無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんにちは
投稿まで1週間。
かなり遅くなってしまい申し訳ございません。
色々な事情が重なってしまい、1週間以内に投稿するのがやっと、というような状況でした。
8月の中旬まではこのペースになってしまうと思いますのでご了承ください。
そして、本日はあの子たちを救うために動きます…
ぜひ、どうぞ!


第21話 頭脳明晰な彼女たちに対する最善策とは?

 

~優馬家・優馬の部屋~

 

部屋に鳴り響く朝を告げるアラーム。

時刻は6時半。練習が始まる時間は9時から。

いつもであれば起きるにはかなり早い時間ではある。

しかし、今回は早く起きなければならない理由があった。

 

優馬「…よし、行くか」

 

俺はいつも迎えに来てくれる千歌に連絡を入れ、急ぎ足で学校へと向かった。

 

 

~浦の星学院・スクールアイドル部部室~

 

優馬「…随分と早いご到着だね、ダイヤ?」

ダイヤ「…おはようございます、優。」

 

俺が急いで向かった理由。それがダイヤだった。

前日のうちに俺はダイヤに連絡をし、練習が始まる前に少し話がしたいと伝えたのだ。

 

ダイヤ「全く…呼び出したのは貴方でしょう?一体どうしたというのですか…」

優馬「ごめん、練習前に一度聞いておかなくちゃならないことがあってさ」

 

するとダイヤの空気が一気に変わった。

さっきまで穏やかな雰囲気で話していたはずだったのに、急に凍り付くような視線でこちらを見てきたのだ。

 

ダイヤ「…なんでしょう、練習のこと?それとも学校のこと?…なんにせよ、話を聞かないと分かりませんわね」

優馬「とぼけなくていいよ、ダイヤ。俺は分かってるから。」

ダイヤ「…?どういうことです?」

優馬「…俺が生徒会長室でダイヤの手伝いをしていた日のこと」

ダイヤ「その日がどうしたのです?何事もありませんでしたが…」

優馬「…あったよ。俺が疲れたと思って、寝ちゃったじゃないか」

ダイヤ「あれは仕方ありませんわ。ずっと張りつめっぱなしで、疲れが出てしまうのも仕方ありません。」

優馬「俺もそうだと思ったんだ。でも、違った。」

ダイヤ「…?」

優馬「あの時、俺は君に睡眠薬を盛られていた。そうだよね?」

ダイヤ「…はぁ、嘘も大概にしてほしいですわね。証拠はあるのですか?」

優馬「これに録音してるんだよ」

 

そうして俺が取り出したのは空のUSB。

これはブラフ。本当のところ、録音なんてしていない。

これが見破られなければ…

 

ダイヤ「っ!?」

優馬「…信じてもらえるかな?」

ダイヤ「そう、ですか。あの時の会話を…」

 

すると、ダイヤの肩の力が落ちた。

 

優馬(納得、してくれたか…)

 

ダイヤ「分かりましたわ…すみませんでした、睡眠薬はコーヒーに服用しましたわ…」

優馬「…なんで、そんなことを」

ダイヤ「そんなの、分かりきってるじゃありませんか…?」

ダイヤ「本当のところ、気づいていますわよね?」

優馬「…」

ダイヤ「…そういう頭の切れる人、本当、厄介ですわね」

 

そう言いながら、ダイヤは寂しげに笑っていた。

 

優馬「…なんで、あんなことを?」

ダイヤ「それは行為そのものに対してですか?それとも想いを持っていながらどうして?という意味合いですか?」

優馬「…後者だよ。」

ダイヤ「そうですか…もう隠し通せませんわね…」

 

そうして、ダイヤは話し始めた。

秘めていた想いの全てを。

 

ダイヤ「会った時から、優は本当に変わりましたわね」

優馬「そうかな…?」

ダイヤ「ええ…まるで昔の時のように」

優馬「昔って…」

ダイヤ「思っている通りだと思いますわ、本当、あの時とそっくり…」

 

そう言うとダイヤは俺の顔に手をかけて

涙を流していたのだ

 

優馬「ダイヤ…?」

ダイヤ「…いつか、優と結ばれることを夢見ていましたわ。きっと私に振り向いてくれる、と…」

ダイヤ「ですが…そう行かなくなってしまったのです。」

優馬「…千歌と曜のこと?」

ダイヤ「ご名答…貴方が焚き付けたのでしょう?」

優馬「あの時は…」

ダイヤ「分かっていますわ、そうするしか方法がなかったのだ、と。」

ダイヤ「ですが…わ、たくしは…」

優馬「っ!」

 

