ありふれた?デジモンテイマーは世界最強を超え究極へ至る 作:竜羽
皆さん気になるハジメのステータスプレートについてです。どうぞ。
訓練場ではすでに生徒たちが、騎士団の団員相手に訓練を始めていた。
訓練用の剣や槍を振り回す男子生徒や、杖を手に持ち何かの呪文を唱えて火の玉や風の刃を的に向かって撃つ女子生徒がいる中、一際目立つ生徒がいた。
大柄な騎士に向かって、巨大な両手持ちの剣で斬りかかり、怒涛の勢いで攻める男子生徒。光輝だ。
その凄まじい攻撃は他の生徒とは一線を画した動きで、相手の騎士は防御するだけで手一杯に見える。しかし、ハジメはその騎士が焦っていないのに気が付いた。
次の瞬間、騎士は剣で光輝の剣を弾く。すると弾かれた光輝の剣は地面にめり込んでしまった。
光輝は剣を引き抜こうとするが、その隙をついて騎士が剣を光輝の顔に突きつける。
見事な腕だとハジメは感心した。
騎士はその後光輝にいくつかのアドバイスを送り、光輝もそれを素直に聞いている。
「メルドさーん!!」
光輝の相手をしていた騎士に香織が声をかけると、騎士が振り向いた。ついでに騎士と話をしていた光輝もこちらに目を向けた。香織と雫が目に入った光輝は顔を綻ばせたが、ハジメが目に入るとその顔を僅かに歪めた。
「カオリにシズク、アイコ殿か。お、隣にいるのは例の倒れたっていう坊主か」
「はい。さっき目が覚めました」
「訓練に参加するとのことで連れてきました」
「目が覚めたばかりなのに訓練を受けるとは勤勉だな。俺はメルド・ロギンス。騎士団の団長をしている」
「南雲ハジメです。よろしくお願いします」
「おう。礼儀正しいな。だが、俺には普通にしてくれていいぞ。これから一緒に戦うっていうのに他人行儀にしなくていい」
豪快に言い放つメルド。ハジメとしても、遥かに年上に見えるメルドに畏まった態度を取られるのは嫌なのでその言葉に甘えることにした。でも、伝えることは伝えることにする。
「わかりました。でもメルドさん。僕は戦うつもりはありません。香織さんや雫さんと同じように元の世界に帰る方法を探すつもりです」
「何?そうなのか?」
「ええ。僕も家族に会いたいですから。でも」「南雲お前!!!」
ハジメが言葉を続ける前に、突然光輝が割り込み、ハジメの胸元を掴み上げる。
「世界を救う責任があるのにそれを投げ出し、香織や雫に付きまとうなんて何を考えているんだ!?いくら学校の勉強ができてもここじゃそんなもの役に立たない。そんなことも分からないのか君は!?やっぱり君みたいなやつは香織と雫から離れるべきだ!!!」
唾を飛ばしながら一方的に攻め立てる光輝。突然のことにハジメはされるがままで、香織達も止める暇がなかった。
「止せ光輝!」
そんなハジメを助けたのはメルド団長だった。彼は光輝の肩を掴むと、ハジメから引き離す。
光輝から解放されたハジメは顔に付いた唾を袖口で拭い去る。
「まだハジメがしゃべっていた途中だっただろうが。それに俺はハジメが帰りたいと思うのは当然だと思う。だから帰る方法を探すのは構わない」
「な、何でですかメルドさん!?南雲は訓練をさぼるって言っているんですよ!!」
「そんなこと一言も言ってないぞ」
ハジメが呆れながら言う。
「そうだぞ。ハジメはカオリとシズクを手伝うと言っただけだ。訓練だって受けるんだろ?」
「はい。自分の力をちゃんと扱えるようになりたいですし」
「いい心がけだ。それにハジメを責めるならカオリ達も責めるってことだぞ」
「そうよ。なのにハジメだけ責めるなんて変よ」
「私たちが帰る方法を探すって言った時あんな風に責めなかったのに、ハジメ君だけ責めるなんて、天之河君変じゃないかな?かな?」
「天之河君。南雲君の決断は私も事前に聞いていますし、それを支持します。ちゃんと話を聞かずに一方的に責めるのは間違っています」
メルド、雫、香織、さらに愛子にまで非難されて、光輝はすごすごと引き下がった。
「さっきの話の続きですが、帰る方法を探す過程で見つけたもの、例えば神代魔法の手がかりとかがあれば提供します。それに僕たちの世界の知識とかも、この世界で使えるものがあればお伝えします」
