メタルマックス 未来への砲口   作:ショウマ

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その20 目覚めの刻 中編

 

 

  【森林管理局跡:地下?階】

 

 

「ギギギュリギイ!」

 

 金属同士を擦り合わせたかのような耳障りな鳴き声が、広い地下フロアに繰り返し木霊する。

 

「クソッ! いったいどうすれば……」

 

 呟き、少年は袖口で額の冷や汗を拭う。

 

 フロアにいたムカデロン――すなわちこの施設を襲い、多くの惨劇を引き起こしたと思われるモンスターを退治したナヴィ達一行。

 

 しかし今、潜んでいたデュアルヘッドセンチビート――ムカデロン変異体――による突然の奇襲を受け、四人と一匹は窮地に立たされていた。

 

 このモンスターを怪物足らしめている二つの(・・・)ムカデロンの首が、ナヴィ達を値踏みするように見下ろしている。

 

 ムカデロンの上半身を二つ持つというこの怪物の装甲は厚く、ムカデロンと同じかそれ以上の強度を誇るそれを前に、ナヴィ達の攻撃は弾かれ続けていた。

 

「アクア。コイツに弱点は無いのか?」

 

 まだまだ駆け出しハンター(しかし未登録)である少年が、パーティーで随一の知識を誇る裾長メイド服姿の少女に小声で尋ねる。

 

 もちろんモンスターから視線は外さない。

 

「有効的なのは、無い。力づくで倒すのみ」

 

「マジか……」

 

 しかし、間を置かずに小柄で“海”に例えられる妹から返ってきた内容は、無情にも兄の期待を打ち砕くものだった。

 

 その時。

 

「……コイツはボクが引き付ける。その間に、みんなは後退して」

 

「お、おい、ウィン!?」

 

 そう言ったのは彼のもう一人の妹、空色の髪をした長身な少女だ。ウィンは怪物から仲間たちを庇うように、前へと進み出る。

 

 そこに、いつものおちゃらけた彼女の姿はない。

 

 そんな少女へ、怪物は動くなと言わんばかりに二つの首から射抜くような視線を注ぐ。

 

 だがウィンはそれを意に介さず、また怯むこともなかった。

 

 カツン、カツン、と歩むウィンの靴音が響く。

 

「キィイイイイ!」

 

「うるさいよ」

 

 毅然とした態度で前だけを見つめて颯爽と歩くウィンは、仲間達から三メートル、怪物から五メートルのところで足を止めた。

 

 そして獲物を狙う狩人の如く、視線を鋭くした“空の少女”は逆にモンスターを睨みつける。

 

 ただそれだけで、ウィンとデュアルヘッドセンチビートとの間にある空気が変わった。

 

 目の前の人間から突如放たれ始めた、強烈な殺意を伴う圧迫感。それは今にも襲いかかろうとしていた怪物が気圧され、動きを止めてしまうほどだ。

 

 見た目と違って百戦錬磨な彼女が放つ気迫に、怪物は完全に呑まれていた。

 

 だが蛇に睨まれた蛙と違うのは、怪物の戦意はまだ失われていないということだ。

 

 機を窺おうと、奇声を発しながらナヴィ達を牽制する。

 

「ウィン! あなた、その腕じゃ無茶よ!!」

 

 目映いばかりの黄金の髪と瞳を持つ少女、パーティーリーダーでもあるエティアがウィンを止めた。

 

 ウィンはチラリと、先程の奇襲からエティアを助けた際に負った傷――二の腕から先が無い左腕に視線を落とす。

 

 すぐに怪物へと目線を戻した少女は、いつものアッケラカンとした口調で話し始めた。

 

「大丈夫、ボクはアンドロイドだから。それにこの程度のダメージ、放っておけばそのうちナノマシン――自動修復で治るよ」

 

 アクアもそうだったでしょ、とウィンはなんてことのないように言う。

 

「でも!」

 

「えてぃ、これが一番ベストなんだよ。全員で逃げても、あの部屋の入口である扉を抜ける時は一人ずつ。奇跡的にそこで追い付かれなかったとしても、無理矢理にコイツが侵入して部屋とか階段で戦闘なんてことになれば、そっちの方が面倒なことになる」

 

「ッ!?」

 

「でもボクなら……ボク一人なら、みんなが安全な所まで逃げた後、コイツを振り切っていける」

 

 なおも言い募ろうとしたエティアをやんわりと制して、ウィンは静かに語る。

 

 自分が考えていた案を言い当てられた上、逃げられる“かもしれない”ことの裏に潜む危険を指摘され、エティアは二の句が継げずにいた。

 

 エティアは他に代案がないか、助けを求めるような視線を自分の両隣にいるナヴィとアクアに向ける。

 

 まず見たのは少年。

 

