擬似的なタイマン状態にされた3人は、お互いの相手とにらみ合いが続いていた。先手をいかにとるかの読み合いにしびれを切らし戦いの火蓋をきったのはハヤスだった。
「相手のほうが性能が上なら先手は貰う!」
「果敢に挑むか、だがその手には乗らん!」
ガブスレイアインに斬りかかるハヤスだったが、その攻撃を変形によって回避された。変形したことによりMS形態以上の機動力でハヤスは防戦一方の戦いを強いられる、宇宙空間ということもあり縦横無尽に飛び回る敵に狙いをつけることができない。さらにGNフェダーインライフルによる遠距離攻撃を撃ち込まれたかと思えば突撃しクローによる斬撃を仕掛けてくる考えの読めない動きに翻弄されてしまう。
だが、ハヤスはこの攻撃パターンをどこかで見た覚えがあった。一撃離脱を繰り返したかと思えば大胆に接近戦を仕掛けてくる、次第にハヤスはガブスレイアインの攻撃を確実にかわしはじめついに攻撃を当てることに成功する。
「1…2…3…!ここだァ!」
「何?!俺の動きを見切ったとでもいうのか!」
一見ランダムに仕掛けていると思っていたがその実、いくつかのパターンを組み合わせ、それを繰り返していただけだったのだ。それを見抜いたハヤスはGNフェダーインライフルの攻撃をかわした動きのままガブスレイアインがMA形態で突進してくることをよみビームサーベルを振り抜いたことでクローの片方を切り飛ばす。
「くっ……アレを使うぞ!集まれ!」
クローを切り飛ばされたことで今までの苛烈な攻撃はなんだったのか突如として味方との合流を図るガブスレイアイン、ハヤスも2人との合流を急ぐ……。
ハヤスとガブスレイアインの戦いが始まったと同時に他の2人の戦闘も始まっていた。リネと対峙するマラサイツヴァイはバスターソードを振り回し、リネを追いかける。その重さを感じさせない動きにリネは冷や汗をかく。
「オラオラァ!逃げんじゃねぇ!」
「くっ……一発でも当たったら終わる!」
「仕方ねぇ、行けよファング!!」
ギリギリのところを避け続けるリネに痺れを切らしたのか、マラサイツヴァイの右肩のシールドがさらに割れるとそこからファングが飛び出した。マラサイツヴァイの意のままに飛び回るファングにリネは手も足も出ない。だが、ファングに対応しているリネはあることに気付く、マラサイツヴァイの攻撃がないのだ。何を隠そうファングやファンネルといった自立行動型の武装はオート操作とマニュアル操作の二つがあり、マラサイツヴァイはマニュアル操作によってリネを追い詰めていたのだ。オート操作はAIが動かしており、その規則正しい動きでは簡単に動きをよまれ壊されることが多い。だがその分マニュアル操作の難易度は高いが自由な動きで破壊されにくいが、操作に集中して本体の動きがおろそかになることは多々あることだった。
「隙あり!ファングに集中しすぎ!!」
「アァ?!俺のファングが!!」
ファングの猛攻の一瞬の隙を突き、無防備だったマラサイツヴァイの右肩のファングの格納部分を切り裂くことで残りのファングを扱えなくする。残っていたファングも元の部分が壊されたことで動きを止め始める。ファングを壊されたことでマラサイツヴァイは味方と合流する判断をし、そそくさと撤退する。そんなマラサイツヴァイをリネは見送ることしかできなかった、ファングを壊したとはいえその戦闘はリネの精神を大きくすり減らすほど激しかったのだ。
「チッ、割に合わねぇ。アイツも呼んでるしお前らは終わりだ」
「はぁはぁ……見逃された?……いったん合流しよう」
