無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんにちは、希望03です。

ライブ前ですが執筆できたので投稿します。

それではどうぞ。


第75話 仮面を被る理由

~沼津・津島家・善子の部屋~

 

あれから私は部室へ戻ることは無かった。

Aqoursのメンバーと優馬には体調が悪くなった、という理由で休んだ。

 

しかし、荷物が部室に置きっぱなしだったことを思い出し、どうしようかと思ったが同じ沼津住ということで曜が持ってきてくれるそうだ。

 

本当は優馬に来てほしかったが、曜が来てくれるのならそれはそれで良しとする。

こっちだって聞きたいことがあるからだ。

 

と、部屋でくつろぎつつ、待っていると家のインターホンが鳴った。

 

曜「こんばんはー…善子ちゃん、いらっしゃいますかー…?」

 

善子「ヨハネよ。」

 

曜「あ、善子ちゃん!良かったー…元気そうだね!」

 

善子「だからヨハネよ…心配かけちゃったわね、ラブライブ前なのに…ごめんなさい。」

 

曜「いいよいいよ!元気そうなら全然問題ないからっ!」

 

そうしていつもの曜らしい活気ある笑顔で嘘をつき休んだ…言わばずる休み、をした私にこれでもかという程の悪意のない励ましをしてくれ、鞄を渡してくれた。

 

曜「よし…じゃあ、私は帰るn「ちょっと待って。」え?」

 

善子「…少し、お礼をさせてくれないかしら?」

 

曜「お、お礼なんて…私はただ家が近いからってだけで…」

 

善子「それでもよ。持ってきてくれたことには変わりはないでしょ?ほらほら感謝の気持ちくらいありがたく受け取っておきなさい。」

 

曜「で、でも…」

 

善子「いいからいいから!」

 

少し強引だったかしら。

と、自分でも思うくらいにはかなり不自然だったような気もするけれど、とりあえず上手くはいった。

あとは引き出すだけ…

 

~津島家・リビング~

 

善子「はい、どうぞ…紅茶で良かった?」

 

曜「ありがと…大丈夫だよ。」

 

それからわずかな沈黙。

お互いに紅茶を飲みながらゆったりとした時間を過ごしたいところだけど今はそうもいかない。

 

曜「…ふぅ」

 

善子「どう、美味しい?」

 

曜「あ、うん…すごく染み渡るよー…」

 

善子「そう…良かった。」

 

曜「…ありがとね。」

 

善子「大したことじゃないわ。」

 

曜「ううん、紅茶の事もそうだけど…気を遣ってくれてるでしょ?」

 

善子「…気づいていたのね。」

 

曜「だってあまりに強引だったんだもん。気づかないものも気づいちゃうよ。」

 

さすがにバレてたみたい。

ただ核心に迫ったような言動は無いということはなぜ家に上げてくれたその本心までは見破られていないみたいね。

 

善子「そうね…さすがに強引すぎたわ、ごめんなさい。」

 

曜「全然!むしろ嬉しいよ、ありがとね。」

 

善子「…それで聞いてもいいかしら?」

 

曜「…」

 

善子「曜、あんた、優馬と何があったの?」

 

曜「…気づいてたの?」

 

善子「何も全てに気付いているわけじゃないわ。ただ様子がおかしいのは明らかだったから聞いただけよ。」

 

曜「…そっか。」

 

たまたま曜は俯いて私の事を見てなかったけれど、この時の私は多分殺意も込めた目をしていたと思う。

本当なら今すぐにでも問い詰めて、二度と優馬に近づかないで、とでも言ってやりたいくらい。

 

でも、そうしなかったのは私のわずかに残ってた曜への善意。

 

これでも長い間、一緒にAqoursとして頑張ってきた仲間だもの。

 

だから…結局、私は憎み切れなかった。

 

そんなわずかな私の善意だった。

 

すると、少しの間俯いていた曜が再び、顔を上げた。

 

曜「じゃあ…話すね。」

 

 

そう言って、曜は口を開いた。

 

 

~津島家・渡辺曜の独白~

 

