異世界転生したんだけど役職からステータスまでミスってた件 作:イドラ中佐
リースが指示を出すと、部屋に数人のメイドが入ってくる。そして手際よく机、いす、ティーセットを準備して、足早に去ってしまった。四人はメイドさんの手早い動きに驚いてしまい、動けないでいる。そんな四人とは打って変わって落ちついた様子でリースが椅子に座る
「どうぞお座りください。この世界についての話をいたしましょう。どうぞ遠慮なさらずに」
四人は顔を見合わせ、
「ど、どうするんすか?」
「いい人そうだけど⋯大丈夫かなぁ⋯」
「まずは話だけでも聞いてみる?」
「確かに情報は大事やしな⋯よしっ」
宗司がリースに向き直り、
「わかりました。とりあえず話を聞きましょう」
「まぁ!ありがとうございます」
「けどその前にひとつ聞きたい。ここでの僕らの安全は保障されますか?」
この四人のなかでは異世界系の漫画等を一番読んでいる宗司。どうやら交渉役を買って出たようだ
「もちろんですとも。この部屋があります私の教会内において、あなた方の安全は保障いたします。この”清浄の魔王”リースの名において」
「⋯⋯なるほど、わかりました。皆!とりあえず話だけでも聞こう。少なくとも危害を加える気はなさそうだし」
「りょ、了解」
四人は少し警戒しながら椅子に座る。四人全員が椅子に座ったのを見計らい、リースが口を開ける
「それではお話ししましょう。あなた方が呼び出された世界《ルコンド》について⋯」
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世界 ルコンド
”骸の魔王 ゼーレ” ”狂気の魔王 ジャルジャーノン” ”清浄の魔王 リース” ”不動の魔王 キーラン”からなる四人の魔王、《四大魔王》によって統治されている世界。四人がそれぞれ領地を持っており、骸の魔王の”マグ・メル” 狂気の魔王の”領地クリーク” 清浄の魔王の”ヘブンフォール” 不動の魔王の”楽土”の四つにわかれている。今四人が居るのはヘブンフォールの中にある、清浄の魔王の教会内である
四大魔王
この世界を統べる魔王たち。基本的に仲は良いのだが、魔王の本質的なもので闘争を求めてしまい、バッタリほかの魔王に出くわしでもすれば、たいていの場合戦闘が始まる。四人全員がそろってしまった時など、世界全土を巻き込んでの大戦闘に発展する。ちなみに現在とあることが理由で四人は争いあっているらしい
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⋯以上があなた方が飛ばされた世界、ルコンドと四大魔王の説明になります」
リースの話を聞いた四人の反応はさまざまであった
「リースさんってすごい人だったんだね⋯」
「四大魔王か⋯ロマンがあるなぁ!」
「なんで争ってるんですかね?」
「結局私たちはなんで呼ばれたんだろう⋯ていうか帰れるの⋯」
彩芽はリースに対して驚き、宗司はガチの異世界にテンションを上げ、優愛は純粋な疑問を呟いている。そんな中凜香は呼ばれた理由と、元の世界に帰ることが出来るのか不安なようだ。そんな凜香の気持ちを察したのか、リースが話始める
「で、皆様をお呼びした理由ですが、あなた方にはこの世界を冒険していただき、四大魔王の誰がトップにふさわしいか決めて頂きたいのです」
「四大魔王の⋯トップ?」
「もしかして争ってる理由ってそれですか?」
「あながち間違いでもないです。実は⋯⋯
リースによると争った経緯は十年前の魔王集会にまでさかのぼるらしい。魔王集会は十年周期で開催される魔王の集会だ。まぁ集会というのは名ばかりで自慢をしあったりちょっと喧嘩したりゲームしたりしているらしい。そんな中事件が起こる
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「だぁー!!負けたぁー!!」
「ふふっ。ジャルジャーノン様はトランプが苦手ですわね」
「あぁん?なんだとぉリース!もう一回だ!」
「えぇ。何度でもお相手致しますわ」
「ふむ⋯また手を上げたかキーラン。前よりも攻め方がうまくなっているぞ」
「⋯⋯⋯」
「しかし今のは悪手だったな。ほら、チェックメイトだ」
「⋯⋯⋯⋯!!」
「ふふ⋯悔しいかね?もう一回やろうか」
いつも道理の魔王集会。それぞれが楽しんでる中、掃除をしていたメイドがつぶやく
「四大魔王の中で最強は誰なんだろうな⋯」
「「「「⋯⋯⋯」」」」
本人は何気なくはなった一言。しかし魔王たちにはしっかりと聞こえており、部屋の空気が変わる。
「最強ねぇ⋯」
「そういえば決まっておりませんでしたねぇ⋯」
「確かにこの機に決めるのも良いかもしれんなぁ」
「⋯⋯⋯」
そして当然始まる大戦闘。その時の戦闘はすさまじく、戦闘の余波で周囲の地形が変わるほどであった。しかしそれぞれが同じくらいの戦闘能力を持つ四大魔王。戦闘では決着が決まらなかったため、一度話し合いをすることになった。自身の領地の自慢や部下の自慢など、お互い自分をアピールするが、当然決着はつかない。そんななかキーランが一つの提案をする
「⋯⋯少しいいか?」
「おぉ、キーランが自分から話すなど珍しい。どうした?」
「このまま話していても埒が明かない。かといって戦闘では決められなかった」
「確かになぁ。俺は戦闘は好きだが決まんなきゃ意味ねえしな」
「⋯あぁ。かといって四人以外の、たとえばそれぞれの領地から一人ずつ人を出して離させても、皆自分の領地の魔王が最強だというだろう」
「そうですね⋯皆自分の領地を治めている人を選びたくなりますからね」
「そこでだ。異世界から人を呼んで、そいつに決めさせないか?」
普段寡黙なキーランが提案したのは意外なものだった。魔王たちは皆驚いた顔をする
「異世界人に決めさせるのか⋯おもしろそうじゃねぇか!」
「確かに我々の事を知らない異世界人なら公平な結果を出してくれることだろう」
「素晴らしい案ですわ。キーランさん」
そんな感じでとんとん拍子で話が進み、異世界から人を呼ぶことになったそうだ
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⋯というわけで、皆様をこの世界にお呼びしたわけですわ」
「なるほどね。つまり俺たちに最強を見極めろって事か」
「それはわかったんですけど⋯結局私たちは帰れるんですか?」
宗司たちはリースの話で呼ばれた理由には納得したが、凜香はやはり帰れるのかが気がかりのようだ彩芽や優愛も確かに。といった顔をしている
「その点についてはご安心ください。皆様を帰還する手段はすでにございますし、いつでも帰れます」
その言葉に四人は安堵する。帰還手段はすでにあるようだ
「しかしできれば皆様にはこの世界の最強を決めて頂きたいのです。決めてから帰還する、というのは検討していただけるでしょうか⋯」
四人は一度顔を見合わせる
「どうする?一応帰れるらしいけど⋯」
「先輩方の意見聞きたいですね」
「私は決めてあげても良いと思う。どうせ帰れるならしばらくここにいてもいいんじゃない?」
「俺は賛成。こんな経験めったにないし。それに⋯⋯異世界来て冒険するのはロマンだと思うし!!」
四人はうなずきあい、リースの方を向く
「わかりました。あなたの頼み聞きましょう」
「本当ですか!ありがとうございます」
リースはとても喜んび、四人に深く礼をする
「それでは冒険のために皆様の”役職”と”属性”を決めますのでこちらに来ていただけますか」
リースについていく四人。波乱の役職決めが始まろうとしている
完全オリジナルだと自由に書けて楽しいですね。頑張ります