エンジンが鼓動を速め、鋭く回転を刻めば速度はぐんぐんと上がっていく。その鼓動と共に回っていく針がたまらなく好きだった。その時だけは自分が自分でない様な気がして、頭の中には何も無くなって、風になっていたんだと思う。
たまたまツーリングで仲間と連れ立って走ったこの峠に惚れ込み、家は遠かったが寝食を惜しんで通い詰めた。この道のことは、コーナーの角度から道の荒れ具合、木の生え方、ガードレールの場所、側溝の深さに至るまで専門家のごとく記憶していた。
──最速って称号が、たまらなくかっこよく思えたんだ。
今でも、柊ラインは変わらずその身を横たえていて、こうして時たま楽しませてもらっている。ウオッカに話せば「どうしてオレを連れてかねーんだ!?」と臍を曲げられる事だろうが、何だかんだと外出申請などで寮長のフジキセキに甘えてしまっている手前、彼女を労わらなきゃならないことも、仕事を増やせないことも分かって欲しい。
早朝、まだ日は見えず。かと言って白に染まり出した空は完全に暗闇という訳でもない。明け行く空が今日は晴れであると教えてくれていた。
3月と言えどもまだまだ山の澄んだ空気は肌を突き刺す冷たさを孕んでいて、スっと吸い込めば熱くなった体の芯から冷却されていく。ちょっとした駐車場に停めたVTの前に腰掛けながら、煙草を咥えて火を灯す。
カチカチと金属の冷える音。ほんの少しのオイル臭さ、油の燃えた匂い、タイヤの温度を触って確かめる。たぶん、明日世界が終わるとしても、俺は此処でこうしながら煙草を吸うのだろう。
紫煙を吐き出して虚空に溶かしていく。
先ほど買った缶コーヒーももう底を突くし、いい加減トレセンに向かわなければ朝トレーニングに間に合わない。
ナリタブライアンと併走してからというもの、鼻息荒くトレーニングをせがむ様になったウオッカにメニューを用意して、それはダイワスカーレットにも火をつけてしまったらしい。スカーレットは満足できないといったように宮下へ詰め寄るようになってしまった。すまん宮下。そのイケてる顔に免じて笑顔で流してくれ。
そうやって黄昏ているとバイクが良いペースで上がってきた。甲高い音からするに4気筒のようだが、こんな早朝から走り込むなんて随分やる気のあることでよろしい。
どんどん近づいてきたかと思えばコーナーの入口からマシンが現れ、そのまま出口へ消えていく。それだけでハマサキと分かるトレードカラーの特徴的な緑の車体は、数秒にも満たない時間で再び音だけの存在に変わっていった。
時代を感じる丸目2灯の曲線を帯びたフルカウル。フロントから燃料タンクへ繋がれた蛇腹のホースが特徴的なレーサーレプリカ〈RZX250〉よもやこの時代に走り込むようなマシンとして存在していることに感動すら覚える。19000回転からレッドゾーンというまるでフォーミュラマシンのようなエンジンの許容回転数もその時代を象徴するものだ。2ストロークエンジンがメインだった時代に4ストロークエンジンでパワーを出すためにどうすればいいのか?という技術者たちへの命題の答えがこれだ。“超高回転ユニットをブン回して出力を上げる”というバカげた限界域の力は250でありながら45psを絞り出す。男たちはその魂に触れ、そして時代と共に燃え尽きていった。
─────それは自らの命を賭けて走り、一つの時代を築き駆け抜けていくある意味ウマ娘と同じようなものだと思う。
各メーカーがしのぎを削ってマシンを送り出し、どんどん過激さを増していく。昔はもっと、峠全体に走り屋と呼ばれる者たちがいた。2輪でも4輪でもそうだ。どこの峠に行ってもそこを縄張りにしてる地元の奴らが居たし、ここへ走りに来る者も多かった。
だが今となっては、そこにあった道が残るだけで見る影もない。走りに拘っていたモデルやメーカー各社を狙うようにして規制に規制を重ねられ、道路を走りづらくなるように工事しスポットを潰していく。
いずれはそうなるモノだったんだ。毎週のように聞いた何処そこの誰それが
細々と走る者はいるものの、隆盛を極めた時代から命を何とも思ってない
