無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんにちは!
とりあえず今回はシリアス調にしてみました。
悩みを抱えた2年生たちの本当の想いがついにここで明らかになります
若干どころか結構なヤンデレ要素も入っちゃってるので苦手な人にはすみません…
それではどうぞ!
ちなみに、鹿角姉妹も出ます!


第14話 愛情とは不器用で、面倒なものです。

 

~優馬家~

 

地獄のような日々だった海の家での特訓も昨日をもって終わり

今日から通常通りの練習に戻ることとなった。

ただし、なぜだか知らないが今日の練習は午前から夕方までぶっ通しの一日練習。

頼むから休ませてくれ、という僕の願いむなしく、皆はやる気にみなぎっていたのだ。

そのため、学校に朝9時集合となってしまったのだ。

ちなみに今の時間は8時5分。今から布団を出て、準備をすれば間に合うような時間ではあるが…

 

優馬「うん。眠い。今日くらいは休ませてくれるでしょ。おやすみ。」

 

僕の答えは二度寝。

もういっそ出なくてもいいのでは、という僕の考えの下、二度寝を選択。

さぁ、早速、素敵な夢へとダイブ、と思っていたのだが

 

曜「ゆ~う~~~!!!起きろぉぉぉぉ!!!」

 

はい。無理でしたー。

しっかり起こされた。しかし、起こしてきたのは超人ヨーソロー娘であり、

今日はあのオレンジ怪獣じゃなかったのだ。珍しい。

 

優馬「はぁ…了解、すぐ起きますよー…」

曜「うんうん♪それでよしっ!」

優馬「それで…あのオレンジ怪獣は?」

曜「千歌ちゃん?」

優馬「そう。」

曜「なんか先に行くって言ってたよ?」

優馬「へー、珍しいこともあるんだね。」

曜「あはは…、だから今日は曜ちゃんと二人っきりなのですっ!」

優馬「そうだね、準備できたら行くから玄関で待ってていいよ」

曜「…うん」

 

そうして、準備を完了させて、僕たちは学校へと向かった。

 

~バス内~

 

今日の内浦も相変わらずの良い天気。

晴れは嫌いじゃないんだが、暑い晴れは大っ嫌いだ。

本当なら出かけるべきではない、とまで思ってる。

そんなことを考えながら、窓越しに景色を見ていたら、曜から話しかけられた。

 

曜「最近、千歌ちゃんの元気がないんだよね」

優馬「へー…みかんの食べすぎじゃない?」

曜「そんな簡単な悩みかな?なんかもっと深刻そうな感じがするんだけど」

優馬「そう?うーん…じゃあ少し話してみるかなぁ…」

曜「…話してみるって?二人っきりで?」

優馬「マネージャーだからそういうのも聞かないと…ってなんか怒ってる?」

曜「いや、別に。そこまで頑張らなくてもいいんじゃないかなって。」

優馬「…どうしたの?」

曜「二人っきりになる必要性ある?私もいてもいいよね?」

優馬「…」

 

なんだか分からないが、曜の機嫌がすこぶる悪くなった。

親友が元気ないと相談してきたのはお前だろう。と言いたいのだが

どうにもそういうことではないらしい。というより、2人きりで話すことを良しとしないらしい。

だが、悩みとは打ち明けられないから悩みなのだ。

そして聞かれたくないから悩みなわけで、極力、人数は少数で行った方が良いとは思う。

 

優馬「いや、曜には悪いけど、今回は千歌と二人きりで話をさせてほしい、かな」

曜「…そっか。うん。分かったよ。」

優馬「…」

曜「…いつもいつもそうやって優しすぎるから、勘違いさせちゃうんだよ。」

優馬「…ごめん、なんて?」

曜「ん?何も言ってないよ!気にしないでっ!」

 

そうして僕らはバスに乗られながらこの微妙な空気をやり過ごし、

学校へと足を運んだ。

 

~浦の星学院・スクールアイドル部部室~

 

優馬「おはようございま~「だぁ~り~んっ!♡ぐっもーにーんっ!♡」へぶっ!」

 

