無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
遅くなりました。ついに本編50話目です!
ここまで長かったような短かったような…そんな気がします。
50話目の節目ということもあり、文量はかなり厚めになっていますのでご了承ください。
それではどうぞ!
~千歌家・千歌の部屋~
あの後、二手に分かれ、2年生組は千歌家でいつも通り作業することとなった。
男1人、女3人のハーレム状態だったため、部屋に上がるのには若干の抵抗があったのだが、作業の目的もあったため、そこはあえて考えないようにしたのだが…
優馬「…」
千歌「…それでこの歌詞…優くん?」
優馬「あ…あー…ごめん、なんだっけ?」
千歌「…不安?」
優馬「…うーん、なんだろう…違うんだよなぁ…」
曜「?でも、さっきからそわそわしてるけど?」
優馬「違うんだよ…不安というより、胸騒ぎがするというか…」
梨子「…とりあえずあっちはあっちできっと良いものができるわ。こっちはこっちで良いものを作ろ?」
優馬「…それもそうだね、ありがとう。」
そうしてまた気持ちを改め、千歌たちの方に向きなおしたものの
未だに胸騒ぎのような感覚は止まない。
これが一体何の予兆なのか、何を表しているのかはまだ理解ができなかった。
優馬「…大丈夫かな」
その想いは見事に当たってしまうことを、彼はまだ知る由もなかった…
~小原家~
一方、鞠莉たちは、というと特に集合場所というのも決めていなかったため、とりあえず鞠莉の家へと訪れることとなった。
花丸「何度来ても未来ずら…」
善子「本当ね…」
鞠莉「ふふっ♪こうなればいくらでもサービスシマ~ス♪」
いつ来ても豪勢な佇まいな小原家。
早速、1、3年生組は鞠莉の部屋へと向かい、作曲や作詞の構成を進めていこう…
という所だったのだが
鞠莉「はい、どうぞ~♪」
鞠莉から出されたのは、ケーキにマカロン、フルーツにプリン…ありとあらゆるデザート類の数々…
さらにスナック類やチョコ系など、お菓子づくしでもあった。
これにはまだ女子高生の彼女たちも当の目的を忘れ…
花丸「ずらぁ~~…美味しいずらぁ~…天国ずらぁ…」
ルビィ「はぁ…幸せ…これでお兄ちゃんがいたらなぁ…昔みたいに…」
善子「!優馬の昔話…!ルビィ!その話詳しく聞かせなさい!!」
ルビィ「え~…嫌だなぁ…これはルビィだけの思い出にしたいのに…」
善子「そんな勿体ぶらなくていいじゃない!お願い!」
ルビィ「しょうがないなぁ…いいよ~♪」
花丸「お、オラも聞きたいずらぁ!」
といった様子で自慢げに優馬との甘い昔話を語り始めるルビィを中心にお菓子をつまみながらその話に花を咲かせていた。
ダイヤ「貴方たちっ!目的を忘れて…」
鞠莉「ダイヤもどう??♪」
ダイヤ「わ、私は…」
果南「え~、美味しいよ?」
鞠莉「でしょ~?…優はどういうのが好きなのかしら」
果南「え、急にどうしたの…?」
鞠莉「だって、もう年度も後半戦よ?クリスマスとか、バレンタインとか…色々なイベントがあるわけじゃない?」
果南「いや、考えるの早くない?」
鞠莉「…その甘さが仇となるのよ?まぁ、私としては構わないけど」
果南「…ゆうは甘いものあまり食べなさそうだな~」
ダイヤ「鞠莉さん!果南さん!だから、目的が…」
鞠莉「ダイヤは優の好きなものとか気にならないの?」
ダイヤ「…確かに気になりますけど」
といった様子で見事に脱線。
3年生はあれやこれやと優馬の好きなものを目の前のお菓子をつまみつつ、話を広げていた。
そして、それぞれがそれぞれの話に夢中になって、数分後…
もう一度我に返ったダイヤが一言
ダイヤ「これじゃあ先に進みませんわーーー!!!」
~黒澤家・黒澤姉妹の部屋~
場所は変わり…
鞠莉家では全くと言っていいほど作曲、作詞が進まないことにようやく気付いたダイヤたちは場所を移し、黒澤家へと訪れていた。
ダイヤ「それでは!早速まずは曲のテーマから考えていきますわ!何か意見などは…」
花丸「はいずら!」
ダイヤ「まぁ!早速幸先良いですわね♪それでは花丸さん、どうぞ!」
花丸「マルが考えたテーマはね~…」
花丸「じゃじゃーん!」
