無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
そしてこの回ではアンケートで2位となった鞠莉も出てきます!
喋ってないで早く行けって話ですよね、それではどうぞ!
~沼津・ゲームセンター内~
しばらくして…
優馬「お待たせ。」
善子「遅い!待たせすぎ…ってこれ…」
優馬「あぁ、花火。やっぱり夏と言ったらっていう風物詩の一つだからね。やっておきたくて」
そう、俺が買いに行ったのは花火だった。
といってもそこらへんで売ってるような花火なわけで少しでも雰囲気を味わおうと買ったものだ。
…それに加えて、せめてものお礼が入っているのはここだけの話だが。
善子「ど、どこでやるの?」
優馬「あー…考えてなかった…そこらへんに広場とかあるかな…」
と、せっかく買った花火が無駄になりそうで道半ば途方に暮れていたところに
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
鞠莉「それならいいところがあるデースっ!」
優馬「え、鞠莉?」
善子「うわ…」
なんとそこにいたのは鞠莉だった。
まさかこんな庶民的なところにいるとは…なんて思っているのは言わないでおく。
優馬「っていいところ、とは?」
鞠莉「ふっふーん…あるじゃない!私のマ・イ・ハ・ウ・ス♡」
優馬「ほんとに?使わせてくれるの?」
鞠莉「もっちろんよっ!た・だ・し!その花火、マリーも参加することが条件だからね?」
そんな条件でいいなんて、なんて良心的なんだろう。
もうこれは即決だ。
そう決めて、俺はマリーにOKを出そうとしたその時だった。
善子「絶対にダメ!!!」
優馬「…ん?」
鞠莉「…へ~、なんでNo、なのかしら?」
善子「…マリー、分かってるくせによく言うわね?」
また始まってしまった。
なんだか朝にもあったような気もするんですけども…デジャヴでしょうか?
鞠莉「私には分からないわ?教えてくれない?」
善子「…今日は私が優馬とデートしてるの、邪魔をしないでもらえる?」
鞠莉「Oh~…それはごめんなさい。でも、もう終わりそうだったじゃない?善子のデート♪」
鞠莉「それに花火をやる場所がなくて困っている優を見過ごせなくて、助けただけよ?そんな人助けをして何が悪いのかしら?」
善子「見返りを求めている時点でその人助けはただの偽善になってるのに気づいてない?そうだとしたらとんだ女狐ね、吐き気がするわ。」
鞠莉「見返りなんて言い方悪いわ?私はあくまでも条件付き、での掲示をしたのよ?人助けは私の良心だけれども必ずしもそれが何もなく、ただ与えるだけなんて都合のいい話なんてないの。」
善子「じゃあその条件とやらを変えればいいじゃない!」
鞠莉「あらどうしてかしら?ただ参加させてもらうっていうかなり割のいい条件な筈なんだけど?」
善子「ちっ…」
よく恋愛漫画とか小説とかで修羅場は最高とかほざいている人がいるのだが
それは現実を知ってから言ってほしいものだ。
今、俺は猛烈にこの場から逃げたい。花火を置いて、そりゃもうどこまでも。
優馬「あー…ちょっと落ち着きなよ。2人とも…」
優馬「それに俺は人数がいればいるほど、楽しくできそうだな~って思うからさ…」
善子「…っ!そ、そう…」
鞠莉「あら!それはマリーも参加OKってことかしら!?」
優馬「そうだね。なんなら敷地を使わせてもらえるしね。」
鞠莉「ふふ♡じゃあ交渉成立ね!ヘリで来ているからちょっと外で待っててもらえる?」
そう言って、マリーは外に急いで駆け出して行った。
相変わらず騒がしい人だ、と思っているとあからさまに善子が落ち込んでいた。
しかし、俺は彼女に何も声をかけられずに、鞠莉の持つヘリコプターまで一緒に向かうことにした…
~淡島・オハラホテル内~
鞠莉「はい、着いたわよ!」
優馬「…相変わらず豪勢だね」
善子「…」
鞠莉「ふふっ、そうでしょ?ほらここで驚いてばかりいないで、花火、するんでしょ?」
優馬「あ、うん。そうだね。」
そうして俺たち3人は花火の準備をし始めた。
その間に小原家のメイドさんたちが色々な食事だったり、色々な種類の花火だったりを用意してくれていた。
それだけでも十分楽しかった。しかし…
善子「…」
優馬「…」
…最後の夏でここまで豪勢に花火ができたのは嬉しいけど、どうにも引っかかってしまう。