ダイヤ・曜・ルビィ「「「…はぁ」」」

果南・善子「「ちっ…」」

千歌・花丸「「…」」

 

優馬「…あのね、もう少し自重って言葉を知ろうよ…」

鞠莉「私の辞書に自重なんて言葉はアリマセーンッ!♡」

優馬「はぁ…もういいや」

鞠莉「…♡」

ダイヤ「鞠莉さん…そろそろ離れないと、練習始めますわよ?」

鞠莉「あら、ごめんなさい。ダイヤ。つい優の抱き心地が良くって!♡」

ダイヤ「…」

優馬「あれ、そういえば梨子は…っとピアノコンクールに行ったんだっけか…」

千歌「…呼び捨てなんだね。」

優馬「え?あ、この前からね、ちょっと色々あって…」

千歌「色々って何?」

優馬「ピアノコンクールの話だよ。皆知らない?」

千歌「…知らないよ。梨子ちゃんからそんな話一度もされてない。」

優馬「そ、そうだったんだ…、じゃあ僕から話すよ…」

 

そうして、僕は梨子の当時の悩みを打ち明けた。

梨子のピアノコンクールがラブライブ予選と被ってしまったこと。

皆に心配をかけたくなくて、相談をしなかったこと。

ピアノを諦めようとしていたこと。でも、大切なものを思い出して、ピアノコンクールに出ることを決めたこと。

 

優馬「…と、こんな感じかな。」

千歌「…そんなことがあったんだね」

千歌「千歌、全然気づかなかったよ。リーダーなのにね。」

優馬「しょうがないよ。あの時はかなり忙しかったんだから。千歌が気に病むことはないと思う。」

千歌「…うん、ありがと」

 

こうしてまた微妙な空気に苛まれながら、僕らは午前練習を始めることとなった。

 

 

~浦の星学院・屋上~

 

やはり彼女たちは本気も本気だ。なんせもう1週間後にラブライブ予選が迫っているのだ。

今、センチメンタルな雰囲気に巻き込まれている場合ではないのだ。

そのおかげで練習が始まればすぐに気持ちを切り替えていた。

僕もいつも通りのことをこなしていこうとしたら、携帯に一通の通知があった。

その画面を開くと梨子からだった。

 

梨子『今、東京に着いたよっ!皆の分、そして優くんの分までしっかり頑張ってくるね!』

優馬「…ふふ」

 

あれだけ悩んでいた分、こうしてきちんと向き合うことができて、本当に良かった。

今の梨子ならしっかりかましてくれそうだ、とか思いつつ、梨子に返信をした。

 

優馬『頑張って、今の梨子ならきっと良い成績残せるよ。健闘を祈ってます。』

 

梨子への返信も終え、さてドリンクの準備でもしようかな、と思った矢先。

次は着信が鳴った。

相手は、Saint Snowの鹿角聖良だった。

 

優馬「…」

 

本当ならば出たくはないが、着信が来ている以上、出ないわけにはいかない。

何らかの情報であれば嬉しいし。

 

優馬「…はい。」

聖良「きゃっ、ほ、本当に出てくれた///」

優馬「…はい?」

 

この人は何言ってるんだ?

あんたが電話をかけたんだろ。と思いつつ、電話を続けた。

 

聖良「あ、い、いやこちらの話です!」

優馬「そうですか。それで何の御用ですか?今、練習中なので手短にお願いしたいのですが?」

聖良「そうでしたか。それは申し訳ございません。ただ、一刻も早く伝えた方が貴方達への刺激にもなると思い…」

優馬「そうですか。では、要件を?」

聖良「…せっかちは嫌われますよ?」

優馬「余計なお世話です。やめていただけますか?反吐が出そうです。」

聖良「…すみませんでした。では、本題ですね。」

聖良「私たちSaint Snowは昨日行われたラブライブ北海道予選、トップで通過いたしました。」

優馬「…僕らへの当てつけですか?」

聖良「そういうわけではありませんよ。言ったじゃないですか、刺激になるだろう、と。」

優馬「そうですね。僕の捉え方の問題でした。すみません。」

聖良「…それでは、練習の方、頑張ってください。」

聖良「…応援してますから。」

優馬「…どうも」

 

