無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
我慢強いのは良いことなの?
それではどうぞ。
~内浦・浦の星学院・スクールアイドル部部室~
優馬「…はぁ」
あの件から1週間。
もうすでに11月中旬へと差し掛かろうか、というところ。
となると、ラブライブも近づいているわけなのだが
優馬「謎のわだかまりがあるんだよな…」
と言っても、全員とわだかまりがあるというわけじゃない。
僕が言っている相手はあの時の電話の相手…曜だ。
あの電話から関係が悪化したわけじゃない。
むしろ『表向き』は良好な関係を築けている。
だが、それが問題なのだ。
僕が部室でうんぬんと唸っていたら急に扉が開いた。
善子「こんにちはー…ってあれ?優馬だけ?」
優馬「こんにちは…今のところはね、じきに皆来ると思うよ。」
善子「あ、そう…りょーかーい…」
皆が揃っていないことが不服だったのか、あまり良い返事ではなかった。
ノロノロと歩き、荷物を机の上へ雑に置いたと思えば、携帯を取り出して僕の隣に座った。
優馬「…なんかいつもの席じゃなくない?」
善子「…今日はここの気分なの!///」
優馬「なるほど…」
思わぬ勢いに負け、僕は納得してないのに納得した返答をしてしまった。
だけど、それ以降はお互い、干渉せずにただただ無言で時間が過ぎて行った。
優馬「…」
善子「…」
優馬「……」
善子「……」
優馬「………」
善子「………ねぇ、あんたなんかあったの?」
優馬「…はい?」
その時間はあまり長くは無かった。
沈黙からおよそ2分、善子が突然脈絡のない質問をしてきたのだ。
善子「いやだって、なんか元気なさそうだし。最近さ。」
優馬「…そうかな?いつも通りにしてたはずなんだけど」
善子「全然いつも通りじゃない。しんどそうな顔して…それでなんかあったの?」
優馬「…いや、なに「真面目に言って。」…」
善子「こっちは真剣なのよ。ちゃんと話して」
優馬「…」
善子「そう…また、頼ってくれないのね。」
優馬「また?」
善子「…初めて私たちが東京のステージに立つ前、旅館の外で話したの、覚えてない?」
はっ、とした。
まさに今、僕はその時と同じ状況な事に気付いた。
善子「優馬が聖良に言われて何か引っかかって、でも分からなくて悩んでた時…あの時も私が言うまで誰にも言ってくれなかった。」
善子「…そして今も。あの時と同じ顔でまた悩んでる…そんなに私、頼りない?」
優馬「ち、ちが…」
善子「…言ったはずよ?優馬が背負うものは私も背負う。そうすれば重さ半分だからって…なのに、どうして?」
優馬「善子…」
善子「これだけじゃない…今までの事もそう。全部自分で何とかしようって、自分がやらなきゃって…」
善子「そばにいるのに、いてあげたいのに、頼ってくれない、頼られないって、結構辛いの…」
ぽつり。
ぽつり。
紡がれていく哀しみに溢れる言葉の一つ一つ。
昔の僕だったら響いていなかっただろう言葉の数々。
だけど、今は違う。
彼女たちと関わり始めて、少しずつだけど人間らしさが戻り始めて…
だからなのか、善子の言葉が今まで以上に心に刺さってしまう。
優馬「…ごめん」
善子「…別に謝って欲しいわけじゃない。」
優馬「…」
また訪れる沈黙。
この時間が何分、いや何時間と感じられる。
今、善子は何を思っているのだろうか。
そして、僕は頼ってしまっていいのだろうか。
言葉は刺さった。
今まで善子の想いを踏みにじってしまっていた自覚もある。
けれど、それでも…
優馬「…ごめん」
善子「…っ!…そう、あくまでも自分で何とかするのね…」
優馬「…」
善子「…ふぅ!あーあ!分かったわ!そこまで言うなら仕方がないわ!」
優馬「善子…」
善子「ヨハネ!よ…今は聞かないであげる、けどいつか聞かせて、この瞬間、優馬が何を考えてて、何を想っていたのか、そして誰を想っていたのか…を」
優馬「…うん。その、この悩みが解決できた時、真っ先に善子に伝えるよ。感謝の気持ちも込めて、ね。」
そう伝えた時、いつも通りの善子の屈託のない笑顔が浮かんだ。
…その裏にはたくさんの哀しみが隠れていたことに気付かなかったんだ。
~善子side~
あーあ。
結構チャンスだと思ってたんだけどな。
勇気出したつもりだったんだけどな。
どうにも私じゃ力不足だったみたい。
本当は分かってるよ。
貴方が何を悩んでいて、誰を想っているのか。
でも、今は聞かない。聞いてあげない。
もし、これで優馬が言い始めたらはっ倒そうかと思ったもの。
だから、気付いてしまった私に蓋をするの。
だって、開けてしまったら私の初恋が、終わってしまう気がするから。
善子(…本当、この時間の間に誰も来なくて良かった。)
最近は色んなことで忙しくてろくに話せずにいた。
けれど、ようやく今日、2人きりで話せた。
優馬のそばに居れた。
私はそれで満足。
満足、のはず。
善子(…あ、れ?)
