グラスちゃんの特殊固有がね、もう、カッコイイんですよ!
スペちゃんの特殊固有もカッコイイんだけど、やっぱグラスちゃんがカッコイイんですよ!一本の映画を見た気分でした!あと衣装違いスぺちゃんは有馬記念に勝てば手に入るので皆も頑張って手に入れるんやで。
リアル宝塚終わっちまったぜ。こっちはこれから本腰なのに。
ライスシャワーは小柄なウマ娘だった。
他のウマ娘とは比較してはどうしても見劣りしてしまい、本当に中央のレースでやっていけるのかと僕自身の保護本能が反応してしまうくらいだった。
だけど、その心配は杞憂であったと言える。
現にライスシャワーは当時最強と言われていたミホノブルボンを菊花賞で破る快挙を。
天皇賞春ではメジロマックイーンの三連覇を阻むという栄誉を勝ち取っていた。
勝ち取って来たレースが原因で勝利を望まれなくとも、悪役の扱いを受けようとも。
ライスシャワーはその逆境に負けず、抗い、走り続けていた。
いや、ライスシャワー本人の力だけではない。
彼女を支え続けたトレーナーの力もだ。
きっと、僕が彼らと同じ境遇だったならなば重圧に押しつぶされて、世間からの批難に耐えきれなかっただろう。
二度目の天皇賞で彼女が勝者として返り咲いた時、僕はライスシャワーの勝利をまるで自分の事のように喜んで、涙を流してた。
多くの人々に感動を与え、ヒーローへ至った彼女を僕は心の底から尊敬している。勿論、彼女のトレーナーもだ。
だからこそ、ライスシャワーが死に物狂いで掴んだ栄誉の先で至る道が、このような結末を迎える事に僕は少なからずとも納得は出来ていないのだ。
〇
雨は勢いを衰えさせることなく地面を濡らし続け、休憩所の屋根を打つ無数の雨音が鳴り響く。
二人の青鹿毛のウマ娘、僕ことブラックサンダーとライスシャワーはベンチの上に並ぶように座っていた。
公園を通りがかる途中、彼女の涙を見てしまった僕は駆けよらずにはいられなかった。
助けを求めている声が聞こえた気がしたのだ。
「僕と話をしよう。ライスシャワー」
「……!」
もし、僕の考えが間違いだったら、という考えはライスシャワーの一瞬の驚愕とその後瞳から涙を流すのを見たことにより否定される。
泣きじゃくる彼女にハンカチを渡して、一度落ち着いた後、ライスシャワーはぽつりぽつりと、その心の内に秘めた思いを語りだした。
「ミホノブルボンが……」
「うん……」
二冠ウマ娘、怪我からの復帰を果たし、今期は乗りに乗っているミホノブルボンの突然の引退宣言。
その引退宣言のインタビューは僕もテレビで見たが、ライスシャワーが言う通り、どうしてこのタイミングで引退に踏み込んだかが疑問だった。
しかも、トゥインクルシリーズからドリームトロフィーリーグへの移籍に伴う引退ではなく、レース業界からの引退である。
気力も体力も十分に備わっている彼女にそこまで決意させるような不安要素があるとは僕自身も思えなかった。
そして、その理由が分からなかったからこそ、ライスシャワーが引退の原因が自分にあるのだと考えるようになってしまった。
かつて交わした友との約束を果たす事が難しくなってしまった故に、ミホノブルボンから見切りを付けられてしまったのだと、そう感じてしまっているのだ。
「ライスシャワーはさ、それが本当にミホノブルボンの本心だと思ってるか?」
「お、思ってないよ……思ってないけど…今のブルボンさんの心が、分からなくて……あれから何度もお話しようとするんだけど、逃げられちゃうの……」
何度もライスシャワーはミホノブルボンと事の真相を確かめようとコンタクトを取ろうとしていた。
だが、ミホノブルボンは意図的にライスシャワーを避けるように距離を取っている。
ライスシャワーは怪我の影響で歩くことは出来ても、走って追いかける事は出来ないからミホノブルボンに一度でも逃げられれば捕まえる事は難しくなるという。
どうして、ライスシャワーを避ける必要があるのか。
そこから解明していかなければならない。
「そういえば、ライスシャワーは今年からトレーナー業の手伝いもやってるんだってな」
「う、うん……お兄様からは無理しなくていいって言われてるんだけど、怪我で動けない分、チームの皆の事をライスでもサポートしてあげたくて……」
今年の春以降、僕は練習場でチームメイトのタイムを計測したり、備品の買い出しや手入れをしているライスシャワーの姿をよく見ていた。手伝い、と彼女は言っているがタイムスケジュールやメニューの進行役や、トレーニングをしているウマ娘の管理やパソコンを使ったデスクワークまでこなしていると聞くに、その業務量はサブトレーナー並である。
「凄いな、デスクワークとスケジュール管理とか普通は慣れないことだらけだろうに。ぜひ僕のチームに来て欲しいくらいだ。そして抱き締めたいよ」