VTに火を入れ少しだけエンジンを暖める。走ってきたとはいえど冬の空気はすぐさまエンジンを冷やしてしまうから、その間に残った煙草を吸い切ってしまおう。軽快に鼓動を刻みだしたVツインはもう20年をとっくに超えたベテラン選手であるのだが、ほんの少しスロットルを煽ればまだまだイケるときっちり回る。
ミラーに掛けたヘルメットを手にとった時、先ほど消えていった甲高いエキゾーストが近づいてきた。はて、頂上まで行ったにしてはずいぶん折り返してくるのが早いし、どこかでターンしてきたのか。
……再びコーナーの先から現れた丸目2灯はゆっくりとギアを落とすと、駐車場にはいってきた。規則正しく鼓動するエンジンを二回吹かしてVTの隣にマシンをつける。年式のわりにずいぶん調子が良さそうで、カウルも割れなど無く綺麗に乗られていた。よっぽど上手い奴なのかもしれないな。
スモークの効いたフルフェイスを脱ぎ捨てると、予想に反して男はだいぶ若い。まだ大学生かそこらだろうか。ふうと一息つくと目を合わせてきてこちらに笑顔を向けてきた。
「こんちわっス!」
「どーも」
しっかりと革ツナギとブーツを履いている彼はこちらに向かってくると声をかけてきた。
「いやー、この時間に人がいるだなんて思ってなくてビックリしたっス!」
「たまーにこの道でお世話になってるだけさ」
煙草も尽きたので火をもみ消して灰皿へいれる。
ちょっとした駐車場は、4気筒と2気筒Vツインのそれぞれが奏でるアイドリングが不思議と共鳴して揺蕩っていた。
「RZXなんて久しぶりに見たョ。綺麗にして乗ってるね」
「これ先輩の不動車を貰ってレストアで起こしたんスよ!どうしてもハマサキに乗りたくて!」
「へぇ」
このマシンも発売から20年は経っているし、ただでさえ250の4気筒はアイドリングがバラけやすい。外装の経年劣化も仕方がないが、現代のパーツでところどころカスタムされながらもRZXは全く調子良さそうにアイドルを刻み続けている。
「全部自分でやってる感じかな?」
「そうっスね!ただパーツが出てこなくて…」
「あー、この年式になってくるとあるよね」
「いや、オニーサンのバイクも結構やって……え?フルエキでキャリパーも違うしタイヤきっちり端まで使ってる……」
なにやら俺のマシンを見ながらブツブツと言いだしてしまった青年君。
「オニーサン、もしかして走る人っスか」
「
「こんなにタイヤきっちり使っといてそりゃないっスよ!俺、ここで一番速いんスけど、オニーサンとは走ったことないから分からなかったっス」
「……ふーん。
「速い自信はあるっスよ!上りでも下りでも!相手がリッターでもナナハンでも勝てるっスよ!」
峠の下りでは排気量のパワー差というのは小さくなる。むしろ加速が速すぎるリッターバイクの方が重量と溢れ出るパワーにより速度制御が難しい。そのためブレーキとタイヤに負担が行くからペースが怪しくなる。
その反面150~250という少ない排気量のマシンの方が重量的な負担が少ないからこそ突っ込んでいけるし速いという事がある。だが、上りでリッターに勝つためにはコーナーでブッちぎっているという事だ。この峠の頂上の前に存在する全開区間を抑え切ったという証明。それが本当ならば彼は相当な手練れだろう。
「一本どうっスか?上りでも下りでも!」
「揶揄うんじゃないよ」
「いやでもオニーサン自分からオーラ出てるって分かって無いっスよ。絶対速いって分かるっス」
「
──────ここで最速という自負。それを考えた途端、体が熱くなる。あぁ良くねぇよ。良くねえよな。熱くなっちまうなんて。
「上り、大観山まででどうかい?残念ながらこの後仕事があるんだヮ」
「良いっスよ!」
ニィっとわらった青年はそう来なくっちゃという顔をした。グローブに手を通し感触を確かめる。
「先行後追でどうっスか?チギられたら負け、最後まで後ろにいたら勝ち」
「それでいいよ。キミが先に行くかい?」
「いいんスか?チギっちゃいますよ?」
「チギられたらそれまでだったということさ」
空は明るくなり始め、山肌に陽があたり始めた。もう間もなく太陽も顔を出すだろうから時間的な猶予はこの一本。
