SSRライスシャワーと理事長代理が欲しい
【霊夢&スペシャルウィーク】
「……どう、でしょうか?」
競技施設1階に用意された無数の控え室のうちの一つにて、霊夢とスペシャルウィークは衣装交換を行っていた。
「いいんじゃない? 割と似合ってるわよ」
「ホントですか!? えへへ///」
スペシャルウィークは両腕を身体の内側に寄せた後、両手で頬の外側を覆いながら照れた笑顔を見せる。
霊夢の服は赤を基調とした赤と白の巫女装束だ。胸元には黄色いリボンを身につけており、袖は分離しているため脇が露出した服装になっている。
「霊夢さんもとても似合ってますよ!」
「ありがと。普段、こういった服は着ないから不思議な感覚ねぇ」
霊夢はくるっと身体を回転させ、着心地を確認する。
スペシャルウィークの勝負服は白と紫を基調とした服装で、袖とスカートの丈がやや短く、白タイツを着用している。そのシンプルで可愛い服装は彼女の純朴で真っ直ぐな心を反映しているのかもしれない。
「さて、スペシャルウィーク。……長いわね、めんどくさいからスペって呼ぶけど、スペはこのレースについてどう思う?」
「……えっ? ん──、どうと言われましても……」
霊夢の質問にスペは困った表情で天井を見上げる。いきなり現れた謎のおばさん、突然連れてこられた異界の地、特殊なルールで行われるタッグレース、事実は小説よりも奇なりと言うがここまで訳の分からない出来事に遭遇すると一周まわってこの世界が小説の世界なのではないかと疑いたくなる。
「訳の分からない出来事ばかりで落ち着きませんが、私たちウマ娘がレースをする以上、勝利に向かって全力を尽くすのが礼儀……なのではないでしょうか……」
頑張ってひねり出したスペのレースに対する思い及び質問に対する答えを、霊夢は静かに受け取る。
すると霊夢はスッとスペの目の前に立つと、スペの両肩を思いきり叩いた。
「……気に入ったわスペ、アンタとタッグを組めて良かった」
「霊夢さん……!」
「幻想郷の連中は私に任せなさい、全員まとめて私がボッコボコにするわ。だからアンタはアンタの走りをして、他のライバルをケチョンケチョンにするのよ!」
「……ッ! はい! 頑張ります!!」
霊夢とスペはお互いに握手を交わし、その後レースの準備を完全に整えた。楽園の巫女と日本総大将のダブル主人公タッグは果たしてどんなレースを繰り広げるのか。
本当の敵は、諦めだ。
■
【魔理沙&キングヘイロー】
別の控え室ではキングヘイローと霧雨魔理沙がテーブルを境に向かい合っていた。
「貴女……ホンモノの魔法使い……なの?」
「そりゃあもちろん! と、言いたいところだが正確には魔法が使えるってだけの人間で、種族としての魔法使いではないんだ」
魔理沙はキングヘイローの好奇な視線を受け、若干高揚していた。
「……ちょっと、魔法を見してちょうだい?」
「もちろん、かまわないぜ」
そう言うと魔理沙は人差し指を上げ、空中で円を描こうとする。すると指先から星屑のような淡い光が出現し、円の軌跡として空中に残留した。
「ホントに凄い……、感激したわ」
「これくらいは造作もないぜ。他にもビーム出したり、箒を使って空を飛んだり、私の専門外だが人形操ったり炎や水を出すこともできる」
「スイープトウショウさんが聞いたら感動し過ぎて気絶しそうね……」
魔理沙の魔法に感心しつつも、知り合いの気絶する姿を思い浮かべるキングヘイロー。魔法に対して強いこだわりを持つ彼女が本物の魔法使いに出会えば、かなり興奮すること間違いなし。弟子にしてください、とか言ってしまうかもしれない。
「まぁさておき、今日は特殊なルールで戦うらしいが、私とタッグを組むにあたって一つ聞かなきゃいけないことがある」
「何かしら?」
霧雨魔理沙がテーブルに肘をつきながら、両手で俯く魔理沙のおでこを支えるように添える。
「お前には、勝ちたいライバルがいるか?」
「……ライバル……」
言葉を反復するキングヘイローに対し、魔理沙は話を続ける。
「私には絶対、今度こそ勝ちたいと思うライバルがいる。そいつに勝つには努力もそうだが、1番は"気合い"だ。ひよってたらこっちがやられるからな。だから聞いた」
