無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について 作:希望03
それぞれの思惑が交錯する瞬間
それではどうぞ。
第84話 巡り合わせ
~内浦・海岸~
優馬「…」
あれから聖良とは別れ、僕は帰路についていた。
今日、聖良から告白をされ、僕は振った。
振ったことに後悔はない。
けれど、どうしても考えてしまう。
果たして1人を選ぶことが正しい選択なのか
全員と付き合えたら、なんて。
優馬「はは…しょうもな…」
全員と付き合う、だなんて…
そんなことができていたらとっくにしている。
しかも、結局それは選んでないのと一緒。
そして、今、僕は応えなくちゃいけない、その理由がある。
優馬「…あれ?」
そんな考え事をしながら家まで帰っていた時だった。
曜「…」
優馬「曜…」
曜は気づいていないみたいだけど、練習終わりだろうか、曜がいたのだ。
しかし、なぜ曜が?
本来、沼津で練習した後、善子と曜はそのまま帰宅のはずだった。
それなのになぜか曜がいる。
優馬「あ、千歌か梨子か」
方角的には千歌の家、もしくは梨子の家のどちらか。
恐らくだがどちらかの家でお泊り会でもやるんだろう。
優馬「でも、僕も同じ方向なんだよな…」
そう、千歌か梨子の家に行く、となると必然的に僕の家も同じ方向。
本当はこういうやり方はしたくないが
優馬「バレないように帰ろう…」
なるべく距離を置きつつ、曜の後に続いて帰ることにした。
…ストーカーではない。
~内浦・優馬家・玄関前~
曜「…」
優馬「…」
とりあえず僕の家には着いたのだが、それは僕だけじゃない。
まさかだが千歌の家でもなければ、梨子の家でもない。
曜は今、僕の家の前にいた。
曜「…優」
すると、曜は僕の家のインターホンを押した。
もちろんだが、僕の家には僕だけしか住んでいない。
つまりはこのインターホンを押しても誰も出ないわけだ。
曜「…いないんだ。やっぱりまだデートしてるよね。」
何か言っているみたいだったけど、全然聴こえない。
すると、曜はこっちに踵を返し、歩き始めた。
優馬「やば…!」
僕は間一髪といったところでちょうどいい隠れ場所に隠れた。
もちろん、曜はそれに気づかずに去ってしまった。
優馬「一体、なんだったの…?」
~内浦・海沿い・曜side~
曜「そっか、そっかそっか。」
楽しくやれてるようで良かった。
私の助けなんて、いらないみたい。
色んな女の子に声かけれて、デートして、モテモテで。
曜「私はもう特別じゃないもんね。優と同じじゃ、ないもんね。」
理想で特別で心優しい優。
理想の仮面を被って、蓋をあければ別に特別でも何でもない、嘘つきな私。
曜「やっぱり、身を引いて正解だったな…」
~内浦・優馬家・優馬の部屋~
優馬「明日はダイヤか…」
今考えてみればダイヤと2人で遊びに行くとか、出かけるというのは幼少期以来、かもしれない。
優馬「やっぱり結構月日経ってたんだ。」
ダイヤのあの時の表情、察するに恐らくダイヤも覚悟を決めたんだろう。
優馬「ちゃんと、応えなくちゃ、ね…」
すると、電話の着信音が鳴った。
相手は恐らくまた果南だろう…そう思っていたが、全く違った。
優馬「善子?」
善子「…なによ。私じゃダメなの?」
優馬「いや、そういうわけじゃ…珍しかった、というか…」
善子「ちょっと聞きたいことが、ね…」
優馬「聞きたい事?」
善子「優馬、聖良に告白された?」
優馬「…あー、そう、だね。」
善子「反応から察するにされたのね。」
優馬「…された。それで振ったよ。」
善子「そう…ま、私はもうあんたが誰を選ぶのか、大体分かってるつもりだから予想通りって感じね。」
優馬「え?」
善子「だから、まぁ、私の事は気にしないで大丈夫だから。デートとかはしてみたいけど、あんただってそれどころじゃないかもだしね。」
優馬「…」
善子「なんで黙るのよ…まぁ、そういうことだから、ごめんなさい。急に電話をかけちゃって。」
それじゃあ。
そうして善子との通話は終わった。
善子は色々な所で察しが良い、特に僕が思い詰めているときとか、見透かしているかのように。
だから余計に善子に負担をかけてしまっているようで辛くなってしまう。
優馬「ごめん、善子…」
~沼津・津島家・善子の部屋・善子side~
善子「…私も曜と同じものね。」
一体私は何をしてるんだろう。
優馬が誰の事を好いているのか、強がって自分は何でもない素振りをして
そして今、私は後悔する。
やっぱり一緒にゲーセン行って遊びたかったな、とか
アニメショップに行ってお揃いのグッズとか買いたかったな、とか
本当に些細なもの。
それでも一つの思い出として残したかったはずなのに。
結局私は優馬の前では善い子のフリして、結局自分がフラれてしまうかもしれないという可能性から避けて、逃げてるただの臆病者。
善子「ずら丸もルビィも…なんで告白できたんだろ…」
本当にすごいと思う。
自分の想いを伝えるのだって難しいのに、それでもきちんと正面から向き合って、好きだ、ってことを伝えているんだ。
私には到底、真似なんてできっこない。
善子「好き…優馬…大好き…」
声に出す。
けれど、それは無情にも彼には届かない。
ただの音として空へ消える。
何の意味も無い、ただの言葉の一つにしか過ぎない。
善子「本当、馬鹿みたい…私…」
情けない私。
堕天使として仮面を被る私。
本当はただの弱虫だけど、見えないように、悟られないように。
でも、もう疲れちゃった。
~内浦・浦の星学院・生徒会長室・ダイヤside~
ダイヤ「…ふぅ」
ついに今日、優とのデートの日。
そして、私の想いをきちんとお伝えする、大切な日。
ダイヤ「黒澤家の女として…いえ、黒澤ダイヤとして…」
そうして、教室へ戻ろうとした時だった。
鞠莉「はぁ~い♪ちょ~っと待ってくれる?」
ダイヤ「鞠莉さん?」
そこには鞠莉さんが立っていた。
鞠莉「…言いたい事があるの。中、入っていいかしら。」
言いたい事?何か学校関係のものであったのだろうか?
