シャニこべ   作:あんふゆ

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あさあさ

おはようございまーす!

目覚めた瞬間はどこだここって思っちゃったけどそういえば家族から離縁されたんだった。

まあそのおかげで一軒家持ちのホームレスになれたのだから切り替えていこうぜ。

新たな我が家はこじんまりとしているものの落ち着きのあるスイートホームなのだ。あれ?ホームレスってなんだっけ?(おめめぐるぐる)

 

さて、人間の生活の基本となる衣食住のうち住は用意できたが、目下のところの問題は食料と衣服になる。

 

食料問題を単純に考えるなら、目の前の川で魚を取ったり河川敷にいる昆虫や植物で済ませられそうなものだが、どうだろうな。多少食べたらやばそうなものでも火を通せばなんとかなるか。

そちらはいいのだが、衣服についてはどうしようもないよなぁ。今着ている汗を吸っていて臭いジャージしかないわけだし。

幸い春先でそこまで寒いわけでもないから、川で洗った後は乾かす間裸で過ごせばいいか。

 

 

とりあえず汗臭いジャージを洗おうと家から出たところで、私の耳に元気のよい軽快なかけ声が聞こえてきた。

よっ、はっ、ほっ!と短い単語だが声が通っていて非常に聞きとりやすい。

ケツワープに挑む配管工でもいるのかと思い、橋の下を出ないように草むらの中から外の様子を盗み見ると、遠くの方に踊りの練習をしている女の子の姿があった。

 

背丈から考えるに中学生くらいだろうか。

少女はアクロバティックな技を次々とキメてはぶつぶつと何か小さく呟いて踊りを繰り返している。

はぇーすっごい、彼女はダンス部か何かかな?

私だったら三秒持たずにひっくり返りそうな足運びでずっと動き続けている。

素人が遠目で見ても分かるのだから、あれは天才ってやつなのだろう。

なぜ部活の練習を朝っぱらからこんなところでしているのかは分からないが、彼女の一挙手一投足に思わず見入ってしまう。

 

中学校でダンスか、懐かしいなぁ。

私も中学生の時は体育の時間によく踊っていたものである。

教えてもらったボックスダンスに夢中になりすぎたせいで、盛大に転んで腕の骨が折れたのは良い思い出だ。

体育教師は泣きながら怒っていたよ、わはは。

 

さて、鑑賞会もここまでにして私も動き出すとしよう。

素晴らしい演技を見せてもらっておいて申し訳ないのだが、一文無しなのでおひねりはだせないぜ天才少女よ。アデュー。

ま、五十メートル以上の距離があるし聞こえるわけないか。

私は捨て台詞をクールに決めて茂みの中へと姿を消したのであった。

 

「……んー?」

 

少女が不自然に揺れた草むらに気づき、手を眼鏡のように形作ってこちらを覗いていたことも知らずに。

 

 

 

 

 

川のそばに寄って上着を脱ぐ。

流石に水辺に近いと寒いな。

ここは日差しも当たらないし。

体温を維持するためにも、今日はズボンを洗わないことにしよう。

体温調節で意識すべきは身体を通る太い血管だ。足の付け根や首などのケアは怠らないようにしなければいけない。

冷たい川の水で上着を洗い、水気を絞る。

昔の人のように洗濯板で綺麗に…とまではいかずとも、吸いついていた汗は流れていったことだろう。

 

 

はてさて、唐突なんだがピンチというものは往々にして人が油断した時に現れがちである。

大学生のころレポート書き終わったぞ~とウキウキ休日を過ごしていたら、課題がもう一つ残っていたことを期限残り一時間前に気づくことなんて珍しくない。

 

故に今回も私は気が緩み切っていたのだろう。

食料はどうするかな~と楽観的に鼻歌交じりで段ボールハウスの前へと戻ったその時のこと。

 

「すごい!段ボールのお家だー!」

 

