無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんにちは。
毎度毎度、更新が遅くなってしまい申し訳ございません。
段々とネタが尽きてきて…
何とか書き上げている段階です。
今回も上手く書けているか、分からないところではありますが、見ていただけるとありがたいです。
今回は堕天使善子ちゃんと生徒会長ダイヤ様のバトルになります!
それではどうぞ!


第18話 恋はいついかなる時でも気を抜いてはいけないらしい。

 

~浦の星学院・スクールアイドル部部室~

 

善子「…」

 

今日も今日とて私は部室にいる。

ついこの前、ラブライブの予備予選が行われて、疲れも相当あるはずなんだけど

やっぱりなんだかんだでこの部室に来てしまったのだ。

どうせ私一人なんだろうな、とか思ってたから部室に行って、ちょっと経ったら帰ろうとか考えてた。けれど、私より先に部室にいる人たちが居たのだ。

 

優馬「この練習法を…」

ダイヤ「ですが…時間的にも…」

優馬「じゃあこういう感じで…」

善子「…」

 

どうやら優馬とダイヤで次のラブライブに向けて、練習スケジュールとかの確認をしている。

元々、今日ダイヤが用事で学校に来ていて、ついでだからと優馬も今後に向けて、打ち合わせを予定していたみたい。

だから、私にとってはここで優馬の顔を拝められてラッキー、というわけなのだ。

 

善子「…♡」

 

じっくりと優馬の顔を見てみるとやっぱり顔立ちは良い。

長いまつげに、ぱっちりとした目、目元に関しては完全に女の子みたいで

でもその真剣な眼差しがすごくかっこよくて、体つきを見たら男の子らしい逞しい体つきをしていて…

 

善子(どうしよう…見てるだけでにやけちゃう…♡)

 

今、私の顔は一体どんな顔をしているのだろう

一つ言えることはおそらくとてつもなく気持ち悪い顔をしてしまっているだろうということ

でも、しょうがないじゃない、こんなのにやけない方がおかしいわ

だから、ダイヤが平静を保ててるのが、本当にすごいと思う。

どうやって平静を保っているのだろう?

不思議でたまらない。

 

ダイヤ「…なら、これで」

優馬「そうだね…了解。これでまとめて…」

ダイヤ「よろしくお願い致しますわ…」

優馬「じゃあ今まとめちゃうね」

 

話し合いが終了したみたい。

優馬が自分のパソコンで今後のスケジュール表を立ててるのが見えた。

またさらに真剣な顔して打ち込みを始めている。

その時、ふと視線を外してダイヤの方を見てみると

 

ダイヤ「…ふふ♡」

善子「うわ…」

 

それはそれは思いっきりにやけていたのだ。

顔も赤らめて、完全に平静を保ててない。

今、これを優馬に見られたらダイヤは失神するだろう。

それくらいにはいつものダイヤとは思えない程の顔をしていた。

 

ダイヤ「…♡」

 

視線は優馬にしか向いていない。

あんた、そもそも学校に用事があるから来てるんじゃないの?

仕事しなくていいの、この生徒会長は

そもそも私の存在に気付いているのかどうか…

 

善子「…ダイヤ?」

ダイヤ「…♡」

善子「だめね…」

 

これは完全に視線も意識も全部優馬に向いちゃってる

私のことは気づいてないわね…

 

善子「はぁ…ダイヤ?」

ダイヤ「…♡」

善子「ふぅ…ダイヤっ!」

ダイヤ「っ!?」

ダイヤ「え…あ、善子さん…?」

善子「ヨハネよ!…大体、なんで気づかないのよ!」

ダイヤ「すみません…ですが、まさか部室に来る人がいるなんて思わなかったので…」

善子「…まぁそうだけど」

 

それもそうだ。今日は本来であれば部活は休みで、皆思い思い夏休みを過ごしている。

それなのに、まさか部室に来るなんて

確かに私が当事者だったらびっくりするだろう。

 

ダイヤ「善子さんは一体、何をしにここに?」

善子「あ…それは…」

善子「思い立って、来たというか…なんとなくふらっと立ち寄ったみたいな…」

 

決して嘘偽りを言っていない。

真実を言ったまでである。だから決して優馬に会えるかな、とかそんな考えは一切ない。

多分…

 