同じ250ccで年式も似たようなものだ。パワー差、エンジンの違いは有れど条件はほぼイーブン。ヘルメットを被ってマシンに跨りスタンドを払う。変わらぬ鼓動を伝えてくるVT。まるでモーターのように回転を跳ね上げるRZX。先行した青年が手で合図を出し、それに倣って駐車場を出た。出てすぐのコーナーをゆっくりと立ち上がる。
────右ウインカー
右腕を動かして一気にスロットルを引き絞る。途端に回転を跳ね上げたVツインの力強い鼓動が体に伝わってきた。体が強く後ろに持っていかれる感覚に反抗して体をべったりとマシンに摺り寄せる。
甲高い音をこちらに叩きつけてくるRZXはまず小手調べと言った感じにあまりマシンを倒さず次のコーナーをクリアしていく。パワーもトルクもない250で上りの速度を保つためには、パワーバンドを外さないよう走らなければならないからエンジンはカチ回したままだ。15000回転を超えた甲高いフォーミュラカーのようなサウンドが激しく鼓膜を揺さぶってきた。
タイヤの感覚を確かめながら後ろに貼りついたままコーナーをクリアする。それで彼は相手にとって不足無しと読んだのだろう。
次のタイトな左コーナーはマシンを傾けると、膝を擦りながらガードレールの際を掠るようにコーナリングしていく。もちろんこちらもノった手前、こんな序盤でチギられたんじゃ話にならない。
VTを倒して、膝を掠らせながらガードレールをなめていく。風除けが効くぐらいの車間を保って後ろから青年の走りを観察する。
……速い。自分で最速というだけはある。750もリッターも食ったという話は嘘じゃないだろう。
ハマサキのRZX250というマシンの特性も理解してエンジンの回転を落とさないように走っているからパワーバンドを外さない。
ココのリズムも良く知ってる。2つのRが近い複合コーナーもうまく立ち上がって次のすぐに訪れる急な左にも対応してマシンを倒していく様は度胸も無ければ突っ込めない。
今の左の鋭いコーナーは道を知っている人間でも恐怖を感じる場所だ。先の見えないブラインドコーナーのうえ道が直線的な曲がり方をしているから、ちょっとでも複合コーナー立ち上がりから反応が遅れれば対向車線へはみ出して壁にドンだ。そうして何台も散っていったのをよく覚えている。
フルスロットルをくれて僅かに青年へ詰め寄った。コーナーからの立ち上がりは低中速域に強いVツインに軍配が上がるかどうか。
250の良いところはこの全開の没入感だ。
たったの250㏄だが、ワンミスで充分人間が死ぬような速度域。しかしブン回るエンジンと一体化するこの没入感はどうだ?こんなのはリッターや750という有り余るパワーをもつマシンじゃ分からない領域。
250にも、400にも、750にも、1000にもそれぞれ良いところがある。
狂っている自覚はある。歳を重ねて分かったことがある。分かるようになったことがある。
……それと同時に分からなくなったこともある。
熱い思いを抱くとか、そういったもの。煙草の煙で隠しては手遅れになって後悔する。昔は良かったとか、そういう事を言うつまらない大人。
───────
───────たとえ、あの夜、負けたとしても
速いが、まだ青年の乗り方は少し荒い。若く力があるからこそ、力任せにマシンを倒して捻じ伏せコーナーをクリアしていく。その証拠に終盤が近づいた今、ほんの少しタイヤがスライドするようになり始めていた。
それを見逃すほど、俺は甘くないつもりだ。
「いいねェ……」
青年の後ろに貼り付いて、プレッシャーをかけ続ける。タイヤの感触はまだあるから、立ち上がりで速度を乗せるためにわざとコーナーをワイドに回って、青年のミラーにこちらのヘッドライトが写り込むように位置取って煽り気味にコーナーを立ち上がった。
このコースの終盤、大観山に至る直前の長いストレート。お互いのマシンはフルスロットル、低く響くVツインと甲高く吼える4気筒のエキゾーストが絡み合った。
先行後追いルールでの
ゆっくりと横並びになっていくマシンに、青年と俺の目が合った。お互いスモークシールドで表情を伺う事はできないが、驚愕していることは確かだろう。
そしてこの直線の終わりにある左コーナーのみが唯一広く3車線分のスペースがある。だからこそできる芸当…!