 だがエティアの視線には気付きもせず、難しい顔をしたナヴィは口許に手を当てて何やら頻りにブツブツ呟いていた。彼もあれこれ考えているようだが、代案と呼べるような段階には至っていないらしい。

 

 逆に、エティアの視線に気付いたアクアは瞑目し、小さな肩を軽く竦めた。自分もウィンの案に賛成、と言葉ではなく態度が物語っている。

 

 奇策のナヴィと正統派のアクア。頼りにしていた二人までもが、他に手はないという判断をしていた。

 

 もちろん諸手を上げての賛成でないことは、二人の顔――分かりにくいがアクアも――を見れば一目瞭然だ。

 

 だが、怪物が行動を再開するまでもう時間がない。

 

――まだよ。まだ、絶対に何か方法があるはず。

 

 それでもエティアは諦めない。全員でこの場を突破する方法がないか、彼女は頭をフル回転させて思考を巡らす。

 

 建物の構造や周辺の地形はもちろん、これまで彼女が学んできた(すべ)の全てを用いて、否定されたベストに限りなく近いベターを模索する。

 

 独り言を呟き続けるナヴィと沈思黙考のエティア。

 

 だが、“目指すモノ”は同じだ。

 

 そんな二人の様子を、アクアのトロンと眠そうな青い目が見つめていた。

 

 何を考えているのか全てお見通しだと言わんばかりに、その目が細められる。しかし同時に、その顔には小さく満足げな笑みも浮かんでいた。

 

(今の時代を生き残るためのリーダーとして、二人の姿勢は間違ってるのかもしれない。戦術的に見ても、過去のわたしなら考えの一つにも数えなかったこと。でも……)

 

――そんな二人だから、わたしは期待したいのだと思う。

 

 自分達のような存在が幾人も生み出され、望まれた――あの大破壊の時代。

 

 決して少なくない数の犠牲を出してでも、より多くの結果を出すことが求められていた。

 

 少し前(・・・)の自分なら、ウィンの案を支持するのに迷うことはなかっただろう。

 

 困っているエティアの背中を押し、大丈夫だからとナヴィを納得させ、すぐさま実行に移すよう進言したはずだ。

 

 なぜなら、チームリーダーだった頃のウィンにその案を献策したのは、他ならぬ当時のアクア自身なのだから。

 

『――02、ここはあなたが』

 

『――了解。03、あなたと01は先に行って』

 

 仲間を犠牲にして。

 

 あの時代のコトを、アクアは記憶(メモリー)からその多くを欠落(ロスト)していた。

 

 だが、その中で忘れられないことが二つ。

 

 一つは、行動や作戦を共にした仲間達のこと。名前やプロフィール程度しかなく、声などは断片的にしか覚えがない。だが、忘れないよう最重要事項として残っていた。

 

 日常会話など覚えるだけ記憶回路の無駄――それがために起きたアルバム状況といえるだろう。

 

 それなのに、“彼女”と最期に交わした会話のことは、鮮明に記憶に焼き付いていた。

 

 忘れられない。

 

 否、忘れてはならない。

 

 今を生きるアクアは、しかしそのことで苦しみを覚えるようになった。

 

 アンドロイドである自分達に、心などというものはない。

 

 意味不明、理解不能。

 

 非論理的で非合理的なモノ……それがココロ。

 

 ノアの殺人兵器群と戦うのに必要か? ――否。

 

 攻撃を躊躇(ためら)ってしまえば、その分だけ犠牲が増える。

 

 故に、万が一にも躊躇うような要素など無用。

 

 全て効率的に行動し、機械的に処理するだけの存在――狂ってしまった機械を壊すためだけの人型ロボット。

 

 それが自分達のような戦闘用アンドロイドの基本コンセプトなのだから。

 

《――アクエリアス、それは違う! 君達はロボットなんかじゃないんだよ? ましてや、ノアのようになる必要もないんだ。今の戦況では難しいけど、僕達は……僕はいつかそれを君達に知ってほしいと思う。君達は》

 

――成長できるのだから。

 

 アクアの脳裏に、ふと困ったような表情で真剣に語る男の声が余切った。

 

 しかしそれが誰かを思い出す前に、波間に浮かぶ泡沫の如く記憶の闇へと沈んでいく。

 

 当時の献策も間違っていたわけではない。実行していなければ、今この場にウィンとアクア(自分たち)が居ることも無かった。

 

 いや、本当ならば自分たちもとうに朽ち果てていたはずなのだ。

 

 彼女(アクア)自身の作戦通りに。

 

 幾つもの偶然が重なった結果、今の状況になったのに過ぎない。

 

 しかし……苦しい。

 

 こんなこと、“あの頃”にはついぞ経験したことはなかった。

 

 異常を感じた彼女は何度も検査スキャンを走らせ、システムチェックも行っている。

 

 だが……結果はいずれも問題なし。異常は特に確認されず(オールグリーン)

 

 ナヴィ達と暮らすようになってから、それは日を追うごとに増していっているように感じる。

 

 あの時、本当にソレしか無かったのか? もっと他に、“彼女”も無事な案を練ることが出来たのではないか?

