無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
どうぞ。
~放課後・浦の星学院・屋上~
ようやく今日一日の最後、部活の時間となった。
いつもであれば沼津の方まで赴き、練習を開始させるのだが、ラブライブ決勝が近づいてきたため今回は調整という形の短めの練習になる。
そのため、今日は屋上でさっと終わらせてしまおうという流れになった。
しかし、今日は少し違うことが起きている。
それは…
鞠莉「じゃあ改めて自己紹介、お願いできるかしら??」
聖良「そうですね。では、私から…」
聖良「北海道函館聖泉女子高等学校から転校してきました3年、鹿角聖良です。皆さんにはお伝えしましたが、『優君の幼馴染』です。よろしくお願いします。」
理亜「姉さまと同じ。函館聖泉女子高等学校から転校してきた1年、鹿角理亜…一応この前はごめんなさい。でも、兄さんの事に関してはまだ諦めてないから。よろしく。」
…何とも言えない自己紹介だ。
聖良に関しては幼馴染、という部分をやたら強調しているような気がしてならないし、理亜に関してはこの前の事を謝罪しているんだろうけど、全く謝罪しているような気もしないし、むしろ敵意むき出しだった。
鞠莉「と、いうわけで2人も転校してきて、とりあえずスクールアイドル部に入部、という形になるからよろしく~♪」
ダイヤ「いや、唐突過ぎませんの…?そもそもこれからラブライブ決勝があるというのに、人数を増やして出るというのですか?」
鞠莉「も~、ダイヤったら質問が多いわよ~!でもまぁいいわ。そうね、まず何から話した方が良いのかしら?」
果南「とりあえず語弊とかないように2人から経緯とか思いとか聞いた方が良いんじゃないの?」
聖良と理亜の自己紹介が済んだあたりでまだ疑問があるような雰囲気が流れていた。
それを汲んでくれたダイヤはさすが、と感じるけれど今ここで話をしてしまったら練習時間が短くなってしまう。
まして、もう秋から冬に変わる季節目、肌寒くもなっている。
このままでは風邪だって引いてしまう可能性もある。
そのため、練習の合間、そしてストレッチ中に聞こう、ということになった。
果南「1・2・1・2!」
そうして始まった練習、と言っても最後の振付合わせの練習だが。
それを僕とダンスには混ざれない聖良、理亜の2人と一緒に見ていた。
聖良「…やっぱり完成度は上がってますね。」
優馬「そう、見える?」
聖良「はい。東京で一度見たあのレベルより全く段違いのように思えます。」
優馬「…そっか、良かった。聖良に言われるとすごく自信になるよ。」
ありがとう。
感謝の気持ちを最大限込めて、聖良に伝えた。
すると、途端に言葉が無くなってしまった。
きっと集中してみているんだろうな、と思い、何も言わなかった。
聖良「…っ!…っ!///」
理亜「…姉さま、情緒不安定すぎ。」
聖良「だ、だって、優君から…!」
理亜「気持ちは分かるけど…というか、羨ましいというか…」
聖良「ふふふ…やっぱり転校してきて正解でしたね…///」
理亜「はぁ…」
なんだか2人から声が聞こえたけど、小声で話していて何を言っているかは聞き取れなかった。
盗み聞きみたいで悪いな、と思ったため、僕はまた目の前の皆のダンスに集中した。
果南「はい、休憩!」
気づいた時にはもう休憩に入っていた。
いつもだったらすぐに水とタオルを渡しに行くのだが、この時、僕は一歩で遅れてしまって、渡しに行くことができなかった。
急いで水とタオルの準備をしなくては、と思っていたら
聖良「皆さん、お疲れ様でした。」
なんと聖良が既にタオルと水を準備していて、皆に渡しに行っていた。
その光景に僕は思わず、呆然と立ち竦んでしまった。
理亜「…姉さまも私も実家が喫茶店だから、こういう気配りっていうのかな、慣れてるんだよね。」
優馬「あ、あー…なるほど…」
理亜「だから、別に兄さんの仕事を奪おうとか、全く思ってないからね…その、気にしてなかったら忘れて良いんだけどね」
優馬「…理亜」
理亜「…んぇ!?ちょ、ちょ、に、兄さん…!?」
理亜(え、え、え!?なんでこんな近くなってるの!?え!?)