やはり善子がずっと浮かない顔しているからか、どうしてもそちらに目を向けてしまう。
鞠莉もそんな鈍感じゃないタイプだからきっと気づいているだろう。
だからか、あまり善子には触れないように、なるべく場を盛り上げようと努めていた。
鞠莉「…優、善子?ちょっと私、他の花火用意してくるわね」
優馬「あ、うん。ありがと…」
善子「…」
すると、鞠莉はこの場を察してなのか、花火を持ってきてくれるようだった。
いや丁度俺たちがしている線香花火で最後だったから、かもしれない。
しかし、それにしたってここで待つことになるのだが気まずい…
と思った矢先、善子が声をかけてきた。
善子「…ねぇ、優馬?」
優馬「うん…」
善子「私と2人は嫌だった?」
優馬「っ!い、いや違うから!あの時はあくまでも場を収めようと…」
善子「気を遣わなくてもいいのよ?嫌なら嫌って言ってくれた、ら…」
すると、善子の目から一筋の涙が零れ落ちた。
善子「あ、れ?ち、ちが、これはっ、あの、えと、違うの…う、あ…」
優馬「よ、しこ…」
善子「なんで?涙なんて、一緒に出掛けられて嬉しかったはずなのに、あ、あぁ…うあ…」
優馬「…」
それもそうだ。あの時、善子は花火がしたかったわけじゃないんだと思う。
花火はもちろん嬉しいけど、それ以上に今日は2人というのが彼女にとって何にも代えがたい特別なものだったのかもしれない。
しかし、俺はそれを踏みにじってしまった。
ただあの場を収めたいから、という逃げの思考のせいで。
優馬「…ごめん、ほんとに」
善子が泣き止み、落ち着くまでの間、俺はその一言しか口に出せなかった。
優馬「…落ち着いた?」
善子「…うん、そのありがと。」
優馬「いや、これは…どういたしまして。」
善子「…今日は楽しかったわ。優馬と久しぶりにあの場所で遊べて、最後にこうやって夏らしいことができて。」
善子「でも、やっぱり私も他の皆と同じなのね。どうしても誰にも邪魔されたくなかった。できることならずっと、ずっと優馬とこうやって2人でいたかった。」
善子「…花火も本当は優馬と2人であれば少なくても安くても関係なかった。嬉しかった。」
善子「なのに、最後の最後でマリーに…これもこれで楽しいわ、それは間違いなんかじゃない。」
善子「でも、でもね?」
善子「…今日一日は2人でいたかったなって」
優馬「善子…」
善子「…ごめんなさい、こんなしんみりとさせるつもりはなかったの。でも伝えておきたくて」
善子「それじゃ、切り替えて!新しい花火が来るのを待ちましょ!あー、楽しみね!」
そう言って善子はホテルの方を見た。
しかし、その時、ふと見えたその表情にはまだ溢れんばかりの涙が流れていた。
優馬「…」
優馬「善子」
善子「っ!な、なによ…あ、あとヨハネよ!間違えないようにしなさい!リトルデーモン…」
優馬「また、一緒に遊ぼう。明日でも明後日でも今年の冬でも来年の今日でも…2人で、デート、しよう。俺はいつでも大歓迎だから。」
善子「い、いの?そしたら私、舞い上がって色んなところ、連れ回すわよ?」
優馬「それでもいいよ。善子が楽しそうにしてる姿が見れるだけでも役得だし。」
善子「っ!///じゃあ!約束だからねっ!///絶対、絶対よ!?///」
優馬「…うん。待ってるよ。」
善子「う、うう、うわーーーーん!!!」
優馬「え、え!?待って、なんで!?」
こうして俺たちのデートはまた次回、ということに収まった。
…また善子が泣いて、大変だったけど。
すると鞠莉が戻ってきた。
鞠莉「…はぁ~い!お・ま・た・せ!最後の特大花火よ~~!」
優馬「あ、おかえり…って何にもないじゃん…どこにあるの?」
善子「ほんとね…どこにあるのよ?」
鞠莉「ふふっ、優も善子も…見えるものばかりじゃないのよ?外を見なさい!」
優馬・善子「「え?」」
そういう鞠莉の指示に従い、外を見た時、どでかい音とともに綺麗な花型の花火が目の前で無数に打ち上げられていた。
それはそれは有数の特大の打ち上げ花火だった。
優馬「うわ…すっごい…」
善子「綺麗…」
鞠莉「…やっぱりこれくらい派手でスケール大きくなくちゃ、ね!」
優馬「鞠莉…ありがとう…」
鞠莉「ふふっ、どういたしまして!やっぱり優に喜んでもらわないと!」
そうしてこれをフィナーレに俺たちの最後の夏、3人だけの特別な花火大会が終わった。
…気づいたらもう夜遅く、流石に女の子を一人で帰らすわけにはいかないということで、善子は小原家の車で送ってもらうことになり、先に家へと戻っていった。