「いいのか?」
「ええ。衣食住を保証してもらうので、これくらいの貢献はします」
「そうかそうか。しっかりしているな。ハジメ達の世界の知識については、後でそういうことに興味のあるやつに話しておこう」
「お願いします」
「それで訓練だが、やるか?」
「はい」
「よし、ちょっと待っていてくれ」
メルドはその場を離れる。
光輝は何も言わないが相変わらずハジメを非難するまなざしを向けている。それにいちいち反応するのも面倒なのでハジメは無視する事にした。
と、ハジメに一人の生徒が駆け寄ってきた。
「ハジメ!目が覚めたのか。よかった」
「浩介君。心配かけてごめん」
「いいって。体は大丈夫なのか?」
「うん。むしろ少し体が硬いから動かしたい」
浩介だった。ハジメは普通に会話をするが、香織達は突然浩介が現れたように感じたので驚く。
「浩介君いたの!?」
「わっ、びっくりした!?」
「え、ええ遠藤君驚かさないでくださいよ」
「いたよ!普通に近づいたよ!驚かすつもりなんてないですよ!!」
どうやら浩介の影の薄さは異世界でも変わらないようだ。
「そういえば香織さん達から聞いたけど、浩介君も戦いに参加するの?浩介君ってそういうキャラじゃないから意外だなあ」
「いや、俺も賛成してないよ」
「え?でも香織さんと雫さん以外の皆は賛成したって……。あ、まさか」
「ふっ。気が付いたか」
浩介は小さく笑う。もっともそれは自虐の笑みだが。
「そうさ。誰も俺に気が付かなかった。戦いに参加するのは嫌だって言ったのに、誰も俺の方を見てくれない。みんな天之河のほうばかり見てさ、俺軽く手を叩いたりしたんだぜ?なのに重吾も健太郎も気が付いてくれない。挙句の果てに見てくれよこれ」
そういうと浩介は一枚の金属のプレートを差し出した。
ハジメがそれを見てみるとこう書かれていた。
===============================
遠藤浩介 17歳 男 レベル:1
天職:暗殺者
筋力:55
体力:60
耐性:40
敏捷:90
魔力:50
魔耐:50
技能:暗殺術[+深淵卿]・気配操作・影舞・言語理解
===============================
「ステータスプレートっていうんだぜ。俺たちの才能とかをゲームのキャラみたいに表示する道具だ」
レベルは人間の到達できる領域の現在値を示している。レベル100でその人間の限界値らしい。
筋力などの数値はレベルと連動しており、日々の訓練などでこれらの数値が上がればレベルも上昇する。
天職とは才能のことであり、末尾の技能と連動しており、その領分においては無類の才能を発揮する。誰にでも発現するものではなく、天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類され、戦闘系は千人に一人、中には万人に一人の転職もある。非戦系天職も少ないが百人に一人はいるらしい。
召喚された生徒は全員天職を持っており、しかも戦闘系天職。唯一非戦系天職だったのは愛子なのだが、その天職【作農師】は農業関係を一変させる超貴重天職らしい。
「これが僕たちに与えられた力ってことなのか。技能にある【言語理解】はもしかしてみんな持っているの?」
「ああ、この世界の人たちと言葉が通じるのはこの技能のおかげらしい」
「なるほど。そして【言語理解】以外の技能がそれぞれ個別の力ってことだね。……浩介君」
「なんだよ」
「この暗殺術の横にあるのって」
「……ああ。派生技能っていうんだって。技能を磨いていけば発現する追加技能なんだってさ。はは、俺いきなりついているんだぜ?すごいだろう?」
自慢するように言う浩介だが、その顔に笑みはない。あるのはどうしようもない現実に対する諦観だった。
「
「あはははハハッっ」
笑いながら浩介は膝をつく。
封印したい黒歴史が、まさか自分の才能として現れたことに絶望していた。
「えっと、もしかしたらこの世界には普通にある技能だったり?」
「……メルドさんも見たことないってさ」
「ああ、そう。効果は?」
「わからん。使い方もさっぱりわからないんだ」
「そっか。その、どんまい」
