ビルドダイバーズコズミックファイターズ   作:赤いおばけ

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必殺技

ハヤスとデクー、2人の猛攻をマスターガンダムは被害を最小に守り続けていた。デクーのグレイズバンカーはメイン武器であるダインバンカーを手放しており、サブ兵装であるハンドアクスを叩きつけ、ハヤスは投げ飛ばされた際に手放してしまったシュベルトゲベールではなくビームサーベルを振り回しているが、それぞれ左手とマスタークロスを巻き付けた右手で弾かれてしまっていた。

 

そんな状態を嫌がったマスターガンダムによってハヤスは蹴り飛ばされてしまう、そんな大きな隙をデクーは見逃さなかった。左手を掴み、逃げられないようにした後に己の必殺技を放つ。頭部のヒートラムが光り輝き本来の長さ以上に伸びていく。

 

巨大なビームサーベルとなったヒートラムを振り下ろしマスターガンダムから後ろの地形に縦一文字の傷を残す。巨大なビームの奔流によってマスターガンダムを倒した……はずだった。一向に終わらない試合にデクーはハヤスへと呟く。

 

「ハヤス……わりぃ……」

 

肩越しに振り返りながらつぶやくデクーのグレイズバンカーの背中からマスターガンダムの貫き手が生える。グレイズバンカーから手を抜きながら邪魔だと言わんばかりに振り飛ばしたマスターガンダムは隻腕になっていた。必殺技を振り下ろしている最中、マスターガンダムは自らの左手を右手で切断し、必殺技を終えた直後に再び接近し貫き手を放ったのだ。

 

そしてマスターガンダムはついに明鏡止水を発動、金色に輝くままにハヤスのゼロストライクガンダムを殴り飛ばす。ハヤスはガードしたにもかかわらず吹き飛ばされ、片膝をついてしまう。ゆっくりと近づくマスターガンダム、ハヤスにとって近づいてくるまでの間が酷く長く感じた。だが、その間ハヤスは己の中で葛藤していた。

 

ただのトーナメント、死にはしない。

デクーとは今日あったばかりの他人じゃないか。

フォースネストだってビルドコインを貯めてから手に入れればいい。

もう、諦めてしまってもいいんじゃないか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当にそれでいいのか?

ここで諦めたら一緒にここまで頑張ってくれたデクーの思いを無下にするんじゃないか?

今も応援してくれている幼馴染たちが、期待してくれる友人たちが悲しむんじゃないか?

 

「負けて……たまるかよ!!!!!」

 

そんな葛藤の間にマスターガンダムは目の前にやってきていた。トドメを刺すため残った右手を貫き手の形にし振り下ろす。だがその貫き手はハヤスのゼロストライクガンダムを貫くことはなかった。ゼロストライクガンダムの左手が貫き手を止めていたのだ。蹴りを放とうとしたマスターガンダムは咄嗟に後ろへと飛ぶ。じっくりとゼロストライクガンダムの様子を油断なく見る。

 

ゆっくりと立ち上がるゼロストライクガンダムの二つの目が光ると同時に機体が青白く光り、バックパックであるウィングカスタムの翼が広がり、ハヤスの周囲に羽根が舞う。ハヤスの想いに応えるようにゼロストライクガンダムは必殺技を会得した。

 

セラフ化と銘打たれたそれの能力は状況に応じて変化するものだった。そして今この状態で変化した能力は機体性能の底上げだ、一瞬でマスターガンダムへと近づき殴り飛ばす。油断なく構えていたはずのマスターガンダム、一瞬ゼロストライクガンダムが動いたと思った時には吹き飛ばされていた。しかしマスターガンダムも隻腕とはいえ反撃を試みるも、その攻撃は全て弾かれていた。

 

何度かそんな攻防を繰り返し、一度お互い距離を取る。ハヤスは手放していたシュベルトゲベールを見つけ、拾い上げる。この試合を終わらせるべくハヤスはシュベルトゲベールを刺すように構えマスターガンダムへと突撃する。マスターガンダムは自らの経験から突撃してきたゼロストライクガンダムの攻撃をギリギリでかわし胴体へ貫き手を放つ。

 

その貫き手はゼロストライクガンダムの胸へと伸び、貫いた……はずだった。貫き手が直撃した瞬間、ゼロストライクガンダムの姿が消え羽根が舞う。そして背後からダインバンカーが押し当てられる。

 

「デクーの敵、取らせてもらう!終わりだ!!!!」

 

そう叫ぶと同時にダインバンカーが打ち込まれ、マスターガンダムは上半身と下半身とに分かれ試合終了のブザーが鳴り響く。

 

 

 

 

全ての試合がおわり、ハヤスとデクーは表彰台に立っていた。観客席からは様々な声が上げられ、そのどれもが健闘を称える物だった。

 

優勝賞品である、特別なフォースネストを手に入れたハヤスはデクーをフォースへと誘う。しかしデクーはその誘いを断り、代わりにアライアンスを結ぶことになった。

 

「俺は一匹狼だからよ、ただの腕試しのために今回のトーナメントに参加したが……ハヤス。お前のおかげですごく楽しめたぜ」

 

「デクー……、ありがとう。デクーのおかげで俺は優勝できたよ。」

 

握手を交わしながら二人はアライアンスを結びトーナメントの全工程が終了したことをアナウンスされた。

 

『これにて、男だらけの熱いタッグトーナメントの終了となります!!!!お疲れさまでした!!!!!』

 

「「「「「お疲れさまでした!!!!!」」」」」

 

 

 

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