「お前には、格上のライバルに立ち向かう気合いと根性はあるか?」
凄むように聞く魔理沙に、キングヘイローは答える。
「フッ、愚問ね。私はキングよ? 相手が誰であろうと屈しないし、諦めるなんて以ての外。キングたるもの、どんなにみっともなかろうとただひとつの勝利に向かって走る、それがキングの務めよ」
尊大に、優雅に振舞っているように見えて、キングの在り方はあまりに泥臭かった。しかし、その泥臭さこそがキングヘイローをキングヘイローたらしめる所以であった。
「……やっぱお前は私と同類か」
そう言うと、魔理沙はスッと利き手を差し出した。それに応じてキングヘイローも手を差し出す。
「このレース、絶対に勝つぞ」
「えぇ、勝ちましょう!」
ガシッと、2人は熱い握手を交わす。お互いに強力なライバルを持つもの同士、何か通じ合うものがあったのかもしれない。普通の魔法使いと世代のキングが巻き起こす旋風は、レースに多大なる影響を与えるであろう。
度重なる敗北を乗り越え、己の決闘を証明せよ。
■
【へカーティア&ゴールドシップ】
「なぁなぁ! この頭の上に乗ってる惑星はアレか?! もしかしなくてもそう! ゴルゴル星だろ? そしてそっちの浮いてる青い星はルドルド星で、黄色い方はドシップ星! と、私の脳内六法全書第564章に示されているから間違えねぇ!! プリンにしていい?」
「この3つの球体はそれぞれ異界、地球、月を表しているのよん! 赤色が異界で青色が地球、黄色が月なんだけど、分かる?」
「それよりもよォ! アンタのこのTシャツサイコーにイカしてるぜ!! 特にこの"Welcome Hell"の文字のダサさと教会の窓ガラスみてぇなスカートがマッチしててすっげぇ面白ぇ!!」
「あ、ありがとう! 貴女の服も最高にイカしてるわよ!!」
とある控え室、ゴールドシップとタッグを組むことになったへカーティア・ラピスラズリであったが、完全に彼女のムーヴに振り回されていた。
(……私もよく変人扱いされるけど、この子は私以上に変人ね……。けど)
(初めてTシャツ褒められた/// この子のこと好きになりそう!!!)
へカーティアは内心めちゃくちゃ喜んでいた。それもそのはず、今まで自身のファッションセンスに対し正当な評価を貰えていなかったからだ。
かつて、友人かつ共通の敵をもつ純子と手を組み、月の都を襲撃しようとしたが、月の民と八意永琳の策略により純子の計画は失敗。その後純子から霊夢や魔理沙、早苗に鈴仙の話を聞き、余興として彼女らと弾幕ごっこ行うことになったが、「変な格好」やら「変なTシャツヤロー」とロクな評価が貰えなかった。
しかし、このゴールドシップは違った。彼女の純粋? で真っ直ぐ? で正当? な扱いにへカーティアは感激した。
この世界には私のイカしたファッションセンスを理解してくれる者がいると。
「ゴールドシップちゃん! 私と一緒に頑張りましょう!」
へカーティアはゴールドシップの両手を強く握りしめた。
「どぉうわぁ!? いきなりビックリさせるなよ! 心臓爆発してグラウンドゼロするところだったぞ!!」
「絶対勝つわよ!」
「…………おう、やるからにはゼッテー負けねぇ」
こうして、最高にイカした(イカれた)チームが完成した。
■
【レミリア&ダイワスカーレット】
「私と手を組む以上優勝以外は許さないわ、人間」
「当前よ、私は1番になれなきゃ気が済まないんだから」
またもや別の控え室では、2人の女王が紅茶を片手に作戦会議を行っていた。
「ところでレミリア……さん、その、吸血鬼って本当なの…………ですか?」
「えぇ、私こそが紅魔館の主にして最強のパワーとスピードを兼ね備えた史上最強の吸血鬼、レミリア・スカーレットよ。さっき説明したでしょう?」
「いやぁ……その、なんていうか、あの、身長差が……凄いなぁって……」
レミリアの容姿をチラチラと見ながら、遠回しに発言するダイワスカーレット。それに対しレミリアは尊大な態度を崩すことなく続ける。
「確かに貴女は私より身長が大きいけど、私は500歳のスーパーエリート吸血鬼だから、私にひれ伏すのは当然でしょう?」
(どうみても幼女にしか見えない……ッ!)
