無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんばんは、希望03です!
ギルキス2ndLIVE…ついに始まりましたね…!
もう頭の中はNameless Love Songがリピート再生中です…
ただ、今回はギルキスメンバーは出ません!泣
その代わり、ついにあの姉妹との過去が…少しづつ明かされていく?

それではどうぞ!


第43話 因縁と後悔と懺悔

~優馬家・優馬の部屋~

 

優馬「…」

 

学校説明会の中止、実質的な閉校の件についてを皆に伝えてから、皆、練習に身が入らずといった調子だったため、今日は割と早めにお開きとなった。

そうして今、俺は早々に食事と風呂を済ませて、寝る準備を整えていた。

しかし、寝ようと思ってもあの時の千歌たちの顔や鞠莉たちのやるせなさげな顔を思い浮かべてしまうとどうにも思い出してしまって、寝れずにいた。

 

優馬「…おかしいなぁ」

 

鞠莉と果南とのあの事件の時にもう気持ちを切り替えていたはずだった。

しかし、改めてこの話になると自分の心にはまだ未練があったみたいだった。

 

優馬「はぁ…」

 

今は1人しかいないから、と少し大げさに落ち込んでいると

 

優馬携帯「~♪~♪~♪」

優馬「!?」

 

突然、携帯が鳴りだした。

 

優馬「…だれ?」

 

別段、この時間で電話をする約束も特別な何かがあったわけでもなかったはずだった。

しかし、携帯は鳴っている。

とりあえず確認するために携帯を取るとそこには

 

優馬「鹿角、聖良…」

 

“鹿角聖良”と書かれた名前が表示されていた。

 

優馬「…もしもし?」

 

聖良「っ!///あ…///え、っと…///も、もしもし…っ!///」

優馬「…なんですか?冷やかしですか?」

聖良「い、いえそんなわけ…じゃなくて!」

優馬「何も用がなければもう切りますけど…」

聖良「え!?ま、待って!お願いっ!///」

 

反応からしてあからさまな冷やかし、もしくは間違いかと思ったのだが

どうやら違っていたらしい。

ただ、それでも今のナイーブな気持ち的に話すのは躊躇いがあった。

しかし、何やらすごく必死だったから思わず、会話を続けてしまった。

 

優馬「はぁ…分かりましたよ…」

優馬「それでどうしたんですか?」

聖良「っ!///え、えっと…///ですね…///」

優馬「?」

聖良「た、ただ…///」

優馬「…ただ?」

 

聖良「は、話したかっただけ、では駄目ですか…?///」

優馬「…はい?」

聖良「う、うぅ…///」

 

思わぬ言葉すぎて俺の思考が止まってしまった。

冷静に考えたら嬉しいが、なぜ?の方が俺としては強かったからか

戸惑いを隠せずにいた。

 

きっと今までの自分だったら意味が理解できずに電話を切っていただろう。

しかし、今、ちょうど寂しさも相まってか、話し相手なら…と思ってしまった。

 

優馬「…まぁ、気を紛らわしたいんでいいですけど」

聖良「っ!!///ほ、本当ですか!?///」

優馬「は、はい…」

聖良「あ、ありがとう、ございます…///えへ、えへへ…///」

 

なんだかよく分からないが、どうやら喜んでくれているようだ。

顔は見れないが、電話越しに伝わるくらいには喜んでくれている。

 

 

だが、電話して数分。

話をしようにもその話をするための話題と言うのがないため、今はもう無言の空間となってしまっていた。

 

優馬(…気まずい)

 

どうにも気まずさを感じてしまう。

Aqoursメンバー相手であればいつも会っている相手であり、冗談も言い合える仲だ。

話題を考えなくとも勝手に話は進んでいく。

しかし、だ。

相手は北海道の女子高生で、会ったのも恐らくものの数回。

となると、話をするのもハードルが格段に上がってしまう。

そうなると無言の空間になってしまうのも無理ない。

分かって欲しい。俺はコミュ障とかでは決してない。

 

とは言え、流石にこの空間をいつまでも続けていくのはこちらとしてもどこか申し訳なさを感じてしまう。

そのためにふと思いついた話題で話すことにした。

 