浩介の肩を優しく叩くハジメ。何とも言えない空気が支配する中、メルド団長が戻ってきた。
その手には浩介が見せてくれたものと同じステータスプレートがあった。
「待たせたなハジメ。これはステータスプレートっていうんだが」
「あ、浩介君に説明してもらったので大丈夫です」
「そうか。ところで何で浩介は地面に膝をついているんだ?」
「……そっとしておいてあげてください。今絶望との折り合いをつけている最中なんです」
ハジメは今夜にでも浩介と二人で語り合おうと思った。いろいろ吐き出せば楽になるだろう。
「それでどうやって使うのですか?」
「裏に魔法陣があるだろう?そこに血を一滴垂らしてくれ。それで自分のステータスが表示される」
「へぇ。すごいですね。どういう原理なのですか?」
「俺に聞かないでくれ。アーティファクトの原理なんて誰にも知らない」
「アーティファクト?人工遺物ってことは大昔の道具ってことですか?」
「ほう。それはお前たちの世界の知識か?大体近いな」
感心したメルドはハジメに説明する。
現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことをアーティファクトという。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われ、ステータスプレートもその一つ。プレートを複製するアーティファクトと一緒に残されており、昔からこの世界に普及している唯一のアーティファクトなのだ。
これはステータスプレートのみで、他のアーティファクトは国宝になるほど貴重なものらしい。
そんな説明を感心しながら聞いていたハジメは、ステータスプレートと一緒に渡された針を指に刺すと、そこから流れた血を魔法陣に付ける。するとそこにハジメのステータスが浮かび上がった。
===============================
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:982
天職:錬成師・%&!?
筋力:63125
体力:12505
耐性:02648
敏捷:76391
魔力:42586
魔耐:00722
技能:錬成・言語理解・並列思考・◆*※∞・〇+//
===============================
「んん?」
「うん?」
その内容にハジメは思案顔になり、メルドは困惑する。
午前中に生徒達には同じようにステータスプレートを渡し、それぞれステータスを見た。
その中でも最高値ともいえるステータスだったのは光輝だった。
============================
天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
==============================
しかも天職は勇者。世界を救う神の使徒の象徴ともいえるものだった。
しかし、ハジメのステータスはそんな光輝を大きく引き離しているし、レベルも限界地である100を超えている。もはや人間ではない。
さらに天職が二つある。
天職は通常一人一つ。こんなことはメルドも見たことはない。
もっともその天職や技能の一部が読めなくなっているが。
「あ、メルドさん。ステータスが変化しました」
「なんだって?」
ステータスプレートを眺めていたハジメが伝えた内容に、メルドは再びステータスの部分を見る。
すると確かにハジメのステータスが変化していた。
===============================
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:564
天職:錬成師・+=?<
筋力:75348
体力:51245
耐性:02741
敏捷:01012
魔力:64378
魔耐:13910
技能:錬成・言語理解・並列思考・+?〇▼・!#&%
===============================
「本当だ。一体なんだなんだ?」
「まるで調整中みたいな感じですね」
