事務仕事を終えた私は、荷物をまとめ下の階へと降りた。
長い作業で凝り固まった体を伸ばしながら、自販機へと向かい無糖のコーヒーへと手を伸ばした。
取り口から取るためにしゃがむとポキと体がなった。
(そろそろ整体に行って診てもらわないとな)
そんな事を考えながらもコーヒーを口へ運ぶ。
すると先程降りてきた階段から上機嫌に歌いながら降りてくる少女の姿が。
「降りてきたの~。あらマネージャー」
彼女は九条柚葉。ここAiRBLUEに所属する声優だ。
「こんな時間までどうしたの?」
「今度送るサンプルを撮りに。マネージャはこれからoverwork?」
「いや、今日は珍しく仕事が少なかったから今日は終わりなんだ」
「Great。じゃあ私と少しミチクサしていきましょ」
「いいけど、どこに行くの?」
「秘密よ」
■■■
大人しく柚葉についていくと。
「ここよ、マネージャー」
そこは先日AiRBLUEのみんなと一緒に花火をした公園だった。
「なんだか花火をしたのがずっと前に見たいに感じられるわね」
「それだけ仕事に集中してるって事だよ」
「そうね。でもマネージャーはちょっと頑張りすぎよ」
「・・自分でも分かってるんだけどね。でもみんなが頑張ってる姿を見てると私も頑張らないとって思っちゃって」
「なーんだ。私とマネージャーの考えは一緒なのね」
「えっ?それって」
「マネージャー、この職業をやってる以上私たちはいつ輝き始めるか分からないわ。でもその輝きが一生来ないって事はないと思うの」
「そうだね」
「きっと私たちは夜空の星なのよ。自ら光続けて誰かに見つけてもらう。その時が私たちの始まりなんだと思う。だからねマネージャー、これからも私たちを輝かせてね。あの星空の様に」
私たちは星か。
柚葉の言ってる事は正しい。この業界に入って知らぬまに消えていくことなんてありえない話じゃない。ただその輝きをしっかりと見つけてもらう為には私たちの力が必要。
「勿論だよ。柚葉」
「ふふっ。それじゃあミチクサは終わり。寮に帰りましょ」
「そうだね」
夜空は無数の星が輝いている。それこそ数えきれないほどに。だから一見星の区別はつかない。だけど輝きは星それぞれだ。
絶対一番星にしてみせるからね。
「ねえ、マネージャー。明日クレープでも食べに行きましょ。おすすめの場所があるの」
「いいけど、明日は収録でしょ?」
「収録前に気合を入れる為に行くのよ。ねっ、いいでしょ?」
「まあ、そう言う事なら」
この日から私と柚葉の、いやAiRBLUEのみんなが輝き始めた日だった。
穂志上ケイさんに書いて頂きました!