そうして白いボードに書かれていたのは、“無”の一文字だった。
ダイヤ・鞠莉・果南「「「…無?」」」
これにはもちろん、3年生一同、全く理解ができずにいたのだが、
花丸は意気揚々と語り始めた。
花丸「そうずら…“無”とはすなわち、何もないのではなく、“無”という状態がある…ということずら…」
鞠莉「Oh…意味が分からないんだけど…」
果南「うーん…?」
このテーマを聞いて、得意げに語る花丸に対して、未だに鞠莉と果南は理解が出来ていないからか、首を傾げていた。
しかし、これを聞いていたもう一人の1年生、善子は、というと…
善子「か…かっこいい!」
ダイヤ「え!?」
花丸「ずらぁ~!善子ちゃんならわかってくれると思ってたずら~!」
善子「もうテーマはこれで決まりなんじゃないかしら!」
とこんな感じでこの場の雰囲気は完全にこの2人の独壇場…と思いきや
先ほどまで首を傾げていた鞠莉がこれではまずい、と感じたのか声を上げた。
鞠莉「ぜんっぜん駄目よ!”無“、なんて抽象的過ぎて全く分からないわ!」
善子「なによ!そういう鞠莉は何か考えてるって言うの?」
ダイヤ「確か…鞠莉さん、以前から作曲の方されていましたわよね?」
鞠莉「えー?マリーの曲聴いちゃう?」
ダイヤ「時間もないので手っ取り早くお願いしたいのですが?」
鞠莉「もー!ダイヤったらつれないわねっ!」
そうして鞠莉はどこから持ってきたか分からないオーディオを準備
早速、自分のバッグから音楽プレイヤーを取り出し、オーディオへセットした。
鞠莉「それじゃあ、いっくわよ~!♪」
鞠莉がかけた瞬間だった。
「♪♪♪♪!!!!」
響き渡るバリバリのロック
轟音と呼べるようなそんな曲がそこにはあった。
果南「うんうん、こういう曲は良いね!体が乗っちゃうし…」
鞠莉「そうよね!マリーもこれくらい派手な方が良いと思うの♪」
2人で意気投合していると、床に臥している1年生たちがすかさず声を上げた。
花丸「よ、良くないずら~…」
善子「み、耳が…耳が痛い…」
お互いがお互いに感覚が違うからか、趣向すら正反対であり、これでは良くないと踏んだダイヤがある手段に出た。
ダイヤ「…はぁ、これじゃあ埒が明かないですわね…奥の手を使いますわ」
鞠莉「奥の手?」
ルビィ「お姉ちゃん?」
そうして、ダイヤが取り出したのは携帯。
そして、電話をかけ出した。
その相手は…
優馬『…もしもし』
ダイヤ「もしもし、優?少し相談に乗って欲しいことが…」
果南「え!今、ゆうの声聞こえたけど、もしかして電話の相手ってゆう!?」
花丸「ずら!?マルも優さんの声聞きたいずら~!」
ダイヤ「お待ちなさい!…ごめんなさい、優」
優馬『大丈夫だよ、それより相談って…もしかしてだけどさ、そりが合ってないとか、かな?』
ダイヤ「っ!どうしてそれを…」
優馬『うーん…やっぱり皆のこと、考えてたからかな?じゃあすぐそっちに向かうよ。』
それじゃあ、といって優馬は電話を切ってしまった。
果南「それでゆうはなんて!?」
ダイヤ「…心配だから来ていただけるそうですわ♡」
その言葉を聞いた皆は狂気乱舞。
曲のテーマなどそっちのけ、優馬が来てくれるという吉報に急いでできる限りの身支度を済ませようと準備に動いた。
全く、こういう時の団結力だけは申し分ない。
花丸「やっぱりオラと優さんは相思相愛だったずら…♡」
善子「何言ってんのよ!私のことを心配してくれたに決まってるじゃない!♡」
ルビィ「善子ちゃんもだよ?お兄ちゃんは私のことを心配してくれたんだよ、きっと♡」
鞠莉「何言ってるのよ、マリーのことが心配だからに決まってるじゃない!♡はぁ…早く会いたいわ、My Darlin…♡」
果南「想いを馳せているところ悪いんだけど、ゆうは私の事を想ってるからね?ほんと、会いたいのなら素直に言ってくれれば、お姉さん、すぐに飛んでいくのに…♡」
ダイヤ「何を言っているのでしょうか、皆さんは…電話をしたのは私、つまり、私のことを最優先に心配してくれているに決まっているはずでしょうに…♡あぁ…早く抱きしめたいですわ…♡」
ダイヤ・果南・鞠莉・善子・ルビィ・花丸「「「「「「はぁ?」」」」」」
前言撤回しよう。
団結力もなかった。
