無気力な僕がAqoursのマネージャーになってしまった件について   作:希望03

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・鹿角理亜
→姉、優馬どちらとも大好きだが一歩優馬の方が好き。そのため、姉だろうとも優馬に手を出せば許さない。ヤンデレ度合いで言えば以前の騒動の首謀者という点からトップレベル。自身が今まで助けられてばかりな分、今度は自分が助ける番だと意気込み、優馬への過保護になりつつある。

こんばんは、希望03です。
上記は今回のキーパーソンです。
それではどうぞ。


第87話 取引

~高海家・千歌の部屋~

 

千歌「はぁ~…」

 

最近、溜息が出るようになってしまった。

別に疲れているわけでもラブライブが不安ということも無い。

むしろ、適度な練習量で質高くやっている分、不安も無い。

だけど、この溜息の原因はまた別にある。

 

千歌「優くん…」

 

大好きで大切で、特別な人。

その人と最近、話せていなかったり、会えていなかったり…

今までは家も隣同士で、何かとお互いに気にかけていてだったのに、最近はそんなことも無くなってしまった。

 

本当はもっと話したいし、抱きしめて欲しいし、好きって気持ちをもっとたくさん伝えたい。

けれど

 

(期限は3年生にとっての最後のライブまで。)

 

(その時が来たら、僕が皆のうちの誰かを選ぶ。)

 

千歌「あんなに力強く言われちゃったら待つしかないじゃん…」

 

あくまでも選ぶのは優くんだ。

だから私はもう優くんに委ねることにした。

きっと私を選んでくれる、千歌を見てくれるって信じているから。

 

そんな時だった。

なんだか胸騒ぎがしたのは。

 

足音が聞こえたため、ふと下を見てみるとそこには優くんの家へと向かう梨子ちゃんの姿が見えた。

 

千歌「梨子ちゃん?こんな夜中にどうしたんだろ…」

 

さすがに夜中も夜中。

しかも行き先は優くんの家、それだけで胸のざわざわが収まらなくて…

 

千歌「…行かなきゃ。」

 

私は後を追うように駆け出していた。

 

 

~優馬家~

 

千歌「…」

 

中に入ろうにも勇気が無い。

今、何が起きているのか、梨子ちゃんが何をしているのか。

果たしてここで乱入して優くんに嫌われないだろうか。

そんな考えがずっとあって、前へ進めなかった。

 

千歌「はぁ…帰ろ…」

 

折角来たけどこればかりはしょうがない。

見たくないものは見たくないのだ。

そうして帰ろうとした時だった。

 

梨子「え、千歌ちゃん…?」

 

千歌「あ…」

 

最悪のタイミングでのバッティングだった。

 

 

~内浦・海沿い~

 

梨子「それで、追ってきたってことなんだね。」

 

千歌「うん…」

 

私はなんで優くんの家の前にいたのか、を梨子ちゃんに話した。

なんで海沿いにいるのか、は…まぁここが一番話しやすいからだ。

 

梨子「そっか。じゃあなんで中に入ってこなかったの?千歌ちゃんならやりそうだけど…」

 

千歌「む…それは失礼だよ!流石にちゃんと空気を読むというか、なんというか…」

 

梨子「でも追ってきたってことは少なくとも気にはなってたんだよね?」

 

千歌「…」

 

なんだか梨子ちゃんが怖い。

なんでなのかは分からないけれど、雰囲気かな?ちょっと怖く感じた。

 

梨子「…何も言わないつもりね。」

 

千歌「梨子ちゃんがなんで優くんの家にいたのかをまず知りたいよ…なんで?」

 

梨子「それを聞いて千歌ちゃんをどうしたいの?」

 

千歌「え?」

 

梨子「私が“もし”優君の家で何か千歌ちゃんにとって都合の悪いことをしていたとしたら千歌ちゃんはどうするの?」

 

千歌「い、いや…別に…」

 

梨子「…ごめんなさい、そんな問い詰めるようなつもりは無かったの。」

 

千歌「え、いや大丈夫!だけど…やっぱりどうして優くんの家にいたのかが知りたい、かな?」

 

梨子「…ちょっとした悩み相談、かな。」

 

千歌「悩み、相談?」

 

梨子「ふふ、そうよ。」

 

そう言って話す梨子ちゃんの表情は悩みがあるというよりも悩みを感じさせない程、優越感に浸っているようなそんな表情だった。

 

千歌「…本当に悩みあるの?」

 

梨子「…それどういう意味?」

 

千歌「本当に悩みがあると思えないよ。その顔を見たら…!」

 

