遊☆戯☆王ARC-V 異世界を引き寄せる少年 作:ボルメテウスさん
「まだ、完全じゃないか」
俺はそう言いながら、目の前で未だに空白なカードを見つめる。
『強い力はそれだけ使用者に負担をかかります』
『それも多くの力を持つ勝遊ならば、仕方ない事です。
実際に私達も、そして隊長も』
そう言いながら、俺と会話しているのは、俺のデッキの一つであるBRの2体である炎竜と氷竜だった。
その話の通り、俺が持つデッキの多くはキーカードが未だに揃っていない状態のが多い。
「だけど、ようやくお前達と一緒に戦えるな」
それと共に俺は手に持ったカードを見つめ、そこに描かれているのは、ライオンのロボットであった。
『本来ならば戦いがないのが嬉しいが』
『互いに競い合う意味ならば、喜んで』
それと共に二人の幻影が消え、そのままデッキを装填する。
「んっ?」
俺はそのまま部屋の外へと出ると、何やら騒いでいるようだ。
「何の騒ぎだ?」
「あぁ、勝遊兄ちゃん、そこにいたの!?」
「えっあぁ、すまん寝ていた」
何か大きな騒ぎが起きているようだが、カードを作っている時に集中していたので気づかなかった。
「彼は?」
「えっと、彼は最近になってこの塾に入った切札勝遊君で」
何やら大人二人が話しているようだが、状況がよく分からない。
「それで、これはどういう状況?」
「それが可笑しな話なんだよ」
それから彼らが各々話し始めたが、俺が知らない所で沢渡というデュエリストが遊矢に似たデュエリストに襲撃されたらしい。
その汚名を払う為にLDSとデュエルを行う事になったらしいが、最初の1回戦で遊矢はアクションカードによる攻防によって、引き分けになったらしい。
「それで次の対戦という事か。
だったら、俺も混ぜてくれないか!!」
「それは別に構わないが」
「だったら、さっさと始めようぜ!!」
「なんだか勝遊兄ちゃん、やる気があるけど」
「さっきまで新デッキでずっと引き籠もっていたから、それでじゃない?」
そんな外野の声を無視しながら、俺はそのままデュエル場へと降り立つ。
「それで、あなたが対戦相手な訳ね」
「あぁ、俺は切札勝遊、よろしく!!」
そう言いながら、俺は言うが
「聞いた事もない相手ね。
まぁ良いわ、私は光津真澄。
あなたの実力、見せて貰うわ」
そう、俺を無視して呟きながら、そのまま離れる。
なんだか油断しすぎじゃない、まぁ良いけど。
「「デュエル」」
「先行は私からね。
私のターン、私は手札から。私は手札から魔法カードジェムナイト・フュージョンを発動。
手札にあるジェムナイト・ルマリンとジェムナイト・エメラル!雷帯びし秘石よ!幸運を呼ぶ緑の輝きよ!光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん!融合召喚!現れよ!勝利の探求者ジェムナイト・パーズ!」
その言葉と共に出てきたのは宝石の戦士であるジェムナイト・パーズであった。
1ターン目から融合召喚を行うとはね。
「あまり驚かないようね」
「いや、まだ始まったばかりだろ」
俺はそう言うと何やら気に入らない様子だが。
「まぁ良いわ。
私はこれでターンエンド」
「俺のターン。
まずはBR 氷竜を召喚する。
氷竜の効果で手札にあるBR炎竜を特殊召喚する」
その言葉と共に俺の後ろから現れた炎竜と氷竜の二人だった。
「なんだか、見た目がそっくりなモンスターが2体出てきたけど、あのモンスターは?」
「見たことないけど、これまで考えると」
「BR、一体どんなデッキなんだ」
「その言葉、どういう事ですか」
「見てれば分かります」
「まだまだ、俺はさらに手札から魔法カード、アイアンドローを発動する。
自分フィールドのモンスターが機械族の効果モンスター2体のみの場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを特殊召喚できない。
そして、俺はレベル4のBR氷竜とBR炎竜でオーバーレイネットワークを構築!」
「なっ、まさか」
「行くぜ、二人共!エクシーズ召喚!現れろ、BR 超竜神」
「「合体完了!超竜神!!」」
その言葉と共に超竜神へと合体した二人はそのまま叫んだ。
「燃えてきたぜ!超竜神でジェムナイト・パーズに攻撃する時、超竜神の効果。
