無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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こんばんは、希望03です。

誰かとは言いません。
現場、動きます。

どうぞ。


第77話 貴方を振り向かせるために、やらなくちゃいけないことだから

~沼津・津島家・善子の部屋~

 

善子「なるほどね…」

 

『…やることは変わらない。優を悪い人から守る、それは変わらない、けど私がどれだけ振り向かせようとやってきても全部、千歌ちゃんに盗られて…私じゃ優の隣には並べないんだって分かったの。』

 

『だから、私はもう、いいんだ。』

 

善子「…」

 

曜はそう言い切った。

 

もう、私は良いのだ、と。

 

ようはもう優馬の事は諦めた、ということだ。

まぁ、決めるのは優馬だけど。

 

それでも今後、変わるかもしれないアプローチをしない、ということ。

 

果たして曜は本当にそう踏ん切りをしたのだろうか。

 

善子「…私だったら、できないわ。」

 

そう、私だったらできない。

…実を言うと私は曜に対してどこかシンパシーを感じている。

自分は主役になりきれないところ、誰かに譲ってしまう所、自分は裏で支えられればいいという考え方…

 

善子「…本当に踏ん切りはつけられた?」

 

多分…いや、きっと曜は諦めきれてない。

それもめんどくさいことに自分ではそこに気付けていない。

 

善子「…本当、世話の焼ける人」

 

私ができることはここまで。

これ以上干渉したら私のことも疎かになっちゃうもの。

 

 

~内浦・浦の星学院・スクールアイドル部部室~

 

ついに月は師走、12月になった。

そして僕が曜と電話をしてから1週間が経っていた。

12月と言ったらもうラブライブの決勝まで残り2週間も無い。

それなのに僕は未だに…

 

優馬「決めきれてない…」

 

覚悟は決めた。

必ず3年生の最後のライブ、つまりこの調子でいけばラブライブ決勝が最後のライブ。

そのライブ後に…そう決めたのだ。

なのに、僕は…

 

優馬「はぁ…」

 

 

「あれ?優君?」

 

優馬「その声は…」

 

梨子「その声は、って…私を誰だと思ってたの…?」

 

優馬「ごめんごめん…ちょっと考え事をしてて…」

 

梨子「考え、事?」

 

優馬「…うん」

 

梨子「それって…私とかにも言えないこと?」

 

優馬「…」

 

考え事。

僕はなるべく誰かのために力になりたかった。

けれど、僕の悩みは

 

優馬「…僕が解決しなきゃ、いけないことだから」

 

梨子「っ…そ、っか」

 

梨子の顔、まるで泣きそうだった。

その顔はすでに知ってる。

だって、何度もそんな顔をさせてしまったから。

 

ごめんね、でも、こればかりは言えないんだ。

 

だから、

 

優馬「ごめんね…」

 

梨子「…いつか話してくれる?」

 

優馬「…」

 

梨子「そっか…」

 

一瞬の沈黙。

ものの数秒、でも、この感覚も経験済み

数秒がまるで数分、数時間のように感じてしまう感覚。

その沈黙が過ぎた時だった。

 

梨子「ねぇ、優君。」

 

優馬「…?」

 

顔を見合わせた。

梨子の顔は真剣でありながらどこか怒っているようで、僕にはその怒りが何なのか分からなかった。

 

梨子「…ずるいよ、優君。」

 

優馬「ずる、い?」

 

何がずるい?

 

悩みを打ち明けないこと?

 

覚悟を決めてるけど決めきれてないこと?

 

でも、それはしょうがないじゃないか。

僕だって悩んでるんだ。

 

1人で、誰にも打ち明けられずに。

 

僕の覚悟の話だけじゃない。

覚悟を決めたからこそ、曜の態度だって気になってしまっている。

以前、善子から曜は心配ない、と教えられた。

 

けれど、それでもどうしても気になってしまう。

 

覚悟を決めるはずなのに、気になってしまう。

 

…揺らいで、しまう。

 

でも、これを打ち明けてしまうのは同じように覚悟を決めてくれてる彼女たちに対しての敬意として許せない。

 

だから、ずるくない。

 

ずるく、ないはずなんだ。

 

梨子「優君。」

 

気付けば梨子の顔が目の前にあった。

綺麗な眼、白い肌、綺麗に整った顔…

あの頃からさらに魅力的になった、梨子の顔。

思わず僕は見惚れてしまった。

 

梨子「優君、私…私は…!」

 

梨子「ずっと、ずっと!優君の事が、大好き…!大好きなの!」

 

優馬「…り、こ」

 

梨子「…あはは、今まで色んなアプローチをしてきたけどちゃんと私の想い、伝えてなかったから…」

 

驚きはしない、と思った。

でもまさかこのタイミングだとは思わなかった。

 

嬉しい。

 

素直に嬉しい。

 

けど、答えられない。

 

今は、まだその告白には。

だから、どうしても嬉しさの中に後ろめたい気持ちが芽生えてしまう。

 

優馬「そっか…」

 

梨子「…今は答えが欲しいとは思ってないよ。けど、いつか本当にその悩みが解決できた時…私、待ってるから、ね。」

 

優馬「…うん。」

 

 

~浦の星学院・スクールアイドル部部室前~

 

果南「は…は…は…」

 

今、何が起こったの?

中にいるのはゆうと、梨子…?

それでゆうと梨子が話してて、そしたら梨子が急に、ゆうに告白を…?

え?なんで?