…女の子を泣かせるつもりなんてなかった。

全て全員が笑っていられるように、としていたつもりだった。

でも、違うんだ。俺がしていたことは。

じゃなかったらこうして彼女は涙を流していない。

 

ダイヤ「…失礼。ですが、私は耐えきれませんでしたわ。」

ダイヤ「貴方を救うために、彼女たちに協力を求めて、そうして私たちにできなかったことが彼女たちにはできて…」

ダイヤ「貴方の中心は完全に彼女たちになってしまって…」

 

違う。違うんだよ。

俺は誰が中心だなんて考えてなかったんだ。

ただただ…俺は…

 

ダイヤ「いつか、私自身、貴方の心に居場所がなくなってしまうのではないか、と…」

優馬「…」

ダイヤ「だから、あのような行動をとるしか方法がなかったのです…」

優馬「俺を、振り向かせるために?」

ダイヤ「ええ…残念ながら未遂で終わってしまいましたが…」

優馬「そっか…」

 

あの時はちょうど良いタイミングで梨子が現れたから

良いタイミング…?

待て、なんであの時あのタイミングで…?

 

優馬「…まさか」

ダイヤ「?どうされました?」

梨子「…楽しそうに話してるね?」

優馬・ダイヤ「「っ!?」」

 

そのまさかだった。

俺とダイヤの後ろにいたのは、梨子だったのだ。

 

梨子「おはよっ♪優君♪…それと、ダイヤさんも」

優馬「…おはよ」

ダイヤ「…」

 

挨拶だけのはずなのに緊張感がこの部屋に流れていた。

それもそのはず、梨子の目に光はなく、ダイヤもそんな梨子に敵意を向けているからだ。

 

梨子「そろそろ練習始まるけど、こんな所で何してたのかな~?」

ダイヤ「…何も、あなたには関係のないことですわ」

梨子「そういう彼女面してるのやめてもらえませんか!?」

ダイヤ「っ!」

 

すさまじい剣幕。

今までこんな声で梨子が叫んだことなど一度もなかったはず。

そんな梨子がここまでの声量で叫んだのだ。俺といい、ダイヤといい、怯んでしまっていた。

 

梨子「…関係ないなんて勝手に決めつけるのはだめですよ?」

梨子「私たちは“仲間”なんですから♪」

 

仲間とは時に都合のいい括りの言葉へと変貌する。

こういう秘密にしておきたい事情についても簡単に仲間というだけで、口を開かせようとする。

そんなことをするような間柄ではないはずなのに。

 

ダイヤ「…仲間だからと言って簡単に話すようなものではないですよ、梨子さん」

梨子「あの時は私を“こちら側”とかいって仲間に引き入れようとした癖に…よく言えますね?」

 

不穏な空気が依然として流れる。

あの時の会話をしているらしいが、俺はその会話をちゃんと聞いていたわけではなかったから何を話しているのかは分からない。

 

優馬「…梨子、ちょっといいかな」

梨子「っ!うん!♪なにかな?」

優馬「…なんで俺がここにいるって気づいたんだ?」

梨子「…なんのこと?なんとなくここかな、って思ってだけど」

優馬「違うよね?恐らくGPSと盗聴器、もしくは監視カメラを頼りに来たんだよね?」

梨子「…根拠は何?」

 

そこで僕は話した。

あの時、梨子が現れたタイミング、そして今のタイミング。

いずれもダイヤが行為をする直前、今は事実に気づいたその瞬間。

全てがベストなタイミングだった。そう、あからさまに狙ったかのように。

GPSはあくまでも位置情報が分かるくらい、ここまでのベストタイミングを図れるようなものではない。

すると、GPS以外の何か別の物が必要となる。

そうなると、恐らく盗聴器、もしくは小型の監視カメラが妥当、とみているとそう話したのだ。

 