優馬「あー…そのー…」

聖良「?」

優馬「あの妹さんは元気です?」

聖良「…理亜のことですか?」

優馬「そうですそうです。」

聖良「元気ですよ。ふふっ、それはそれはもう毎日…」

優馬「?毎日?」

 

と気になるところで丁度良く?電波が悪くなったのか、続きが聞き取れなくなってしまった。

 

 

理亜「姉さま!!やめてってば!!」

聖良「あら、理亜。聴いていたのですか?」

理亜「あ…///い、いや…///き、聞こえてくるの!!///」

聖良「ふふっ、別にいいじゃない。これで理亜の下がりきった好感度もきっと爆上がりよ?」

理亜「よ、余計なお世話!!///あと望んでないから!///…い、今は///」

 

と、優馬が聞こえなくなったタイミングでこういうやり取りがあったとか、なかったとか…

 

そして数分が経った頃、ようやく電波が回復したのか、聖良の声が聞こえてきた。

 

聖良「すみません…ちょっとお店の方に出ていました…」

優馬「お店?店を構えているんですか?」

聖良「まぁそうですね。私たちの家なんです。ちょっとした和風の喫茶店をしてるんですよ。」

優馬「へぇ…ん?」

 

さらっと受け流そうかと思ったが、なぜか俺の頭の中で引っ掛かりを覚えたのだ。

なぜだか分からないが。

 

優馬「…聖良さんって、ご出身、北海道のどこでしたっけ?」

聖良「出身ですか…私たちは函館ですよ。」

優馬「函館…?」

 

函館、という単語を聞いた途端、謎のもやがかかった何かが俺の頭の中を過ったのだ。

それはまるで昔あった何かにもやをかけているみたいで、俺は大事な何かを忘れていたような、そんな感覚。

…しかし、それが何なのか未だ思い出せない。

 

優馬「函館…喫茶店…」

 

聖良「…さ、私たちの話はこれくらいにして、そちらはどうですか?順調、ですか?」

優馬「順調…」

 

順調という言葉に対して、返答する言葉が無くなってしまって、俺は言葉を詰まらせてしまった。

 

聖良「どうか、しましたか?」

優馬「…いや、何でもないですよ。」

聖良「何かありそうなのですが?」

優馬「そんなことありませんよ。順調です。」

聖良「…嘘、ですよね?」

優馬「…嘘ってなんで分かるんですか?」

聖良「だって、優k…優馬さんは嘘つくときは意固地になりますから。」

優馬「!?」

 

驚いた。

まさかそんなところまで見られてしまっているとは。

 

優馬「…一本取られましたね。」

聖良「ふふっ、ありがとうございます。」

聖良「…それで何かあったんですか?」

優馬「…まぁ、色々と。」

 

こうして俺は話し始めた。

浦の星学院が閉校してしまう、折角学校の危機を目的にラブライブを目指していたのに目的を失ってしまったこと。途方に暮れていることを聖良相手に話してしまった。

 

聖良「そう、だったんですね。そんなことが…」

優馬「つい、最近決まったんですけどね。まぁ仕方ない事だったみたいで…」

 

優馬「…俺、どうすればいいのか分からないんです。閉校が決まったのに、このままラブライブを目指すことを彼女たちに強要していいのか、って」

 

優馬「目的もなく、ただ漠然とラブライブ優勝を…なんて浅ましい考えなんじゃないか、とかそんな理由で果たしてちゃんとやりきれるのだろうか、挫折してしまうのではないか、とか。」

 

優馬「怖いんです。Aqoursが崩壊してしまうのが、彼女たちの運命を壊してしまうのが…またあの時みたいに、なってしまいそうで…」

 

俺はいつの間にか、ぽつ、ぽつ、とずっと考えてきたことが溢れ零れるかのように、話していた。

聖良はそれに対して、無言で聞いてくれて…ただただ相槌に徹してくれていた。

そして最終的に、こんなことまで相談してしまったのだ。

 

