無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんばんは、希望03です。

弱さからの克服は2パターンだと思ってます。
逃げるか、薙ぎ払うか。

それではどうぞ。


第66話 弱さからの克服

~内浦・海岸・ルビィ視点~

 

お兄ちゃんが覚悟を決めてから数分…

外に出てみれば、もう辺りは暗くて、明日には学校があるから、という理由で今回はお開きとなった。

だけど、なんだか今日の事がルビィにとって衝撃的な出来事ばっかりだったことと、なんだかあの事件からナイーブな気持ちになっちゃって、なんだか帰れなくなっちゃった。

だから、私は海岸で少し肌寒い潮風に打たれていた。

 

ルビィ「…」

 

お兄ちゃんからの一言、3年生にとっての最後のライブまで、必ず1人を決めるという言葉に私はついに選んでくれるんだ、っていう喜びとこの中から1人しか選ばれないんだ、という焦りや不安が心の中で混在していた。

どうアプローチすれば振り向いてくれるのだろうか、そもそもあの人は私を女の子として見てくれているのだろうか、そんな色々な不安が次々と頭の中に流れていた。

 

そんな時、後ろから声を掛けられた。

 

「ねぇ、ちょっといい?」

 

ルビィ「あ…」

 

それは理亜ちゃんの姿だった。

 

理亜「ねぇ、良いって聞いてるんだけど?」

 

ルビィ「う、うん!どうぞ…」

 

その聞き方はまさに傲慢無礼というか、とにかく高圧的な態度だった。

 

理亜「…あんた、ルビィ…だっけ?」

 

ルビィ「う、うん…ってなんで知ってるの?」

 

理亜「昔、あんたの名前を聞いたことがあるの。兄さんからね。」

 

ルビィ「お兄ちゃんが!?」

 

理亜「っ!うるさいわね…」

 

ルビィ「ご、ごめんなさい…びっくりしちゃって…でも、なんで?」

 

理亜「…兄さんと昔、話していた時に私と同じくらいの女の子で同じように姉妹なんだ、って話をされたことがあったから、覚えてたの。」

 

理亜「こんな偶然があるんだなぁって、驚いてた。」

 

ルビィ「そうだったんだ…」

 

あの時、内浦を離れてからも私やお姉ちゃんの事を忘れてなかったんだ、と思えば嬉しさだけ残っていた。けれど、そう、感じられなかった。

それは姉妹、とそう括られていたこと。確かに昔は甘えてばかりでルビィもずっと兄呼びを繰り返していた。

だから、それがここにまで回ってきてしまって、結果、私は優馬という存在にとって、妹と同じような存在だ、と一言、二言の会話ではあるが、気付いてしまった。

 

ルビィ「…ルビィね、ずっと昔、まだ6歳くらいだったころかなぁ?お兄ちゃんの事、本当に自分の兄だと思って慕ってた頃があったの。あの頃は恋愛感情なんて何一つ分からないし、ただ優しいお兄ちゃんとしか思っていなかった。」

 

ルビィ「だからなのかな、ずっとお姉ちゃんに甘えるのと同じくらいにお兄ちゃんにも甘えてたの。ずっと後ろについて回って、何かあれば、お姉ちゃんかお兄ちゃんって…」

 

ルビィ「いなくなった時も、悲しかったけど、一人の家族を失ったみたいな感覚だった…多分、お兄ちゃんも同じような感覚だったんだと思う。」

 

ルビィ「だから、今でもルビィの事は妹みたいな扱いをするし、私も私でお兄ちゃんなんて呼んじゃうし…」

 

ルビィ「覚えててくれて本当に嬉しい。それは本当だよ。でもね、やっぱり異性として見られてないんだな、ってそう思うと哀しくなってきちゃうんだよね…」

 

理亜「…ルビィ」

 

ルビィ「ごめんね…こんな愚痴みたいなこと、言うはずじゃなかったんだけど、今になってね、彼女として扱ってもらいたいとか、女の子として見て欲しいとか、そんなことを想っちゃうんだ。」

 

ルビィ「本当、お馬鹿さんだよね。結果、こうなっちゃったのは全て自分の自業自得なのにね…」

 

どうしてもぽつり、ぽつりと少しずつ零れてしまう私の言葉

でも、どれも本心からの言葉だった。

私の言葉を理亜ちゃんがどう受け止めてくれているかは分からないけれど、それでも届かないこの想いは空に消えていくんだ、と思うと言葉が零れるのと同じように涙も零れ出そうだった。

