無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
傷は修復できても痕は残る
それではどうぞ。
~内浦・優馬家・優馬の部屋~
優馬「…面倒だな」
なぜ僕が懐かしくこう、呟いたか。
それは今日の練習時から聖良に言われたこと。
『今の彼女たちにはもしかしたら練習よりも息抜き、が必要なのかもしれませんね。』
『ということで、優君。明日、私とデートしましょう!』
息抜きが必要までは理解はできた。
彼女たちのピークをライブに持っていくために必要な処置であるということ。
しかし、なぜ聖良?
いや、別に嫌なわけではない。
むしろ、聖良は綺麗で、気が遣えて、優しいし、たまに見せるポンコツさがギャップあって可愛くて、僕にはもったいないくらいの人だ。
だが、僕にも息抜きの時間が欲しい、というのは我儘だろうか。
優馬「まぁ…僕の覚悟はついてるしな…」
このままだと彼女たちと1人1人、デートすることになるのはやむを得ないだろう。(今までの事情を鑑みて)
そしたらまた新たな問題ができる。
優馬「そうなったら、マルちゃんやルビィちゃんは…」
そう、僕がフッた彼女たち。
彼女たちはフラれた相手とデートする、となるだろうか?
優馬「それは…2人に聞いてみるか…」
我ながらなんて烏滸がましい悩みだ。
改めて言うが、これは僕がモテていると自負しているからとかナルシスト発言を自発的にしているわけではない。
あくまでも今までの事象、事情、様々な事件を踏まえた上での悩みだ。
決して、僕は世のモテない男たちを馬鹿にしているわけではない。
むしろ、僕も本来はそちら側の人間だ。
優馬「これを周りの男たちに言っても信じてくれないだろうなぁ…」
すると、SNSの着信が鳴った。
誰だろうと見てみると相手は
“松浦 果南”
《大好きだよ》
のみ。
優馬「…」
こういうことだ。
僕は別にモテていると錯覚しているわけではない。
しかし、こうもアプローチがあからさまになると、照れる。
来たなら返さねばならない。
そうして、僕はかっこよく、紳士的に返事を返す。
《ありがとう》
…かっこよさとはなんだろう。
優馬「はぁ…どうすんだ、もう…」
結局頭の中は明日からの事ばかり。
なんでもいいから早く時が過ぎて欲しい。
そう思い、僕はスマホを閉じ、目も閉じた。
~内浦・優馬家・玄関前~
優馬「ふあぁ…」
あれから僕は寝ようとしたんだけど、なぜか携帯が鳴り響いた。
誰かと思えば、果南。
やっぱりちゃんと私の声で言った方が良いな、っていうことで電話をしたらしく、結局、僕は夜通し、果南からのラブコールを受けた。
おかげさまであまり寝てない。
そんな調子だがちゃんと制服に着替え、学校に赴こうではないか、と意気込み、外に出たのだ。
偉い。
聖良「おはようございます♪」
優馬「うんっ!?」
突如聞こえた挨拶。
明らかにこちらに向かって言っている挨拶。
それが小学生や近所のおばちゃんとかなら微笑ましい。
しかし、その声は聴きなれた声。
そう、目の前には聖良がいた。
聖良「そんなに驚くこと無いじゃないですか。」
優馬「いや、驚くよ。なんでいるの?」
聖良「来ちゃいました。」
優馬「…」
聖良「さ、行きましょう?今日は一日、暇な時間はデートしますから!」
優馬「マジ?」
そんな地獄のような発言をされて、意気消沈になったが聖良に引っ張られ、なんとか学校へ向かった。
~浦の星学院・玄関~
聖良「今日、昼休みにまた教室行きますね。」
優馬「え。」
聖良「…一緒にお昼、食べませんか?」
そんな上目遣いで言わないで欲しい。
そういうのに弱いんだから。
すると、見慣れた髪型した女の子が僕の目線の先からやってきた。
曜「っ!」
優馬「あ…」
曜「…おはよう、優」