頬を伝う一筋の雫。
なんでだろう、涙が出てしまった。
善子「あ、あー!ちょっと教室に忘れ物したかも!ちょっと一回抜けるわ!!遅れたら優馬、上手く言っておいて!!」
優馬「へ?あ、うん…行ってらっしゃい…?」
~浦の星学院・廊下~
善子「…は、はは、あはは、あはははははは!」
笑うしかない。
こんな無様な姿。
なんだもう私ってば、もう気持ち知ってるのに。
振り向いてもらえない、って気づいているくせに。
なんで今さら、涙なんて。
分かっていたことじゃない。
私は高校で出会っただけのただの一目惚れ。
想いが強い相手なんて、そんなの分かっていたはずなのに。
善子「は、は、は…あ、あぁ…あぁぁぁぁぁ!!!」
私は堕天使ヨハネ。
従者たちを導く、高潔なる天使。
なんて、私の幻想。
本当はもとより羽も無く、飛べもしない。
ただの人間であり、乙女。
失恋して、心がズタズタで、前すら向けずにいる。
ただの、弱虫。
「あ、善子ちゃ、って…ど、どうしたの?だい、じょうぶ?」
善子「っ!」
優しく声をかけてくれた。
でも、ごめんなさい。
声をかけて欲しかったのは優馬なの。
そう思って、上を見上げた。
その時、私の感謝と今の考えに対する自責の念に駆られていたはずの私の心が
黒い嫌悪感へと変わってしまった。
だって、そうでしょう?
声をかけてきた相手が優馬の悩みの種である
曜「よ、善子ちゃん…?」
善子「…ヨハネ、よ。あと大丈夫だから、気にしないで。」
曜「で、でもすごい泣いてたし…」
善子「あんたには関係ないでしょ!!??」
違う。これはただの八つ当たり。
それでも止まらない。気に食わない。
こんなの違うって分かっているのに。
曜「ご、めん…」
善子「…私もごめんなさい。急に声荒げて…」
善子「それよりこれから部室?」
曜「う、うん!そうだよ!」
善子「…そう。けど残念ね…まだ皆来てないみたい。」
曜「え、あー…そうなんだ…ってことは部室に誰もいない?」
善子「…いや、優馬が」
曜「っ!」
あーあ、本当、分かりやすい。
そんなに動揺しちゃって。
何があったかは知らないけれど、やっぱりあんたが原因だったんだ。
善子「どうしたの?」
曜「え、い、いやー…そっか、優が一人かー…」
善子「そうだけど…行かなくていいの?2人きりになれるチャンスよ?」
曜「え、えーっと…あ、あー!まだ先生に聞かなきゃいけないことがあったんだった、あ、あははー…」
それじゃあね!
そう言って、彼女はまた違う方向に駆け出してしまった。
見え透いた嘘だって分かっている。
目が泳いでるのがバレバレだもの。
ずっと隠してばかり、嘘つきの曜はちょっと本当の事を突かれたらすぐに動揺する。
…本当、嫌な性格ね。
なら嘘なんてつかなきゃいいのに。
…なんて、私にもブーメランだけどね。
善子「…ふぅ」
私は1人の女の子。
それに乗じて恋もする。ときめく瞬間も、好きだー!って思う瞬間もある。
同じように、嫉妬もする。
だから決して”善い”子ではないのだ。
善子「…曜。」
ぽつり、とただ一人の憎い相手の名前を呼ぶ。
憎い、といっても増大な憎悪があるわけじゃない。
優馬を困らせるのだけは許せないってだけ。
でも、動機としては十分じゃない。
…曜を
いかがだったでしょうか。
怒らないからと、笑っているからと何してもいいわけじゃないです。
同じ人間、同じような考えをします。
嫌なものは嫌、辛いものは辛いんです。
けれどそれを表に出すことももっと嫌なんです。
だから溜め込んでしまう。
僕はそう、思ってます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?
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高海千歌
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桜内梨子
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渡辺曜
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松浦果南
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黒澤ダイヤ
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小原鞠莉
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津島善子
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国木田花丸
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黒澤ルビィ
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鹿角聖良
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鹿角理亜
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誰とも付き合わない