気分でたまに続きを書くかも
「あ、そういえば今日か。」
「どうした?」
「いや、何でもない。」
仕事中に今日が誕生日で前に注文していたコッコロのフィギュアが届く事を思い出した。
なら残業は出来ないな。のんびりと進めていた手を早くしてペースを上げる。
「結局ギリギリか……。」
定時の少し前にトラブルが発生して少し残業する事になってしまった。受け取り時刻を20時からにしておいて良かったな。
「あ〜……先に飯。」
風呂に入っててチャイムに気付かないとかあったら嫌だし。
米を早炊で炊いて、カット野菜の袋と豚小間肉を取り出して塩コショウで炒める。さっと作れてそこそこ美味い。
炒めているとノックが聞こえた。珍しい、普通ならチャイムを慣らすのに。
「はいはいっと。」
火を切って玄関を開けると誰もいなかった。
「……なんだ、イタズラか?」
「あの……。」
「ん?」
下の方から声が聞こえて下を向くと、コッコロがいた。
「……お嬢ちゃん、コスプレか?再現度高いな。見せびらかしたいのは分かるけど夜も遅いしもう帰りな。」
というかなんでコッコロのコスプレ?フィギュア買うのがどっかで見られてたのか?いや、無いだろ。たまたまだな。
パタンとドアを締めた。
「まっ、待ってください!」
「……まだ何かあるのか?」
「あの……主様、ですよね?」
「主様?設定を守るのは大事だけど、知らない人にそういうのは言わない方が良いぞ。」
そう言うとコッコロのコスプレ……本当にコスプレだよな?耳とか本物っぽいけどつけ耳だよな?手に持ってる武器とかも本物に見えてしまう。
「いきなりごめん、ちょっと耳触ってみても良い?」
「どうぞ、お好きなだけお触りください。」
試しに耳を軽く引っ張るとふにふにと柔らかい感触がした。最近のつけ耳は再現度高いな……じゃねぇわマジだよこれ。
「どうされました?」
「いや……。」
やっべー……どうすんだよ。本物だよ。
コスプレとかそう言うアレじゃねぇよ……。
「と、とりあえず入ってくれ。ここじゃ誰に見られるかもわかんないし。」
「では失礼します。」
み、見られてないよな?誘拐とかに見られたらたまったもんじゃない!
どうしよう、こんなのどうも出来ないだろ!
思わず頭を抱えてその場でしゃがみ込む。
「あの、あちらの机にこのような物が。」
「机?何も置いてなかったはずだけど……。」
見ると大きな封筒で、中身もそれなりにあるようだった。
全部取り出して一枚ずつ確認していくと、コッコロの経歴等の個人情報や俺との血縁関係が示された内容が書いてあった。
「は、ははは……わけわかんねぇ。もう、無理……。」
「主様?主様〜!?」
そのまま乾いた笑いと共に気絶してしまった。
「いったた……」
頭痛がする。何があったんだっけ……?
「おはようございます。主様。」
「…………ぅおおおお!?!?」
体を起こしてカサカサと壁まで下がり、相手の顔を見た。
「こ、コッコロ……?」
「はい、コッコロです。」
「……。」
ゴスリと自分の頭にゲンコツを落とした。
「主様!?」
「夢、じゃない。」
という事はこれからはうちに一人の増えるのか。
独身だしあまり金を使うこともないから貯まってるけど、ペコリーヌじゃなくて良かったと思ってしまう。
「まあ、なんだ。よろしく?」
「はい、不束者ですがよろしくお願いします。」
「そんな固くなくて良いから。
そうだ、ご飯食べよう。コッコロが来る前に作ってたんだ。」
「主様の手料理……食べたいです。」
「じゃあちょっと待っててくれ。」
夕食を済ませてテーブルに隣合って座る。
夕食や今もそうだが、コンロや炊飯器、テレビにとても驚いていた。それもそうか、別の世界なんだもんなぁ。
「あの、主様。」
「どうしたんだ?」
「主様のお名前を教えてもらっても良いでしょうか?」
その言葉にきょとんとして、笑いが漏れる。
「な、何かおかしい事を言ってしまいましたか?」
「いや、ああうん、なんでもない。」
名前すら教えてないのにのんびりと飯を食べていて、既にコッコロを受け入れている自分がなんだかおかしくて笑ってしまう。
「岸本 千秋だ。よろしく。」
「はい、末永くよろしくお願いします。」
うん、なんとなくだけど、上手くいきそうな気がする。
「あ、そうだ。明日も仕事だから風呂に入らないと。」
「では、わたくしがお背中を流させていただきます。」
「け、結構です……。」
「遠慮はいりません。」
「だ、大丈夫だってぇぇー!?」
上手くいく……かなぁ?
誕生日に届いたのと残業したのと夕飯作ったんで三割くらい実話です。