ダイヤ「…そうだったのですね、てっきり優馬さんがいるって情報を嗅ぎ付けてきたのかと」

善子「んなっ!?///そんなわけないでしょ!?///そんなのただのストーカーじゃないの!///」

優馬「あれ?善子いたの?」

善子「あ、優馬!うん、邪魔だったかしら?」

優馬「そんなことないよ。むしろ俺の方が邪魔だったかな」

善子「へ?」

ダイヤ「え?」

優馬「だって、珍しく2人が仲良くしゃべってるじゃん」

ダイヤ「別にそのつもりは…!」

善子「そ、そうよ!」

優馬「はは、まあ良いじゃない。俺は向こうの方でまとめ切っちゃうから二人で仲良く話してて?」

 

そう言って、優馬は行ってしまった。

本当はもっと話したかったんだけど…

 

善子・ダイヤ「「…」」

ダイヤ「…善子さん?」

善子「…なによ」

ダイヤ「どうせなのでお話ししましょうか」

善子「どうせってなによ…まるでいたからついでみたいに…」

ダイヤ「あらそんなことありませんわ?」

 

嘘つけ、そんな見え据えた作り笑い

明らかにイライラしてる証拠だ。

…まぁかくいう私もイライラしてるけど

 

善子「…それで?さっきの話の続き?」

ダイヤ「そうですわね…どこで優がここにいるっていう情報を?」

善子「だから、たまたまよ…」

ダイヤ「じゃあ、ここに来たのは偶然だとして、私が優と一緒に2人きりでいたのを見ていましたよね?」

善子「まぁ、そうね。来た時には既に2人がいたもの。」

ダイヤ「なら、なぜ出ていかなかったのです?」

善子「は?」

 

何を言ってるんだ?この雌豚は

なぜここにいたら駄目みたいな言い草なのだ

まるで邪魔されたくなかったように

 

善子「何よ、私は邪魔だったかしら?」

ダイヤ「私はそのようなことは言っていませんわよ?」

善子「白々しいわね、そういう言い方をしてるっての」

ダイヤ「そう聞こえてしまったのでしたら申し訳ございません。ただ純粋に気になってしまったので」

 

よくもまあそんな嘘を簡単につけるものね

出ていかなかったのか、なんて遠回しに出て行って欲しかったって言ってるのと同じよ

それを分からないのかしら

 

善子「…まあ良いわ、気になったのね」

ダイヤ「ええ。それで真意の程は?」

善子「優馬のそばにいたかったからよ?それ以外には何もないわ」

ダイヤ「…」

 

一段とダイヤの表情がこわばった。

同じ人を好きな以上避けられないものではあるが、それでも嫌悪感があるのだろう。

 

善子「なに?そんなに嫌?」

ダイヤ「ふふ…そんなことありませんわ」

善子「逆に聞くけど、貴方の目の前に優馬と自分の知ってる女が一緒にいて、イチャついてたとしたら、その場から逃げようと思う?」

ダイヤ「…」

善子「その顔、もちろんNoよね?」

善子「それと一緒よ、私、強欲だから逆に奪いたくなるの」

ダイヤ「奪う?ふふ…面白い冗談を言うんですのね?」

善子「は?」

ダイヤ「私と優は昔からの仲、つまり貴方達と過ごした時間なんかよりも何倍も濃密な時間を過ごしているのです…♡」

ダイヤ「奪うなんて…面白い冗談に聞こえますわ」

善子「…へぇ、散々、優のこと困らせて、助けてもやれずに、戻ってきて今更幼馴染顔してるなんて、本当滑稽よ?」

ダイヤ「…」

善子「貴方達は優馬に対して、依存してるだけよ。愛じゃないわ。」

ダイヤ「…依存、ですか」

ダイヤ「貴方に私たちの、私の何が分かるというのですか?」

善子「…」

ダイヤ「優の心がそんなに壊れてるなんて、気づかなかった!気づいた時にはもう遅かった、それでも救いたくて!私たちのことを見てほしくて、必死だったのに…」

ダイヤ「最終的にいなくなってしまった…」

ダイヤ「分かってますわ…私たちがしてることは今までの罪拭い。そしてその裏にはどうしても捨てられない優に対する想い。結局、偽善行為なのだ、と。」

善子「ダイヤ…」

ダイヤ「でも、誰にも取られたくないのです。彼を、優を」

 