その声を聞いた私の感情はこの世の言葉で表せるものではない。

心の内側はムンクの叫びのごとく捻じ曲がった恐怖に彩られ、聞き間違いであってくれとひたすらに神に祈った。

地獄に垂らされた一筋の糸に縋るように、錆びたブリキと化した首をギギギと背後に向けると、そこには先ほど踊りの練習をしていた少女が驚きと興奮に満ちた瞳で佇んでいた。

 

「ええー!?男の人もいる!」

 

半裸の男と女子中学生が二人きり。何も起こらないはずがなく……(通報)

 

おわた。人生終了のお知らせである。

え?ホームレスの時点で人生終わってるって?

いやいやそんなことはない。ホームレスから成りあがった人なんてざらにいるさ。

とりあえず少女に向かって身の潔白を主張してみる。

ゆるして、わたしはわるいホームレスじゃないよ(プルプル

 

「何を許すんすか?」

「それよりこれってお兄さんが作ったんっすか!?」

「わぁー!ベッドとか椅子も段ボールだ!」

「それにわたし男の人の裸初めて見たっすよ。へぇ~ほんとにおっぱいないんすね、触ってみてもいいっすか?……うーん、思ってたより硬くないんすね」

「ところでお兄さんはどうしてこんなところにいるんすか?橋の下に住んでるんすか?」

 

いやめっちゃグイグイくるなこの子……。

私が固まっているのをいいことにあちこち動き回って物色している。

好意的なのは都合がいいのだけれど、なんだか心配になるくらい純粋っぽい。

距離感も近いし、最近の中学生って不審者に対する防犯意識が低いのか?

いや私は決して不審者なんかではないのだけれども。

しかしこの様子ならお願いすれば素直に帰ってくれるかもしれないな。

騙すようで悪いがこの子にはお引き取り願うとしよう。

 

大人の事情で公にはできなかったんだがこの地には何者かの手によってコモドドラゴンが放たれていてね。私は彼奴らを捕獲するために国から派遣された隠密の者なんだ。お父さんやお母さんにはくれぐれも秘密にしておいてくれたまえ。さぁここは危険だ、もう行きなさい。捕獲するまでの数日間は近づいてはいけないよ。

 

とっさに吐いたでまかせだったが我ながら良いバックストーリーではないか。

単純そう……ゲフンゲフン、純粋なこの少女なら信じてくれることだろう。

さようなら少女!達者で暮らせよ~!

 

「コモドドラゴン見たいっす!わたしもここに住みたいっす!」

 

どうして?(^p^)

 

舐めているのか?いや違う!キミはコモドドラゴンの恐ろしさを理解していない!

奴等は小さいものでも成人男性の身長体重を大きく上回る!

さらに大量の細菌を保持している口内には鋭い牙が生え、獲物は噛みつかれたが最後体内に蓄えられた毒物を注入され敗血症のような症状を引き起こすッ!!

興味本位でコモドドラゴンと接触しようだなんて正気の沙汰じゃあないッ!

不用意に縄張りに侵入した人間を食い殺す実例も報告されているんだぞォォォ─────ッ!

 

「……それを聞いたら尚更引けないっすね。安心してほしいっす……お兄さんのことは、わたしが必ず守ってみせるんで」

 

私の説明を聞いた少女はおびえる様子もなく、逆に決意を固めたように帽子を目深に被って低い声で宣言した。

 

え、やだ……かっこいい(トゥンク)

 




Qなぜシャニマスであべこべ?
A色々あったが簡単に言うなら私欲のためだ

Q世界観の説明が雑すぎ。ちゃんと考えてないだろ。
Aその説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある 少し長くなるぞ

Qキャラ崩壊やばい。エアプか?
A半分は当たっている 耳が痛い(三周年新参)

Qもう…散体しろ!
Aお前は物事をあせりすぎる 

QオレもシャニマスのあべこべSS書いてみてもいースか?(コキ…
A勿論だ、やっとらしくなってきたな


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