最初のミッションから三日後、進は自分の部屋で作ったガンプラを見ていた。初心者故にゲート処理が甘かったり、シールが歪んでいたりと細かいところを見ていくときりがなかった。GBNでは小さなミスと言えるものは自動的に処理されガンプラを詳しく見せてもらうなどをしない限りはそういった処理や歪みは見えないのは救いだった。だが、あの時乱入してきた3機のような性能を底上げするにはそういった細かいところを直すことが大事だった。
「
進は一人悩んでいるようだったが、他の2人も同じ時同じ事を思い悩んでいた。そんな悶々とした思いを胸に秘めながら3人は再びGBNへとやってきた。前回と違うのはガンプラショップではなく各自の家からのログインだ。
「よっ!2人とも今日はどうする?」
「ん~あたしは何でもいいけど強いて言うならお金稼ぎ?」
「私もそれには賛成よ」
「ゲーム内通貨で何か買えるのか?」
「知らないのハヤス?GBN始める時に登録した住所にGBNで買ったガンプラが届くんだよ!」
「それにマイルームがあれば買ったガンプラを飾れるのよ」
「そうなんだ、じゃあミッションに行く前にガンプラを見ないか?値段とかも知りたいし」
「あっ!それいいね!」「ならそうしましょう」
GBNでは現実で提携したお店から登録した住所へと届くガンプラ専門の通販のような機能がある。この機能があることでショップに見に行ってほしかったガンプラがなかった等の徒労がなくなりGBNに集中することができるといった声も上がっている。そんな話をしながら3人はGBNのショップへやってきた。そこには壁一面に広がるガンプラ、サイズごとに並べられ手に取ることもできるほか名前を検索して買うこともできる夢のような世界があった。
「すげぇ……いったん自由行動にしようぜ、決まったら連絡する」
「分かった!」「了解よ」
自由行動になり、ハヤスは検索ではなく実際に見て探すことにしたようだ。最初のミッションがSEEDの第一話ということもあり、自ずとハヤスはSEEDの棚へと向かっていく。棚を見ながらどんな機体にミキシングビルドしようか悩んでいると他の利用客も見にやってきた。だがその見た目は……ロボだった。
「やっぱり合わせるならストライクガンダムかな……ソードとランチャー、それに二つ合わせたパーフェクト。IWSPなんてのもあるし武装の少なさを補える気が……ん?」
奥から棚を見ながらやってきたロボットの第一印象は戦隊シリーズの敵幹部のようだった。全身を黒で塗られ脇腹や肩の部分が別の赤い装甲で覆われている。腰にはスカート状の防刃布が巻かれ、左肩からはマントが垂れている。頭部はまるで王冠のような意匠にジェガンタイプのような目の奥から時折ツインアイが光る。
(うおぉ……威圧感すごいな)
そんなことを思っていると見ていた人物が足を止める、どうやら探していたガンプラは自分と同じSEED系のようだった。自分のガンプラ探しに戻ろうとすると件のロボは独り言が出るタイプのようだった。
「やっぱここならあるよな!フルメカニクスのカラミティガンダム!HGと違って細かいモールドもあるし、プロポーションもスリムになってますますカッコいいぜ……!」
(いやすごい喋るな!見た目で絶対損してるぞ……)
「あ?何見てんだお前」
「かっこいいロボがどのガンプラ選ぶのか気になって……って何言ってんだ俺」
「カッコいいって思ってくれるか?!お前いいやつだなー!オススメは今お前が持ってるストライクだぜ!」
「えぇ……急にフレンドリー……でもそうか、出来がいいから?」
「それもあるが武装の種類が豊富だからサブ機体としても優秀だぜ……っと、俺はもう行くな!そうだフレンド登録しとこうぜ、じゃあな!」
「な、なんだったんだ……でもストライクか。いいな!」
思わずできた新しい友人に勧められたストライクガンダムは3つのパックによって姿を変える機体だ。万能なエール、近接のソード、射撃のランチャーと最終的には全部乗せのパーフェクトもある。派生した機体もいくつかありまさにハヤスにとって痒い所に手が届くような機体だった。ハヤスはガンプラを決めたことを2人に連絡し入口で合流する。2人も決めたようだがどうやらナグサは複数選んだらしくすぐに組みたいと今日は解散を促す。
「ごめんなさい!色々選んでたんだけど一度形にしてみたいの!」
「あたしも実は組んでみたくて……ごめん!」
「仕方ないさ、ミッションは逃げないしまた今度な」
1人残ったハヤスは淡い期待を胸にさっそく新しくできた友人に連絡をしてミッションに誘ってみる。すると承諾する返事が来たことに嬉しさが湧いてくるのだった。
まさか新しくできた友人が大きな悩みの一つになるとも知らずに……
悪の三兵器いいよね……