このモンスターが攻撃する時、オーバーレイ・ユニットを使わなかった場合二つの効果を発動する。
一つ目は水属性の場合、相手の攻撃力を半分にし、もう一つは炎属性の場合、エンドフェイズまでこのモンスターの攻撃力を600上げる」
「くっ」
その言葉と共にそのまま超竜神は両手の武器を構え
「「「ダブルガン」」」
その言葉と共に放たれた一撃はそのまま真っ直ぐとジェムナイト・パーズに向けて放たれ、そのまま真澄のモンスターを貫く。
「おい、北斗、あんなエクシーズモンスター知っているか?」
「いや、知らないぞっ!」
何やら外野が騒いでいるけど、今は問題ない。
「くっ」LP4000→1700
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
「私のターン。
エクシーズ召喚を行ったのは確かに驚きね。
だけど、その程度。
私は手札からジェムナイト・アレキサンドを召喚する。
このモンスターは、自身をリリースする事でデッキからジェムナイトと名のつくモンスターを一体特殊召喚する。
私はジェムナイト・クリスタを特殊召喚する。
そして、罠カード廃石融合、自分の墓地から、「ジェムナイト」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
私は墓地にあるジェムナイト・エメラル、ジェムナイト・ルマリン、ジェムナイト・アレキサンドで融合召喚!
現れろ、ジェムナイトマスター・ダイヤ!」
「へぇ、一気にここまで揃えたのか」
先程モンスターを破壊された事で一気に勝負を決める為に場を整えてきた。
さっきの言葉から考えても、すぐに勝負を決める為に行っただろう。
「あら、随分と余裕ね。
ジェムナイトマスター・ダイヤの効果。
1ターンに1度、自分の墓地のレベル7以下の「ジェムナイト」融合モンスター1体を除外して発動できる。
エンドフェイズまで、このカードは除外したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
私は墓地にあるジェムナイト・パーズを除外して、その効果を得る」
「なるほど」
先程破壊されたジェムナイト・パーズ。
あいつはわざと破壊される事を目的にしたカードという訳か。
そうでなくても、
「そう、あなたの終わりよ。
行きなさい、ジェムナイトマスター・ダイヤで超竜神に攻撃!」
「まだまだぁ!!
速攻魔法、リミッター解除!」
その一言と共に超竜神の瞳は大きく輝き、襲い掛かるジェムナイトマスター・ダイヤに向けて再び構える。
「「ダブルガン!!!」」
その威力は先程とは比べられない程に高く、簡単にジェムナイトマスター・ダイヤを破壊した。
「しまった」
「迂闊すぎるぜ。
リミッター解除の効果で、超竜神の攻撃力はターン終了時まで倍になる。
よって、ジェムナイトマスター・ダイヤの攻撃は弾き返すぜ!」
「っ」LP1700→400
「リミッター解除のおかげで、超竜神を倒せるモンスターは既に真澄の場にはいない」
「だけど、まだよ。
私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
そう言葉に出しながらもその表情は未だに焦りが見える。
「なんとか乗り切ったが」
「まだ奴の場には攻撃力2450のジェムナイト・クリスタがいる」
「あと少しで届くけど、どうするつもりだ」
「さぁ、来なさい、あなたのエクシーズで、どう突破するのかしら」
「・・・悪い、エクシーズ召喚できるモンスター実はもうないんだ」
「えっ、それって」
「大ピンチ!!」
「それを、なんでわざわざ言うの。
あなた自身のピンチを言っているような物じゃない」
「・・・なんで?」
「なんでって、エクシーズが使えない以上は「誰が」えっ」
「このデッキはエクシーズだけと言った」
「えっ?」
「俺は手札からBR ギャレオンを召喚する。
そして、BRギャレオンの効果、このモンスターをリリースする事で、デッキまたは手札からBRガイガーを特殊」
「勝遊?」
そこで普通に召喚するかどうか、一瞬迷った。
これは普通のデュエルではなく、アクションデュエル。
モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!