 

果南「だ、いじょうぶ…大丈夫だよ…だって、鞠莉が言ってたじゃん。ゆうはもう好きな人がいるって、だから梨子が告白したところで何も変わらな…」

 

もし、この告白がきっかけでゆうの心が変わったら?

 

そもそも鞠莉の話は本当なの?

 

鞠莉が話してたのは実際にゆうが言ってたこと?

 

ただの鞠莉の憶測じゃなくて?

 

もし好きな人がいる、ってことが憶測だったら?

 

ゆうは今、まだ決めきれてないことになる。

ということは告白した時点でゆうの気持ちが揺らぐ危険性がある。

 

果南「大丈夫、大丈夫、大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…」

 

やだ、ゆうがいなくなっちゃう。

 

怖い。またいなくなっちゃう。

 

私の初恋の人。大好きな人。愛する人。

 

盗られちゃう。今、動かなきゃ。

 

けど、だけど、動かない。

身体が思うように動かない。

 

想いを伝えるのが、怖い。

 

 

~浦の星学院・廊下~

 

気付けば私は走り出していた。

また逃げてしまった。

皆、覚悟を決めて、勇気を出して、告白やアプローチを掛けているのに

私は、私は…

 

果南「…私、何してるんだろ。」

 

ふと、外を眺めるともう日が落ち、辺りが薄暗いオレンジ色に染まっていた。

それが綺麗で、儚げで、まるで

 

果南「ゆうみたい…」

 

ちょっと暗いけど温かく見守ってくれる。

でも、ふと見せる綺麗な顔、表情、しぐさ。

それが私には輝いて見えて、あぁ、やっぱり私は

 

果南「好きだよ…好きなんだよぉ…」

 

貴方に見て欲しい、貴方をずっと見ていたい。

それくらい貴方の輝きが、ゆう自身が

 

大好きだった。

 

果南「…部室、行かなきゃ」

 

きっともう皆も集まり出してるだろう。

けど、あの空間にゆうと梨子が2人きりで梨子が告白してて…

それを思い出すだけで戻りたくなくなる。

でも、逃げても変わらない。

 

果南「…ゆう、私はもう逃げないよ。」

 

ずっと揺らいでいた私の覚悟。

ゆうの想いを打ち明けてくれる日をただただ待っていたあの時。

突き放されてしまう、いなくなってしまう、その恐怖から動けずにいた私。

でも、もうそんな私はお終い。

 

梨子も鞠莉もすごいよ。

ちゃんと自分の想いを伝えられて。

 

だから、私も…

 

ちゃんと向き合うよ。

 

 

~沼津・ダンス場~

 

優馬「…」

 

あれからいつも通り、僕たちは残り少ないラブライブ決勝にむけて練習を重ねていた。

練習を見るにすごくキレも上がってきていて、歌の調子も上がってきている。

それは分かる。けれど、どこか、どこか…

 

聖良「心ここにあらず、ですね。」

 

優馬「っ!」

 

聖良「…びっくりさせちゃいました?」

 

優馬「い、いや…僕もぼーっとしてたから…ごめん、全然集中できてなかったよ。」

 

聖良「…そうですね、優君もそうですけど、一番は…」

 

そうして聖良の視線はAqoursに向いていた。

 

聖良「…一番はAqoursの皆さんですね。」

 

優馬「…」

 

原因は分かっている、というのは自惚れかもしれないけれど

多分、僕が誰を選ぶのか、ということで頭がいっぱいなのだろう。

 

聖良「…もちろん、Aqoursの皆さんだけでなく私たちも、ですけどね…」

 

優馬「え…?」

 

聖良「理亜や私だってずっと気になってしまって…夜もあまり眠れないんですよ?」

 

優馬「ま、じか…ごめん…」

 

聖良「ふふ、私もからかってしまってすみません。でも、ちゃんと分かってくれて嬉しいです。忘れていると思っていたので…」

 

優馬「忘れるわけないだろ!」

 

聖良「…っ///」

 

優馬「急にごめん…大きすぎた…」

 

聖良「い、いえ…///そう、ですか…忘れてなんてなかったんですね…///ふふふ…///」

 

そうやって聖良と話に没頭していると練習が一段落し、休憩時間となったAqoursの皆が戻ってきた。

 

花丸「はぁ~~…疲れたずらぁ~…ゆ~うさ~…か、なんちゃん?」

 

鞠莉「だ~りぃ~ん…お水とタオルとハグをして~…って、果南?」

 

千歌「ゆうく~ん…充電…ん?果南ちゃん?」

 

それぞれ疲れてくたくたな状態で戻ってきていたらものすごい勢いで僕の下にやってくる果南がいた。

 

果南「…」

 

優馬「…か、なん?お疲れ…?」

 

相当疲れてるのか、目が据わっていた。

でも、なぜか水やタオルは取らない。

不思議に思っていると徐に口が開いた。

 

果南「好き。」

 

優馬「…え?」

 

聖良「は…?」

 

果南「好きだよ、ゆう。大好き。」

 

そう言って果南は僕の持っていたタオルと水を取り、すぐに向こうへと行ってしまった。

と、思いきや後ろを振り向き

 

 

果南「もう残り少ないからさ…毎日、告白して、意識、させてあげるっ♡」

 

 

AqoursやSaint Snowのメンバーがいる中でそんなとてつもない爆弾発言を残して去ってしまった。

 

ラブライブ決勝まで残り2週間弱、僕の覚悟は一体…




いかがだったでしょうか?

少しずつラブライブが近づいてきてるのでいい加減覚悟を決めろって話です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない
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