梨子「え…?私、顔に出てた?」

 

千歌「うん、思いっきりね。」

 

梨子「…ふふ、ごめんなさい。なんだかさっきの事を思い出すとこれからが楽しみで…ね。」

 

千歌「なに、それ?どういう意味?」

 

ますます意味が分からない。

悩みがあるんじゃないの?楽しみって何?さっきの事って…

 

千歌「優くんに、優くんになにしたの!?」

 

梨子「わ…怖いよ、千歌ちゃん。そんなに怒ってどうしたの?」

 

千歌「そんなの…!」

 

怒るに決まってるじゃん。

とも言えない。

数か月前なら多分言ってたと思う。突っ走って、結局優くんに迷惑をかけての繰り返しで。

それでも止められなくて。

でも今は違っていた。優くんが覚悟を決めたってそう言ってくれたから。

例え私じゃなくても優くんが覚悟を決めたのなら待つだけ。

そのはずなのに…

 

千歌「耐えられないよ、優くん…」

 

梨子「…?千歌ちゃん?」

 

千歌「梨子ちゃん、教えてよ…!何話したの…何を、優くんに話したの!!」

 

気付いた時には私は梨子ちゃんの胸ぐらを掴んでしまっていた。

 

梨子「…千歌ちゃんってば、本当に後先考えないで突っ走っちゃうよね?」

 

千歌「っ…それは…」

 

梨子「そんなに優君を盗られたくないの?」

 

千歌「…梨子ちゃんだってそうでしょ?」

 

梨子「うん!もちろん!」

 

千歌「じゃあ同じじゃ「うん、同じだね。」…え?」

 

梨子「うんうん…千歌ちゃんと同じだよ。私も優君のことになったら周りが見えなくなっちゃうし、誰にも盗られたくない。私にだけ好きって言って欲しい…ふふ、独占欲の塊みたいね?」

 

千歌「独占…」

 

どこかその言葉の響きに私は激しく魅力を感じていた。

優くんが私だけを見てくれる、優くんが私だけを呼んでくれる…

 

優くんが私だけを愛してくれる!!

 

梨子「ね、千歌ちゃん♪」

 

千歌「ふぇ…?」

 

梨子「…一緒に優君、独り占め、したくない?」

 

千歌「っ!?」

 

魅力的だ。それだけは理解できる。

けれど、果たしてそれでいいの?

だって、優くんは私たちの誰かを選んでくれるって、選ぶのは優くんで…

でも、優くんが私以外の誰かと…

 

梨子「…なーんてね、冗談だよ?」

 

千歌「あ…」

 

梨子「もしかして期待させちゃった?」

 

千歌「そ、そんなことないよ!だ、だよね…そうだよね…独占なんて…あ、あはは…」

 

ふと過った私の悪い考え。

誰かに盗られないように、私が大事にしていた宝物のように。

一生私しか見れないようにしてしまえば、だなんて…まるで数か月前の私と一緒…

二度とああはならないって、決めてたはずなのに。

 

梨子「…ふふ、じゃあ私はもう帰るね?」

 

千歌「あ…う、うん…おやすみ~…」

 

そう言って、梨子ちゃんは帰ってしまった。

結局、梨子ちゃんが優君に何を言ったのか、分からないまま。

 

千歌「もし、梨子ちゃんが…優君を唆していたら?」

 

まさか、この期に及んでそんなこと…

と思いたいけれど、Aqoursの皆もSaint Snowの2人もやりかねないのだ。

結局、私と同じで、盗られたくないんだから。

 

千歌「…少し気をつけなきゃ、優くんに危険が及ばないように。」

 

これは私の愛が強いとかじゃない。

周りの皆が優くんに悪いことをしないようにするためだ。

だから、私は悪くない。

 

だって、私が優くんを守るんだから。

 

 

~梨子side~

 

あーあ、やっぱり千歌ちゃんも同じなんだなぁ。

果南さんも鞠莉さんもダイヤさんも、善子ちゃんもルビィちゃんも花丸ちゃんも。

理亜ちゃんも聖良さんも。

そして、曜ちゃんも。

皆、みーんな。

同じだわ。

 

結局優君に好かれたくて、愛されたくてしょうがない。

だから意味の分からないデートの日を設けようだなんて言ったんだ。

 

自分が独り占めできないからって。

 

それで優君がどれだけの苦労を強いられているか。

分かっていない。

 

梨子「でも、千歌ちゃんはもっと突っ込んでくると思ってたけど意外と冷静だったわね。」

 

思わず独占って言葉をちらつかせたけど、やっぱり千歌ちゃんは食いついていた。

それは目を見て分かった。だって、あの言葉を言った瞬間に目が輝いていたんだもの。

 

だけど意外にもこっちの提案には乗らなかった。

 

梨子「何か考えでもあるのかしら?」

 

本当に自分だけ独占できるような策でも?