彼女たちは実質的に優馬から振られているものと同義。

なのに、今でも忘れられないのだろう。あの頃の優馬を知ってるからこそ

またいつ壊れてもおかしくない。だから、支えてあげたいのだろう。

 

ダイヤ「すみません、少し取り乱してしまいましたわ…」

善子「大丈夫よ…その…悪かったわ、あんなこと言って」

ダイヤ「気にしてませんわ、周りを見失ってたのは私も同じですから…」

善子・ダイヤ「「…」」

 

数分の沈黙が流れる。

さすがに何か話さなければ、そう思った矢先だった。

まさかダイヤからそんな話を持ちかけられるなんて

 

ダイヤ「善子さん…?」

善子「…何よ?」

ダイヤ「…少しの間、同盟を組みませんか?」

善子「は…?どういう意味?」

 

そこで止まってしまった。

なぜだか、ダイヤの雰囲気が一気にピリついたから

 

善子「まさか…私を引き込んで、少しでも味方を増やそうってこと?」

ダイヤ「…」

善子「…なるほど、でもそれをしたところで問題点は山ほど出てくるわよ」

善子「例えば、私たちが勝ち取ったとして、優馬はどっちのものになるわけ?」

善子「それに味方って言ったって同じ男を狙う者同士、裏切る可能性だってあるわ」

ダイヤ「ええ…それは承知の上ですわ。だから言ったではありませんか、“少しの間”と。」

善子「へぇ…あんたが持ちかけといて、裏切りそうな言い草ね?」

ダイヤ「ふふ…愛する伴侶を何が何でも獲り、振り向かせるのが黒澤家の女なので」

善子「…敵に回したら一番怖いかも」

ダイヤ「どうでしょうかね…?」

 

確かにこのままだと千歌と曜の2人に優馬が盗られかねないのは目に見えて分かる。

さらにあのずら丸があんなに積極的に動き始め、キスまでしたとのこと。

それが果たしてはったりかどうかは分からないが、呼び方もお互いに変わっていて、何かしらあったことを匂わせている。

そうなるとここで何かしらのアクションを私自身起こしておかなければいけなかったのだ。

そう考えると、この同盟は良い判断なのかもしれない。

1人だと中々、動きづらい中でなんだかんだで優馬に一番の信頼を得ているダイヤを味方に引き入れられるというのは大きい。

だが、1つだけ、気になる点があったのだ。

 

善子「そうね、でも1つだけ聞かせてほしいの」

ダイヤ「…なんでしょう?」

善子「…なんで私なの?」

ダイヤ「なんで、とは?」

善子「あんただったら、幼馴染の鞠莉や果南、妹のルビィの方がよっぽども信頼をおけるような存在じゃないわけ?」

善子「もしそうであれば、少なくとも私ではなく、彼女たちを選ぶはずよ?」

善子「なにか意図があるわけ?」

ダイヤ「…」

 

この時、私は知らなかった。

こうも深く、狂気じみたそれでいて、絡みついてしまうような濃密な愛が

この世に存在していたことを、そしてそれが私にもあることを。

 

ダイヤ「貴方に私と同じ匂いがしたから、ですわ」

善子「同じ、匂い?」

ダイヤ「ええ…優のためなら何をも辞さない、何をするにもためらわない。」

ダイヤ「そして、周りの女を蹴落としてでも、優を誰よりも愛するその自信がある。」

善子「…」

ダイヤ「それが貴方にとっては当たり前となっている、でしょう?」

善子「そうね、私はあいつを、優馬を言葉で言い表せないくらいには愛してる。でも、それは皆も一緒のはずよ」

ダイヤ「問題はそこではありませんわ。善子さん、そして私にしかないものがある。」

ダイヤ「それは“女としての矜持”ですわ」

善子「…ようはプライドの高さということ?」

ダイヤ「…まぁそういうことでいいですわ」

善子「…つくづくあんたの手段の深さが怖いわ」

ダイヤ「鞠莉さんや果南さんは不安から焦りへと変わり、いずれ…破滅する。」

ダイヤ「ルビィはポテンシャルとしてはさすが黒澤家の女と言えますわ。あの行動力、手段を選ばない強欲さ、だからこそ同盟では手が足りない。」

ダイヤ「だから…真正面から叩く必要があります。」

善子「…あんた、ルビィのこと大好きじゃなかったの?」

ダイヤ「もちろん大好きですわ、ですがこれは恋の戦い。慈悲など必要ありませんわ。」

善子「腹、括ってるのね」

ダイヤ「ふふ…じゃないとこうして話を貴方に持ちかけていませんもの」

ダイヤ「…それでお返事はどうなさいますか?」

善子「…」

 

