始め、ついに完全な形で現れる。
そこには全身が炎に包まれたような姿を持つ龍がいた。
「赤い龍か。
この俺相手に、それを出すとは面白い!」
「まだまだ、終わっていませんよ!1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに装備カード扱いとして自分の「K・HERO」モンスターに装備できる。
俺はK・HERO龍騎にドラグレッダ-を装備する。
さらに装備魔法ソードベントを龍騎に装備!
装備モンスターの攻撃力はそのモンスターに装備カード扱いで装備されている「K・HERO契約モンスター」の攻撃力分アップする」
【SWORDBENT】
その音声と同時に俺の手元にはドラグレッダ-の尻尾を模した剣が現れる。
どうやらそれがこの剣の正体らしい。
するとドラグレッダ-は嬉しそうに一声鳴き、剣を構える。
それに応えるように、こちらも構える。
するとこちらの意思を感じ取ったのか、ドラグレッダ-も同じように身構える。
お互いがお互いを意識しているせいなのか、空気は一気に張り詰めていく。
「バトル!
K・HERO龍騎でレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトに攻撃!」
その言葉と共にD・ホイールを加速させ、レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトに向かっていく。
それに対して相手もまた雄たけびを上げ、迎え撃つかのように拳を振り上げる。
ぶつかり合う二つの力。
拮抗するかと思われた勝負だったが、その結末はすぐに訪れた。
ドラグレッダ-の剣により切り裂かれたレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトは大きく吹き飛ばされ、地面を転がり、そのまま爆散する。
「ほぅ」LP4000→1700
「罠カードじゃなかった」
先ほどの伏せカードが何なのか、未だに分からない。
油断はできない状況だ。
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「俺のターン。
まさかレッドデーモンズがあっさり倒すとはな。
だがっ、まだまだ!」
その言葉と共にジャックの気迫がさらに増す。
「俺のターン、ドロー!
俺は手札からクリムゾン・リゾネーターを召喚する。
さらに罠カード、シンクロコールを発動する。
自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターを含む自分フィールドのモンスターのみを素材としてドラゴン族・悪魔族の闇属性シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する。
墓地に存在するレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトを選択し、レベル2チューナーのクリムゾン・リゾネーターでチューニング!」
「墓地のモンスターを素材に、シンクロ召喚だって!」
そんなものまで行えるというのか。
「王者と悪魔、今ここに交わる。赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄たけびをあげよ!シンクロ召喚!現れろ!レベル10、レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント!」」
その言葉と共に再び上空から現れたのは巨大な紅蓮の炎に包まれた赤い龍だった。
その姿はまさに王者の風格であり、圧倒的な存在感を放っている。
その姿を見ただけで、思わず鳥肌が立つ。
これが、世界を制したデュエリストの力。
だが、まだ終わりではない。
むしろここからが本番だろう。
俺は無意識のうちに拳を強く握りしめていた。
「自分メインフェイズ1に発動できる。
このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。アブソリュート・パワー・インフェルノ!!」
その言葉と共に、俺の場の全てのカードは一瞬で灰になろうとした。
「だけど、速攻魔法フリーズベント!自分フィールド上に「K・HERO」モンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる
お互いのモンスターのモンスター効果が発動した場合に発動する事ができるその効果を無効にする
このカードの効果の対象となったモンスターはこのターン攻撃宣言を行えない」
【FREEZEBENT】
その音声と共に、俺の目の前に氷の壁が出現し、炎を受け止める。
しかしそれでも完全に耐え切れるわけではなく、徐々に溶け始める。
だが、それだけでも十分だった。
俺のモンスター達は全員無事に残っており、相手の場にはレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントのみ。
この状況ならば逆転は十分に可能だ。
だが、ジャックの笑みが何か恐ろしさを感じた。
「まさかタイラントまで防がれるとはな。
だが、まだ甘い!
俺は魔法カード、シンクロキャンセルを発動する。
フィールドのシンクロモンスター1体を対象として発動できる。
そのシンクロモンスターを持ち主のエクストラデッキに戻す。
その後、エクストラデッキに戻したそのモンスターのシンクロ召喚に使用した
シンクロ素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、その一組を自分フィールドに特殊召喚できる。
再び戻ってこい、レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライト、クリムゾン・リゾネーター!」
その言葉と共に、再び現れる二体のモンスター。
なぜ、このタイミングで?
