え!!パニックホラー映画的クリーチャーとの間に子供を!? 作:散髪どっこいしょ野郎
2XXX年
地球は 宇宙より飛来した生命体「介入者」と人類の闘いの場と化していた。
突如現れた「介入者」の群れは無差別に人類への攻撃を開始。
瞬く間に追い詰められた人類の居住区は地表のおよそ27%程にまで落ち込んでいた。
しかし人類もただでは起きなかった。
かろうじて倒すことが出来た介入者達の死体から新時代の兵器「異具」を造り上げ、襲い来る奴等に対抗していくようになった。
「異具」と「介入者」の研究が進むにつれ旧時代の兵装──所謂 銃や戦車などの人間が生み出した兵器──も進化を遂げ、完全に純度100%の異具には及ばずともある程度の対抗策となり得た。
そして現在も、かつての地球を取り戻す為の闘いが焼け野原に変貌した旧■■■■■国の■■区で行われていた。
「増援は!増援はまだなのか!?」
「まだ到着までには時間がかかります!後……ゴほッ─────!?」
十数人の人間がトラック一台分程の大きさの触手の塊に銃撃を浴びせるが、全くと言っていいほど弱る素振りを見せない。
その介入者に生物らしさといったものはなく、無数の触手が球体状に乱雑に纏められているようにしか見えなかった。
凄まじい速度で繰り出される触手の一撃は人一人を葬り去るには十分すぎる威力を有していた。
今回 彼らは既に介入者の掃討が終わった地区の後処理を行う為に来ていたのだが、討ちもらしがあったのか巧妙に影を潜めていたのか触手の化け物に襲いかかられ同伴していた戦闘員は不意打ちにより死亡、非戦闘員の彼らにも苦しい闘いが強いられていた。
「すみません。遅くなりました」
「…! タケ副隊長!」
「五級の「裂」を使います。一応離れていてください」
現れた一人の青年。彼の言葉で介入者を除くその場にいた者全員が退避を始める。
それによって分散していた触手が彼一人に集中するが、叩きつけられる直前に地面に切り落とされた。
構えられた柄の先から青白い光の刃が展開されている。これこそが異具である。
「ンッ───」
駆け出した彼の元に先程の倍もあろう数の触手が迫るが、悉くが切り捨てられ互いの距離が狭まる。
「───!、────!?」
動揺した様子で触手の介入者は攻撃を繰り出すも届く筈も無く一方的に刻まれ続け弱っていく。
殺すだけなら簡単に終わる話だが、タケと呼ばれた青年にはある任務が下されていた。
「────!!」
渾身の力を込めた触手の一閃も悠々と躱され切り落とされ、体内に何らかの薬品が詰められたカプセルを無理矢理ねじ込まれる。
意識を落とされる直前に介入者が認識したのは、辛そうに口元を歪める青年の表情だった。
「帰ってきて早々悪いね。手短に頼むよ」
「はい」
まったく悪びれる様子を見せない研究者に返事を返すのは先程まで戦闘を繰り広げていた青年ことタケ。
「それにしても…直径一メートル三十二センチしかない核からあそこまでの質量の触手を展開できるとはね……これだから介入者は面白いんだ」
トラック一台分程の大きさを誇る触手の塊だった介入者は、人類の研究所で見る影もなく小さく縮こまっている。
あれ以降完全に無力化され捕らえられてしまったのだ。
部屋の隅々から噴出される特殊な薬品により以前のような力を出すことは叶わなくなっていた。
不思議なことに介入者には同じ個体が存在しない。
同じ種族でありながら特徴はすっかりバラバラになっている。
その為研究を進めるという目的で今回捕獲する事となった。
彼──タケは厳重にロックされた扉を開き触手の介入者へ接近した。
「…お前にいくつか聞きたいことがある」
「────────…」
彼に課せられた任務は三つ。
一つは介入者を捕獲する事
一つは介入者の生態などについての尋問を行う事
そして最後の一つは
介入者との間に子供をつくる事であった。
「よっ」
「…………カキ分隊長」
休憩所で買ったココア缶にも手をつけず項垂れているタケに近づいたのは筋肉隆々の大男。
カキと呼ばれた彼は ある分隊の長である人間だ。
介入者との子作りという特例中の特例任務を任されたタケにかかった精神的負担をなるべく和らげようと話しかけていた。
「あ〜…それで、どうだったんだ?触手野郎とのアレは」
「………………」