 

 もはや無意味で、答えが出ることはない非効率的な自問の日々。平静を装い、人知れず苦悩していた。

 

 だからこそ、彼女は自らを全てに役立たずなガラクタだと自嘲する。

 

 そんな自分が生き残ってしまった(・・・・)からには、せめていつかノアのいた痕跡を消去して、家族が過ごしやすい世界を作る――それが自分の責だ、という決意を内に秘めて。

 

 だからこそ、彼女は二人に期待する。自分のような苦しみを背負わず、未来を生き抜いてほしいから。

 

 だからこそ、彼女は二人に期待する。人類に見切りをつけたノアのように絶望することなく。

 

 彼女は自らの考えを、ウィンにだけは話している。

 

『逝くときは一緒』

 

 話を聞いたウィンが出した条件は二つ。一つがそれで、もう一つは自分(ウィン)の旅に付き合うことだった。

 

 ウィンがどうしてそんなことを口にしたのか、それはアクアにも分からない。

 

 お得意のただの思い付きなのか、それとも深謀遠慮があるのか。それは彼女のみが知る、だ。

 

 そもそも、彼女は本当にバカというわけではない。

 

 決して。

 

 現代のモンスターハンター達の大半がそうであるように、当時の彼女達も与えられたミッションを三人一組のチームで行っていた。

 

 ただし、与えられるのは目標のみ。

 

 必要な情報もある程度なら担当官に聞くことで得られるが、作戦は自分達で考えなければならない。

 

 目標や想定される危険具合により最終的な難易度が決まり、取った行動の全てが数値化する。

 

 例えば事前により多くの情報を得ていればそれだけの成果を求められ、少ない情報でより高い戦術目標を達成すれば多くのポイントが得られた。

 

 そうして複数のチームで競いあう形式だ。

 

 彼女達のチームがミッションを決行する際、作戦を立案する任を負ったのはアクアであり、それに応えるべく彼女は常に複数の案を挙げてきた。

 

 そんないくつもの案の中から選ぶのは、リーダーであるウィンの役目。

 

 彼女達のチームが他よりも高いミッション成功率を誇っていたのは、きっと偶然ではない。

 

 三人それぞれのことを正確に把握し、最善を尽くせる作戦を選び取る。

 

 獲物を見つけ出す嗅覚のように、“勘”の鋭いウィンはそういった能力に長けていた。

 

 “あの時”も。

 

(ウィンはあの時のことを覚えてて? そして、気にしてる? でも、あなたはあの時……)

 

 ウィンは当時のことを語らない。記憶の有無についても曖昧に言葉を濁す。

 以前ナヴィに自分達のことを説明した時も、ウィンはホンのさわり程度の内容しか語らなかった。

 

 常日頃、『いつか仲間を捜しに行こう』と言っていたウィン。ゆえに、アクアはウィンもまた断片的な記憶しか残っていないと判断していたのだが……。

 

 そんな彼女がナヴィやエティアとの旅に(こだわ)る理由。

 

(あなたも、いつか隠さず話してくれる? ね、ウイング)

 

 アクアが視線をナヴィ達からウィンへと移す。

 

 長いようで短かった数秒間の内に、彼女はデュアルヘッドセンチビートに向けてバズーカを構え直していた。

 

「うう……ボクはこんな奴を相手に死ぬつもりなんか全くないってのに、どうしてかみんなの視線がそんな風に感じる」

 

 ウィンはいつものように砕けた口調で、茶目っ気タップリに嘆いてみせる。

 

「信頼してるのと心配するのとは、まったくの別物らしい」

 

「そっか。……みんな、そろそろ行くよ?」

 

 そう告げたアクアに振り向くことなく頷いたウィンは、確認を兼ねて仲間たちに声をかけた。

 

 誰も意見はない――そう思った矢先、今のいままでうつむきブツブツ言っていたナヴィがハッと顔を上げた。

 

「ウィン、待った。……アクア」

 

「うん?」

 

「なに?」

 

「状況が状況だ、結論だけ聞かせてくれ。お前なら、手段を問わなけりゃ(・・・・・・・・・)どれくらいでアレを開けられる?」

 

 少年は、ウィンとナヴィ達で挟む形となっている扉を視線で示す。

 

「……二分。“本気”なら三秒」

 

「“出来る”か?」

 

 今の二人には色々と制限があることは聞いている。その上で、ナヴィはもう一度尋ねた。

 

