無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

54 / 93
こんばんは、希望03です。
小説を投稿するのも最近、やっとになってきました。
今回もなんとか投稿ができ、ひとまずほっとしています。
それではどうぞ


第54話 芽生えた想いは成長し、やがて美しく妖艶な花を咲かせる

~曜家・曜の部屋~

 

千歌「優くん!!」

 

意識が朦朧とする中、そこに現れたのは千歌だった。

なぜここにいるのかは分からないが、とにかく千歌は今の俺の姿を見て、状況をすぐに把握したのか、すぐさま俺の上に跨っている曜のことを突き飛ばし、俺の手を掴み、その場から離れていった。

 

曜「…あーあ、失敗しちゃった。」

 

 

~バス内~

 

千歌「…」

優馬「…」

 

曜の家から2人で飛び出して、約数分後、俺たちは内浦行のバスに乗車し、帰路についていた。

しかし、どちらとも喋る気配はなく、ただただ沈黙が過ぎていった。

すると、千歌から声をかけられた。

 

千歌「…ねぇ、優くん?」

千歌「なんであんな状況になってたの?」

 

やはり気にしていたのだろう。

それもそうだ。幼馴染である2人が自分を置いて、あんなことになっていたのだ。

心配でもあり、取り残されているという疎外感が強かったのだろう。

 

優馬「…今日の昼休みに曜の家に行く約束をしてたんだ。」

優馬「あまりにも疲れていた俺に気を遣って、曜の家でゆっくり休ませてあげるって話をしてくれたんだ。」

千歌「…それで曜ちゃんの所に行ったの?」

優馬「そう。でも、あまり休めなかったというか…俺も俺で緊張してて、ふと周りを見渡したら、千歌と曜、そして…俺との写真を見つけたんだ。」

千歌「…そう、なんだ」

優馬「まさかと思って聞いてみたら、俺ら、昔に会ってたんだってね…」

千歌「…うん、そうだよ。やっと思い出してくれたんだね。」

優馬「本当、遅くて申し訳ない…」

千歌「じゃ、じゃあ…昔の千歌の事とかも、聞いたり…?」

優馬「う、うん…曜が言ってたのは千歌は色気よりも食い気なところがあって、俺のことを昔は友達としてしか見てなかった、としか聞いてなくて」

 

その時だった。

隣で千歌がハッとしたように目を見開いて、俺の方を見ていた。

 

千歌「なに、それ」

優馬「え?」

千歌「友達としてしか見てない…?」

優馬「違う、の?」

千歌「…それ、曜ちゃんに騙されてるよ」

 

その事実に驚きを隠せなかった。

どうやら実際には千歌も当時の曜と同じくらいに俺のことが好きだったみたいで、同じように片想いを拗らせてしまっていたらしい。

 

千歌「…千歌もね、優くんと出会った時からずっとドキドキが止まらなくなって、でもこのドキドキが一体何なのか、分からなくて、でも嫌なものじゃなくて、むしろ心地良いもので…本当に分からなくなっちゃってたんだ。」

 

千歌「だから、お母さんに聞いてみたの。優くんの顔がずっと離れない。顔を見る度にドキドキする。優くんに会うと心が跳ね上がるくらいに嬉しいけど、心が苦しいって」

 

千歌「そしたらね、お母さんが教えてくれたんだ。これが“好き”ってことなんだ、って。」

 

千歌「だから、それ以来、ずっと優くんの事、意識しちゃってたんだよ?」

 

聞いていると、千歌も同じタイミングで好意を知り、そしてその想いの拗らせ方と言うのもほとんど同じだったのだ。

 

千歌「千歌はね。優くんと結ばれるのは運命だと思ってたんだ。だってこんなにずっと好きだったんだもん。」

 

千歌「…前にさ、曜ちゃんと千歌を救ってくれた時あったよね?」

優馬「うん…」

千歌「あの時に優くんが私たちのことを大切な存在だ、って言ってくれた時、すごく嬉しかったんだ。」

 

千歌「今までにないくらいドキドキしたし、そばから離れるなって言葉ですごく期待もした…」

 

千歌「それくらいに優くんのことが大好きで、愛してるの」

 

それはそれは千歌の性格からは考えられないほどの重たい愛のアプローチだった。

重いとはいえ、やはりこんな美少女から昔から好きだったと言われると、やはりドキドキはする。

しかし、結局は曜の時と一緒だ。

自分と言う存在は曜にとっても、千歌にとっても相応しい人物でないのだ。

 

優馬「…ありがとう、でも俺は、その想いには答えられないんだ。」

千歌「っ!なんで!」

優馬「…この辺で降りるね。」

 

そうして俺は先にバスを降り、俺は後ろを振り向かず、真っすぐと家へと向かった。

バスの中では千歌が俺の背中をずっと追いながら、唇を地で滲ませてしまう程に噛み締めていた。

 

 

~曜の部屋・曜side~

 

一方、その頃、曜は、というと意外にもあっけらかんとしていた。

曜の考えとしては千歌、もしくは梨子あたりのどちらかが家に来るということは想定内であったために、この状況は正直、分かりきっていたのだ。

ただ、盗られてしまったのは腹が立つ。せっかく良いところだったのに、邪魔してくるなんてたまったもんじゃない。

しかし、ここで怒りをぶちまけても仕方ない。怒りを抑え、落ち着かせ、とりあえずベッドへと腰を掛けた。

 

曜「はぁ…♡…ふふっ♡」

 