ハヤスとリネの戦いと同じくナグサの戦いも始まった。ジャミング効果のあるGN粒子をまき散らしながら飛び回るハンブラビドライにナグサは攻撃を当てれないでいた。ハンブラビ自体が元々高速で一撃離脱を主にする機体だったためにこうも近寄ることができないと遠距離からの攻撃しかできず、さらにジャミングによってレーダーが使えないために目視で探し自力で偏差射撃をしなくてはならず膠着状態が続いていた。ハンブラビドライから攻撃することは少なく、他の2人の支援が主な仕事のようだった。かといって攻撃が全くないというわけではなく腕部のクローの代わりにつけられたビームライフルによる狙撃はナグサに当たることはなくとも回避を強制するほどの正確さだった。
「ちょこまかと!くっ……一向に当たらない!」
「こちらを狙っているのか、だが足を止めては狙ってくれと言っているようなものだ」
「っ回避を!」
膠着状態を突破するべく、ナグサはあることを思いつく。ヴィクトリーガンダムは分離合体が可能であり、ハンブラビドライを攻撃するさなかにボトムリムを外すと数秒後に追尾するように設定する。ヴィクトリーガンダムらしい搦め手だがハンブラビドライには効果覿面であった。ナグサに集中していたハンブラビドライは死角からミサイルのごとく飛んできたボトムリムがレドームに直撃したことでジャミングをすることができなくなった。レーダーや通信が回復すると同時にナグサもハンブラビドライも味方への合流を優先した。
「なめた真似を、だがアレを使うのだな」
「ハヤス達は?!無事ね……」
それぞれが味方と合流したのも束の間ガブスレイアインを先頭にマラサイツヴァイとハンブラビドライが両脇に並ぶとコードを取り出しガブスレイアインに接続する。そしてGNフェダーインライフルに3機のエネルギーが充填されGN粒子砲をハヤス達に放つ。只ならぬ気配を感じたのかガブスレイアイン達3機が並んでいた時にハヤス達も同じく並んでいた。
「アイツらは多分スローネの3機をそれぞれ合わせているんだ、ということはおそらく合体攻撃をしてくる」
「どうするの?ここまで離れちゃうと近寄るころにはビーム来るよ!」
「相手も手負い、こちらも手負い。逃げようにも逃げれないわ……」
「いや、最後の抵抗はする。バスターライフルを貸してくれ」
ハヤスはリネからバスターライフルを借りるとその出力を限界まで上げる。機体が悲鳴を上げてもなお出力を上げついにバスターライフルを撃つ、それと同時にガブスレイアインからもGN粒子砲が放たれ両者の攻撃が直撃する。そのエネルギーの爆発は凄まじくハヤス達は撃墜判定をもらってしまうほどだった。だが、その判定は相手にも起きたようで乱入バトルの結果は勝利扱いとなっていた。
今更ながら、乱入バトルとは一見乱入された側が不利に思えるがDRAWはなく、お互いが同時に撃墜されたりした場合は乱入された側が勝利となる。それに加えて相手を撃破すると多額の賞金、もしくはパーツデータなどがもらえたりするなどどちらかというと乱入した側が不利不平といった具合で、乱入バトル自体があってないようなシステムだった。しかし一部の人間はこの乱入バトルを気に入っており今回はたまたまそのパターンが当てはまったに過ぎなかった。
ミッションがクリアした後に乱入バトルになるためたとえ乱入バトルに負けてもミッション報酬は貰える。結果的にハヤス達はミッション報酬と乱入バトル報酬の二つをもらうこととなった。しかし、ハヤス達は腑に落ちなかった。結果が勝利であっても実際は引き分けのようなものだったからだ。
「勝利ではあるけど……」
「相手が隙を見せなかったら負けてたね……」
「なんだか意図的に隙を見せていたような気がするわ」
「でも、バトル楽しかったな!」
「うん!(ええ!)」
ロビーへと戻ってきた3人はミッションと乱入バトルで新たな目標を決めた。そのためにも自らのガンプラを強化するべく新しいガンプラを買うことになるが今回はここまで。
書き溜めとかせずに思い付きでパパっと書くから多かったり少なかったり投稿しなかったり申し訳ないです。