梨子「ふーん…」

優馬「…どう?」

梨子「うん、大正解。GPSと盗聴器を仕掛けてたの。」

優馬「…」

ダイヤ「…まるでストーカーじゃありませんか」

梨子「ストー…カー…?」

ダイヤ「はい、本当におぞましい…ストーカー、ですわ」

梨子「…ダイヤさんには言われたくないですね、皆の目を盗んで、その挙句、既成事実を、だなんて淫乱にも程がありますよ」

ダイヤ「淫乱…?」

梨子「ええ…まだ付き合ってもないのに、自分の感情だけで動いて、あんなはしたない…」

ダイヤ「っ!い、一種の愛情表現ですわ!!それよりも、盗聴器やらGPSやら…そちらの方が陰湿的で、気持ち悪いですわ!」

梨子「なっ!?い、陰湿的!?これは優君が心配で心配で…そんな母性本能からしたことですから!!」

 

あれ…なんか、不穏な空気が消えてくぞ?

お互いがお互い、とんでもないことを口走っている気がするけど…

あと愛情表現で既成事実は作らないし、母性本能でGPSはつけないからね?

 

優馬「…あー、一回2人とも落ち着k「「優(君)は黙ってて(ください)!!」」…えぇ?」

 

そうして彼女たちはなんだかよく分からない議論を始めた。

 

梨子「大体!ダイヤさんは優君に対して態度が気持ち悪いんですよ!全般的に!」

ダイヤ「はぁぁぁ!?どこがですの!?どこを見てるんですの!?その気持ち悪い陰湿な目は!」

梨子「陰湿なのは貴方も同じでしょ!?優君目の前にしたら何もできないくせに、いざいなくなったらニヤニヤしながら…薄ら寒い笑顔浮かべて…そういう所が気持ち悪いんですよ!」

ダイヤ「なっ!そういう梨子さんこそ、こそこそとそういうことしていて…何が母性本能ですか!母性本能の裏でニヤニヤしていたのでしょう!?」

梨子「そ、そんなことしてませんよ!!///」

 

ギャーギャーワーワー

鳴りやまない喧噪。練習の時間はもう過ぎているのに、よくもまあこんな時間まで話せるものだ。

俺は時間に遅れることを千歌に連絡して、茶葉を入れて啜っていた。

 

梨子・ダイヤ「「はぁ…はぁ…」」

優馬「…おわった?」

ダイヤ「…随分、落ち着いていますのね…」

梨子「もう少し興味を持ってくれてもよくないかな…?」

優馬「いや、入り込めるような隙が無かったし…」

 

なんだか彼女たちの怒りの矛先が俺の方に向けられているのは気のせいだろうか…

だけど、これは良い傾向かもしれない。

いつも通りの彼女たちに戻りそうな、そんな予感がする。

 

ダイヤ「…まぁいいですわ」

梨子「うん…なんかもう疲れちゃった…」

優馬「…お疲れ様、あと少し話していいかな?」

ダイヤ・梨子「「…?」」

 

今、このタイミング。

間違いなく彼女たちを救うためのチャンスはここしかない!

 

優馬「2人ともありがとう…ね」

梨子・ダイヤ「「え…?」」

優馬「俺はここまで好かれる人間じゃないと思うけど、こんなに想ってくれる子たちがいて、しかもスクールアイドルをしてるくらい可愛い子たちで…」

優馬「確かにGPSとか、既成事実を作ろうとしたとか…まぁ色々あるけどさ…」

優馬「別に嫌な気持ちにはならなかったんだ、不思議とね」

優馬「…多分、好意を持ってない人にこんなことされたらトラウマ物だよ、けど」

優馬「梨子とダイヤなら、全然、むしろ嬉しく感じるよ。」

梨子・ダイヤ「「…っ!///」」

優馬「ダイヤも梨子も不安だったんだよね。ごめん、気づかなくて…」

梨子「そ、そんな!」

ダイヤ「元はと言えば私たちの問題で!」

優馬「でも、不安にさせてしまったのは確かだ。そうだよね?」

梨子・ダイヤ「「…」」

 

問題と言えば確かに問題で彼女たち2人の問題なのかもしれない。

でも、少なからずその問題を発生させた原因は俺にもあると思う。

だから、彼女たちはこういう行動に移ってしまったわけで、やはりそれを償うだけの罪は俺自身、背負うべきなんだ。

 