そうして俺は今、鞠莉と2人に
どうしても聞きたいことがあったので、俺はそれを聞くがためにここに残った。
優馬「鞠莉?」
鞠莉「あらどうしたの?」
優馬「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
優馬「あの特大花火を打ち上げる前、俺と善子が話していた時、鞠莉、いたよね?」
鞠莉「…何のことかしら」
優馬「とぼけるのは無しだよ。あの時、俺たちの会話、聞いてたよね?」
鞠莉「…ごめんなさい、盗み聞きするつもりなんてなかったの」
鞠莉「でも、善子の様子が気がかりで…」
鞠莉「あの時はあんな態度をとったけど…まさかあそこまで優に対して想いが深いと思わなくて」
確かに鞠莉にしてみれば自分は善子に喧嘩を吹っ掛けた側であるため、先輩として気がかりになってしまうのもしょうがない。
鞠莉はこういう時、なんだかんだで一歩引いてしまう人だからこそ、ああいう優しさが出るのだ。
優馬「…別に怒ってないからさ。むしろお礼を言いたくて」
鞠莉「お礼?…お礼を言われるほど大層なことなんてしてないわ。むしろ善子にひどいことをしたから…」
優馬「確かにあの時は荒れてたかもしれないけど、こうやって場所とか食事を提供してくれて、色んな花火を用意してくれて、何より善子を気遣ってくれた。…十分、大層なことだよ。」
鞠莉「優…」
優馬「…ありがとね、鞠莉」
鞠莉「…それだけじゃ足りないわ。」
優馬「え…?」
鞠莉「今日、善子とデートだったんでしょ?」
優馬「あー…まあそうだけど…」
鞠莉「なら、私とも今度デート、して?///」
優馬「え?」
鞠莉「…私とは嫌?」
優馬「い、嫌、なんかじゃないけど…いいの?」
鞠莉「良いに決まってるじゃない!///じゃあ決まりねっ、今度の休み、私とデート!///」
優馬「こ、今度!?な、夏休み明けとかでいいんじゃないかな…もう残りも数日だし…」
鞠莉「うーん…まあそうね、それでもいいわ!とにかく、私ともデートすること!OK!?」
優馬「お、おーけー…」
~内浦・帰路~
こうしてなんだかんだあった今日一日、そして夏休み最後の一日休みが終わることとなった。
最初の春こそ、誰とも打ち解けようとせず、孤独に生きる毎日を過ごしていくつもりだった。
けれど、こうして彼女たちと出会って、輝きを知って…俺はまた前に進むことを決めた。
この夏で色々なことがあって、色々なことを経験した。
ほんとは皆とも会えてきちんとお礼が言えたら、と思っていたけどまあそれは致し方ない。
だからそんな想いをこの内浦の綺麗な星空に向けて…
優馬「“ありがとう”」
さあまた頑張ろう、俺の信頼する仲間たちと一緒に
ラブライブ!で輝きを見つけるために…
と思ったその時、一通の電話が来た。
まさか…と思い、見たらそこには
千歌「…あ、繋がった!ゆ~~うく~~~んっっ!!助けてぇぇぇぇぇ!!」
優馬「…はぁ、どうせ夏休みの宿題、でしょ?」
千歌「うんっ!!優くんが手伝ってくれると千歌嬉しいなぁ?」
優馬「却下。」
千歌「え!?え、え~っと…あ!今来ればピッチピチの女子高生がお出迎え!しかも一夜を過ごすことが~できるっ!」
優馬「却下。」
千歌「え~~!なんでなんで!!」
優馬「頼むからそんなことに俺を巻き込まないでよ…」
優馬「…はぁ、しょうがない。行ってあげるから、少しでも宿題、進めておいてね?」
千歌「!!」
千歌「うん!待ってるねっ!それじゃ!」
優馬「はぁ…」
こうして俺の残りの夏休みは千歌の宿題により、見事に消えていくのであった…
いかがだったでしょうか?
第27話、28話立て続けの投稿となりましたが、喜んでいただけると嬉しいです!
こういう小ネタ系は僕自身、大好きなので今後もこういうアンケートをしていきたいと思います!
そして…良かったね、善子!そして鞠莉!選ばれし2名、ということで今回は完全に主役とサブヒロインでしたね~
この小ネタはしっかり本編でも活きてくるので、アドバンテージが上がったかな、と…
ということで今回はここまで読んでいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いいたします!
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