全開から、裏向きの標識を目印にフルブレーキをかける…!フロントフォークが沈み込み、体は慣性に従って前に持っていかれそうなのを必死に押さえ付けた。
青年のマシンがほんの少し揺れた。ブレーキをミスって後ろのタイヤがロックしたのだろう。この年式の二輪にはABSなど装備されていない。ずるりと滑ったタイヤを立て直すためにスロットルを僅かに緩め、青年のマシンはラインを外した!
内が、開く────ッ
外に流れる青年のマシンを躱してラインをスイッチ、タイヤの端の際が潰れる感触がするがイケるとマシンが教えてくれている!
VTを倒して内を沿うとミラーとガードレールが掠り一瞬火花が出たが構わずに、次の右へマシンを振り返す。ミラーに映る青年のマシンを見て安堵しつつ最後の右コーナーをクリアして、左ウインカーを2度。スロットルを戻して大観山駐車場に入った。
熱くなり過ぎた体を冷やす様に革ジャケットの前を開くとともにヘルメットも脱いだ。足に感じるエンジンからの放熱、VTも自身を冷ますためにラジエターファンを勢いよく回していた。深く息をつくと後ろの青年もヘルメットを脱ぐ。
「オニーサン、鬼速いじゃないっスか……!先行後追いでぶち抜かれたの初めてっスよ……!」
「煽っちゃって悪かったョ」
「俺がそれぐらい遅かったってことっスよね……」
「いや速いよ。アレならリッターも750も食ったっていうのは嘘じゃないだろうしね」
然る所でちゃんとしたことを学べば、なお彼は速くなるだろう。今はまだ粗削りとで、とりあえず形になりましたと言ったところ。それだけに峠というステージで終わらせるのは少し惜しい。
「まだまだ憧れの人には届かないっスね」
「憧れの人?」
「そうっス。その人に影響されてハマサキに乗ってると言っても過言じゃないっス!」
何というか大型犬のような奴だ。人懐っこそうな笑みを浮かべて話す。
「ホンマに乗ってる人に話すのもアレなんですけど……。昔、ホンマが三連覇をしかけた事、あったじゃないっスか。最終戦の鈴香までもつれ込んで……まぁその、アイデルン・ラグナがああなっちゃったのは残念っスけど……」
「ッ……」
「だけどその時のハマサキ最速って言われてたライダーに憧れたんスよ。乗りこなすのが一番難しいって言われたハマサキのZR-10Xをあそこまで乗りこなして、最速の貴公子ラグナと対等に戦ってみせた日本人ライダー。……あれからWRCCに出ることはなくなっちゃったんですけど。最近レジェンドモータースで特集されてた新型のZR-10Xに乗ってテストしたのって、その人だと思うんすよね!」
憧憬の念を言葉に乗せて紡ぐ青年の表情に、どうも気持ちが追いつかない。ソイツは、
「気を悪くしたなら謝るっス……でも、俺の中で憧れてるってことは変わらないんスよ!オニーサンも走ってる人なら、あの人の走りの凄さ分かってほしいっス!それにアイデルン・リゲルがもう二連覇してて、今年はアレキが頑張ってるっスけど、やっぱりホンマを止められるのは一人しかいないっスよ!」
「買いかぶりすぎだョ。それにステージへ上がらなきゃ止めるも何も無いさ。周りはリゲルの三連覇を望んでいる」
「そんなこと無いっスよ!他ならぬリゲルが超えなきゃいけない男がいるってインタビュー記事になってるんスから!名前は出してくれなかったけど…絶対待ってるんスよ!」