決して悪い話ではない。

効率、そして争いに勝つことを優先して考えると非常にローリスクハイリターンな考えだ。

2人でなら動きやすいうえに味方がいるというのは心的にも安心感はある。

ただ…

 

善子「悪いけど、却下ね。」

ダイヤ「へぇ…ちなみになぜ?」

善子「フェアじゃないもの。」

 

確かに千歌と曜は2人で攻めてるのかもしれないが、それはそれで彼女たちの戦法であり、私が真似する必要性はない。

また、ずら丸は1人でも誰にも負けることなく、必死に自分をアピールしている。

それはルビィも鞠莉も果南も同じだ。

そんな彼女たちに対して、2人で攻め落とすというのはいささか、どうなのだろう、とは思う。

 

ダイヤ「…そうですか。まぁ分かっていましたわ。」

ダイヤ「この話を持ちかけられたとき、誰しもが一度は揺らぐんです。」

ダイヤ「ですが、結局、同盟はいずれ破綻する。そうするとそこから大きなリスクが生まれてしまう。」

ダイヤ「…確かにフェアじゃなかったかもしれませんしね」

善子「…ごめんなさい。」

ダイヤ「ふふ…謝る必要はありませんわ」

ダイヤ「ただし…容赦はいたしませんわよ?」

ダイヤ「優の隣にいる女は私だけで充分なのですから…」

善子「ふふ…臨むところよ。あんたにも、皆にも優馬のことは渡さないわ!」

 

こうしてダイヤとの話が終了した。

思っていた以上に、ダイヤが考えていて、虎視眈々と狙っているのだなと

そう感じた。

すると、優馬がちょうどよく帰ってきた。

 

優馬「遅くなって申し訳ない!」

ダイヤ「おかえりなさい。別に気にしてませんわ。」

善子「おかえり。そしたらもう帰る?」

優馬「あー…ちょっとダイヤから仕事を手伝ってほしいって持ち掛けられてて…」

善子「は…?い、いつそれを…?」

優馬「え?ついさっきだよ、丁度戻ってくる時に携帯にメッセージが入ってて…」

 

嘘、あの話の中でいつ?

どこにその携帯を弄る余裕があったの?

しかも仕事をしていなかったのは2人きりで仕事をするための布石?

そう思考を巡らせてる時だった。

 

優馬「善子に仕事を手伝ってもらうのはさすがに悪いからな…」

善子「え、い、いや大丈夫…」

優馬「無理しなくて大丈夫だよ、今日はゆっくり休んで明日からの練習に備えて?」

善子「う、うぐっ…」

ダイヤ「ふふ…♡そういうことですので…♡」

 

やられてしまった。

大敗も大敗だ。気づかないうちに予定を埋められていたらしい。

あのダイヤの恍惚とした表情。やはり侮れない。

 

優馬「じゃあ生徒会長室だよね、行こっか」

ダイヤ「ええ…♡よろしくお願い致しますわ、優…♡」

優馬「善子もお疲れ様。また明日ね。」

善子「あ…うん…またね…」

ダイヤ「…」

善子「?」

ダイヤ「ふっ…♡」

善子「なっ…!?」

 

そうして私のことを見て嘲笑いながら、

生徒会長室へと2人は消えてしまった。

 

善子「ダイヤ…恐ろしい女ね…」

 

そうして憤りを感じつつも私は家へと帰ることにした。

ダイヤがとんでもない策士で、恐ろしい女だ、ということに気づけたのは大きかったかもしれない。

そうなんとかポジティブに考えつつもやはりどうしても優馬と2人きりになれなかったのが悔しくてたまらない。

そう感じながら帰り路を歩くのだった…




いかがだったでしょうか?
生徒会長室で一体優馬はどうなってしまうのか…
それはまた後日、書いていこうかな、と思います!
ただ今回は2人とも頭がキレッキレでしたが、ダイヤが一歩上手でしたね…
さすが、というかまだ1年生には負けないかな、という考えのもとでした笑
今回はここまで見ていただいてありがとうございました!
次回もまた見ていただけると嬉しいです!

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない

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