混乱するメルドにハジメは自分の所感を呟く。
「どういうことだ?」
「ステータスプレートが僕のステータスを正確に測りかねている、もしくは最適な数値を探している。そんな感じに思えました」
「つまりこの数値は当てにならないということか?」
「ええ。今のところ体に異常はないですが、僕に対してステータスプレートはあまり使えないってことですね」
もしかしたら召喚早々に自分が気絶した原因にも関係あるかもしれない、とハジメは考えた。推測なので言葉にはしなかったが。
「じゃあ次。わかる部分だけでも教えてくれませんか?」
「あ、ああ。わかった。なんというかお前は切り替えが早いな」
「癖ですね。悩んでもどうにもならないことは引きずっても仕方ないですから」
「そうか。えーっとわかるのは天職の片方と技能だな。錬成師か……」
メルドはものすごく微妙な顔をしながら説明をする。
「技能の一つの並列思考はわかりますね。同時に別々のことを考えるっていう、僕の得意技です。でも錬成っていうのは知らないですね」
「錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。技能の錬成も鍛冶するときに便利だとか……」
歯切れ悪くハジメの天職を説明するメルド。もっともハジメはそんなメルドの様子など気にせず錬成について考え始める。
が、そんなハジメの元に数人の男子生徒が近づいてきた。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ?」
彼の名は檜山大介。雫と同じクラスにいる生徒でハジメとは少し因縁のある生徒だ。
「メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?無能じゃん」
実にうざい感じでハジメと肩を組んでくる。そんな様子を浩介以外の男子生徒のほとんどがニヤニヤと嗤っている。
学校では天才だったハジメが自分たちよりも下の、ありふれた非戦系天職だったのがよほど嬉しいのだろう。格上だった人間が格下に落ちるその優越感に彼らは浸っていた。
もっとも、そんなことはハジメの知ったことではない。
「はあ。君は馬鹿か?」
ため息を吐きながらハジメは檜山を呆れた目で見る。
「はあ?んだとてめっ」
檜山は組んでいた腕に力を込め、ハジメを締め上げようとする。
その前にハジメは足で檜山に足払いを仕掛け体勢を崩すと、倒れる檜山に巻き込まれないように離れる。
ドサリと倒れる檜山。すると今まで様子を見ていた光輝がまたハジメに詰め寄る。
「南雲、なに檜山に暴力を振るっているんだ!?」
「今まさに僕が暴力を振るわれそうだったんだけど?」
「そんなことない!檜山がそんなことするはずないだろう!」
光輝は檜山の友達だったのか?なぜそんな風に言い切れる?と疑問が浮かんだ。
「光輝。今のはどう見ても檜山君がハジメを馬鹿にしようとしていたように見えたけど?」
「雫まで。そんなはずないじゃないか。檜山はただ南雲が、この世界の人たちに貢献できないことを指摘しただけだ」
「それってハジメ君が錬成師っていう、この世界でもありふれた天職だったこと?」
香織が言うと光輝はその通りだと頷いた。
香織と雫は二人そろって「はあああぁぁ……」と大きなため息を吐き、メルドも光輝とあと檜山にも残念そうな目を向けた。
「鍛冶職のどこが貢献できないのよ。むしろものすごく貢献している職業じゃないの」
「雫。戦うことができないのに貢献できるはずがないだろう」
「あのね、天之河君?戦闘系天職、つまり他の皆が戦うときに使うのは何かな?」
「そんなの剣に決まっているじゃないか、香織」
「うん、そうだね?ならその剣が壊れたらどうするのかな?」
「そんなこと起こるわけがないだろう?俺が貰ったこの聖剣は壊れない」
光輝はそう言うと持っていた白い剣を掲げる。
それは純白に輝く美しい剣だった。光輝が訓練で使っていた両手剣と同じくらいの大きさで、所謂バスターソードと呼ばれるものだ。
王国は神の使徒である生徒たちに国庫にあるアーティファクトを授けた。その中でも勇者という天職を得た光輝に与えられたのが、この聖剣だった。