 

理亜「…あんた、いや、ルビィはさ、もう諦めてるの?」

 

ルビィ「え…?」

 

理亜「どうなの?」

 

ルビィ「そんなの、分からない「なら私が奪ってもいいんだ。」…」

 

理亜「…私だって同じ境遇だよ。ルビィと同じように姉妹の中の妹としてのカテゴリーにくくられて、そればっかりに弱い存在だ、って思われて…守られてた時は嬉しかった。でも、その時も、そして今も兄さんにとって、私はただの保護対象みたいなか弱い小動物みたいな、そんな存在。妹ってそういう扱いなの。」

 

理亜「姉さまは違う。年齢だって年上で、頼りにもなる。距離が近かろうともどこか相談できる心の拠り所にもなっていて、異性として見られる時が多かった。けれど、私は違う。」

 

理亜「ずっと必死に兄さんについていって、守られて、結果、保護対象…本当弱い存在…」

 

理亜「だから、今回の事件を起こした。もう一度、会って私が守る番なんだって、彼に伝えるために。」

 

ルビィ「…」

 

理亜「そうやって行動を自ら起こさないと今の現状は変えられない…それができなければ、いやルビィが分からない、って駄々こねている間に私も他の人たちも色んなアプローチを掛けに行き始めてる…」

 

理亜「…私は良いよ。そうやって諦めてもらった方がライバルが消えるし、奪いやすい。楽だから。でも、それじゃあフェアじゃない。」

 

ルビィ「…どこまでもストイックだね、理亜ちゃんは」

 

理亜「ありがとう。でも、これからはルビィも変わらないといけないと思う。」

 

理亜「今の話を聞いたうえで、頭で考えずに、自分の心で私の質問を聞いて」

 

『ルビィは、諦めるの?』

 

ルビィ「っ!」

 

諦める、それは誰かにお兄ちゃんを譲るということ

もう私だけのお兄ちゃんでもなくなるし、別の人の大切な存在になってしまう…

それだけは、それだけは…!

 

ルビィ「諦めたくないっっっ!!!!」

 

ルビィ「お兄ちゃんが離れてからずっと、ずっと思い出しては泣いてた!なんでいなくなったんだろう、なんでどこかに行ってしまったんだろうって!」

 

ルビィ「でも、何より一番辛かったのはお兄ちゃんの笑顔が見れないことだった!それからはずっとお兄ちゃんの事しか考えられなくて、でももう内浦にはいなくて、ずっと泣いてばかりだった!」

 

ルビィ「ようやく戻ってきて、またあの日常が戻るんだって思った時、すごい嬉しかった!本当はずっとお兄ちゃんといたい…好きって、言って欲しいし、伝えたいの…!」

 

ルビィ「でも、皆、ルビィより大人で、可愛いし、スタイルも良くて…だから、もう無理だ、って勝てる要素ないんじゃないか、って思ってた。」

 

ルビィ「でも、違う。私には想いがある。誰にも負けないくらいの大きな想いが!」

 

ルビィ「もう諦めたい、なんて言わない!私がお兄ちゃんの心を奪うんだから!」

 

思いの丈を伝えた。

多分この話で理亜ちゃんはまた私と距離を置いちゃうだろうな。

だって、もうライバルだもん…でも、せっかくお友達になれると思ったんだけどな…

 

理亜「…ようやくやる気になったのね。」

 

ルビィ「え…?」

 

理亜「見る度になよなよしていて、後ろに隠れてばかりで…でも、視線だけは一丁前に鋭いんだから…」

 

ルビィ「わ、分かってたの?」

 

理亜「そりゃそうでしょ…あんだけ力強く、独占欲丸出しの眼力で見つめられたら、嫌でも理解するから。」

 

ルビィ「う、うぅ…///恥ずかしいよぉ…///」

 

理亜「…ふふ、ま、いいよ。これからまた頑張ろう。妹同士、ね。」

 

理亜「じゃあ、私は戻るから…気をつけて帰ってね、ルビィ。」

 

そう言って、理亜ちゃんはまたお兄ちゃんの家へと戻ろうとしていた。

 

ルビィ「理亜ちゃん!」

 

理亜「…なに?」

 

