『ハ…ハハ…ハハハハハハハハ!アーッハッハッハ!』
燃え盛るカリストの機体、そしてそんな状態からの大笑いがハヤスたちへ聞こえてくる。
先程まで互角の戦いをしながら、お互いを認めていた雰囲気が変わり一気に禍々しい雰囲気へと変わっていく。
「カリスト…!」
「ど、どうしたの?」
カリストを心配する3人、そんな3人の中ハヤスへと攻撃が繰り出される。
突然のことに反応ができず、このままで真っ二つに切り裂かれる……はずだった。
『……馬鹿が』
そんな呟きと共に攻撃を防いでいた見たことのない機体、深緑の装甲を持つ格闘機。
頭部はトールギスⅢを改造したツインアイ、腕と胴体はゴッドガンダムを使い徒手空拳を使い、脚部はEx-Sガンダムを使い膝のリフレクター・インコム、大腿部ビームカノンにより遠距離への攻撃も対応している。
そんな機体を駆る人物、それは先程まで激戦を繰り広げたメカマスターだった。
どうしてこうなったのか、それは数十分前まで遡る……。
『リベンジマッチは一月後にしよう、楽しみにして待ってるぜ』
一月前、そんなことを言ってカリストたちは帰っていった。
それから一月後、ハヤスたちは自らの機体を強化していた。
「やれることはやったし、ランクも皆Bになった。あいつらに一泡吹かせてやろうぜ!」
「まさか乱入してきたのがカリストたちだったとは気づかなかったなぁ~」
「何も知らないまま助けてもらったから親切な人だと思ったけど確かに荒っぽさはあったわね」
そんな作戦会議と言えないような会議を終え、今まさにリベンジマッチの幕が開く。
「ゼロストライクガンダムフルパッケージ!行きます!」
「セブンソードウィングガンダムフルセイバー!いっきま~す!」
「ヴィクトリーキャノンフルバースト、ナグサ出ます」
カスタムマッチの戦闘、戦場は三次元の戦闘を想定される宙域。奇しくも初戦闘の時と同じ場所だった。そこへ遠方からGN粒子砲が二つ撃ち込まれる。
その威力は乱入時のお互いの攻撃を撃ちあった時以上の、waveミッションのボスへと放った必殺技級の威力を持ったものだった。
咄嗟に回避した3人はバラバラになってしまった。それは以前にもされたことだ。ハヤスたち3人はそれぞれ「しまった」と思った時にはカリストたち3人は目の前へと迫っていた。
カリストの駆る機体は素体をカラミティガンダムに肩と脚部、バックパックをEx-Sとミキシングした
メカマスターの駆る機体は大きなブースターに六つのGNドライブを搭載したヘキサドライブ、中に1機入りそうなほど大きなメッサーラ。カラーリングは藤色だった部分が白色になり、紫色の部分が緑色へと変更されていた。
アフサイドの駆る機体は素体にダブルオークアンタフルセイバーを使い、動きを阻害しない程度にまるでクロスボーンガンダムフルクロスのように
カリストの突進を避けるハヤス、しかしハヤスの機体がワイヤーによって巻きつけられその場から一気に離脱していく。ハヤスを連れ去るカリストを追いかけようとする二人だったがリネへとバスターソードを振り下ろすアフサイドによって阻止されそのまま推し進められる、狙撃によってワイヤーを切ろうとするもロックオン警報によって回避をせざるを得ない状況へと持ち込まれたナグサ。そのロックオンをしたのはメカマスターだ。
今再びあの時の状況が生み出された。リベンジマッチの開始である。
sideリネ
連れ去られたハヤスを追いかけようとした一瞬の隙、前までのあたしだったら反応できなかった。
けれど、カリストに動きを教えられた後言われた「本格的にやるんならちゃんと現実で剣道やるなり道場いくなりしなよ」という言葉であれからずっと習っていた。
殺気のようなものを感じ、あたしは咄嗟にその向きへとバスターソードでガードする。その読みは当たってた。
あの時の青いマラサイ、アフサイドと戦ったあたしはまさかこうなるなんて思ってなかっただろうな。今ではちゃんと反応できるし、やっぱりあたしは格闘戦が性に合っている気がする。
だってこんなにも楽しいのだから
「うぅ!あの時とは違う!簡単には負けない!」
『ハッ!どんだけ強くなったのか見物だなァ!』
主人公機とは思えない言動で攻撃してくるアフサイド、自らの機体に取り入れた元の機体の改造機。元なだけあって大部分の武装が同じ故に大振りの剣による鍔迫り合いが幾度となく繰り返される。
『こいつは対処できるか?行け!