光属性の性質が付与されており、光源に入る敵を弱体化させると同時に自身の身体能力を自動で強化してくれるという“聖なる”というには実に嫌らしい性能を誇っている。光輝はこの聖剣に触れたとき所有者と認められ、名実ともに勇者となったのだ。
「いや誰も天之河君限定なんて言ってないよ。私が言っているのは普通の剣を使っている騎士や兵士の人たちのこと」
「普通の剣を使い続ければ、刃こぼれしていつか使えなくなるな」
「メルドさん正解です」
光輝の代わりにメルドが答えれば、香織は「正解です」と言う。そして雫が説明を引き継ぐ。
「そんな時に剣の手入れをしてくれたり、新しい剣を作り出したりするのが鍛冶職の人たち。戦いに必要不可欠な武器を用意してくれる必要不可欠な存在じゃない」
「で、でも鍛冶職の人たちはもう十分この国にいるんだろう!?だったら南雲がそこに加わっても意味ないじゃないか」
「少なくとも私にはハジメが必要ね」
さらりと言った雫の言葉に光輝と男子生徒が驚愕する。
香織はニコニコしているが、ちょっと目元が引きつっている。
「私の天職は剣士だけど、この国の剣って使いづらいのよね。戦うつもりはないけど、もしも戦うことになったら使い慣れた剣がいいわ。そして私が使い慣れた剣、つまり日本刀を作れるのはハジメだけなのよ」
そう。雫の天職は剣士であり、技能には剣術がある。
だから彼女はハジメが目覚める前、訓練用の剣で訓練をしていたのだが、王国の剣は両刃の直剣という西洋剣に近いものだった。対して雫が家の道場で学んだ剣術は、日本刀を使用することを前提にした剣術だ。
剣の重心から長さ、重さが嚙み合わず、うまく動けなかった。
「というわけでハジメには私専用の刀を作ってほしいの。この間一緒に日本刀の展覧会行ったときにいろいろ見たでしょ?」
「村正とか
「お願いね。というわけでハジメは必要な存在よ」
「私にも必要だよ!いざというときの護身用武器作って!」
雫に対抗するように香織もハジメにせがむ。いつの間にか光輝も檜山も置き去りにしていた。
「二人とも落ち着いて。武器のことは分かったから、まだメルドさんから話を聞いている途中だから」
二人を宥めつつハジメはメルドに説明を再開するように言う。
「くくっ、お前さんも隅に置けないなあ」
「茶化さないでくださいよ」
「いや悪い。だがお前さんほどの器量ならなんとかできるさ」
笑顔で断言するメルド。ハジメは照れくさくて目を逸らす。周囲の男子生徒は舌打ちをし、女子生徒は地球と変わらないハジメ達の姿にほっこりする。
「さて、俺が変な態度を取ったせいでお前さんに不愉快な思いをさせたな。すまん」
メルドは笑うのをやめるとハジメに頭を下げる。ハジメに檜山が絡んだ理由に、ハジメの天職を見た際に微妙な態度を取ったせいだと思ったのだ。
豪快な見た目に反して細かい気配りができる、よくできた人だとハジメは思った。
「俺が困ったのは非戦系天職のお前さんに、どんな訓練を施したらいいのかわからなかったからだ。アイコ殿以外の皆は戦闘系だったからな」
「でしょうね。騎士団長に錬成師の訓練を頼むなんて、武官が文官に勉強を教えるみたいなものです」
「的確な例えだな。というわけでお前さんには国お抱えの錬成師への紹介状を俺のほうから出しておこう。雫の話に出てきたニホントウとやらもそこで作れるだろう」
「何から何までありがとうございます」
良いってことよ、と笑うメルドにハジメは頭を下げたのだった。
■■■■■
その日の夜。ハジメは与えられた自室にいた。
そこでハジメは召喚の際に持ってきた唯一の持ち物を広げていた。
それは次の移動教室で使うノートパソコンを入れていた鞄だ。その鞄は通学にも使っているもので、昼ご飯の弁当とノートパソコン以外にもいろいろ入っていた。
その中の一つ、手回し充電器でノートパソコンを充電し、立ち上げる。そしてその中の表計算ソフトを立ち上げ、今日分かったことをまとめていた。
異世界トータス。召喚。ハイリヒ王国。ステータス。魔法。
それらについての判っていることとハジメの考察を。