「…………四十秒なら可能だと思う」

 

 少しばかり逡巡する素振りを見せたものの、アクアはコクリと頷く。

 

 それには首肯を返し、ナヴィはウィンへと顔を向ける。

 

「ウィン。五分……いや十分で良い。この扉から奴を引き離して、フロア内でキープ出来るか?」

 

「出来る……けど。え、ちょっと、ねえ? ナヴィ、本気?」

 

 彼の狙いが分かり、ウィンは彼女にしては珍しい焦りとも呆れとも取れる表情をしていた。

 

「ああ。かなり賭けになるけど、ここで奴を倒すぞ」

 

「中の状況も、肝心なモノの状態もハッキリ分かってないんだよ? 高いチップを貼るには分が悪すぎる。ここは退いて」

 

「ダメよ」

 

「えてぃ?」

 

 首を横に振るウィンを遮ったのは、道を照らす太陽のような輝きを放つ黄金の髪と瞳の少女だ。

 

 いつもは目立たないように赤いゴーグルキャップの中に入れられている髪が、かぶり直したことで背中側に垂れた。

 

「退くのはダメ。さっきあなたも言ったでしょ? 途中で追いつかれたらって」

 

 確かに、と無言で頷いて先を促す。

 

「それと同じよ。もし、そいつが建物の外まで、フォレストビレッジにまで来てしまったらどうするの? 大騒ぎ、ではすまなくってよ?」

 

「…………」

 

「それと、外はもう完全に陽が沈んでる時刻。村に見張りは当然いるでしょうけど、こんなのは想定していないのではなくて? 朝にここへ向かう時点で、私のティーガー以外に戦車はなかったのよ?」

 

 村にはハンターオフィスがあるし、森のモンスターを狩っているらしき宿泊客(モンスターハンター)もいた。

 

 脱出の際にハンターオフィスへ連絡を入れればすぐさま迎撃――というわけにはいかない。

 

 準備に時間がかかるのはもちろんのことだが、『命あっての物種』で逃げ出す輩も……少なからずいるからだ。

 

 人里がモンスター及び特定の集団による襲撃を受ける際、特別な理由が無い限り近隣の者は最優先で防衛の任に就くように、とハンターオフィス所属者は義務付けられている。

 

 そしてこの規約があるからこそ、ハンター達は宿や店から便宜を図ってもらえるともいえるだろう。

 

 ただのならず者に店側もサービスするメリットは皆無であるし、オフィス所属ということはいわば、そういった信用と信頼を積み重ねた結果ともいえた。

 

 よって著しく評判を落とすような輩が出れば、オフィス側もすぐさま対処に乗り出す。良くて登録抹消、最悪の場合は賞金首として高ランクのハンターへ依頼という形で。

 

 よって、防衛もせず逃亡などというようなマネをすれば今後のハンター稼業に影響が出るは必至――なのだが。

 

 何事にも例外はある。

 

 負傷などの理由で戦闘行動が不可能な時――他の者達の足を引っ張ってしまう場合。

 

 住人が町を放棄して、他所への避難を望んだ場合。この時は安全な場所への移動が完了するまでの護衛となる。

 

 そして、過去にも数例しかない“災害級”に認定されたモンスターとの接触が免れない場合だ。ヘタに手出ししても被害が増しただけの前科があるため、この時ばかりはオフィスが指名した一部を除く全ハンターに退却が命じられる。

 

 そのため、『災害級と判断して』『刺激しないよう速やかに退却』するのは、オフィスが定めた規約の違反には当たらないのだ。

 

 もちろん『災害級』だと“勘違いした”ことに対して、オフィス側からペナルティを含む厳重注意を受けることにはなるが、その程度である。

 

 何かの拍子で命を失うより断然いい――そう考えてしまう者が出るのも仕方ないだろう。

 

 だが、それが繰り返されるようなことがあれば当然のように重い罰則が科せられる。加えて、それよりなにより恐ろしいことが待ち受けているのだ。

 

 現地まで『災害級』の調査に赴いてきたハンター達からの“制裁”である。

 

 命を失うよりもツラい罰を与えてくる者もいるだろうが、そのことで制裁者がオフィスからお咎めを受けることはない。

 

 いくつもの人里が消し飛んでもおかしくない、『災害級』との戦闘を依頼されるような者達だ。実力に裏付けられる豊富な実績と経験を誇る彼らが、“人類の牙たるモンスターハンターの資格無し”と断じたならば、オフィスとしてもその意見を尊重するのである。

 

 そうしてオフィスは、所属ハンター全体の質向上へと繋げるのだ。

 

「この森にはかなり多くのモンスターがいるわ。もしもよ? ソレらが追ってきたこのモンスターと連動して、まとめて村へ襲って来でもしたら、私のティーガーだけでは捌ききれない可能性が高いわ」