クリムゾン・リゾネーターの効果!
このカード以外の自分フィールドのモンスターがドラゴン族・闇属性シンクロモンスター1体のみの場合に発動できる。手札・デッキから「クリムゾン・リゾネーター」以外の「リゾネーター」モンスターを2体まで特殊召喚する。
現れろ、2体のシンクローン・リゾネータ-!!」
その音声と共に、再び現れる2体のリゾネーター達。
どうやらこれで、3体目らしいが。
「チューナーモンスターが3体で一体」
「俺はレベル8のレッドデーモンズ・ドラゴン・スターライトにレベル2のクリムゾン・リゾネーターとレベル1のシンクローン・リゾネーター2体をトリプルチューニング!」
「トリプルチューニングだって!!」
シンクロ召喚は普通はチューナー1体だけしか条件はなかったが、まさかそんなモンスターいるなんて。
「王を迎えるは三賢人。紅き星は滅びず、ただ愚者を滅するのみ!荒ぶる魂よ天地開闢の時を刻め!シンクロ召喚!スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン!」
その言葉と共に場にいた3体のリゾネーターが4本の輪になって、レッドデーモンズ・ドラゴン・スターライトを囲む。
そしてそこから、光が放たれ、中から現れたのは大きな翼を持った赤黒いドラゴン。
その姿を見た瞬間、鳥肌が立った。
これは間違いなく、本物のエースモンスターだ。
「これが、今の俺の出せる最強のレッドデーモンズだ!
だが、タイラントの効果で、このターンは攻撃できない。
俺はこれでターンエンド」
目の前にいるレッドデーモンズは攻撃してこない。
だが、それでも未だにその余裕は崩れない。
「あぁ、これは本当に久し振りだな」
それに対して、俺が抱いたのは恐怖なんかではない。
ただ、興奮していただけだ。
そうか、これが世界を制したデュエリストの力なのか。
こんなにも早く、世界の頂点に立った者の力を見る事ができるとは思わなかった。
その事実に思わず笑いそうになる。
今の状況では圧倒的に不利なはずなのに。
いや、だからこそかもしれない。
この感覚は今まで味わった事がない。
まるで自分が自分でなくなったような高揚感を感じる。
「行くぜ、ジャック!」
「来い!!」
その言葉と共に、俺はカードを引く。
同時に見えたのは相棒だった。
「来てくれたか!
決めるぜ、相棒!
俺は手札からエン・ウィンズ・シンクリボーを召喚する。
エン・ウィンズ・シンクリボーの効果!
エクストラデッキから「交差英雄」と名の付くモンスターを一体と、自分の場のモンスターを一体選択し発動する。
その「交差英雄」と名の付くモンスターのレベルから、自分の場のモンスターのレベルを引いたレベルと同じレベルになる。
また、その交差英雄の召喚条件にあるチューナーモンスターとして扱う。
俺は交差英雄 龍騎 炎魔を選択し、発動!
赤き魂の龍と契約し、龍の騎士は新たな姿となる!
シンクロ召喚!交差英雄 龍騎 炎魔!」
その言葉と共に俺の前に現れたのはレッドデーモンズ・ドラゴンであり、そのまま俺の身体に一体化になるように包み込む。
同時に俺の身に纏っていた龍騎の姿も変化する。
炎を纏う鎧へと変化し、顔の部分だけは兜ではなく仮面のような物に変化する。
そして右手には赤い槍が握られていた。
「レッドデーモンズの力を自らに宿したか!」
それを見たジャックは笑みを浮かべた。
それは、まさに好敵手を見つけた戦士の顔だった。
だが、悪いな。
今回は勝つのは俺達だ。
だから、ここからは全力で行かせてもらう。
「炎魔の効果!
1ターンに1度、自分のデッキの上を一枚墓地に送る。
それがモンスターカードの場合、そのモンスターの攻撃力・守備力分だけアップする!
ドローしたのは、K・HERO ナイト!