両手を広げるポーズと共に装甲の裏側からファングが展開しリネへと襲い掛かる。
無数のファングミサイルがリネに接近するが、リネは向かってきたミサイルを撃ち、大体のミサイルを撃ち落とした後爆発する前にビームサーベルで切り払う。
爆風に隠れて再びアフサイドが切り込んで鍔迫り合いが始まった。
『成長してるじゃねぇか!戦いがいがあるってもんだ!』
「まだまだこんなものじゃないから!」
そして、リネの機体が赤色に染め上がる。元の機体はウィングガンダムではあるものの、GNドライブを搭載しているため使用できる技だ。
以前までならあまりの速さにリネが付いていけず目を回すことしかなかったが、あれから数か月。その弱点は克服していた。
『トランザムか!だったらこっちもだ!』
そしてアフサイドの機体も赤色に染め上がる。トランザム同士のスピード勝負だ。
先に攻撃を当てたのはリネだ。それはまさに致命の一撃……のはずだった。突如としてアフサイドの機体は緑色の量子となってリネの背後へと現れる。
だが、この勝負は再び睨み合いとなった。リネもアフサイドの攻撃を量子化によって回避したのだ。
GBNでの量子化はいわゆる緊急回避の一つとして実装されていた。トランザムの熟練度を上げることによって使う事ができ、リネが量子化に成功したことでアフサイドの熟練度に並び立った。
『まさか量子化までできるとはな……!』
「ぶっつけ本番だったけどね……!やっぱり強い人と戦うと一気に成長できる!」
そして再び剣戟が始まった。一進一退の攻防、だがここでリネの仕掛けた罠がアフサイドを捉えた。
量子化による回避の時にGNソードビットを一つだけ切り離しておいたのだ。そして鍔迫り合いになったその時、リネは切り離したソードビットをアフサイドの背後から突き刺した。
その突き刺した場所はアフサイドのGNドライブ。一気に性能を落としたアフサイドへとトドメを刺すべくGNソードⅤを構え突進する。
だが、ただで終わらないのがDOLGというフォースだった。性能の落ちた状態でリネの機体の片足を切り飛ばした。その瞬間リネのGNソードⅤがアフサイドの機体の胸から背中にかけて貫通する。
リネのリベンジマッチはリネの勝利で終わった。
『ハッ……強くなったな……』
「……ありがと」
リネはその言葉を残し、ハヤスの元へと急ぐ。
sideナグサ
ナグサとメカマスターの戦い、このまま戦い続けても決着はつかないと言えよう。
ハヤスを援護するべく後を追おうとするもその行く手に強力なGN粒子砲が二つも撃ち込まれ、そのまま進めば即撃墜してしまう。
すぐさま方向転換し、その攻撃を避ける。そんな攻防ともいえない遅延戦闘が繰り返され、ナグサは焦り始める。
メカマスター側もあくまで足止めを第一に行動しているため、積極的に撃墜を狙わずに行く手を遮るばかりだった。
GNメッサーラから放たれるGNミサイルを放つもナグサの
常に動き続けるGNメッサーラは攻撃のタイミングの時だけは足を止め狙い撃ってきていた。ナグサはギリギリで避けついにGNメッサーラの片側のビーム砲を潰すことに成功するが動きにはあまり支障はなかった。
そんなことを繰り返すうちにナグサはあることに気が付く。一向にトランザムを使ってこないのだ。
六つもGNドライブを付けているからさぞ長時間トランザムや量子化ができると思われるが、実際は制限がかかっている。
これはトランザムや量子化が便利で無造作にGNドライブをつけることを防ぐための運営からの処置の一つだった。
GNドライブはよくて二つがトランザムや量子化が使える限界でそれを超える数を使う場合は取得難易度の高いライセンスが必要だ。
ナグサはひとつの賭けを仕掛ける。メカマスターがトランザムを温存していれば自分の負け、使えないなら希望が見える。
(この賭けに勝てば私にもチャンスが来る……!)