だとしたら…

 

梨子「まずは優君に危害が加わらないようにしないと、ね。」

 

だって、今優君の事を分かってあげられるのは、助けてあげられるのは私しかいないんだから。

 

梨子「私が優君を皆から守らなきゃ。」

 

 

~優馬家・優馬の部屋~

 

優馬「…」

 

“優!私頑張るから!”

“ちゃんと見ててね、優!”

“懐かしいね、優くん?”

 

“…ごめん。また後で。”

“何か用?”

 

明らかに違っていた態度。

本当は分かっていた、けれど気づかないふりを続けてきた。

 

優馬「はぁ…」

 

~♪~♪~♪

 

優馬「っ!?」

 

急に鳴り出した電話。

 

優馬「…これが曜だったらな。」

 

そうして見た画面には曜…の名前ではなく、理亜の名前だった。

 

優馬「理亜?」

 

理亜「あ、出た。」

 

優馬「いやそりゃ出るよ…どうしたの?」

 

理亜「いやどうというわけじゃないんだけど…ちょっと聞きたい事があって…」

 

珍しい理亜からの電話に驚いたけれどどうやら聖良から色々聞いたらしい。

聖良や他の皆とのデートとの件、その度に僕が振っていると。

 

理亜「本当に覚悟決めたんだね。」

 

優馬「…まぁ、ね。」

 

理亜「?なんか兄さん…元気ない?」

 

優馬「え?あ、あー…普通だよ?」

 

理亜「嘘。声色から分かる。何かあったの?」

 

優馬「…」

 

理亜「…言えないこと?」

 

優馬「言えないわけじゃないんだ…自分でもこんなの初めてでどうすればいいか分からなくてさ。男のくせに情けないよね。」

 

理亜「…兄さん。」

 

優馬「?」

 

理亜「明日、私と出かけて欲しい。」

 

優馬「え」

 

理亜「それとも他の誰かと約束してた?」

 

優馬「い、いやそれは無いけど…急にどうしたの?」

 

理亜「私は直接Aqoursのラブライブ決勝には関わっていないけど、そのマネージャーである兄さんがこんな調子だとAqours全体に響いちゃうでしょ?」

 

優馬「う…確かに…」

 

理亜「だから、私じゃ物足りないかもだけど話、聞いてあげるから…だめ?」

 

優馬「理亜…」

 

優馬「じゃあ、お言葉に甘えて良いかな?」

 

理亜「っ!///任せて!///」

 

それじゃあ!と勢いよく理亜からの電話は切れてしまった。

 

優馬「…もう昔の理亜じゃないんだよな。」

 

 

~鹿角家・理亜の部屋~

 

理亜「…ついに、私の番、か。」

 

元はと言えばAqoursのメンタルヘルスのために始まった兄さんとのデート案件。

花丸やルビィ、果ては姉さままですでにデートをしたみたいで今日はダイヤの番だった。

しかも聞くところによると皆、そのデートの先で兄さんに想いを伝えているみたいだった。

 

本当の所を言ってしまうとさっきの電話でデートに行こう、だなんて伝えるつもりは無かった。

ただ兄さんの声が聴きたくって、電話しただけ。

けれど、兄さんの声がなんだか元気が無いように聴こえたからなんとかしてあげたくて、それで切り出してしまった。

 

“…自分でもこんなの初めてでどうすればいいか分からなくてさ。男のくせに情けないよね。”

 

理亜「情けなくなんてないよ、兄さん…むしろ兄さんの優しさにいつも皆が助けられてる…」

 

私は明日、想いを伝える。

数か月前の私だったら私を選んでほしかったけれど、今は違う。

選ぶのは兄さん。

だから、私は兄さんに私の想いを知って欲しい、それだけ。

 

それだけ…だから。




いかがだったでしょうか。
ダイヤ編は落ち着いて、次回は理亜編。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

現時点で貴方が考える優馬が付き合う相手は?

  • 高海千歌
  • 桜内梨子
  • 渡辺曜
  • 松浦果南
  • 黒澤ダイヤ
  • 小原鞠莉
  • 津島善子
  • 国木田花丸
  • 黒澤ルビィ
  • 鹿角聖良
  • 鹿角理亜
  • 誰とも付き合わない
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