つまり
「・・・フュージョン!!」
「なんか言い直した!!」
俺はそのままギャレオンに乗り込むと共にそのままデッキからガイガーをそのままデュエルディスクに装填する。
同時にギャレオンはそのままガイガーへと変形する。
「って、勝遊さんが」
「モンスターに飲み込まれた!!」
「いや、なんか、演出でつい。
けど、こういう事ができるとは、面白いなアクションデュエルは!!」
「いや、そんなの見たことも、聞いた事もないが」
「とにかく、BRガイガーの効果。
このモンスターがギャレオンの効果で特殊召喚された場合、デッキから最終合体承認を手札に加える!!」
「えっ、待って、さっき合体って」
「えっと、う~ん、あの修造さん」
「なっなんだね」
「悪いけど、このカード名だけ、叫んでくれない」
「えぇ、そこで」
「いや、本当に叫ぶだけだから」
「うっ、まっまぁ、良いけど」
それに対して呆れたように言いながら、そのままマイクを構える。
「ふぅファイナルフュージョン承認!!」
「なんかお父さん、ノリノリだぁ!!」
「待っていたぜ!」
「自分で言わせておいて!!」
そのままガイガーは跳び上がる。
「最終合体承認は自分の場にガイガーがいる時に発動でき、手札、場、墓地のカードをデッキに戻す事で、KBRを融合召喚する!!」
「融合!」
その言葉と共にガイガーを中心に緑色の竜巻が舞い上がる。
同時に俺は手札にあるR ステルスガオー、BR ドリルガオー、BR ライナーガオーの3枚のカードを投げる。
同時に実体化した3体のガオーマシンは実体化すると共にガイガーに次々と合わさっていく。
そうして、合体したモンスターはその姿を現し、そのまま俺は構える。
「ガオッガイッガアアァァアーーー!!!」
その名も、勇者王ガオガイガー!!
「今の声、誰?」
「なんだか、このデュエル後半はもう突っ込みが追いつかない」
「行くぞ!!
ガオガイガーでジェムナイト・クリスタに攻撃!!」
「まだよっ、私は罠カード、ジェム・エンハンス!
自分フィールド上の「ジェムナイト」と名のついたモンスター1体をリリースし、自分の墓地の「ジェムナイト」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。
私はジェムナイト・クリスタとジェムナイトマスター・ダイヤを入れ替える!」
「ガオガイガーの攻撃力は3000、それに対してジェムナイトマスター・ダイヤの攻撃力は2900っ!」
「これでっ「ガオガイガーの効果!こいつは攻撃する時、攻撃力を500上げる!!」なっ!」
「ブロウクン・ナックル!!」
俺はそのまま叫び声と共に、そのまま一体化している拳を真っ直ぐ、ジェムナイトマスター・ダイヤを貫く。
「きゃああっ!!!」LP400→0
ブロウクン・ナックルによって貫かれたジェムナイトマスター・ダイヤに吹き飛ばされ、そのまま真澄は吹き飛ぶ。
「しょっ勝者、切札勝遊」
あまりの事で未だに場にいる全員は呆けているようだが。
「いやぁ、楽しかったぜ、またしような」
「っ」
そう言うが、俺を睨んだ後、そのまま真澄は出て行った。
「なんだ?」
その態度に疑問に思いながらも俺はそのままデュエル場に出ていく。
「ふぅ、とりあえず、悪かったな」
『気にしないでください』
『それにあの時信じてくれたならば、それで良いです』
その言葉を聞き、俺も笑みを浮かべながら、そのまま出て行くが
「なるほど、君が未知のエネルギー反応の正体な訳か」
「んっ」
後ろを振り返れば、そこには顔をフードで隠している男がいた。
「俺に何か用?」
「あぁ、確かにある。
だが、その話は後にしよう。
もうすぐ次のデュエルが始まる。
君との話はその後のデュエルでつけよう」
「次のデュエルって、聞いた話だと3回デュエルで先に2勝した方が勝ちだろ。
それともこっちが負けるとでも」
「あぁ、次の彼女の様子を見る限りではな」
そう言いながら、男が見た先には少し不安そうな柚子の姿があった。
「・・・まぁ別に勝敗関係なく、デュエルは受けるつもりだぜ」
「そうか、その時はそうしよう」
その言葉と共に彼もそのまま出て行く。