「え?」
「いや、何でもないよ」
冗談はさておき。
ライスシャワーがトレーナー業を始めたのは4月。
そしてミホノブルボンが引退を宣言したのは僕のダービーが終わった後の5月。
その4,5月の間に何かがあったと考えるべきだろう。
ミホノブルボンが引退宣言を行うまでのレース内容はまさに鬼気迫るものであった。出走するレースでは常に1着か2着を取り、去年はグランプリ優勝までしている。
その走る姿は、誰かの為に勝利したいという願いが込められていた走りだった。
それが怪我で苦しむライスシャワーが再び復活することを願っての走りなのだと言う事は、僕にも伝わった。
だから、ミホノブルボンがその意志を大きく変えるほどの決定的な何かがあったのだと、僕は考えた。
「……」
少女、ライスシャワーの顔色は先ほどよりだいぶマシになったもののまだ暗い。
いつもは天使の如き幼い顔をここまで歪めてしまうほどにミホノブルボンとの一件はショックだったのだろう。
このまま理由も分からずにミホノブルボンの引退が決まれば、ライスシャワーは二度とレース復帰を諦めてしまうかもしれない。
ここまで頑張って来たライスシャワーの努力が水の泡になってしまうなど、それはあってはならない事だ。
ならば、ならばどうするブラックサンダー。
どうするんだ、山々田山能。この状況を……少なくとも、一人のウマ娘の少女の笑顔を取り戻せなくて、何が魔法使いか。
僕のやる事は決まっていた。
僕は横にいるライスシャワーに向けて、再度問いかける。
「ライスシャワーはミホノブルボンとお話がしたい、よな」
「うん、したい……ライス、ブルボンさんとお話したいよ!」
その瞳には力強い意志が込められている。
絶対にこんなことで終わりたくないという願いが込められている。
ライスシャワーが望みを捨てていないのであれば、僕はそれを全力で応援しよう。
「僕が……必ずお前とミホノブルボンをもう一度会わせてやる」
「え、ええ?ぶ、ブラックサンダーさんが……どうして…」
「僕も見たいからさ」
小さく、朗らかな笑みを浮かべて言う。
「幻の3冠ウマ娘、ミホノブルボンと最強のステイヤーメジロマックイーンを倒したウマ娘、ライスシャワーのレースを……それを願うファンの1人だ。
なぁに、お節介な指輪の魔法使いにかかれば、お茶の子さいさいだ。少しだけ準備が掛かるかもしれないけれど、必ずお前をミホノブルボンに会わせるよ」
ところで、と僕は彼女に続けて聞くのだ。
「魔法使いは魔法を使うと、魔力を失う……魔法使いの魔法はタダじゃない。
ライスシャワー、僕が何を言いたいのか、分かるかい?」
「……ライスを、抱くの?……いいよ」
「ああ、そうだ。分かってるじゃないか、勿論怖いかもしれないし、簡単に受け入れられない事は分かってる―――って、アレ?ええ!?抱かせてくれるの!?ナンデ!?」
「ら、ライス……ブラックサンダーさんが学園のウマ娘をいっぱい抱いてるって、お兄様が気を付けろって言ってた……でも、今この場でライスの望みを叶えて、ブルボンさんに会わせてくれるのはブラックサンダーさんしかいないってライス自身がそう思ったから……」
凄まじく語弊を生みそうな文面だが、事実なので仕方がない。というか、学園にそこまで僕の評判が広まっている事には素直に驚いた。
ライスシャワーはジャージの服の一部を握りしめ、力を籠めるその表情に羞恥さなど一切なく、ただ友を想い、自らが信じると決めた相手に視線を注いでいた。
「だから、いいよ……ライスを、抱いて……抱いてください!」
「ライスシャワー……」
両手をぶらん、と下げて何故か瞳を閉じるライスシャワー。
自分がこれから何をされるのかを少しばかり勘違いしているかもしれない。
だがこれは友を思う故の覚悟なのだと、僕は改めて彼女に敬意を抱く。
応えなければならない……魔法使いとして(自称)。
僕はライスシャワーを見据え、彼女の両肩に手をかけるのだった。
次の日の昼休み、僕はミホノブルボンとかち合う事となった。
魔法使いにかかれば、造作もない事である、というのは冗談であり、実際は口約束までしてしまったのはいいものの具体的な案が浮かばないまま半日が終わりかけて、食堂へと向かう途中で人気の無い学園の敷地の隅っこで一人食事をしているミホノブルボンを見たからであった。
「なんだよ、ミホノブルボンは食堂で食べてないのか?」
「ブラックサンダー……」
木の影に隠れるように身を屈め、手にしたゼリー飲料を口にしながらミホノブルボンは視線をこちらへ向ける。一時はサイボーグネタが独り歩きして、あのゼリー飲料すらもオイルの類なのではないかと疑われていた頃があったなと密に僕は思い出していた。