吉報に対しての喜びは一緒なのだが、想いや考えはそれぞれ全く異なり、しかもそれぞれが自分本位で考えていた。
こうして優馬の心配は自分のものだと主張するや否や、火花がそこに見えるかのように、バチバチに散っていた時だった。
優馬「皆、大丈夫…え、バチバチじゃん…」
愛しの優馬がこの場に現れた。
その声にいち早く反応したのは花丸だった。
華麗なスタートダッシュを放ち、すぐさま優馬の隣を確保、後、腕を取った。
花丸「ゆうさ~ん…怖かったずらぁ…」
優馬「マルちゃん?大丈夫?」
何も知らない優馬は流れるかのように花丸の頭を撫で始めた。
その仕草にこの場にいる花丸以外のAqoursメンバーがイライラを募らせた。
その殺気を察した優馬は撫でる手を止めようとした、が
花丸「止めて欲しくないずら…♡このままで、ね?♡」
そんな可愛い雰囲気を醸し出しながら、優馬の手を握った。
あからさまに狙っていて、あざとさが隠れるどころか、見え見えだった。
その仕草にさらに殺気立つ他メンバー
このままではまずいと感じた優馬は花丸に魅せられ、煩悩に捕らわれそうだった所を何とか振り払い、現状を聞いた。
優馬「…それで、そりは合ったの?より一層、ひどくなった気がするけど…」
ダイヤ「…そうですわね。ひどくなったのかどうかは分かりませんが、確かにこれ以上はもう発展はしなさそうですわね…」
優馬「うーん…」
考えること数分、優馬はあることに気付いた。
優馬「やっぱり1年生と3年生の性格の違いじゃない?」
ダイヤ「性格、ですか?」
優馬「そう。1年生に関しては善子やマルちゃんみたいなどちらかというとインドア派な子が多いのに比べて、3年生に関しては昔から知ってたけど、鞠莉や果南みたいな遊ぶことが大好きな…アウトドア派が多い…というのが分かりやすい例かな?」
性格というのは変えられるものでもないが、ここまで分かりやすく、顕著に違いが分かると逆に面白い…というのは言わないでおいた。
ダイヤ「でしたら、どうすれば…」
優馬「手っ取り早いのは何かしらでコミュニケーションを取れれば、と…」
花丸「それなら良い手があるずら!」
優馬「…良い手?」
花丸がこれまたいち早く手を上げ、良い手があるとのこと。
良い手なら喜んで聞きたいところだったのだが、なぜだか優馬はそれに容認してはいけないような異様な感覚を覚えた。
ダイヤ「良い手とは?」
花丸「それは…温泉ずら!やっぱりお互いの裸を見せ合うというのは手っ取り早くコミュニケーションを取る手段の一つずら!」
優馬「…ちなみになんだけど、それは俺、行かなくていいんだよね?」
花丸「え…行ってくれない、ずら?」
優馬「…行かせていただきます。」
花丸の寂し気な表情に負けてしまい、思わず行きますと答えてしまった。
行くのは良いのだが、自分は元々、人手が足りない2年生側にいた上、ここには相談に乗るだけ、というだけのつもりで来ただけだった。
それなのに連れ回されるわ、挙句、まさかの温泉へと一緒に行くことになろうとは…
これを千歌たちに伝えるわけだが、どうなるかは想像に難い。
優馬「…しんどいぞ、畜生」
そうして背中から腕、色々な部位から吹き出るほどの冷や汗に優馬は怯えが止まらなくなっていたのだった。
~温泉~
優馬「…それでなんで来ちゃったんだろう。」
あれからバスに乗られ、ここまで来たわけなのだが、もはや優馬には罪悪感しか感じられなくなってしまっていた。
それはなぜか、千歌たちを置いてきてしまったからだ。
別段、彼女たちよりもこちら…というわけではない。
どちらも大事ではあるし、どちらも手伝ってあげたい…しかし、ダイヤたちに捕まってしまった以上、多勢に無勢…というわけなのだ。
優馬「はぁ…帰った後、絶対しごかれるんだろうなぁ…」
恐らくしごかれるとかのレベルではない。
下手したら殺しにかかるレベルである。なぜなら…
優馬「混浴だもんなぁ…」
というわけである。
そう、まさかの混浴。
温泉に付き添うものの、流石に男女別で入ることになるだろうと思っていた。
しかし、彼女たちはそんな甘くはなかった。
優馬が早速、男湯に行こうとした矢先、すぐさま混浴のあるゾーンへと連れていかれ、気づいた時には服をひん剥かれ、ここに放り出されていたのだった。