よって、攻撃力は1600アップ!」
これで僅かだが、スカーレッドの攻撃力を上回る事ができた。
「バトル!龍騎 炎魔でスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンに攻撃!」
その言葉と共に、手に持っていた槍を投げる。
投げた槍はそのまま真っ直ぐ飛んでいき、そしてスカーレッドを貫こうとした。
「スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンの効果!1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、または相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このカード及び相手フィールドのカードを全て除外する!」
その効果と同時に、スカーレッドは一瞬で消え去る。
だが、それと同時に俺自身が身に纏っていた鎧も焼き払われた。
「次のターン、俺の場にはスカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴンは自身の効果で戻ってくる。
さぁ、どうする!!」
「まだだぁ!!
俺は罠カード!逢魔ノ刻!!
自分または相手の墓地の通常召喚できないモンスター1体を対象として発動できる」
「まさかっ」
「あぁ、俺はジャック!
あんたの魂であるレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトを借りるぜ!」
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトが俺の場に現れると共に雄叫びをあげながら、ジャックを見る。
「くくっ、まさか俺のレッドデーモンズで倒されるとはな」
「行くぜ!
俺はレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトでジャックに直接攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!」
その言葉と共に、俺は全身全霊の力を込めて叫び、レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライト振るう。
振るわれた一撃によって、そのまま地面に叩きつけられる。
その衝撃と共に、地面は大きく割れて、そこからマグマが吹き出る。
その光景を見たジャックは満足そうに笑った。
「ふっ」LP1700→0
デュエルは終わり、そのままD・ホイールが停止する。
それが、俺達のデュエルの終わりの時だと分かった。
「これが、レッドデーモンズの力」
そう言いながら、俺はデュエルディスクにあるレッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライトを見つめる。
それと共に、そのままジャックの元へと向かう。
「ジャック、その、すまない。
あんたの魂のレッドデーモンズを使ってしまって」
「ふん、構わん。
むしろいいものを見せてもらったぐらいだ」
その言葉と共にジャックは笑みを浮かべていた。
それと共にジャックが取り出したのは、もう一枚のレッドデーモンズだった。
「これは」
「俺の魂だ。
スカーライトは俺のもう一つの魂と言えるカードだが、お前ならば預けられる」
「預けるって」
突然の事で、困惑を隠しきれなかった。
だが、それでもジャックは俺に詰め寄る。
「聞け、勝遊。
この世界は本来の道から逸れた結果の世界だ」
「それって、どういう事なんだ」
俺は思わず聞き返してしまった。
周りは俺とジャックの声は聞こえず、歓声によって包まれていた。
「この世界に本来ならば存在していたはずの男、不動遊星がいない。
その結果、この世界は歪に曲がってしまった。
それをお前とのデュエルで思い出す事ができた」
「不動遊星?
それって一体」
そんな疑問に思っている間にも、俺達にセキュリティが迫っていた。
「どうやら、セルゲイの奴が何か企んでいるようだな。
勝遊、貴様はセルゲイの野望を打ち砕け。
ここは俺が食い止める」
「えっ、いきなりそんな事を言われても」
何が起きているのか分からずに困惑している間にも、セキュリティは未だに迫ってくる。
「どけどけ!!
クロウ様のお通りだ!!」
その声と共に、ジャックの前にバイクに乗ったクロウが現れた。
「ジャック!
どうやら、記憶は戻ったらしいな」
「あぁ、おかげさまでな。
さて、勝遊!
ここは俺とジャックに任せて、先に進め!」
その言葉と共に、俺は戸惑ってしまう。
だけど、今は悩んでいられない。
ジャックの言葉を信じるしかない。
俺は迷わずにアクセルを回してその場を離れる。
そのまま、俺は走り続ける。
先ほどまでいた場所では、既にジャックとクロウの戦いが始まっており、俺の事を追う余裕はなかった。
「勝遊、これは一体どういう事なんだ?」
そう言いながら、事態が分からず、困惑しているセレナと合流する。
「分からないが、とりあえずセルゲイとかの奴に行く。
1度も会った事がないが、ジャックとクロウに頼まれた以上、とりあえず、ぶっ飛ばす!」
「……よくわからないが、とにかく分かった!」
そう言いながら、後ろに乗ったセレナを乗せ俺は更に加速した。
そのままセルゲイがいると思われる場所へと向かっていった。