そうして電話は切れてしまった。

 

優馬「…ふぅ、よし。」

 

まあなんにせよ、気合が入ったのは良いことだ。

後で皆にも伝えて、気合を注入しよう。

そう、思いながらようやくドリンクを作りに行った。

 

~鹿角姉妹side~

 

聖良「…優君」

理亜「姉さま、おにぃはなんて?」

聖良「…僕らへの当てつけですか?ですって」

理亜「…そっか」

聖良「ごめんなさい。元々、あんなけしかけ方したから…」

理亜「…ううん、大丈夫。おにぃならきっとまた気づいてくれるって信じてるから。」

理亜「でも、でも…!」

聖良「…」

理亜「昔みたいに褒めてくれたらなって期待はしちゃってたな…」

聖良「…ごめんなさい。」

 

トップ通過したはずだった。

ラブライブの本選に立てることに誇りに思ったはずだった。

なのに、たった一人の男に褒められず、嫌悪感を持たれたというだけで

私たちは、こんなにも苦しい思いをしてるなんて

この日はトップ通過がどうしても喜べずにいた。

 

 

~浦の星学院・屋上~

 

練習を始めて、数分。休憩の時間となった。

毎度毎度思うが、よくこの暑い中で歌って踊れるものだ。

そう思いながら皆にドリンクを渡していった。

一呼吸できた段階で僕は、さっきの電話での話の内容を伝えることにした。

 

優馬「皆、ちょっといい?」

曜「どうしたの?」

ダイヤ「何かありましたか…?」

優馬「あー…さっきSaint Snowの鹿角聖良から電話がありですね」

千歌「え?聖良さん?なんで?いつの間に連絡先交換してたの?」

優馬「千歌、怖いんだけど…」

千歌「イベントの会場で最後会った時?それともいつ?」

優馬「いや…ちょっとまt「いいから教えて?」…」

優馬「会場で交換しました…」

千歌「…」

 

あー…なんか曜の言ってたことが分かった気がする…

これは明らかにいつもの千歌じゃない。

なんか落ち込んでる?何に落ち込んでるのかは分からないけれど

とにかくなんだか怖い雰囲気を身に纏ってるような、そんな感じ。

 

善子「そ、それでなんて言われたのよっ!」

 

おーー!ナイス善子!タイミングばっちりすぎる!

さすがだ…堕天使…いや天使…

 

優馬「あ、うん…それで、聖良さんからは…」

 

僕は彼女たちにSaint Snowが北海道予選をトップで通過したことを伝え、

そして聖良からはこれを刺激にして頑張ってほしい、応援してるとのことも伝えた。

 

ダイヤ「随分、喧嘩腰ですわね…」

善子「喧嘩売られた気分ね…」

千歌「…やろう、絶対に私たちもラブライブ予選通過しよう!」

花丸「がんばるずらっ!!」

ルビィ「うん!がんばルビィ!!」

優馬「…ふふ」

曜「…」

 

とりあえず皆のやる気もしっかり出てきてくれてよかった。

ただ、やっぱり気になるのは、今日の千歌の様子だった。

確かにさっきの千歌は明らかに違った。

 

優馬「千歌、ちょっといい?」

千歌「ゆう、くん?どうしたの?」

優馬「ちょっと今回の曲について、話があってさ」

千歌「そっか!了解!すぐ行こっ!」

優馬「うん。」

 

そうして千歌と話をしに行こうとしたとき、

 

曜「…どこに行くの?」

優馬「よ、曜?」

千歌「…」

曜「もう練習始まるよ?出なくていいの?」

優馬「ご、ごめん。ちょっと今後の曲のことで千歌に話があって」

曜「それなら皆の前でもいいよね?」

優馬「それは…」

 

言葉が出なかった。確かに曲のこと、と言われれば皆の前でも構わない。

いやむしろ皆と曲のことは共有しながらの方が良いまである

 