ルビィ「ありがとう!今度はルビィのお家にも遊びに来てね!!」

 

理亜「っ!///…全くこれからはライバル同士になるのに…お人好しなんだから///」

 

振り向きざまに見せていたその顔は少しだけ赤かったような気がした。

 

 

~内浦・海岸・善子視点~

 

善子「…」

 

「声、掛けなくて良かったずら?」

 

善子「うをおいぃ!?」

 

花丸「しーっ…!声が大きいずら…!」

 

善子「だ、誰のせいよ!誰の…」

 

花丸「はいはい…そんなことはどうでもいいずら」

 

善子「無視するなぁ!」

 

花丸「…ルビィちゃん、元気戻ったずら?」

 

善子「…さてね」

 

私はあの優馬の一言の時に、皆が我こそは、と目をぎらつかせていた最中、ルビィだけが俯き、不安げな表情をしているのに少しだけ心配になって、思わずここまで追いかけてしまっていたの。

そこはすごく澱んだ闇のような空気をルビィが纏っていたために、いつ声を掛けようか、とタイミングを窺っていたところに、天敵であるSaint Snowの鹿角理亜が現れたの。

何かルビィに酷いことでも言ったらすぐにでも飛び出す準備はしていたけど、そうでもなかった。

どうやら昔話をしているみたいで、表情を見る限りではこいつもこいつで苦労していたんだな、と思うくらいだった。

それからお互いに言い合いを始め、最終的にルビィが思いの丈をすべて吐き出して、もう一度、活気を取り戻したってわけね…

 

善子「…私たちも頑張らないと駄目ね。」

 

花丸「何をずら?」

 

善子「何をって…あんたねぇ!」

 

その時、勢いでずら丸の方を向いてみた。

そしたら、顔は何でもないといった表情だったけど、見るからに青ざめてて、手も小刻みに震えていた。

 

善子「ずら丸…」

 

花丸「…善子ちゃん。おら、おらもね?本当は怖いずら」

 

花丸「他の皆とは違って、初めて会ったのは今年だし、思い出だって他の皆と比べたら少ない…しかも、他の皆と違って、スタイルだって悪いし、方言も出ちゃうし…」

 

花丸「今はまだ大丈夫だけど、いつか優さんにフラれる日が来るって考えると不安で不安でしょうがなくて…」

 

それはまぎれもなく本心だろう。そう感じ取った。

声も震えながら、手も震えていて、顔はなんとか堪えているけど、今にも不安で押しつぶされそうなくらい泣きそうな顔をしていた。

 

善子「…それでもやるしかないのよ。」

 

花丸「で、でもおら「あんたは!!」っ!」

 

善子「あんたは…優馬に好き、って言って欲しくないの?」

 

花丸「え…?」

 

善子「単純な話よ…愛して欲しくないの!?違うでしょ!?」

 

善子「本当は誰よりも嫉妬深くて、いつだって優馬のこと考えているくせに!今さら不安!?馬鹿なんじゃないの!?」

 

善子「そんなこと、私に言わないで!私だって不安なのよ!でも、私は優馬が欲しい!優馬に愛して欲しい!一番の女の子でいたい!…好きって言って欲しい、ただ、それだけなの…!」

 

善子「思い出があるとか、昔から好きだったとか…そんなの私にもないわよ!!けど、一目惚れした以上、しょうがないじゃない!ずっと優馬の事しか考えられないんだからっ…!」

 

花丸「よしこ、ちゃん…」

 

善子「…私だってずら丸と同じだからね。一人だけだと思わないで。」

 

花丸「うん…ごめんね…」

 

善子「…分かったなら、頑張りなさい。不安なのも分かるし、焦るのも分かるけど、それだけで慈悲がもらえるような簡単なものじゃない。」

 

善子「…愛は戦争だから。勝てば愛してくれるし、負ければ傷が残る。承知の上で私たちは戦わなきゃいけないのよ。」

 

花丸「…うん」

 

善子「…今は辛いかもしれないけれど、頑張るわよ。お互いに、ね。」

 

 

あの事件から数時間後

私たちは優馬を振り向かせるために涙を堪え、明日への光を胸に、今日は戻ったのだった。




いかがだったでしょうか。

前を向いて歩くって大人に近づくにつれて、どれだけ大変な事か、分かりますよね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
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  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない
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