そこでドアがノックされた。ハジメは立ち上がるとドアを開ける。
「こんばんは。ハジメ君」
「こんばんは。ハジメ」
「夜遅くに失礼します。南雲君」
香織、雫、そして愛子がいた。
三人には夕食時に、自分たちの今後の活動について話し合いをしようと決めていたのだ。
「いえ。僕も準備はできましたので。香織、あれは持ってきた?」
「もちろん」
香織はその手に持っていたもの、香織のノートパソコンをハジメに見せる。
「よし。それじゃあ入ってください」
「「「お邪魔します」」」
ハジメは三人を招き入れると、備え付けのテーブルに並べた椅子に座ってもらう。
「ではこれから第1回異世界会議を始めます。司会は僕がやらせてもらいますが、先生よろしいですか?」
「は、はい。お願いします」
「では、今回の議題は明日からの僕達非戦組の活動です」
「はい!ハジメ君」
「香織さんどうぞ」
香織が挙手をするとハジメは発言を促す。
「帰る方法を探す前準備だよね?」
「その通りです」
「前準備、ですか?」
愛子が首をかしげるので、ハジメ達が説明する。
「現状僕たちは戦争への参加を拒否しています。そのせいで用なしだと切り捨てられかねません。まずはそれを防がないと、帰る方法を探すこともできません」
「なるほど。それで前準備ですか」
「当初は帰る方法を探す途中で得られた神代魔法の知識だとか、僕たちの世界の農業や工業、政治の知識なんかを提供しようと考えていましたが、今日分かった僕の天職を使えばまた別の方法が取れるかもしれません」
「南雲君の天職、つまり錬成師ですか?」
「ええ」
ハジメはニヤリと笑うと用意していたものを取り出した。
それは鞄の中に入っていた品の一つ、タブレット端末だった。
端末を起動させると目当てのページを表示させるために操作する。
「あの後、メルドさんから聞いたんですが、錬成とは鉱石を変形させる魔法だそうです。その魔法を使えば地球の道具を再現できます。それを交渉材料に使おうと思うんです。特に」
ハジメは言葉を切ると、表示させたページを三人にも見えるようにテーブルの上に置く。
「こういうものはね」
「こ、これって!?」
「やっぱりかあ」
「ハジメのお父さんの資料にあったわね。これ」
愛子は驚愕を、香織と雫は納得の顔をした。
それはリボルバーと呼ばれる回転式の弾倉をもつ拳銃の設計図だった。
「地球なめんなファンタジー、ってことかな?」
「あ、私の真似かな?かな?」
今回はステータスプレートでした。
前回の戦争表明の部分で深淵卿の存在が消えていたことに気が付いた人はいるのだろうか?
ハジメのステータスはこんな感じです。まだ不明ですね。
理由としてはそうですね。
デジモンと融合進化したのに体に何の影響もないはずない。
ですね。詳しくは今後説明していきます。
それにしても最近ハジカオ成分を入れられていない。雫が可愛くなりすぎています。是非もナイネ。
あとハジメと光輝がそろうと光輝が突っかかってしまう。そうしないと不自然だと感じる自分がいます。やっぱ現時点で二人と取っているからなのでしょうかね。
ハジメと香織は召喚の際、鞄を持っていてその中にはノートパソコン以外にもいろいろ入っていす。原作では無かった鞄の中のもの、特にノートパソコンがキーアイテムですね。デジモンでるならデジタル機器は外せませんでした。
そして第一回異世界会議。次回に続きますが、いろいろ話し合いさせていきます。
トウリ様、 鳳翔 朱月様、 GREEN GREENS様。評価していただきありがとうございます。
お気に入りも300人を超えましてとてもうれしいです。
次回はありふれを読んでいて自分が感じたこととか書いていきたいので、楽しく書けそうです。
デジモン紹介
テリアモン 世代:成長期 獣型 属性:ワクチン
頭部に1本角を生やした、謎に包まれたデジモン。体構造から獣系のデジモンであることは分類できるが、どのような進化形態を経たのかは依然分かっていない。
ジェンのパートナーデジモンであり、口癖は「
得意技は両耳をプロペラの様にして小型竜巻を起こす『プチツイスター』。必殺技は高熱の熱気弾を吐き出す『ブレイジングファイア』。