 

 小声でもハッキリ聞こえるソプラノボイスで論理立てて説明するエティアの横に並び、ナヴィが口を開く。

 

「他所からの応援も、逆に連れて逃げるのも難しいだろ。ハンターがたくさんいるバーイショまでには、あの広い【はらはら平原】がある。ここから北にあるってぇ町にしても、この森に隣接してる時点で状況は同じ。それこそ、連動して両方ともが襲われるかもしれない」

 

――それなら、そもそもそういった状況を作るような事態にならなければいい。

 

 すなわち。

 

 二人は顔を見合わせて一つ頷くと、声を揃えてその答えを口にする。

 

「「コイツはここで倒すしかない(わ)」」

 

「いや、あの……」

 

 目の前にいる魔物を牽制しながら、何とか二人を踏み止まらせようとするウィン。

 

 しかし。

 

『大事な家族を囮にしてたまるか! 俺はとことんまで足掻いてやる!』

 

『可能性があるなら、最後まで諦めてたまるものですか!』

 

 二人の汚れを知らない純粋な眼差しから、そんな揺るぎない意思を感じ取った彼女は口を(つぐ)む。

 

――甘いよ。二人は危険なことをしなくて良い。それはボクの役目だから。

 

 そう言うのは簡単だ。

 

 事実、彼女は目の前のモンスターを倒す術を持っている。……“手段を問わなければ”。

 

「ウィン」

 

「アクア?」

 

「あなたのバスターライフルなら、確かにコイツを倒せる」

 

 その考えを見透かしたかのように、彼女の長年の相棒である少女が静かに喋り始めた。

 

「でも、今のその状態での使用、及びシステム起動はリスクが高い」

 

「……それは二人の案も同じでしょ? 中の状態が分からないんだし、条件は同じなはずだよ」

 

「同じじゃない。それにバスターライフル(アレ)の効果範囲が広すぎるのは、あなたが一番よく知ってるはず。建物内はもちろん、町や森の中で撃てば周囲の地形が変わってしまう。そうなれば」

 

 そう。だからこそ、彼女も撃たずに最後の手段としてとっているのだ。

 

「環境変化に伴う罰則金なんて、うちにはない」

 

「そっち!?」

 

 思わぬ答えにヅッコケてしまいそうになるが、しっかりツッコむ。

 

 がしかし、そんなウィンを無視してアクアは話し続ける。

 

 だが今ので威圧はほぼ解けてしまったらしく、奇声を上げる怪物が少しずつ前へと進み出てきた。

 

「二人の案の利点は他にもある。確かにリスクもあるけど、得られるメリットも大きい。駄目だったとしても、最初の案へ移行すれば良いのだから」

 

『その程度の時間、あなたなら余裕でしょう?』と、言外に込めて。

 

 それが分かり、人使い荒いねとウィンは笑みとも苦笑とも取れる曖昧なソレと共に一人ごちる。

 

「わたしは……二人の案を支持する」

 

 アクアは自らのメイド服に手をかけ――――一気に脱ぎ去った。

 

「ばっ!?」

 

「えっ」

 

 その行動に意表を突かれたナヴィとエティアは赤面し、兄は慌てて妹から視線をそらす。

 

 だが、そこは彼も思春期の少年。

 

 今はそんな場合でないと分かっていても反応してしまうのは、お年頃な少年の悲しい(さが)と言えよう。

 

 意思とは裏腹にさまよいがちな彼の視線を、横から凄い勢いで突き出されたショットガンの銃身が塞ぐ。それに加えて、少年の耳はやけに禍々しく見えるソレから安全装置が解除されるのを聞いた気がした。

 

 実際には、解除音(それ)自体は幻聴だ。エティアは操作どころか触れてすらいない。あくまでも護身用で、サブ武器ですらないソレはセーフティロックもかかったままだろう。

 

 ナヴィもそのことは理解していたのだが、本能が激しく危険を報せていた。

 

 確かにさっきのは幻聴だったが、この一件が終わった後にアレは現実になるだろう、と。

 

 少年が冷や汗をかきながら意識を怪物の方に向け直すと、それを見計らったかのようにショットガンも引っ込む。

 

 宙を舞う黒い仕事着からは幾つもの手榴弾や(てき)弾(いわゆるグレネード)、予備の弾丸が詰まったマガジンやエネルギーカートリッジといった物が次々とこぼれ落ちていく。

 

 少女は両腿に巻いた帯ごと金属鞭を取り外し、二本とも床へ落とした。手に持っていたスナイパーライフルもエティアへ渡せば、完全に丸腰となる。

 

 最後にポイッと、床に落ちた服の上へハンタースカウターを放り投げた。

 