それに溜息や罪悪感にさいなまれながら約数分後、ようやく扉が開いた。
恐らくAqoursメンバーのお出ましだろう。
鞠莉「優?こっち向かないの?」
優馬「いや向けるわけないでしょ…向いていいよって言われても向かないよ。」
なんて紳士的な対応。
倫理的にも紳士的にもこの対応は100点満点であろう。
果南「えー…でもどうせ後で一緒に入るわけじゃん!」
優馬「いやだからって裸を堂々と見るのは違うでしょ…」
果南「むぅ…」
どうやらお気に召さなかったらしい。
声的には渋々、といった様子で果南たちはとりあえず身体を洗いに向かったのだった。
そうして洗いに行って数分後、優馬が浸かっている温泉に彼女たちもやってきた。
しかし、やはりまだ恥じらいがあったのか、ダイヤは少し渋っている様子だった。
女の子としてはその反応が普通であるはずなのだが、残念ながら彼女たちの前ではそれは通用しない。
やると決めたらやる。ダイヤは抵抗できることもなく、ここへと連れてこられた。
ダイヤ「あ、あまり見ないで欲しいですわ…うぅ…恥ずかしくて顔から火が出ますわ…」
優馬「だ、大丈夫だよ、うん。き、綺麗だと、思う///」
ダイヤ「き、綺麗!?///えへ、えへへ…♡あ、ありがとうございます…♡」
鞠莉「…ずるいわ。」
果南「…はぁ」
優馬「…2人も綺麗だよ、昔とは見違えるほどに、ね。とても綺麗だ。」
鞠莉・果南「「っ!!///」」
たまにはちゃんと素直に褒めてあげようと言ったわけなのだが、どうやらクリティカルヒットだったらしい。
いつになく彼女たちは何も言わなくなってしまった。
花丸「マルも…見て欲しいずら…///」
優馬「…うん、文句なし、可愛い。」
花丸「可愛い!?///」
予想していなかった言葉に思わず声量が強まってしまったみたいだった。
善子「わ、私は…?」
優馬「善子も綺麗だよ。依り代なのに丁寧に整備されてるんだな?」
善子「よ、余計なこと言わなくていいのよ!…でもありがとう///」
いわゆるツンデレというやつだろう。
なんだかんだ言って、気にしちゃうし、素直に褒めるとちゃんと感謝を述べてくれる。
本当、やっぱり善い子だ。
しかし、もう一人いるはずなのだが、姿が見えない。
まだ来ていないのだろうか、と思いきや、後ろを振り返ると
ルビィ「あぁぁぁぁ…きもぢいよぉ…」
優馬「…」
楽しそうで何よりだ。
しかし、温泉に来たわ良いものの見たところ、特に収穫は無し…
そう感じた所で鞠莉や果南は褒められて満足、もう飽きた、といったところなのか早速つまらない、と嘆きだした。
優馬「はぁ…しょうがない。出ようか…」
そうして優馬の声を皮切りに着替えを済ませ、温泉を出ようとしたその時だった。
優馬「うわ…えぇ…?雨?」
外に出ると、土砂降りの雨が降っていた。
とりあえずバスを待つためにベンチで雨宿りをしているのだが、今からバスに乗って帰るにしたって、全員が傘を持ってきていない。
となると、ずぶ濡れになる未来が見えた。
優馬「どうするか…」
そう悩んでいると、優馬の携帯から着信音が鳴った。
開いてみるとなんと相手は曜だった。
優馬はその時、珍しいな…と思い、何も疑わず、電話を受けてしまった。
曜『…もしもし?優?』
優馬「もしもし。珍しいね、曜からかけてくるなんて」
曜『…ねぇ、今どこにいるの?帰ってくるの遅くない?』
優馬「あ…」
決して忘れていたわけではないのだが…
こちらもこちらで大変だったために連絡する時間もなく、電話をしていなかったのだ。
曜『ねぇ…何とか言ってよ、忘れてたんでしょ…?』
優馬「いや…忘れてたわけじゃなくて…こっちもこっちで忙しくて、連絡ができなかったというか…」
嘘は言っていない。
確かに温泉に行って、まさかの混浴に入る羽目になったというのはあるのだが…
忙しいという事実には変わりはなかった。
優馬「そ、それよりそっちは曲作り、進んでる?」
曜『…進んでるけど、優がいないってずっと嘆いているよ。こっちの手伝いをしてくれるって言ってたのに…嘘つき。』
非常に怖い。
確かに言ったのだが、ここまで付きっ切りで見なきゃいけないとは思わなかった。
しかもこちら側に行くときに一応容認してくれたような気がするのだが…気のせいだったのだろうか…
