一夏達は様々な問題を乗り越え、
計画は新たなステップへと移行した。
モビルスーツなどの発表から約5年。
この間は本当に忙しかった。
やる事がたくさん有ったうえに、いざやろうとすると他にもやらなければならない事が出てきた。
元々予定していたISの国際大会にモビルスーツの大会も調整しなければいけなくなった。
モビルスーツの生産の際にも問題が見つかった。それは動力源の核融合炉に使われるヘリウム3の確保だ。地球上にある量ではすぐに限界が来るため、宇宙世紀の木星船団公社にあたる部署を作る必要があった。幸い、ヘリウム3の運送に使われるジュピトリス級はIS技術のおかげで高い性能を保有していて、地球から木星まで往復2年で済むようになった。
ジュピトリスの建造やモビルスーツの生産、ISやMSの国際大会第1回が終了した後にも新たな問題が発生した。
それは、教育だった。宇宙戦艦やMSにISはどれも新しい分野モノだから、専用の教育機関が必要になった。これに関しては世界各国と協議した結果、日本に巨大な人工島を作り、そこにIS学園とMS学園を創設し、IS免許やMS免許、そして宇宙船や宇宙戦艦の運用免許の取得の為に励んでもらうようにした。
因みに、千冬はISの国際大会モンド・グロッソの第1回・2回の優勝者になってブリュンヒルデの称号を得た。…僕かい?僕はMSの国際大会MSファイトの第1回・2回の優勝者になってシグルドの称号を得た。
第2回の大会が終わった後、マンネリ化を避けるために僕と千冬は引退を表明した。
この後は第2回の開催地という事で、ISやMSについてレクチャーしてほしい、というドイツの要請を受けて1年間ドイツ軍に教官として滞在していた。
今は帰国し、2年前に開設されたIS学園とMS学園に向かっていた。
「千冬、もうすぐで学園につくぞ。」
「そうか、分かった。」
「それにしても、この五年間は本当に忙しかったな。」
「あぁ、いざ始めると次から次へと問題が出てきたからな。」
「そうだな。だがとりあえずは一息つける所まできた。今は次世代の若者を正しく導く時だ。この学園はそういう意味でもこれから重要になってくるだろう。」
「そうだな。だが一夏。私はまだ次世代がどうこうという年齢ではないと思うんだがな。」
「…すまない。」
「まぁ構わんが。女性に対して年齢に関わる話はやめておけ。」
「わかった。 ん、着いたぞ。」
「ありがとう。行ってくる。確か一夏はMS学園の方だったな。」
「あぁ。僕はMSの方が詳しいし、IS学園の方には束がいるからな。それにMS学園の方はハマーンに任せっきりになっていたからな。」
「なるほど。確かにな。分かった。一夏も頑張るんだぞ。」
「分かっているさ。それじゃあまた。」
「あぁ。またな。」
千冬をIS学園の前で卸してから一夏はMS学園に向かった。
「着いたな。さて、行くか。」
一夏は乗ってきたエレカーを駐車場に止めて職員室に向かった。
「さて…」
一夏は職員室の戸を開けて中に入った。
「失礼する。今日からMS学園の教師として働くことになった織斑一夏だ。よろしく頼む。」
「来たかイチカ。 諸君。彼はこのMS学園の新しい教師だ。」
「「よろしくお願いします。」」
「あぁ、よろしく頼む。」
「うむ。ではイチカ。私が学園を案内しよう。幸い今日は特に予定は入っていないからな。」
「あぁ、頼む。」
それからIS学園を含めた施設の案内をしてもらった。
「ん。もうこんな時間か。イチカ。講堂に向かうぞ。」
「講堂?どうしてだ?」
「何を言っている。貴様と千冬の歓迎会に決まっているだろう。さっさと行くぞ。」
「あ、あぁ。」
こうしてハマーンに連れられて一夏は講堂に向かった。
講堂に着いた一夏は入り口で待たされていた。
「やぁ、千冬。そっちはどうだい。」
「ん。一夏か。…まぁ、いろいろと大変だな。」
「何かあったのか?」
「あぁ、私の副担任が後輩の山田先生なのだが、彼女はあがり症でな。なぜか、担任である私が彼女のフォローをしなければいけなくてな。」
「あぁ、彼女か。彼女は優秀なんだがなぁ。まぁ、それも親しみやすいという意味では利点だろう。支えてやってくれ。」
「分かっている。そのつもりだ。」
「そうしてくれ。」
「あとは束だな。」
「…頑張ってくれ。僕からも一応注意はしておく。」
「そうしてくれ。あいつはレベルを下げるという事がまだ上手くできないからな。注意はしているんだが、すぐに難しい方に行ってしまう。」
「まぁ、束は生まれながらの天才だ。普通は1から始まるところを10から始めてしまった様なものからな。苦労という過程をすっ飛ばせるんだから仕方がないさ。そこは僕らがしっかりしないとな。」
「そうだな。」
「織斑先生~、準備できましたよ~。」
「あぁ、山田先生。分かった。すぐに行く。行くぞ一夏。」
「あぁ。」
ふたりは山田先生に引き連れられて講堂内に入っていった。
「「織斑先生、就任おめでとうございます!」」
「ありがとう、諸君。祝ってくれて嬉しいよ。」
「僕も同じだ。ありがとう皆。これからよろしく頼む。」
「こちらこそ。ISとMSの開発に携わり、それぞれブリュンヒルデとシグルドの称号を得たお二人と共に働けて光栄です!」
「そうですよ。教師としては我々が先輩ですが、ISやMSに関してはそちらの方が詳しいのでしょう。こちらこそ色々レクチャーしていただきますよ。」
「えぇ。僕もそのつもりです。お互い、生徒のためにも頑張りましょう。」
そうして楽しく談笑をしていると、ある人物が現れた。
「二人ともちょっとこちらへ。」