手料理はなどはしないのだろうか。
そういえば彼女の同室であるニシノフラワーがミホノブルボンの為にお弁当を自作していた時があったな。今度僕もあやかりたいものである。
おっと、いけないな。目的を忘れかけていた。
「隣に座ってもいいか?坂路の友よ」
「構いません。ですが、私は既に食事を終えているので早々に立ち去る可能性がありますが」
「ああ、大丈夫。僕もお前に幾つか質問するだけだからさ」
ミホノブルボンの隣に座ると僕は自作の弁当を取り出してその蓋を開ける。
四方系の箱の中を覗けば、箱の真ん中を仕切る様に肉のそぼろを敷いた白飯とトマト、ブロッコリー、ハンバーグが姿を現した。
僕は割り箸を手に取ると、ハンバーグの一部を掴み口へ運んだ。
柔らかくジューシーな肉汁を感じながら、続けざまに白飯を口へ入れていく。
僕は白飯を何か別の主菜と一緒にして食べるのが好きなのである。その方が食が進むのだ。
「……」
僕がご飯を食べる様子をミホノブルボンはジーっと見つめている。
無表情を装っていても、その視線の先には僕の弁当箱だという事に僕は既に気付いている。
「興味津々だな、ミホノブルボン」
「いえ、そんなことは―――」
「このハンバーグ。中身を割ると、ほぅら、チーズが入っている」
「ほぅ」
「時間が経って冷えてしまっているからチーズのトロみはなくなっているがチーズとハンバーグの相性は最高だ……食べたいのか?ミホノブルボン」
「……いいえ」
視線を逸らしたミホノブルボン。
だが、僕がハンバーグを食べる瞬間に彼女の喉が小さく動いたのを僕は見逃さなかった。
内心ではメチャクチャ食べたいのだろう。食に関しての欲求を制限し過ぎるのは身体に毒だというのに。
「ゼリー飲料で栄養素を効率的に摂取するやり方はアスリートとして否定はしないが、時には腹持ちの良い米や肉を食べる事をお勧めするよ」
「そうですね……アドバイス、ありがとうございます。今後、フラワーさんに相談してお弁当作成を手伝ってもらいます」
「そうした方がいい。ところで……最近は食堂で食べる事、少なくなってきてるってね」
「……」
「学園の娘から聞いたよ。前はよくミホノブルボンを食堂で見ていたけれど、ここ一か月以上はこういった人気の無い場所でゼリー飲料だけの食事にしてるんだって?」
ミホノブルボンを良く知るウマ娘からの情報だ。
それこそ、僕が日本ダービーを終えた辺りから彼女は食堂で食事をするのを辞めた。
完全に辞めたわけではないらしいが、それでも頻度は以前よりだいぶ少なくなっているのだ。
「まるで、誰かを避けているみたいだな。例えば―――」
どうしてそういった行動をしているのかはある程度予想は出来る。だから僕は核心を突くことにした。
「ライスシャワーとか?」
「ッッッ!!」
明らかに動揺の表情があった。
サイボーグと呼ばれる程に冷静さをもつミホノブルボンの鉄仮面が一瞬にして歪む。
彼女にとってライスシャワーという単語はこれほどまでに効果的だった。
ビンゴだ、と僕は更に質問を続ける。
「なんで彼女を避けるような事をする。ライスシャワーも、お前との対話を望んでいるぞ」
「ブラックサンダー、あなたには関係のない事です。私への質問はもう終わりと見ました。では、私はこれで失礼させていただきます」
「待てよ、関係あるぜ。僕はもう、彼女と約束してしまったからな」
「約束?」
「ああ」
彼女と契約を結んだ魔法使いとして。
ミホノブルボンとライスシャワーを必ず会わせると。
「僕と一緒にライスシャワーに会って欲しい。ミホノブルボン、それがお前にとっても、ライスシャワーにとっても……ベストな選択だ」
既に弁当を食べ終えた僕は、箱を片付けると脚を伸ばし、ストレッチを始める。
ミホノブルボンも何かを察したのかすぐに立ち上がった。
「お断りします。ブラックサンダー……私は、ライスさんには会いません」
「どうしても、か。なら、僕は実力を持ってして、お前を連れていくまでだ。ミホノブルボン」
左手を懐に忍ばせ、ソレらを取り出すとミホノブルボンの顔付きが変わった。明らかに、彼女の中で警戒レベルが引き上げられたのが分かる。
「目的の為には手段を選ばず・・・・・・僕の好きな言葉の一つだ」
右手にロープを。
左手には複数の手錠を。
足元には鎖が落ち。
背には二本の刺又を背負う。
そんなもはや見た目不審者としか思えない異形の姿を見せつけながら、僕はミホノブルボンに向けてどこぞの胡散臭い異星人の様なセリフを吐くのだった。
この作品であなたが気になるウマ娘は?(略、今あの娘どうしてるの?
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