曜『そんなことより優は今どこにいるの?まだダイヤさん家?もし大変そうなら私が空いてるから向かうけど…』
千歌『え!?曜ちゃん!?何抜け駆けしようとしてるの!?話が違うじゃんか!』
梨子『そうよ!皆で行くところじゃないの!?』
曜『うるさいなぁ!2人とも曲作りに集中しなよ!』
曜『…そういうことだから私が行くけど、聞こえる限りでは絶対、どこか行ってるよね?どこ?』
優馬「…」
うん、非常に危険だ。
ここで居場所を教えてしまったら真っ先に向かってくるだろう。
しかし、言わないと後が大変だ。
どうこの場を対処するか、考えていると優馬の携帯が後ろからひょいっと取り上げられてしまった。
誰だ、と思い後ろを振り返るとなんと花丸だった。
花丸「もしも~し、マルずら~」
曜『!?…花丸ちゃん?今、優と話してるんだけど?』
花丸「も~、曜ちゃん怖いずらよ?…執着心の強い女は嫌われちゃうと思うけどな~?」
曜『…余計なお世話だよ。それより優はどこ?居場所を教えて。』
花丸「ん~、今、温泉にいるずら!」
曜『…は?どういうこと?』
花丸「理由は色々あるずらよ…ただ、混浴風呂に初めて入って…ふふっ♡優さんの身体、逞しかったずら…♡また惚れちゃったずら…♡」
優馬(まさかそんなところを見られていたとは。全く気付かなかった…)
曜『ちっ!…それ作曲とかと関係ないよね?なんでそこにいるわけ!?』
花丸「落ち着いて、曜ちゃん♪…あ、もうバス来ちゃったから、電話切るね~」
曜『は!?ちょっと待って、話はまだおわtt』
曜がまだ話を続けようとした矢先、花丸は強引に電話を切ってしまった。
花丸「あはは…♪哀れずらぁ…♪」
優馬「…」
これは後で殺されるパターンだ。
すると、また曜から着信。出直そうとしたとき、花丸に止められた。
花丸「出ちゃダメ、ずらよ♡はい、着信拒否♡」
そう言って、曜からの着信を拒否し、拒否設定までつけた。
ここから解放された時、恐らく自分は死ぬだろう。そう悟った瞬間だった。
ダイヤ「…どうしますの?このまま帰れば、優は曜さんたちの手に渡りますけど…」
鞠莉「うーん…どこかいい場所無いかしら?」
花丸「もちろん、その対処まで考えているずらよ。近くに知り合いのお寺があるずら!そこで雨が止むまで雨宿りすれば多少の時間稼ぎにはなると思うずら♪」
今日の花丸は頭が冴えていた。
こうなることも踏んでいたのだろう。ここまで準備がきちんとされていた。
雨の中帰るのも嫌、帰っても曜たちに殺されるくらいなら心の準備のための多少の時間稼ぎも必要だ。
そう考え、優馬たちは花丸の知り合いのお寺へと向かうこととなった。
~お寺~
知り合いのお寺に到着後、とりあえず広間に集まったわけだが、どうにもやることがない。
そこでせっかくだから、と曲作りに取り組むこととなった。
しかし、やはりというべきか曲作りは一向に進まず、難航を極めた。
すると、果南がどこか怯えていた。
優馬「果南?どうしたの?」
果南「え、あ、いや、その…なんか、物音しない?」
優馬「物音?」
そうして耳を澄ましてみると、確かに何かが動いている音が聞こえてきた。
果南「ひっ!」
優馬「うおっ!」
果南「うぅ…」
意外とビビりな果南は怖くなったのか、優馬にハグをかました。
優馬「…昔から怖がりな所は変わらないなぁ」
果南「あぅ…///うるさいよっ///」
優馬「じゃあ離してよ」
果南「無理!怖いもん…///」
優馬「しょうがないな…」
果南「えへへ…♡」
ダイヤ「…」
ルビィ「良い性格してるね…」
ここでもイチャイチャしだす果南に全員がイラっとしたその時、昔からあるお寺で古びていたからかあちこちから雨漏れしだした。
なんとか雨漏れを防ぐために協力して備えてあったお皿や湯呑などを置いていった。
すると、その落ちる雨音がまるでメロディーを奏でているように聴こえてきたのだ。
善子「綺麗…」
花丸「ずらぁ…」
優馬「…テンポも、音色も、大きさも、全てが違ってバラバラだけど一つ一つが重なり合って、調和して…一つの曲になっていく。」
優馬「そういうことなんじゃないかな…」
花丸「…マルたちも同じってことずら?」
優馬「うん、正解…だからバラバラでもいいんだよ。きっと。」