 野暮ったいクラシックスタイルと呼ばれるメイド服の下は、人間で言う着痩せするたちのようだ。

 

 エティアへ迫るほどメリハリの利いた肢体に黒い下着だけを身につけ、しかしそのことを気にした様子もないアクアは固く閉ざされた鉄の扉へと向き直る。

 

「ウィン、いざという時はプランUー八を使う」

 

「……うん」

 

 プランUー八。

 

 それは“施設の地下又は内部にいる標的を、建物への影響効果を最小限に留めて外部から破壊する”というもので、彼女達が立てた作戦の中では最も難度の高いものだ。

 

 同時に――――彼女たちが最後に携わったミッションで、失敗に終わった作戦コードでもある。

 

『もし、本当に使うことになれば……今度は……今度こそ、成功させてみせる』

 

 そんな決意を込めたアクアへ返ってきたのは、ごく短い一言だった。

 

 彼女がそれにどんな意味を込めて口にしたのかは、表情を窺えない今は本人にしか分からない。

 

 だが、アクアにとってはそれで十分だった。

 

 最後に作ったその作戦をウィンが覚えている、ということなのだから。

 

 そして。

 

「…………っ!」

 

 ――――ウィンが跳ぶのと。

 

「ギィイイイイィ!」

 

 ――――前進する怪物の二つの頭が噛み付いてきたのは、同時。

 

 直前までウィンの居た床に、二つのムカデロンの頭が突っ込む。

 

 床は地雷が爆発したかの如く粉砕され、大きく抉れたそこから顔を上げた怪物の胴体部に着弾の花が咲いた。

 

「ほら! こっちだよ、ウスノロ!」

 

 器用に天井へ両足を着けてバズーカを一射したウィンは、そこからナヴィ達がいるのとは逆側へと跳ぶ。

 

 奇声を上げ、デュアルヘッドセンチビートはその大きな身体を反らして転進しようとする。

 

 しかし、頭の一つが近くに残るナヴィ達の方を注視したまま動こうとしない。

 

 ゴクリ、と誰かの喉が鳴る。

 

 襲いかかろうと牙を剥き出し――――途端、怪物の頭で続けざまに小爆発が起きた。

 

 怒りによる奇声の二重奏を発した怪物は今度こそ反転し、攻撃してきたウィンを追い始める。

 

「アクアっ!」

 

「お願い!」

 

「――――GW-X03 SYSTEM-AQUARIUS startup」

 

 少女の胸元に現れる、緑の輝きを放つ半球状のクリスタル。

 

 そこを中心として、瞬く間にアクアの全身を青を基調色とした外装が覆っていく。

 

 薄紫に、ところどころに赤や黄といった配色がされたそれは、普段の彼女が持つイメージとはかけ離れた厳つい見た目の重装甲だ。

 

 他に特徴的なのは、やたら突起物が多いことだろうか? 靴の先端部に一つずつ、両肩の後側からは四つ左右それぞれにせり出している。

 

 頭部は前面が開いた形で耳と、目から上をヘルメット状の装甲が覆っていた。

 

 最後にメットの内側、頬から鼻にかけてを左右からのフェイスガードが包み、上側から下りてきたバイザーが眼を覆い隠す。

 

「GW-X03 SYSTEM-AQUARIUS startup completion」

 

 小さな板状の刃を幾つも繋げた連結剣を手に。

 

 秒にも満たぬ刹那の時間に準備を終え、バイザーに黄色く灯が点る。

 

 

     ※ ※ ※

 

 

 ノアによる大破壊。

 

 あの混迷の時代に、対ノア用として軍では極秘に三つのプロジェクトが進められていた。

 

 チームによる多目的な任務を主とした――『エータプロジェクト』。

 

 高性能な単体による戦況打破を狙った――『ベータプロジェクト』。

 

 その二つのプロジェクトからのデータを基にして、統合的な性能を求めた――『アルファプロジェクト』だ。

 

 その内の一つであるエータプロジェクトにおいて、Gシリーズのコードを持つアンドロイド達はノアとの直接対決を前提としたコンセプトで開発された。

 

 その中で、Wナンバーの『少女』達は広域戦闘における空間支配を専門としており、『三人目』のアクエリアスは電子戦に特化している。

 

 ノアの主力である抹殺兵器軍の無力化――それが少女に与えられたパーソナリティーで、自らの存在意義の全てだった。

 

 

     ※ ※ ※

 

 

 サクッと、独特な形の剣を床に突き刺す。

 

 青い鎧を纏ったアクアの両手が、厚い鉄の扉にかかる。

 

「内部回線に強制侵入、データ分析開始。……解析。セキュリティにダミー情報を配布――――クリア」

 

 回路の一部が断絶しながらも、長きに渡って中を守り通してきた。

 