優馬「あ、うん…おはよう…」
聖良「…」
曜「聖良さんもおはようございます。」
聖良「おはようございます…」
そんな他愛もない挨拶だった。
しかし、どう見ても普段通りの彼女ではなく、元気が無かった。
優馬「…曜、元気ないな」
聖良「優君。」
優馬「?」
聖良「今は私だけに目を向けて欲しいです…」
優馬「…そうだね、ごめん。」
聖良「それで、昼食…一緒に食べても?」
優馬「分かった。教室で待ってるよ、それともそっち向かう?」
聖良「いえ、私が向かいますね…それじゃあ」
そう言って、聖良は教室へと向かってしまった。
悪いことをしたのは自覚している。
もう何度も同じ過ちを繰り返しているから。
こういうところなんだ。
優馬「最低だよ、僕は。」
~浦の星学院・昼休み・2年教室~
千歌「優くんっ!ご飯、食べよぉ!」
優馬「え、いや、今日は」
千歌「ん?何か用事?」
優馬「用事というか…」
曜「優、今日はちょっと予定有るんだよね?」
優馬「え?」
千歌「そうなの?」
なんで曜が知っているのか、多分、今日の朝の会話を聞いていたからなんだろうけど…
優馬「あ、あー…そうそう。予定がね…」
千歌「んー、そっかー…残念。」
優馬「ごめん、また埋め合わせはするから。」
千歌「っ!埋め合わせ…///うんっ!楽しみにしてるねっ!///」
梨子「…」
曜「…」
そうして、僕はなるべくバレないように、かつうまく聖良と鉢合わせするように教室を出た。
千歌「えへへ…///優くん、何してくれるんだろ…///」
梨子「ねぇ、曜ちゃん。」
曜「ん?どうしたの、梨子ちゃん?」
梨子「なんで優君が用事あるって知ってたの?」
曜「朝会った時にそんなこと言ってたからかな!たまたま聞いただけだよー。」
梨子「…そう。」
~浦の星学院・廊下~
聖良「…あれ?優君?」
優馬「あ、良かった…」
聖良「そんなこっちまで来なくても私が行くって…」
優馬「ちょっと…待ちきれなくてね…」
聖良「っ!?///」
なんだか爆発音みたいな効果音が流れたような気がするけど、流石にそんな近くで爆発なんて…ないだろ。
聖良「…///」
優馬「聖良?」
聖良「優君は少し女性の扱い方に慣れ過ぎてるのかもしれませんよ…///」
優馬「どういうこと?」
聖良「良いから!///行きますよ!///」
~浦の星学院・空き教室~
聖良「はぁ…ちょっと寒いですね…」
優馬「そうだね…でも、なんでここ?」
聖良「えー…人気が無いからです…」
優馬「…要は2人きりになりたかった、と。」
聖良「なんでちょっと察しが良いんですか!?///」
そりゃ、こんなところに連れてこられたらそう想像してしまうのも無理ないだろう。
一般男子だったら期待しちゃうくらいだ。
しかも、そこ否定しとかないと自分から墓穴掘ってるからね。
優馬「…意外とポンコツなんだね」
聖良「…早く食べましょう。」
ちょっと拗ねてしまった。
聖良「…」
優馬「…」
聖良「あの…今日の放課後、デート、してくれますよね?」
優馬「まぁ、それで聖良の息抜きになるなら喜んで行くよ。」
聖良「…ふふ、良かった。」
…これだけの話で聖良の機嫌が元通りになった、とは分からないがそれでも笑ってくれたので今はそれでよしとしよう。
~放課後・スクールアイドル部部室~
優馬「…じゃあ息抜きということで」
聖良「私と優君は今日、いないのでよろしくお願いします。」
「「「「「「「「「「…」」」」」」」」」」
皆の顔を見るに恐らく全く、納得してない。
なぜ一番最初がお前なんだ、と言ったような表情である。
しかし、言わない。
提案してくれたのが聖良だから、その想いを無下には出来ないんだろう。
聖良「では、行ってきます♪」
「「「「「「「「「「行ってらっしゃい…」」」」」」」」」」
