その日長瀬瑠梨は一人でGBNへとやってきていた。自分のオリジナルのガンプラを作成している途中で思った形を生み出すことができなかったからだ。おそらく近距離タイプのカスタマイズにするであろう鳥井リネと中距離で二人のカバーができるカスタマイズにする早川進、そして遠距離からの支援攻撃をしようとバスターガンダム、ランチャーストライク、サバーニャなどといろいろな射撃特化機体のガンプラを買っては何かが違うと思い悩む日が続いていた。もはや部屋にはガンプラ専用の棚まで作ってしまう始末で、息抜きにGBNにログインをしていた。
「何かが足りない気がするわ……。遠距離からの支援ならいいのかもしれないけれど……」
GBNのロビーにあるベンチで武装を調べていると、目に留まる武装がいくつかあった。プラズマダイバーミサイル、アトミックバズーカ、ダインスレイブなどの強力な武装だ。どれもが必殺技には劣るものの、通常の武装より圧倒的に強い武装たち。しかしそんな武装もある種の制限のようなものがかかっていた。
「ライセンスがないと使えないの?でもそんなライセンスどこで手に入れれば……」
強力な武装になるほどダイバーランクが高くないと使えないうえに、その武装のライセンスがなければ威力が通常の武装と同じになってしまうという制限があった。この武器の見た目がいいんだ!といった意見や、威嚇目的にライセンスがなくとも装備するといったこともあるがナグサは自分のランクで取れるライセンスの武装を探していた。
彼女たち三人はまだ始めたばかりではあったが乱入バトルを勝利したことでDランクへと上がっていた。そしてDランクで使えるライセンス武装の中には彼女の使うヴィクトリーガンダムの強化プランであるV2アサルトバスターも存在していた。ライセンス自体はランクアップ時に自動開放されるものもあるが、ランクアップ時に開放されるライセンスはランダムのため目当てのものが解放されていなければ別途取りに行く必要があるのだ。
そして現在、彼女はライセンスを取るべくエリアを移動し散策しているのだが、見るからに怪しい場所で、表通りではなくどちらかというと裏通りで、どうしてそんな見た目でGBNをやっているんだと言わんばかりの見た目のダイバーたちが屯していた。そんな中に美人のダイバーが一人で歩いていれば寄ってくるのは当然の事だった。
「おいねーちゃん。こんなところで一人か?」
「こう見えて俺たちは強いぜ?手取り足取り教えてやろうか?」
GBNは昔
「どいてください、今なら通報はいたしません。」
「何だと?!人が下手に出ればつけあがりやがって!」
「そ、そんなつもりでは……」
「うるせぇ!!!覚悟しろ!!!」
現実ではどちらかというと優等生であり、怒鳴られる経験がなかったせいか全くの赤の他人から謂れのない事で怒鳴られたことで委縮してしまったナグサは次第に壁のほうへと追いやられてしまう。通報したらいいだろうと思われるかもしれないが人間いきなりの事では焦ってその発想が出てこれないのだ。だが、そんな暴挙が行われようとしているところに声をかけるものがいた。
「おい、お前ら何してんだ。複数人で一人を追い詰めるとは程度が知れるぞ」
「誰だてめぇは!!」「カッコつけてんじゃねぇぞ!!」
声をかけた人物、それは当時のナグサには知りえないことだが以前ハヤス達といった最初のミッションで乱入してきたダイバーであり、つい最近ハヤスとwaveミッションを行ったカリストだった。なぜこんなところに都合よく現れるかといえば自らもライセンスを取ったばかりで裏通りから出ようとした時に中へ入っていくナグサを見て危なそうだなと後をつけたからだった。
「暴力沙汰になんてしたら運営に見つかって下手したらGBNができなくなっちまうなぁ……そうだ!おたくらと俺たち二人で不規則マッチをしよう!勝てば好きにしたらいい、だが負けたらそれ相応のものをもらうぜ」
「こっちのほうが数が多いんだ!調子に乗んじゃねぇ!!」
なぜか対人する羽目になってしまったナグサ、恨めしそうな目でカリストを見るがカリストは笑顔(?)を向けながらサムズアップする。
4対2で始まる不規則マッチ、結果だけを先に言うとカリストが一人で四人を倒してしまった。
ハヤスが主人公です