昔から抱えていた想い、そして以前、優馬からもらった一言。

そして、今日の出来事…

意識して、されての関係には十分なほどのものは作り上げられた。

そして、それと同時に曜にとってはますます優馬への好意というのが増していく一方だった。

 

曜「でもなぁ…」

 

しかし、優馬のみの相手だったらまだしも、曜の相手はそこではない。

ここに来て、千歌や梨子、Aqoursメンバーがやはり自分自身にとっての弊害へとなりつついた、ということを曜は自覚していた。

この優馬争奪戦でいかにリードを奪うか、そしてどう奪い去るか、勝ち取るか。

曜はまたの機会に向け、考えを巡らせるのだった。

 

曜「優“くん”…♡」

 

 

~内浦・路上~

 

俺は今、ひどくやつれている顔をしているだろう。

折角、休むと言っていたのに、これでは灯台下暗し、である。

曜のあの一件もそうだが、俺はあの出来事に加えて、千歌と曜が幼馴染同士ということを忘れてしまっていたうえ、曜に迫られて、何もできず、むしろ抵抗もせずに、半ば諦め、受け入れようとして、自分の意志を放棄してしまった。

さらには最終的に千歌や曜の気持ちから逃げ、踏みにじってしまったことに対して、俺は罪悪感を募らせていた。

すると、目の前から見たことのあるシルエットが歩いてきた。

 

梨子「優、君…?」

 

その相手と言うのは梨子だった。

恰好から見るに、完全に部屋着と言った様子でふらっと散歩にでも言った様子に伺えた。

声をかけられたが、今の俺ではいるのが分かっていても反応ができず、ただただ呆然と立ち竦んでしまった。

 

梨子「優君、どうしたの…?」

 

再度声をかけられて、またハッとする。

しかし、何も答えられない。そんな状況が嫌で俺はまた逃げようとしてしまった。

 

梨子「待ってよ!!」

 

梨子の力は意外にも強かった。

俺は梨子に引き留められてしまった。

 

梨子「…なんでまだ帰ってなかったの?何かあったの?」

優馬「質問に質問で返す用で申し訳ないけど、逆に梨子はなんでここにいるの?」

梨子「そっか…それもそうだよね、ごめんね。」

梨子「私はね、時々、作曲に行き詰ったら海の音を聴きたくなるの。それで少し歩いて、海岸沿いの方にまで散歩してきたの。」

 

どうやらその通りっぽく、履いているサンダルには若干の砂浜でついてしまった砂がついているようだった。

 

梨子「じゃあ次は私の番。なんでまだ帰ってなかったの?何かあったの?」

優馬「…曜の家だよ。」

梨子「え…?」

 

俺はここで嘘をつくメリットもなかったため、素直に自分がいた場所を梨子に伝えた。

しかし、伝えたその時の梨子の顔は驚いた、と言うのもあるが、それと同時に一瞬、殺気が出ていたような感覚を感じた。

すると、梨子は突然、顔をにこやかな可愛らしい笑顔に変え、理由を聞き出した。

 

梨子「どうして、曜ちゃんの家に?」

優馬「…曜とは昼休みの時間に家に行くことを約束していたらしいんだ。」

 

そうして俺はここに来る前の内容を梨子に伝えた。

梨子はその話に対して、ただひたすら無表情でここまで引っ張ってきてしまった、と言うわけだった。

 

優馬(…怖い、な)

 

優馬は内心、震えあがり、恐怖を感じてしまっていた。

すると、梨子は俺が話している最中にその話を遮り、質問をまた投げた。

 

梨子「曜ちゃんに何かされた?」

 

確かに何かあった、それは間違いなくあった。

しかし、押し倒され、危うく、色々されかけた、ということを言ってしまうと、梨子は間違いなく逆上してきてしまう。

そんなことをしたくなく、俺はここで嘘をついたのだった。

 

優馬「何もされてないよ、流石に」

梨子「そっか…」

 

どうやら選択は間違っていなかったらしい。

梨子の表情はまた安堵に包まれていた。

それに安心し、俺は自分の家へと戻ろうとしたその時だった。

 

梨子「ここで会ったのも何かの縁だし、良かったら家に上がらない?お母さんとか大歓迎だと思うよ!」

優馬「…いや、いいよ」

 

そうして俺は最後の招待も断り、家へと戻ったのだった。

 

~内浦・海岸沿い・梨子side~

 

あの時、優馬は去って行ってしまった。

間違いなく、何かあったに違いないはずなのに。

考えれば考える度に心がどんどんと真っ黒に変わってしまう。

 

梨子「私が知らないところで一体何を…」

 

私は実のところ、海岸沿いを散歩していたわけじゃなかった。

私はあの時、嘘をついた。

 

実のところは私が帰った時には優君の部屋の明かりがついていなかったのを不審がり、ずっと隣にある優馬の家を監視していた。

なぜこんな時間になっても帰ってきてないのか、一体どこで何をしているのだろうか、まさか誰かの家で…なんていう妄想を重ね、余計な不信感が芽生えていたのだった。

 

梨子「…」

 

そしてその考えは的中。

優君は曜ちゃんのお家にいた。しかし、何をしていたのか、までは教えてくれなかった。

と言うことは何かあった、と言う裏返しでもある。

そんな事を思い、私はそっと強く唇を強く噛み締めた。




いかがだったでしょうか?
ここまで楽しく読んでいただければ僕としては嬉しい限りです。
しかし、正直なところ、少し疲れておりまして、投稿するのも書くのもしんどい状況にありますので、更新の早さには今後、期待しないようにお願い致します。
とりあえずここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。