 その封印が今、アクアによって破られようとしている。

 

 だが――高さ数メートルもあり、見るからに重くて厚い鉄の扉は開かない。

 

 定期的なメンテナンスが全くされず、そのため施設自体が相当に傷んでいたようだ。

 

 よりによって、肝心要の開閉機構が損傷。

 

 背後で開かない扉を見たナヴィが、ダメかと残念そうにこぼす。

 

 エティアも小さく息を吐き、ホワイトシェパードは鼻を鳴らす。

 

 だが。

 

「ここまでは順調」

 

 少女はいつものように泰然自若としていた。

 

 最初にこの扉を確認した際、既にアクアはそのことに気がついてからである。

 

 では彼女が今した行為は無駄だったのかと言えば、答えは否だ。

 

 閉め続けることしか出来ない自動扉へ流れているエネルギーを絶ち切る――アクアがしたのは、単純に言えばそういうことになる。

 

 もちろんそれだけではないが。

 

 では、電気が止まった自動ドアの開け方といえば。

 

 そう、手動だ。

 

「仕方ない……か」

 

 チラッ、チラッ、と背後を気にしつつも、アクアは両手へ力を込め始める。

 

 ミシリ、とそんな音がした。

 

「んっ……!」

 

――――これまで何者をも阻んできた鉄の扉。

 

「んんっ…………!」

 

――――少女が両の手に込める力を強めていく度に。

 

「んぅ………………!」

 

――――ズッ、ズズッ、と左右へ開かれていく。

 

「す、すげぇ……」

 

 少年がその光景に驚きで目を見開く中、青の少女は出来た隙間に両手を突っ込んでいた。

 

 指先から手のひら、腕へと、段階を追うごとに扉も加速度的に開かれていく。

 

 そして隙間がある程度拡がったところで、次に少女はスルリと身体ごと中へと潜り込む。

 

 厚い扉の内側――ちょうど真ん中辺りで足を止めたアクアは片面に両手を、もう一方には片足をかけて、そのまま静止した。

 

 グッと、軸足に力が込もる。

 

「ん…………フッ!」

 

 小柄な身体をフル活用した少女の口から鋭い呼気が吐き出されると同時に、伸び上がるような姿勢の彼女に押されるように鉄扉が左右へと動く。

 

 鉄扉は断末魔のような重く鈍い音を響かせながら、ついには衝撃と震動を伴い開ききってしまった。

 

 例え大型の重戦車であっても、クルマ一台はゆうに通れる幅。

 

 かかった時間も、彼女が宣言した通り――ジャスト四十秒。

 

 足を下ろして元の立ち姿に戻ったアクアは、パンパンと手の埃を払い始める。

 

「ふぅ……」

 

 プシュー、と空気の抜けるような音と共に、鎧のあちらこちらから蒸気のような白い煙が吐き出された。

 

 一息ついた彼女だが、それだけであって疲れた様子はない。

 

 ズゥン! と少年がこれまで聞いたこともないような重低音のメロディを耳にした時、震動で自分の身体が浮いたような錯覚(・・)を覚えた彼は、目の前の光景をどこか遠くの出来事のように感じていた。

 

(ウェイトレスのアルバイトをしていた時に、悪酔いして触ってきた客を拳一つで撃退したって話は聞いたことがあったけどな……)

 

 当時はその話を冗談と思い、アクアを心配したナヴィもまた、酒場でのバイト(注※皿洗い、報酬は現物支給つまりは食事)を始めたのだ。

 

 自分はソルジャーだと言われても、家ではエプロンドレス姿で留守しがちな両親の代わりに家事を担ったアクア。

 

 そのためエティアから強いと聞かされても、いまいちピンとこなかった。

 

 そして現在(いま)

 

 旅に出てから初めて知ったアクアの強さ――と目の前のソレ――に、アレは真実(マジ)な話だったんだ、と少年は確信する。

 

(その殴られた人、よく無事だったな。同情はしないが…………ん?)

 

 大事な家族に害をなしたのだ。少しばかり痛い目を見るくらいならともかく、これでは命までも取りかねない。

 

 もっとも、そこはいつも理性的なアクア。そんなことにならないよう、きちんと手加減するはずだ。たぶん。メイビー。

 

 ふと気が付けば、ナヴィ達の方へ向いたアクアがなにやら恥ずかしそうに、モジモジと身体を揺り動かしていた。

 

 ゴツい鎧を纏ったまま。

 

「か、可愛い……」

 

 隣でなにやら感じるものがあったらしいエティアがそんなことを口にするが、ナヴィとしては素直に頷けない。

 

(か、カワイイ……か? いや、まぁ確かにいつもとのギャップがあるぶん、仕草はカワイイたぁ思うが。……仕草、は)

 