優馬「…俺は、もうマネージャーを止めるべきなんじゃないか、と思ってて…」

優馬「このまま惰性で続けてしまったら彼女たちの人生を運命を変えてしまう。壊してしまう。それならいっそ…」

 

聖良「…そう、ですか。」

 

自分でも分かっていたつもりだった。

こんなこと事情もよく分からない他人に相談してどうするんだ、と。

でも、それでも誰かに話さないと自分が壊れてしまいそうで…どうしようもなかったのだ。

 

聖良「…私は優馬さん本人でもないし、Aqoursに所属しているわけでもないので、これをしろとかあれをしろとかは言えないです。」

 

聖良「ただ、言えることはあります。例えば私が優馬さんと一緒に閉校を止めるためにラブライブ優勝を目指していたとします。」

 

聖良「しかし、閉校は免れなかった。止められなくて、目指す目的も失ってしまった。」

 

聖良「…確かにその事実は悲しく、辛いです。けれど、だからと言ってここまで全力で頑張ってきたことが無くなった、と言うわけではありません。」

 

聖良「私は目的がないからと言って、こんな私がいたという証明である頑張りをここで投げ出したくはない。そして…何より…」

 

聖良「私がようやく掴めた優馬さんとの繋がりを得られたスクールアイドルを辞めるなんてこと、したくないですから…」

 

優馬「っ!」

 

思わぬ言葉の連続で驚いてばかりだった。

しかし、聖良のその一言一言はとても重みがあって、心に突き刺さるものだった。

 

優馬「…そんなもんなんですかね?」

聖良「ふふっ…あくまでも私個人の意見ですから、それが正しい答えだとは限りませんよ?」

聖良「…ですが、私ですらこう想うのですから、きっとAqoursの人たちならもっと優馬さんを想っていますよ?きっと。」

 

 

聖良「まぁ、私たちの方が何百、何千倍も想いは上、ですけどね…」

 

最後の聖良の一言は小さく吐息と共に消えて行ってしまった。

誰にも聞こえることもなく…

 

優馬「…ありがとうございます…少し、元気が出たかもしれないです。」

聖良「…それなら良かったです。」

聖良「さ、良い話も出来た所で、この辺でお開きにしましょうか。」

優馬「…了解です。今日はありがとうございました。」

聖良「ふふっ、こちらこそ。楽しかったです。」

優馬「それなら良かった。じゃあ、また…」

聖良「ええ…また…」

 

 

聖良「…頑張ってね、優君」

 

 

~北海道・函館・聖良side~

 

聖良「ふぅ…」

 

どうしても話したくなってしまって、声が聞きたくなってしまって電話をかけてしまった。

迷惑だったかしら、とか忙しかったかしら、とか色々思う所があった。

でも、やっぱり声が聴けるというだけでドキドキが止まらなくなってしまった。

 

聖良「…でも、優君。完全に忘れていた、と言うわけではなかったのね。」

 

出身地を聞かれた時、函館だと答えた後、優君はどこか考えていたような気がした。

函館と喫茶店というキーワードですぐに答えが出てこないあたり、まだまだ思い出せていないだろうが。

あのまま聞かれていたら、堪えきれずに伝えてしまっただろう。あの事を。

しかし、伝えたらいけない。せっかく彼は人並みの幸せを手にしたのだから。

だから…

 

聖良「…これは私たちが償うべき罪。私たちが伝える資格なんてないんだから」

 

それでも、やはりあの楽しかった時をなかったことにするのは辛く、悲しい。

だから、この悲しみは罪への償い。

 

聖良「優君が思い出せた時、ちゃんと伝えるから、ね…」

 

 

あの6年前の事件を…

私は今でも忘れない。あの事件を。




いかがだったでしょうか?
事件とは一体…?
ということで鹿角姉妹が久しぶりの登場でした!
今思ったんですけど、優馬君色々な場所に飛びすぎですね笑
といっても実は優馬君の家は転勤族だったので、こういう事が多々あったんです。
だから色々な場所で色々な女性と関係を…罪な男ですね…
本人は無気力かつ無自覚なんですけどね笑

ということでここまで読んでくれてありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない

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