「いけぇーーーーー!!!」
そう叫びながらメカマスターの飛行ルートに、わざと穴をあけた攻撃を仕掛ける。
バックパックに搭載されたミサイルが一気にメカマスターを襲う。
メカマスターはミサイルに追いつかれないように機体の速度を上げ、ジグザグに動くもミサイルはそれに追従する。
そして、一気に加速しミサイルから直線で逃げ多少距離を置いた後に変形しながら前転し、残った1門のGN粒子砲を放ちミサイルを破壊する。
ナグサは賭けに勝った。あの状態であればトランザムを使わざるを得ない状況にもかかわらずあくまでもヘキサドライブの推力で逃げ切った。
そして、攻撃の瞬間に足を止めた時。ナグサはアサルトバスターを狙撃モードに切り替え、さかさまのGNメッサーラの足を撃ち抜く。
撃ち抜かれてもなおナグサへと接近しGNミサイルを放とうとする。だが、ナグサの持っていたビームライフルによって撃ち抜かれ、最後のGN粒子砲も潰されてしまう。
『お手上げだ、強くなったなナグサ……』
「貴方達のおかげよ、色々な体験をさせてくれてありがとう」
『あぁ……だが、DOLGの意地は見せる!!』
「な、なにを!!」
そういうと腕を広げ、ナグサの機体を抱きしめる。その行動に嫌な気配を感じたナグサはすぐさま脱出するべくもがく。
GNメッサーラから光が漏れ始め、まさに今自爆する瞬間にギリギリのタイミングで脱出に成功する。
手持ちの武装であるビームライフルとシールドを犠牲にして……
「やっぱり侮れないわ……貴方たち……」
そうつぶやきながらハヤスを追うナグサ。ナグサは気が付かなかった、爆発の影に揺らめく謎の物体が飛び去る所を……。
sideハヤス
ワイヤーによって拘束され、連れ去られるハヤス。ビームサーベルでワイヤーを断ち切り、脱出するも2人と大きく離され、援護は期待できなかった。
そんなハヤスへロックオンのアラートが鳴り響く、咄嗟に回避してみれば先程までいた地点に青いビームが通過する。
それはカリストの放ったビームスマートガンだった。カリストへの反撃のため、ハヤスはフルパッケージの武装であるバックパック左側のツインアグニを打ち込む。
赤いビームは真っ直ぐカリストへ向かっていく、当然回避されるが回避した先へ両肩のマイダスメッサーを投げ移動先を縛る。
その目論見通りに動いたカリストへバックパック右側のシュベルトゲベール改を振り強襲する。
カリストはシュベルトゲベール改を左手のジャベリンで防ぐと同時にそのままビームスマートガンをハヤスへと向け躊躇なく引き金を引く。
「あっぶね!!」
『惜しかったな』
「まだまだこんなものじゃないぜ!」
ハヤスはフルパッケージの最大の武装であるドラグーンを飛ばす。トーナメント戦の時まではオート操作しかできなかったハヤスはこの一か月で自機を操作しながらドラグーンを操作することができるようになっていた。
オールレンジ攻撃によってカリストの機体の装甲へダメージを与えていく、だがビームコーティングがされているのかあまり大きなダメージにはならなかった。
ビームがダメならと、脚部の脹脛側面に搭載されたマイクロミサイルを放つ。その作戦が功を奏したのかカリストの装甲はひび割れていた。
トドメを刺すべくシュベルトゲベール改を両手で持ち思い切り振り下ろすハヤス。
カリストはそれを防ぐようにビームスマートガンを構えるが、あっけなく断ち切られカリストの胸部装甲を切り裂く。
しかし、ハヤスは手応えのなさに言い様のない違和感を感じていた。
そんなハヤスの元にそれぞれアフサイドとメカマスターを打ち倒したリネとナグサが合流する。
sideコズミックファイターズ
リネとナグサがハヤスに合流した時、カリストとの決着はついていたように見えた。
だが、ハヤスからは困惑の声が出ていた。斬ることはできたが、ダメージになっていなかったように見えるというのだ。
そんなことを言った直後、ハヤスの切りつけた装甲の傷から激しい炎が吹き上がる。
禍々しい気配と、高笑いと共にその姿を現すとまっすぐハヤスへと斬りかかる。
あまりの速さに反応できず、このままでは即撃墜されるところだったが、そこへ見知らぬ機体が助けに入る。
だが、カラーリングと聞こえる通信からその機体のパイロットがメカマスターということが分かる。
渦巻く炎が消えた後に現れたカリストの機体、それは先程までのEx-Sガンダムの面影が消え、クロスボーンガンダムゴーストに出てきたファントムガンダムのようだった。
陽炎のような揺らめく炎ではなく、荒れ狂う業火のような激しい炎をまとった機体。
『これが俺の機体の本当の姿だ!!!カラミティファントムの力を味わえ!!!』
そう叫ぶと同時にカラミティガンダムの口が開き、ファントムガンダムのような口が現れ、バックパックも割れ中からファントムガンダムのバックパックが現れる。
バックパックの脇からはダハックのアームド・アームが展開され、先程斬られたスマートビームガンの代わりに遠距離攻撃を可能とする。
威圧感の増したカリスト、その異常な変わりようにメカマスターがハヤスたちに助太刀をする。
だが、ハヤスたち3人はダメージが重なり、次第に押されていった。
『俺が時間を稼ぐ、お前たち3人は何か作戦を考えろ!』
そう叫びながらカリストへと攻撃を繰り出すメカマスター。
リベンジマッチだったはずが、突然のカリストの暴走にハヤスたちはピンチに陥る。