レミリアは500年の時を生きる妖怪であり、人間とは比べ物にならないほどの長寿である。が、その分成長速度が遅いのか見た目は身長130〜140cmくらいの可愛い幼女にしか見えない。
それに対しダイワスカーレットはレミリアの身長よりも頭1つか2つ分、身体が大きい。傍から見れば年の離れた妹と姉くらいの差がある。完全にお姉さんポジであった。
(頑張れ私! よくわかんないけど頑張れ私!)
そう自身を励ますダイワスカーレットであったが、
「咲夜、今すぐこの紅茶を下げて、冷蔵庫からプッチンプリンを持ってきてちょうだい」
「かしこまりました」
さっきも紅茶を届けてくれた人がまた何も無い場所から突然と現れ、そして突然と消えた。
「…………あの、さっきの人は?」
「? 咲夜よ? 私の使用人だけど?」
「なんか突然現れたり、出てきたりしてましたけど、あの人も吸血鬼なんですか?」
「……何言ってるの? 咲夜はただの人間に決まってるじゃない」
(そんなわけあるかァァァァァァァ!!!)
完全にギャグとしか思えない発言に頭の中でツッコミを入れるダイワスカーレット。ただの人間は瞬間移動などしないのである。
「お待たせしました、プリンです」
「ご苦労だったわ咲夜、ついでにダイワ……、コイツの分のプリンも用意して」
「用意しました」
「流石私の従者ね!」
咲夜の迅速な対応に感心しつつ、手元のプッチンプリンを皿の上でプッチンしながら、ダイワスカーレットにもう1つのプッチンプリンを差し出す。
「貴女も食べなさい、少しの間とはいえ、私の従者になるんだから」
「は、はぁ……」
言われるがまま、結局ダイワスカーレットはプッチンプリンを食べた。
(やっぱ幼女だ、この人)
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【藤原妹紅&ウオッカ】
「不死身! 不老不死! フェニックスパワー!!」
「……いきなりどうした?」
どこかで見たことあるようなポージングを取るウオッカに対し、妹紅は若干引き気味だ。
「いやぁ、それにしても妹紅さんの服装ってスッゲーカッコイイっス! なんかこう……特別なオーラを感じるッス!」
「そ、そう? ……お前の服も中々良いな、ワイルドなのは嫌いじゃない」
「えへへ///」
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【射命丸文&サイレンススズカ】
「このレースが終わったら是非とも取材させてください!!!」
「は、はい……?」
■
【蓬莱山輝夜&グラスワンダー】
「貴女が竹取物語のお姫様……?」
「YES! あぃどぅ!」
「Wow……It's amazing」
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【驪駒早鬼&エルコンドルパサー】
「エエエエルコンドルパアゥサァアァアア!!!」
「もっとヤクザっぽく!」
「エ"エ"エ"エ"ル"コ"ン"ト"ル"パア"ゥサァアァアア!!」
「もっとドスを効かせろ!!」
「エ""エ""エ""エ""(ry」
■
どのペアも互いを認め合い、理解し、手を取り合っていた。全ては己の勝利のため、全ては己を育て上げたトレーナーのため、全ては応援してくれたファンのために、ウマ娘も幻想少女も手を取り合って前へと進む。
レース参加者の入場口には輝かしい成績を残してきたウマ娘達と、異変を乗り越えてきた歴戦の幻想少女達が集っていた。
交わるはずの無かった2つの存在が協力し合って走り出す、この世で最も混沌を極めたレースが今、始まろうとしていた。
_( _´ω`)_
全ペア書こうとしたけど途中で死にました。
他チームに関しては要望があったら後書きに追加します。