異世界転生したんだけど役職からステータスまでミスってた件 作:イドラ中佐
「あ、先輩方!お疲れ様でーす」
「お疲れ様ー」
「お疲れー」
「お疲れさーん」
ここはとある学校の美術室。いつもはある程度部員が居るのだが、今日は四人しかいないようだ
「いやー高校生活疲れますね⋯」
慣れない高校生活に疲れて先輩に愚痴っている彼女は高坂 優愛(こうさか ゆうあ)。他の三人は彼女の先輩だが、すっかり仲良くなっている
「うんうん。私も慣れるまでっていうか慣れてても疲れるししょうがないよ⋯」
同意しながら答えたのは今田 凛香(いまだ りんか)。人前に出るのは少し苦手な大人しい性格の彼女。しかしこの三人の前では素を出しているようでだらけている
「いつも凜香ちゃん大変そうだしね」
凛香の心配をする彼女は原 彩芽(はら あやめ)。心優しい性格だが、サイコパスや心の中に闇があるなどで主に凜香ともう一人にいじられている
「wwほんまに皆お疲れやな。まぁ今日は金曜やし、家でゆっくり休むことやね」
最後に話したのは和田 宗司(わだ そうじ)。この四人の中で唯一の男子でかなりおおざっぱで適当な性格をしているが、周りの事はしっかりと気にかけられるようだ。
この四人のうち、凜香、彩芽、宗司は小学校からの同級生。優愛は後輩だが帰り道が同じという事で一緒に帰ることが多く、すっかり仲良くなったというわけだ。今日もいつもどおりに四人で話しながら作品を進め、部活が終わったら一緒に話しながら帰るという日々を送る⋯⋯はずだった。しかしたった一つの出来事で日常は一変する
カッっと美術室全体にまばゆい光がみちる。床には魔法陣のような奇妙な模様が浮かび上がる。そして光が消えるころには⋯⋯
カラン⋯⋯
四人の姿は美術室から消えていた
◤◤◤
光が開けると、四人の目の前には小綺麗な部屋が広がっていた
「いてて⋯ここは⋯な、なにがあったの?」
「先輩方もいるんすか?なんでしょうね⋯ドッキリとか?」
「いや⋯これは⋯『アレ』だよな?」
「うん。『アレ』だろうね⋯」
彩芽と優愛は突然の出来事に驚いているようだが、凜香と宗司はこの現象に察しがついたようで二人でうなずいている
「え?二人は何かわかるの?」
「わかるんなら教えてくださいよー」
「じゃあ宗司。言ってよ」
「まかせろい!まず俺たちは美術室にいた。それなのに今は見慣れない部屋にいる。しかもあの場にいた四人全員で、だ。そして光の中にかすかに見えたあの魔法陣⋯ここから導き出される答えはたった一つ!俺たちは⋯”異世界転生”してしまったのだ!!」
「「えぇーーー!!」」
四人とも異世界系のアニメや本などは読んでいるため、そういった方面の知識は人並みにはある。しかしいざ自分の身に起こるとなると話は別だ
「え?宗司マジで言ってる?」
「もちろん大マジだが?」
「大マジだが?じゃないよ!そんなこと現実的に考えて⋯
彩芽は否定しようとしたが、言葉を言い切る前に優愛が窓の外を指さしながら話す
「せ、先輩方⋯あれ⋯」
結愛が指さす方向を全員が見る。そこには⋯⋯
首が二つある牛。羽が四枚ある鳥。そして空を覆い尽くすほど巨大な鳥。明らかに現実とは思えない光景が広がっていた。こんな景色を見せられれば、異世界に転生してしまったという現象も信ざるをえない
「ほ、ほんとに異世界じゃん⋯」
「なにアイツかっけーー!!」
「ほんとのんきだよね宗司は⋯」
「け、けどこれからどうしましょうか⋯」
優愛のつぶやきはもっともだ。そもそもここがどこなのかもわからない。どうしようか悩んでいると扉をノックする音が聞こえ、ギィと扉があく。その先に居たのは頭に金の輪を付けたシスター姿の女性だった。
「お目覚めのようですね。わざわざ異世界からお越しいただきまことにありがとうございます」
「は、はぁ⋯ところでこの世界はなんですか?というかあなた誰ですか?」
宗司がさりげなく三人の前に移動しながらたずねる。宗司の問いに女性はクスリと笑ってから答え始める
「申し遅れました私四大魔王が一角、”清浄の魔王 リース”と申します。以後お見知りおきを」
優雅に礼をする女性、リース。彼女から感じる異様な空気に、四人は警戒している
「この世界に来てばかりで戸惑っていることでしょう。さぁ、お茶でも飲みながら。まずはこの世界についてお話ししましょう」
宗司、凜香、彩芽、優愛の冒険が始まろうとしている
新しいシリーズを始めます。完全オリジナル作品は何回か書いたことがあるのですが、異世界系は初めての挑戦なので
温かい目でこれからご覧ください。感想などお待ちしております