カキは戦闘能力は随一のものを誇るが、絶望的に口下手であった。
今回何故介入者と子作りする事になったのかというと、これまで奴らの死体からしか異具を造り出す事が出来なかったので子供を産ませることで効率的に異具の量産と研究を進めよう、ついでに人間に従順な介入者を産もうというなんとも頭の悪い発想が通ってしまったからだ。
実の所介入者と人間の間に子供ができることは確認されてはいるのだが、あまりにもその例が少ないため ただの虚報だと噂されていた。
何故今になって、何故タケが、その理由はカキ分隊長といえど知る由もなかった。
「……知りたい……ですか」
カキはなんとなく嫌な予感がした。彼の瞳の奥で狂気的な何かが揺らめいだような気がしたからだ。
「お…おう」
「そうですね…
最初は気持ち悪くて仕方ありませんでした」
「俺が部屋に入った時、奴は怯えたように身を震わせていました。殺されるとでも思ったんですかね。近づく俺から遠ざかろうと核から柔らかい触手を僅かに生やして捩っていました。
軽い質問を始めました。本筋とは特に関係の無い。まぁ大した反応は無かったんで意味ないんですけどね。
それから生態などの質問もしてみましたが何の返事もしてくれなかったのでイラつきました。
ああとうとう始めなきゃいけないのか、とうんざりするような気持ちになりながら奴の外皮…?に触れてみました。
闘っている時は太くしなやかで強靭な触手でしたが弱っていたこともあり柔らかく弾力がありましたね。
奴は困惑したような様子でした。
しかし俺はそんなことに構っていられませんでした。
──やわらかかったんです。本当にやわっこくてプニプニしていて顔を埋めたくなる衝動に襲われました。
それをグッと堪えて性感帯的なものを探ってみたりもしましたが奴は戸惑うばかり。そんなことはどうだっていいんです。
触っているうちに俺の中にある欲望が芽生えたんです。
こいつを、抱きたい……って。
理性が沸騰するのを感じながらそれに深く酩酊しながら俺は奴に言いました。
「今からお前を抱く」
必死に抵抗しようと俺に攻撃を加えようと触手を出してくるんですけどまぁ弱っちいのなんのって。
それを引っ掴んで引き寄せて言ってやりました。
「お前に拒否権があると思っているのか?」
彼女に顔はないんですけどハッキリ分かりました。
彼女は絶望していました。
その時の様子を思い出すだけで……キハハ……すみません。今ちょっと興奮してます。
頑張って頑張って俺から逃げ出そうと距離をとるんです。部屋の扉は固く閉ざされているというのに。
逃げる彼女を優しく抱きとめて撫でてやりました。
ふにゃふにゃの触手がピンと張るようになりました。
ええ。とても面白くて可愛らしかったです。
それからはただひたすらに俺の穢れをぶつけてぶちまけて内側に注ぎ込みました。
だんだん抵抗する気力も無くなってされるがままになっていた彼女もまたよかったです。
事前に薬を飲んでいたので止まりませんでした。
床と共に彼女の皮膚と中がどんどん汚されていくんです。この征服感はたまりませんよ。
彼女の、彼女の半透明な核が、俺との子供の宿り木となるんです。濁っていくんです。
終わった時には触手がピクピクと入った時とは別の震えを湛えていました。
軽く言ってしまうとこんなもんですが──────」
豪胆な性格で知られているカキだったが、既にその場から走り去っていた。
しかしタケは気づこうともせず夢中になって虚空に愛を描いていたのだった。
「おーいタケ副隊長〜」
「はい」
数ヶ月後、
タケは例の研究者に呼び出され空き部屋で一対一で話していた。
「できたみたい。君とあの子の子供」
「は……」
その一言を聞き、彼はどうしようもなく嬉しそうに笑っていた。
主人公(タケ)……訳あり系主人公。名前の由来は「種付け」から
異具……五級から一級まで存在する。数字が少なくなる程強力な物となるがかかるコストが馬鹿にならない為基本的に五〜四級までしか自由に使えない。
介入者(触手)……介入者にはB級ホラー映画の敵役みたいなやつから神話生物的な上位者までが存在する。
今回の触手ちゃんは割と雑魚の部類に入る。
カキ……主人公とは別の部隊の隊長。牡蠣見てたら変な気分になったのでこの名前になった。
やる気があったら続きます