なんとまぁ元気のない見送り。
まぁ自分たちはこれから練習するというのにこんなことされたらたまったもんじゃないだろう…
優馬「…明日以降も空いてるから息抜きしたい人から順次、言ってね。」
「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」
曜「…」
千歌「ならちk「明日、私とデートしてくださいっ!」なぁ!?」
優馬「ダイヤ…」
ダイヤ「…///駄目ですか?///」
優馬「…駄目じゃないよ、分かった。」
ダイヤ「っ///」
聖良「…終わりましたか?」
優馬「あ、ごめん…」
聖良「いえ…でも、今日は私ですから…それは忘れないでくださいね?」
優馬「…はい。」
~内浦・海岸~
優馬「デート…だよね?」
聖良「?そうですよ?」
優馬「これじゃあ散歩じゃ…」
聖良「いいじゃないですか。結果、息抜きになればいいんです。」
優馬「なるほど…」
そうして僕たちは砂浜を歩いていた。
こんな寒いのに海辺を歩くってどうなんだろう、と思っていたけどどうやら聖良には息抜きになっているみたいだ。
優馬「綺麗だね、海。」
聖良「えぇ…まるで函館の海みたい…」
優馬「…やっぱり戻りたいって思う?」
聖良「そうですね、たまに。」
そりゃそうだ。
幾数十年、北海道のあの地で育ってきたのに、この残りの時期に親元を離れて、こっちに来るくらいだ。
ましてや年頃の女の子、帰りたくなるのも当然、と言ったところだろう。
だが、そういう決断をさせてしまったのは、僕のせい。
優馬「ごめん、今まで。」
聖良「?」
優馬「気づいてあげられなくて、ごめん。」
聖良「…そんなの今さらだよ。」
優馬「ごめん」
聖良「もう、今さら遅いよ。優君。」
聖良「ずっと耐えてきたんだよ。理亜も、私も。」
聖良「あの時、君を救ってあげられなかった後悔に、そしてもう私たちが助けなくても良いんだって気づいたあの時も…ずっと、耐えてきた。」
聖良「私は優君に謝って欲しくない。でも、私たちを苦しめていた分、同じだけもう一度、優君には苦しんでほしい、って思ってる。」
優馬「…恨んでる?僕のこと。」
聖良「恨んでる、かな。けど、なんでなんだろうね。好きなんだよ。」
優馬「…」
聖良「どうせここまで来たなら付き合いたいし、Aqoursから優君を奪いたい。」
聖良「ねぇ、優君。」
優君「なに?」
聖良「好きです。」
優馬「…」
聖良「…優君が私だけへの後悔で苦しんでほしいくらい、傷跡として刻みつけられたいくらい、優君が大好き。」
優馬「…ごめん、なさい。」
聖良「そっか…そうなんですね。」
聖良「じゃあ、私をここまで苦しめたこと、一生苦しんで、後悔しますね。優君は。」
優馬「…そうだね。本当にそうだよ。」
聖良「じゃあ良かった。それだけでも報われた気がします。」
優馬「…」
聖良「じゃあ、帰りましょう。」
優馬「え…」
聖良「もしかして、もっと一緒に居たいんですか?」
優馬「いや、そういうことじゃなくて…」
聖良「もう私は満足しましたから、ね。」
そう言って、聖良は家の方向へ歩み出した。
僕はそれを、追うことができなかった。
なぜか、それは後悔と懺悔で足が震えていたからだ。
聖良「あ…そうでした。優君。」
優馬「…?」
聖良「私、こう見えても引きずるタイプなので!」
そう、聖良はとびっきりの笑顔で言い残し、ここを去って行ってしまった。
いかがだったでしょうか?
残り8人。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?
-
高海千歌
-
桜内梨子
-
渡辺曜
-
松浦果南
-
黒澤ダイヤ
-
小原鞠莉
-
津島善子
-
国木田花丸
-
黒澤ルビィ
-
鹿角聖良
-
鹿角理亜
-
誰とも付き合わない