優馬「だから、もう一度チャンスが欲しいんだ。」

梨子「え…?」

ダイヤ「チャンス…ですか?」

優馬「ああ…俺に2人の不安を拭わせてほしい…そのチャンスだよ。」

梨子「それって…」

ダイヤ「どういう、ことです?」

優馬「俺は…2人に俺の支えになって欲しいんだ。」

梨子・ダイヤ「「…え?」」

梨子「えーっと…?」

ダイヤ「それって千歌さんと曜さんと変わらないのでは…?」

優馬「あー…ニュアンスの問題かな、千歌と曜はいるだけで元気をもらえるし、何より安心するんだ。だから“そばにいてほしい”って言葉を使った。」

優馬「けれど、梨子とダイヤは違う。2人は頭が切れるし、部のことで色々考えてくれる。良き相談相手なんだよ。」

優馬「だから…俺にとっていてもらわなきゃ困る、大切で大事な存在…2人に俺を助けてほしいんだ。」

梨子・ダイヤ「「っ!!」」

 

梨子(そ、それって…!!///私が…!?///)

ダイヤ(わ、私が優にとって大切な存在…!///)

 

優馬「…梨子?ダイヤ?」

梨子「え、あ///いや、ごめんなさい///えっと、その…///」

ダイヤ「わ、私は優にとって大切な存在、なのですよね!?///」

優馬「え、あ、うん、そうだね。」

ダイヤ「ふ、ふふふ…♡」

梨子「ゆ、優君っ!!///私も、私もなのよね!?///」

優馬「あー、うん」

梨子「あは…♡えへへ…♡」

優馬「えーっと…それで、チャンスの程は…?」

ダイヤ「し、仕方ないですわねっ!♡優が私を必要とするなら、黒澤家の女として支えないわけにはいきませんし!♡」

梨子「だ、ダイヤさんだけじゃないですから!で、でも…優君が私のことを求めてるなら…♡」

優馬「あー…なんだかニュアンスが少し違う気がするけど…まあいっか…」

 

うまく行って良かった。

でも、少し違う。なんだか斜め上の方向で良くなった気がする。

が、まあいいだろう。もうとりあえず何でもいい。良くなれば。

 

優馬「じゃあ、練習行こうk「「ちょっと待って(ください)!」」…?」

ダイヤ「行く前に!支える上での条件がありますわ?」

優馬「じょ、条件?」

梨子「そんなに固くならないで、簡単なことよ?」

 

いや怖いわ。

条件って言葉が一番怖い。何を企んでるのか分からない。

 

ダイヤ「…そんな怖いことなんて何一つ企んでいませんわよ?」

 

心読まないで、ダイヤさん?

そういう所だよ、怖いところが

 

優馬「わ、分かったから…とりあえず条件って?」

ダイヤ「ふふ…♡それは…」

梨子「えいっ♡」

ダイヤ「ふふっ♡」

優馬「…えぇ?///」

梨子「ふふ、優君の腕、昔よりもほんとにたくましくなったね?♡」

ダイヤ「優、照れているのですか?可愛らしいですわね?♡」

優馬「そ、そりゃ照れるでしょ…///こんな可愛い子たちに腕組まれたら…///」

梨子「も、もう!///そういうこと言うの反則!///」

ダイヤ「と、とりあえず!条件というのは」

優馬「私たちも構ってくれなきゃ嫌だ…ってとこ?」

ダイヤ「分かってらしたのですね…」

梨子「そういうことだよ!」

優馬「えーっと…このまま練習に?」

梨子「もちろんだよ?」

ダイヤ「優に拒否権なんてありませんわ?」

優馬「…マジかぁ」

 

この光景を見て、千歌たちはどう思うだろうか

鞠莉たちはどう思うだろうか、善子たちはどう思うのだろうか

色んな人たちのことを考えると、恐ろしく感じてくる。

特に千歌と曜。

あれだけのことを言っておいて、今度はダイヤと梨子だなんて

 

優馬「あぁ…先が思いやられる…」

 

足取りが重くなりつつも、ダイヤたちと練習に向かう俺だったのだ。

はぁ…生きて帰りたい。

これは今日の目標になりそうだ…

 




いかがだったでしょうか?
これで最終的に優馬に堕ちたのが4人ですね
次は誰になるのやら…
この展開は恐らく全員堕とすまで行くと思いますが、そこまで精神が持つかどうか…
とりあえず次回こそは本編に合わせた内容を投稿したいと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
また次回もよろしくお願いいたします!

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない

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