善子ちゃんが家に上がって、と言ってくれた時、私はその言葉を疑った。

善意で言ってくれているはずの言葉の中に何かほんの少しの憎悪も感じてしまったから。

 

なんでここまで私が敏感なのか、と言われると私の性格に起因する。

 

私は基本的に何でもできちゃう子、容量が良い子、と言われ続けた。

確かにやろう、頑張ろうと思えば何でもできるし、他の子と比べてもどちらかというと何に対しても臆せずに挑戦できる子だったような気がする。

 

けれど、それに対しての他の人たちからの嫉妬や僻み、妬みはたくさんあった。

もちろん、裏では陰口も言われてた。

 

私だってそれを聞いてたら嫌になるし、手を抜こう、と思った。

けど、それは大人たちが許さなかった。

 

大人たちは皆して私に期待して、期待して、期待して…

手を抜けば、怒られる。

手を抜けば、なんだ、こんなものか、と見下す。

 

結局、もう私には逃げ場なんてなかった。

私は一生、この嫉妬の嵐と期待の波に呑まれながら生きていくんだ、って思った。

 

そんな時、初めて会った男の子。

初めて、私と同じような人を見つけた。

それが優だった。

 

別に優はなんでもできるわけじゃない。

運動は並以下だし、生活力があるわけでもない。

けれど、誰よりも突出した才能があった。

 

それが頭脳だった。

 

とにかく頭が良かった優は小さい頃から神童だ、天才だ、と大人たちに囃し立てられていた。

けれど、優も普通の男の子。

ましてや、あの頃はまだ小さかった、それなりに遊びたい年頃だろう。

 

なのに、周りはそれを許さなかった。

 

言い寄る女の子たちだって、同じだ。

 

優が好き、と言って近寄ってるけど実際は優の才能による副産物のおこぼれを与りたいだけ。

結局は優の事を好きになんかなってないんだ。

 

つまり、人は皆、裏がある。

特に才能がある人、中心になる人に対しては皆して嘘をつく。

 

私はそれに幼いころから気付いてしまった。

 

だから、私は人の顔をよく見るようになった。

私の事をどう思っているのか、そして一番は

 

優を悪い奴から守るために。

 

けれど、久しぶりに再会した時、優は変わってしまっていた。

 

もうあの頃のような純粋な笑顔を向けてくれなくなってしまった。

 

だから、もう一度、もう一度。

私が一からそばにいて、見守って、大切に直していこう、ってそう思ってたのに。

 

 

気付いた時には遅かった。

優の傍にはたくさんの素敵な人がいて、そして輝きを、光をくれる千歌ちゃん(ひと)がいて…

 

気付いた時には私がいる必要がどこにもなくなってしまっていた。

 

怖かった。

今まで同じだと思っていた人が、一緒の想いで、ずっと守ろうって決めていたはずなのに

 

私がそばにいる理由が、無くなる。

 

そう、思ってしまった。

 

だから私は色んな行動を起こした。

とにかく優に振り向いてもらう、本当に守ってくれるのは(わたし)だけなんだ、って気づいて欲しかった。

 

けど、どれも失敗した。

 

全部千歌ちゃんに奪われた。

 

もちろん、憎かった。

なんで千歌ちゃんみたいな引っ付いてばかりの子が、って何度も思ってた。

 

でも、間違ってたのは全部私だったんだ。

 

優は庇護対象でもない。

守るべき存在じゃない。

 

私は今までずっと、優を対等の存在のように思っていたけど違う。

守るべき存在、つまり私はずっと下に見ていたんだ。

 

大人たちと一緒。

私も優を見下してたんだ。

 

だからずっと私は仮面を被ってた。

優よりも上の存在であると見せるために。

 

それに優は気づいていたのに、もう一度、一緒にって、手を、差し伸べてくれたのに、私は…

 

私は、それを拒んだんだ。

 

だから、私は決めた。

この時から私は優に弱いところは見せないって。

 

 

…それが拒否した者の宿命だから

 

 

曜「じゃあ…話すね。」




いかがだったでしょうか?

話なげえな、って人いると思います。
すみません。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
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