曜「…じゃあ行こ?皆待ってるから!」

千歌「…ちょっと待って」

曜「…どうしたの千歌ちゃん?皆待ってるよ」

千歌「邪魔、しないでよ」

優馬「千歌…?」

曜「邪魔?何の話?」

千歌「優くんは千歌に相談してくれるんだよ?皆への共有は後からでも良くない?」

曜「…」

千歌「曜ちゃんは単純に優くんを盗られたくないだけだよね?」

優馬「ま、まさか曜は皆のことを思って…」

曜「そうだよ。千歌ちゃんの言う通り。」

優馬「…え」

千歌「そっか…やっぱり…」

曜「3年生の皆も善子ちゃんも花丸ちゃんもルビィちゃんも梨子ちゃんも」

曜「そして今回は千歌ちゃん…」

曜「優だってマネージャーで大変な思いしてるのに、皆して負担かけすぎなんだよ。」

曜「しかも、その相談の内容が全部利己的で…」

千歌「…」

曜「だったら私が優を守る。負担にならないように私が管理する。」

千歌「それこそ、優くんにとって負担になるだけだよ」

千歌「それにその管理ですらどうせ表向きでしょ?」

曜「…そうかもね。最近までは許せたの。また優が皆を誑かしてるな、くらいで済んでたの。」

曜「でも、段々、優にとっての私がいなくなってしまいそうで怖かった。」

優馬「そ、んな…」

曜「…優のせいじゃないよ。これも私の心が弱いだけなの。だから自分を責めるのだけはやめて?」

千歌「…曜ちゃん」

曜「今回は許してあげる。皆には伝えておくね。それじゃ…」

優馬「よ、曜っ!」

曜「ごめんね?こんな女の子で…」

優馬「あ…ぼ、くのせいで…」

千歌「そんなことないよ、優くんのせいじゃない。だから大丈夫、大丈夫だから。」

優馬「…千歌は気づいていたの?」

千歌「気づいてた…というよりも同じ想いをしてるって勘づいた感じかな…?」

千歌「私もなんだか優くんの中での居場所がなくなってそうで、怖かったの。」

そうして、千歌は教えてくれた。

本当の想いを、そして意図を。

 

千歌「…勘づいたのはついさっきだよ。」

千歌「最初は邪魔されたと思って本当に殺しちゃいそうなくらい許せなかったけど、だんだんそうじゃないと思ってきた。」

千歌「…曜ちゃん、寂しかったんだよ。きっと。」

千歌「千歌と、同じで」

優馬「寂しい…」

千歌「優くんが転校してからずっと私たちって一緒だったでしょ?」

千歌「でも、スクールアイドルを始めてから昔からの幼馴染とか、知り合いとかが増えてきて、1年生からも好かれるようになって…」

千歌「気づいた時には大好きな人の大好きな場所が失いかけてて…」

優馬「だから、最近、元気がなかったのか…」

優馬「でも、曜は…」

千歌「曜ちゃん、隠すの上手だもん。そういうの器用にできちゃうから…」

千歌「でも、今もきっと心では泣いてる。」

優馬「…そうだったのか。」

千歌「私からの話はこれで終わり。曲のことはまた皆の前で話そう?」

優馬「…」

千歌「…じゃあ、私は先に練習に行ってるね!」

優馬「う、うん…」

千歌「そうだ!…大好きな優くんに一つだけお願いがあります!」

千歌「あの、ね?…私と、曜ちゃんを助けて?」

優馬「…っ!」

 

そうして千歌は練習へ駆け出してしまった。

あの時の顔、千歌は笑顔を浮かべていたつもりだったのかもしれないが

泣いてしまっていたのだ。

 

優馬「…不器用にも程があるよ」

 

その時、僕は覚悟を決めた。

今度こそ、救える人を救うために。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか…
かなりのシリアス調になってしまって本当イチャイチャも少なくて申し訳ない限りです…
次回はついに千歌と曜のために優馬が動きます!
かっこいい場面も見られたら嬉しいですね!
そういうことでまた次回も読んでいただけたら嬉しいです!
よろしくお願いします!

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない

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