 心構えや行動など、ナヴィが参加する前から師事を受けていただけあって、エティアとアクアはよく似た部分が多い。

 

 しかし、決定的に違うところが一点だけあった。

 

 パーティーリーダーとしていつも凛とした態度を崩さないエティアも、街中で休息する際にはウィンと共に楽しんでいる年相応な姿を見ることが出来る。

 

 だが別の意味でしっかり者なアクアの場合、公私の区別がつかない。家の中でも“外”でも、良く言えば真面目に、悪く言えば飄々としていたからだ。

 

 縁の下の力持ちを地でいく彼女は、ナヴィ達の支柱的な役割を黙々とこなし続ける。

 

 そのため、彼女のそんな仕草を見たのは彼も一緒に暮らし始めてから初めてのことであり、見た目的にも相応しく写ったかもしれない。

 

 外装さえなければ。

 

 今されても、ハッキリ言って違和感しか拭えなかった。

 

「あ~……アクアさん、どうしたんですか?」

 

 結果――引きつり顔の少年は我知らず、丁寧語で話しかけている。

 

 だが、アクアはそんな態度のナヴィにも気付いていないようだ。

 

 そわそわと意味もなく手を動かしながら、少女はだってと口にする。

 

 フェイスガードが中心線に沿うように左右へと分かれ、次いでバイザーが持ち上がるとそれぞれヘルムの内側へと収納されていく。

 

 そしてほのかに朱く染まった表情と、――モードを換えた所為で――青というよりは碧眼な目が露になった。

 

「“チカラ”…………見られた……から」

 

 アクアは消え入りそうな声で言うと、ますます朱くなっていく。

 

「って、そのまんまの意味か! 俺としては服を脱ぐことに恥じらい? を、持ってほしいんだが」

 

「ナヴィはそっちの方が好み?」

 

「い、いや、だから、そうじゃなくて……」

 

 上目遣いで見られ、たじろぐ少年を助けたのは太陽の少女だ。

 

「二人とも、それは後にして! 私達はやるべきことをやらないと、ウィンが頑張って時間を稼いでくれてるのよ?」

 

「そ、そうだ。中を確かめないと」

 

 崖っぷちに立たされていたナヴィがホッとしながらアクアを見やると、彼女もエティアの一喝にハッと我を取り戻したようだった。

 

 緊急放熱機能作動という彼女が纏う鎧の各所から、先程よりも多くの白い蒸気が吐き出される。

 

 視界が晴れると、そこには顔色も戻って感情が希薄ないつもの彼女の姿があった。

 

「え、えーと。アクア、もう大丈夫……か?」

 

「問題ない。ただの熱暴走だから。その間に私がなにか言ったとしても、熱によるうわ言みたいなもの」

 

「そ、そうか。な、なら良か――」

 

「い、いい? ただの戯言なのだから、その記憶(メモリー)を今すぐに消去(デリート)して」

 

「わ、分かったから! お前、まだ熱あるだろ!? 顔が赤いぞってそんなことより中だよ、中!」

 

 無表情に詰め寄ってこようとしたアクアを制しながら、ナヴィは必死に彼女が背にした光りなき部屋を指し示す。

 

 それに「ナヴィには後でジックリ話があるから(なんで!?)」と応じたアクアは、忍耐強くジッとしていたシーザーを呼んだ。

 

 少女は床に刺していた連結剣を引き抜くと、柄の方を向けてシーザーに差し出す。

 

「もう弾がないはず。これをウィンに届けて」

 

「ウォン!」

 

 一つ吠えて了承し、柄をくわえたホワイトシェパードは断続的に衝撃音が繰り返されてる方へと駆け出していく。

 

 タタッ、タタタッ、という軽快な足音を背に、ナヴィ達も闇に閉ざされた部屋の中へと入った。

 

 途端、頭上の三ヶ所に灯りが点る。

 

 三条の光りはまるでスポットライトのように、中央に鎮座するソレを照らし出した。

 

 エティアのティーガーよりはやや大きいか?

 

 基本的なフォルムを保ちながらもどこか近未来を思わせる車体に、色はシンプルなジャーマングレー。

 

 やはり一番に目がいくところ――主砲はスパルク系列ではなく、ロングTタイプに似た形状だ。

 

 他の武装もあるかもしれないが、部屋に入ってすぐの今では分からなかった。

 

「これが……マイス」

 

『そう、これがマイス! 我々が目指した、究極の戦車の一つ!』

 

 ナヴィの呟きに応じるかのように、どこからか自分達にマイスを託したあの男の声が聞こえてきた。

 

 コホン、と『声』は咳払いを一つすると。

 

『ヨロシク☆ネ』

 

 裏声でそう言った。

 

「ウゼェェェェッ!」

 

 部屋には虚しく、少年の絶叫が響き渡る。

 

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