フラグちゃんの兄は最強の死神   作:R.N.

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1話

口は災いの元。

不用意なことを口にすれば、様々な不幸が訪れる。

その最たる例が死亡フラグ…

特定の言動や行動をとったことで、その人物の死が濃厚になる、いわゆる死への伏線である。

 

「俺、この戦争が終わったら、故郷にいる恋人と結婚するんだ」

 

このような台詞は全て、己の死へと直結する。

 

「立ったぜ」

 

何故なら…死神はいつでも監視しているから…

 

「だっ、誰だお前!?」

 

「ダメじゃないか。今時そんなベタなフラグを立てたりしたら」

 

兵士の目の前に突然現れたのは、黒いローブを纏い、巨大な大鎌を手に持った青年だった。

フードから僅かに見える青年の瞳を見て、兵士は無意識に恐怖を覚えた。

すると青年はローブの懐からリンゴを取り出してひとかじりすると、不意に兵士に向かって指を指した。

 

「な、なんだ…?」

「愚か者は指を見る。賢い者は……」

 

その時、兵士は察した。

青年が指しているのが自分ではなく、背後の空だということに。

嫌な予感がして振り返るも、時すでに遅かった。

上空から、敵軍が放ったミサイルが眼前まで迫っていたのだ。

 

「そんな……!嫌だ!俺は生きて……うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ミサイルは兵士に直撃し、辺り一帯は大爆発を起こした。

 

「はい、お仕事完了」

 

兵士の死を確認した青年はリンゴを貪ると、まるで霧のように姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは天界。

そこでは神のもと、人間の生と死を管理する『死神』や『天使』たちが毎日せっせと働いている。

 

優秀な死神は、『死亡フラグ』が立った人間の命を確実に回収し、優秀な天使は、『生存フラグ』があった人間の命を確実に救う。

 

 そして、そんな死神の中でもトップの成績を誇り、最強と謳われるほどに至った死神が1人…神の元を訪れていた。

 

「よく来てくれたね、死神No.4」

 

「一体なんの用ですか?穀潰s……神様」

 

「あれ?今穀潰しって言った?穀潰しって言いかけたよね?仮にも神様なのに」

 

「気のせいです。それで用件は?」

 

自身の失言を誤魔化してさっさと本題に入るよう促すNo.4。

神は釈然としない様子だが、言われた通り本題に入ることにした。

 

「実は、キミの妹である死神No.269のことについてなんだけどね」

 

「しーの?あいつがどうしたんですか?」

 

死神No.269。No.4の妹である死神。心優しく、困っている人を放っておくことができないという、人間の魂を回収するのが役目の死神とは真逆の性格の持ち主。

しかしその優しさが祟り、本来死亡フラグが立ったはずの人間を助けてしまい、同僚の死神達から落ちこぼれと揶揄されていた。

(ちなみにその死神達は、妹を馬鹿にされてブチギレたNo.4のガン飛ばしにビビって黙り込んだ。しかし一部の者は興奮した模様)

 

「最近No.269が、僕が作った仮想世界で死神としての修行してるのは知ってるよね?」

 

「はい。あいつ最近頑張ってるみたいですね」

 

「だけど少し苦戦気味でね。そこで最強の死神と謳われている君に、彼女の手助けをお願いしたいんだよ」

 

「えっ、嫌ですよ」

 

「えぇ〜〜なんで!?」

 

予想外の返答に仰天する神様。そんな神に対して、No.4はこう語る。

 

「妹の修行に兄貴が出しゃばるなんて野暮な真似したくないんすよ。そんなのあいつの為になりませんって」

 

「そんなこと言わないでさ〜!可愛い妹がキミを待ってるよ〜!」

 

「大体しーだって俺の助けは求めてませんよ。あいつ前に "いつまでもお兄ちゃんに甘えてばかりじゃダメだ" って言ってたし」

 

「あぁ、言ってたねそんなこと。あの時のキミずいぶん落ち込んでたよねぇ〜。やっぱり最強の死神様も妹ちゃんに構ってもらえなくて寂s「それ以上言ったらその首削ぎ落とすぞ」ご、ごめん冗談だよ…その鎌下ろして…」

 

殺意剥き出しで鎌を振り下ろそうとするNo.4

 

「それで、ここからが本命なんだけどね、実は想定外のバグが発生したんだよ」

 

「バグ?」

 

「そう。あの世界の練習用プログラムであるモブ男。プログラムであるにも関わらず、自我が芽生え始め、命のようなものを持つようになったんだ」

 

「プログラムが、命を?」

 

「そう。彼は死んでも世界をリセットすれば復活する。それなのに、謎のバグによって復活する前の世界の記憶を保持しているんだ」

 

神からの説明を聞いて、怪訝な表情を浮かべるNo.4。

 

「かなり面倒なことになってますね。で、バグの修正についてどうなんですか?」

 

「やってみたんだけどね、どうやら僕でも干渉ができないぐらいバグが進んでしまっているんだ。正直言ってお手上げだよ」

 

「あんた、それでも神ですか?」

 

「ぐふぅ!?それ言われるとキツいなぁ〜!」

 

No.4の何気ない一言が、神のガラスメンタルを粉砕する。

 

「要するに、俺にそのバグの原因を突き止めて欲しいと?」

 

「話が早くて助かるよ。お願いできるかな?」

 

「流石に嫌とは言えないか。それに、久しぶりにしーの顔も見たかったし、引き受けますよ」

 

「頼んだよ、No.4」

 

神が用意したモブ男の世界の扉が開かれる。

 

No.4は、その扉くぐり抜けた。




死神No.4
フラグちゃんの兄である死神。
死神の中でもトップの成績を収めており、死を連想させゆNo.と合わさって、『死神の中の死神』『最強の死神』と謳われている。

兄妹なだけあって容姿はフラグちゃんと似ており、茶髪にアホ毛と大まかな特徴は一致している。
リュークを彷彿させるパンクロッカーのような衣装と、黒いローブを纏った姿をしている。本人曰く今の人間が持つ死神のイメージに合わせようとした結果こうなったとのこと。同様の理由でリンゴもよく食べる。
フラグちゃんと同様に大鎌を愛用している。しかしフラグちゃんのピコハン付きとは違い、実用性重視のオーソドックスな外見。

基本的に飄々としており、人当たりのいい性格。しかし言葉巧みに相手を騙して魂を狩るなど、最強の死神の名には恥じぬ凶悪で残忍な一面も持ち合わせている。
ワーカーホリック気味で、すぐにフラグ回収に結びつけて刈ろうとするナチュラルドS。

妹であるフラグちゃんを大切に思っており、少しシスコン気味。いつか立派な死神になることを誰よりも応援している。最近兄離れが始まって落ち込んでいる。

モブ男に対しては妹の回収対象であるため、基本友好的に接している。しかしフラグちゃんにセクハラをかました時はむちゃくちゃ怖い顔で首を刈り取ろうとする。

同じ成績トップの生存フラグとは幼馴染であり一方的にライバル視されているが、なんだかんだドS同士気が合うようであり、たびたび恋愛フラグから弄られている。

彼の仕事はフラグ回収だけでなく、怪異やSCPをはじめとした超常現象の調査も行っている。その関係で某企画や異宙、冥府、魔界など様々な世界や企業の人間と面識がある。
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