いつにない真剣な表情だった鞠莉さんに私は思わず、たじろいでしまった。
ダイヤ「え、えぇ…まだ時間はありますから…」
鞠莉「ふふ、ありがと♪」
ダイヤ「それで、言いたい事というのは?」
鞠莉「…今日、優とデートね?」
ダイヤ「…そうですね。きちんと私の想いを伝えなくては「本当に伝えられるの?」…え?」
鞠莉「ねぇ、ダイヤ。悪く思わないでね?私たちはあの頃を忘れちゃいけない。そう誓ったはずよね?」
ダイヤ「…もう優は過去を払拭して、前を向いて走り出しています。私たちも過去にこだわらず同じ道を進むべきでは?」
鞠莉「それで罪から逃れられると思ってるの?」
ダイヤ「逃れられるとは思ってません!!そんなこと、私だって分かっています…けど、それでも…」
鞠莉「抑えきれないんでしょ…?」
ダイヤ「…失礼します。」
鞠莉「…ごめんね、ダイヤ。悪く、思わないでね?」
~浦の星学院・廊下~
ダイヤ「…分かっていますわ。私だって、ずっと」
罪の意識。あの時、救えなかった私たち。
逃げるように去ってしまった彼。
引き留められなかった私。
鞠莉さんが言いたかったのはあの時、寄り添う事すらできなかった私たちに果たして今さら一緒に居たいと言える権利が在るのか、ということ。
ダイヤ「じゃあ、彼への想いは…!私の気持ちは…!どこに渡せばいいのですか…!!」
優馬「…ダイヤ?」
ダイヤ「…っ!」
~理事長室・鞠莉side~
鞠莉「…さすがにまずいわ。」
花丸に、ルビィ…果てには聖良までもが告白に乗り出した。
フラれようとも告白というイベントにより、優の気持ちが揺らいでしまうのは事実。
鞠莉「最初にアプローチを掛けたのは私のはずなのに…本当、皆はすぐ真似するんだから。」
腹立たしい。
今までで一番印象に残っていたのは私のはずだった。
優も間違いなく私に心を許して、揺らいで、一番近い存在だと感じていたに違いなかったのに。
全てが覆されている。
そして、ダイヤまでもが私の邪魔をする。
鞠莉「もうこれ以上、邪魔はさせないんだから…」
優の一番は私、私じゃなきゃダメなの…!
~浦の星学院・保健室・ダイヤside~
ダイヤ「すみません。わざわざここまで…」
優馬「いや…だって、あまりにも顔色が悪かったから…」
ダイヤ「…もう、大丈夫ですわ。授業行かなくちゃなりませんから。」
優馬「駄目だよ。まだ顔色が治ってないじゃないか。ちゃんと休んだ方が…」
ダイヤ「大丈夫ですから…優は、気にしないでください…」
優馬「…分かった。今日のデート、楽しみにしてるね。」
ダイヤ「っ!」
今、楽しみにしてるって…?
ダイヤ「今…!」
優馬「今?」
ダイヤ「今、なんて…?」
優馬「分かったって…」
ダイヤ「その次ですわ!」
優馬「デート楽しみにしてるって…」
ダイヤ「…ふふっ///そうですわね…優がそこまで楽しみにしてるなら早く体調を戻さなくてはなりませんねっ!」
あの出来事は私たちにとって、絶対に忘れてはならない出来事。
そして、一生かけて償わなくてはならない罪。
でも、今、この瞬間、この時だけは忘れよう。
だって、もう二度と戻らないのだから。
いかがだったでしょうか?
遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?
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高海千歌
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桜内梨子
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渡辺曜
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松浦果南
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黒澤ダイヤ
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小原鞠莉
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津島善子
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国木田花丸
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黒澤ルビィ
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鹿角聖良
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鹿角理亜
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誰とも付き合わない