優馬「同じ目的、目標があって…それに向けてやろうって言う気持ちは皆同じなんだから、ね?」
ダイヤ「…ふふっ、優らしいですわね」
優馬「褒めてるのかなぁ、それ…」
笑い声が響き渡る。
そう、皆、それぞれ違うけど、目的も目標も…そして抱えている想いも同じ。
ダイヤ(…そうですわね、皆、優への想いは変わらないですものね。)
果南(それなら私たちの想いは一つに出来る…)
鞠莉(それぞれの趣向は違うけど…)
善子(きっと…優馬への想いは一緒だから)
ルビィ(だから、私たちはそんな貴方に届くような歌を!)
花丸(曲を想いのままに作ればいいずら!)
花丸「よーっし!このまま曲作り、開始するずらぁ!」
善子・ルビィ・ダイヤ・果南・鞠莉「「「「「おぉー!!」」」」」
優馬「…聞いてたでしょ?曜?」
曜『…うん。そっちも大丈夫そうだね。』
優馬「…ごめん、すぐそっち戻るよ。」
曜『ううん…今はそっちにいてあげて?きっと…優がいないと出来上がらないと思うから…ね?』
優馬「曜…」
曜『で・も!…あとで目一杯働いてもらうから、覚悟しててね♪』
優馬「あはは…もちろんだよ…ありがとう、曜。」
曜『…どういたしまして!じゃあ、切るね!』
優馬「…よしっ!始めるか」
~千歌家・千歌の部屋~
千歌「…優くんなんだって?」
曜「…もう少しで曲が完成しそう、だって。」
千歌「…そっか」
曜「は~あ…私もお人好しだなぁ…」
梨子「良い事じゃない…まぁ、恋愛においてはどうだか分からないけど…」
曜「優があんなに頑張ってるからさ、戻って来いなんて言えなくて…」
千歌「千歌たちもきっと曜ちゃんと同じこと言ってたよ。今は待とう?」
曜「…そうだね。」
そうして、千歌たちは優馬に触発され、曲作りの仕上げに取り掛かったのだった…
~千歌家・朝~
あれから千歌たちも作曲、作詞ともに終わらせ、あとは優馬たちを待つだけだった。
千歌「…」
家の屋根に上り、朝日をぼんやりと眺めていた。
ただ、その顔は希望に満ち、その先の輝きへの答えを見出せたような、そんな満足げな表情をしていた。
すると…
優馬「千歌」
千歌「優くん、皆…」
千歌「…曲は、できた?」
優馬「…できたよ。ばっちしだ。」
曜「そっか、なら早く練習、しないとね!」
どうやら曜と梨子も玄関先で待っていてくれていたようだった。
優馬「そうだね、急ごう。2曲分あるからね!」
「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」
2曲分の曲作りも終え、ライブを必ず成功させるために優馬たちはまた気合を入れなおした、その矢先だった。
まさかこんなイレギュラーが起きてしまうとは未だ考えつくことはなかった…
鞠莉「…あら、着信?」
いかがだったでしょうか?
長くて申し訳ありません…
ですが、これでついに予備予選へと話が進みます…
の前に小ネタが挟めればいいんですが…
あぁ…どこで入れよう…というのが現状です。
必ずどこかで小ネタを入れるのでよろしくお願いします!
それではここまで読んでいただきありがとうございました!
次回もまたよろしくお願い致します。
現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?
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高海千歌
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桜内梨子
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渡辺曜
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松浦果南
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黒澤ダイヤ
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小原鞠莉
-
津島善子
-
国木田花丸
-
黒澤ルビィ
-
鹿角聖良
-
鹿角理亜
-
誰とも付き合わない