あの男も律儀なことだ。いつまでも来るか分からない野郎の事を待ってインタビューにまで答えているのかと。
……溜息が漏れた。岡谷といいリゲルといい、なんでそこまで俺に執着するのか分からない。終わった男に何を期待しているんだ。
「悪いが、もう仕事に行かなきゃ間に合わないから失礼するョ」
「また、走ってくれますか?オニーサン」
「機会があれば」
「…それでいいっスよ。今度はオニーサンの本気も見たいっスからね?」
「本気だったさ、困るぐらいに」
「よォ」
「あれ?サカキじゃん!どした?」
「オイル交換頼めないかい?空いてなかったら自分でやるわ」
VTの走行距離がそこそこいったため、サクの店にオイル交換をお願いしに来ていた。トレセンへの通勤で使っている為ストップゴーが多く、ちょっとした距離がメインのためエンジンにはあまりよくない環境と言える。
たまに遠出をした時はきっちりと回す様に心がけているがそこは悲しいかな、多忙を極めるトレーナーという職種は遠出をする時間があまり取れない。そういう事にしておいてくれ。
「そういや、一人バイクが欲しいって言ってる奴が居るんだが」
「え?大歓迎じゃん!今度連れてきてよ!なんでも探してきちゃうよ!」
店の裏手にある作業場へVTを押していく。作業場にはバラされた何台かのバイクが並んでいて、レストアされているようだ。昔っからサクはこういったイジりが大好きで、俺の方は乗る専門だった。応急処置的な知識はあるもののここまでバラす度胸は無い。
「こっちもタイヤの消費が早いじゃん…。今度はどこ走ってるん」
「古巣をちょっとな。いい気分転換になるんョ」
「まートレーナーも色々あるってゆうしね?まさかサカキがトレーナーとは思わんかったけど」
ケラケラ笑いながらVTにスタンドをかけ、ドレンボルトを外すとエンジンから黒くなったオイルが流れ出した。結構汚れてんな…。サイクルが遅かったか?
……ふと裏手に停めてある1台のマシンに目が行った。特徴的な緑の車体に時代を感じる丸目2灯のフルカウル。RZX250が鎮座していた。
ん?見覚えあるぞ?このカスタム。というかほんの数日前に見たばっかりじゃねーか!?
「それ、売りモンじゃなんよ。この前雇ったバイト君のじゃんよ」
「は?バイト君?」
「ちょっち最近注文多くてさ。まあ何割かウオッカちゃんのサイン目当てだからウオッカちゃん様々っしょ。人手が足りんから募集掛けたら大学生でバイク乗ってるって子が応募してきてね。まさか自分で起こしたRZX乗ってるとは思わんかったけど」
え?バイト君…?
混乱した脳内を整理していると、表に一台のマシンが止まった。少しエンジンがバラついていて排気が安定していない。どこからか余計な空気を吸っていそうだ。
「店長ー!このパーフォア、キャブ辺りからエア吸って……あれ!??オニーサンじゃないっスか!!」
「…世間は狭ぇな」
「なん、ミサと知り合いなん?」
「店長!この前ブチ抜かれたって話したVTの人、この人っスよ!!」
「あー納得したわ、確かに勝てんわ」
「あのーサクさん?勝手に納得するのやめてくださる?」
日本は広いなって感じるのに、世間はめちゃくちゃ狭いってこと、あるよね?
「
いや、狭すぎない?