「分かりました。皆さん、少し席を外します。」
そして二人は
「どうも、一夏先生。千冬先生。今日からよろしく頼みますよ。」
「えぇ、轡木学園長。今日からよろしくお願いします。」
「よろしく頼みます。」
「そんなに硬くならなくても構いませんよ。無礼講ですからね。まぁ、皆さんには普段からもそうして欲しいのですがね。」
「それは仕方が有りませんよ。それにしても、まさか貴方が学園長だとは思ってもみませんでした。国連から有能な人物が来ると聞いていましたが…。 本当に驚きましたよ。」
「えぇ。こちらも驚きましたよ。”あの時の姉弟”がここまで立派になるとは。さすがにそこまでは想像できませんでしたよ。」
「貴方には本当に感謝しています。おかげでこうして今まで生きることができましたから。貴方だったからあんな無理を通せたんですね。でも、貴方のような立場だったら僕らの事情は知っていたのでは?」
「えぇ、知っていましたとも。マークしていた組織が生み出した試作体が脱走したと。」
「だったらなぜ?」
「最初は面倒なことにならないように”処理”しようとしていたんですがね。直接、あなた方に会って気が変わってしまったのですよ。私には子供がいるんですが、あなた達はどう見てもそれと同じ子供でした。まだ大人の保護が無ければ生きられない小さな命。そう見えてしまいましてね。関わっていた他の人間も同じように見えたようで、誰も手を出せなかったんですよ。」
「それであんなに…」
「えぇ。それに、どうやら私達の選択は間違っていなかったようですね。安心しました。」
「…そうか。貴方があの時助けてくれたおじさんか。」
「…千冬。気付いてなかったのか?」
「…すまない。」
「構いませんよ。もうそれなりに昔の事ですからね。覚えていないのも無理有りませんよ。」
「あの時の恩は忘れません。」
「私も感謝しています。」
「構いませんよ。そうしたくてしたんですから。それよりも、これから教師として頑張ってくださいね。期待していますよ。」
「えぇ、もちろんです。」
「私も同じく頑張ります。」
「結構なことです。それでは皆さんのところに戻りましょう。主役が離れすぎるのは良くありませんから。」
話が終わると三人は談笑している皆の下に戻って歓迎会を楽しんだ。
「ところで一夏。あのエレカーはお前専用のエレカーか?あのデザインの物は販売していなかったと思うが。」
「あぁ。束に頼んで作ってもらったんだ。普通のと違ってホバー機能付きだ。」
「いいな。デザインもカッコよかったから私も頼もうか。」
「いいんじゃないかな。だけどその前にちゃんと免許は取ってくれよ。」
「…ISやMSの免許じゃダメか?」
「ダメに決まっているだろう。その二つが車に適用されるとは一言も書かれていないからな。ちゃんと取らないとダメだ。」
「…分かった。」
数日後、自動車の教習所に向かう千冬が目撃されたそうな。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白いと思っていただければ幸いです。
今回は第2話に出てきた謎のおじさんの正体が判明しましたね。
今回は序盤に詰め込み過ぎた気がしますがすいません。ここまで細かい話を書くのは正直ちょっとしんどいです。なので省略しても大丈夫かな?という話は省略させていただきます。(気が向いたら書くかもしれません。)
それから個人的な話ですが、最近少し文章(文章構成等)に自信が持てません。どこかおかしいと思ってしまうんですよね。 なので、おかしい所が有ったら是非ご指摘ください。修正の必要が有ると感じれば修正します。
:感想返信のコーナー:
ハマーン様の【詳しい】過去についてはすいません。都合上もう少し先になります。
ISが女性にしか動かせない理由は原作でもわからないので記載できませんでした。
一夏が動かせる理由はプロジェクト・モザイカで調べればある程度想像できると思います。 まず、一夏と千冬は一種の人工生命体です。そして、姉弟であることから、おそらく同じ遺伝子を起源とし、それぞれ異なる遺伝子操作をしたことで二人が生まれたと考えられます。つまり、基が同じ遺伝子なのだから一夏も動かせたのではないか。という若干、無理矢理な理由が想像できます。 なので、原作通り『女性しか動かせない』とした場合、千冬と同じ遺伝子起源をもつ『一夏』だからこそ動かせたことになります.
唐突な一部ネタバレ申し訳ありません。
一夏がいきなりMSを出したことですが、これにはいくつか理由が有ります。
まず、宇宙進出の為に必要になると考え、あらかじめ準備を進めてはいたので、計画が早まるが大丈夫だろうと考えたのが一つ目。
過激な女尊男卑の思想がすでに散見しているのを知り、宇宙世紀の過激な人種差別やそこから始まった争いの歴史を知っていた一夏(アムロ)が焦ったのが二つ目。
そして、そんな一夏(アムロ)の気持ちを知らない周りの人間が、軽い気持ちだったとはいえ、彼を後押しする発言をしたのが三つ目。
以上の理由から、一夏はMSの発表に踏み切りました。
女尊男卑の思想は確かに突っ込みどころが有るかもしれませんが、人間の本質を理解し、人類の歴史を学べば、あり得る事だと分かります。
例)白人至上主義、ナチスのユダヤ人政策、魔女狩り、優生学、等
感想で求められた、れっきとした男だという一夏の発言からの会話について、この場面では、発生した問題をどうするか、という事が話の主題であり、一夏が男か女かについては全く関係が無いので変更しません。 ですが、ご意見ありがとうございました。