理亜「お、お兄、ちゃ、ん…?」
優馬「…」
僕は理亜のあまりの良い子さに頭を撫でていた。
決してセクハラしようとか、そんな魂胆はない。
ただただ無意識に彼女の事を撫でていたのだ。
理亜「あ……///」
僕は無意識だったから気づかなかったが、理亜の顔は綺麗な真っ赤に染まっていた。
もちろん、気にしていない僕はほわほわとした気持ちで彼女を撫で続けていた。
優馬「…ふふっ」
理亜「…っ!///え、えへへ…//お、おにいちゃ「何やってるのかな?お兄ちゃん??」~っ!!??」
ほわほわとした気持ちが一瞬にして消えた。
そしてそれは途端に湧き出した悪寒と冷や汗に変わった。
まるで木こりの人形のように首を後ろに捻り、声の先にいる姿を見るとそこには
仁王立ちして冷たい視線を送る、今までにないルビィの姿があった。
理亜「る、ルビィ!!邪魔しないで「理亜ちゃんは少しお口チャックしてくれないかなぁ…??」…チッ!」
優馬「る、ルビィ、ちゃん?なんか雰囲気怖いんだけど…」
ルビィ「え~?そんなことないよ?」
そう否定はしているが明らかに様子がおかしい。
周りの皆もこちらを見て、何かあったのか気になっているようだったがそれも気にせずにルビィちゃんは続けて話をした。
ルビィ「でもね、ルビィたちが練習頑張ってた時にお兄ちゃん、イチャイチャしてるなんて…お兄ちゃんったらそんなにルビィたちに気にしてもらいたかったのかな~?」
優馬「ち、違う違う。そんなつもりじゃ…」
ルビィ「…そっか、そうだよね。お兄ちゃんがそんなことしないもんね。」
優馬「な、納得してくれた…?」
ルビィ「納得、はしたよ…でも、ね、その…」
なんだかルビィの様子がおかしい。
というよりもモジモジして、いつも通りのルビィにも見えなくはないのだが
先ほどまで修羅のような顔、そして仁王立ちをかましていたはずなのに、今度は顔を真っ赤に染めていたのだ。
優馬「ルビィ、さん…?」
ルビィ「ルビィも今日練習頑張ったなぁ…///」
優馬「…?」
理亜「はぁ…チッ…!」
ルビィ「次のラブライブで優勝するために練習頑張ったんだけどなぁ…!!///」
優馬「…あぁ」
そういうことか。
そうして気づいた僕は手をルビィちゃんの頭に乗せて
優馬「…」
ルビィ「あっ…///」
さっき理亜にやっていたように頭を撫でた。
これで合っているかどうかは分からないが…
優馬「…その、お疲れ様。頑張ったね///」
ルビィ「えへ、えへへ…///お兄ちゃん…///」
うん、多分、合っているとしよう。
考えるのを僕は放棄したのだった。
理亜「…もう休憩終わったでしょ。早く戻りなさいよ。」
ルビィ「お兄ちゃぁん…///もう少し撫でて~…///」
理亜「チッ!!あーもう!戻れって言ってんでしょうが!!」
ルビィ「じゃあ理亜ちゃんがルビィの代わりに行ってよ!!今、ルビィはお兄ちゃんに撫でてもらうのに忙しいもん!!」
理亜「は、はぁ!?そもそもこれはAqoursの歌とダンスでしょ!?あんたがいないと成り立たないじゃない!!」
ルビィ「じゃあ今日、ルビィはもう練習やらない!」
理亜「ば、ば、馬鹿じゃないの!?果南呼ぶわよ!?」
ルビィ「いいよ!呼んでみなよ!」
優馬「…はぁ、2人とも落ち着いて」
ルビィ「あっ…」
優馬「ルビィちゃん。」
ルビィ「お兄ちゃん…?」
優馬「甘えてくれるのは嬉しいし、こっちも応えたいって思うけど皆の迷惑になるようなことはダメだよ。やっぱりラブライブの優勝をかけたライブなんだから集中して頑張ろう?」
優馬「…それにルビィちゃんの頑張って踊っている姿、もっと観たいな。」
ルビィ「……~~っ!!///」
ルビィ「い、い、行ってきましゅ!!///」
すると、ルビィちゃんは急いで皆の所へと戻っていった。
僕は何とかこの場を乗り切れたのだった。
理亜「…兄さん、ごめんね、取り乱しちゃって。」
優馬「気にしてないよ。それにこっちこそごめんね。」
理亜「…ふふっ、皆、やっぱり兄さんの事、好きなんだね。」
優馬「え?」
理亜「だって、私が撫でられてる時、ルビィだけじゃなかったよ。見てたの。」
優馬「…ほんと?それ」
理亜「あの時はたまたまルビィだけ来たけど、姉さまも含めて、皆して、こっちを見て私の事を睨みつけてたくらいだもん。怖かったなぁ。」
理亜が言うなら本当なのだろう。
この子が嘘をつくとはあまり思えないし、表情から見ても嘘をついているとは思えない。
まして、ここで嘘をつくメリットも考えてみても無い。
理亜「…だけど、今この瞬間だけはお兄ちゃんを独り占めできたから嬉しい、かな///」
優馬「…何か言った?」
理亜「ううん、なんでもないよ…ただ、やっぱりここ来て正解だったのかもな、って思っただけ。」
優馬「…そっか///」
その時の理亜は年相応の女の子ではなく、まるで大人の女性のような表情だった。
僕はそれに思わずドキドキしてしまった、というのは僕のみぞ知ることである。
ちなみにこの後、理亜は練習終わりにルビィを除いた皆から説教を喰らうのだった。
いかがだったでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?
-
高海千歌
-
桜内梨子
-
渡辺曜
-
松浦果南
-
黒澤ダイヤ
-
小原鞠莉
-
津島善子
-
国木田花丸
-
黒澤ルビィ
-
鹿角聖良
-
鹿角理亜
-
誰とも付き合わない